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2016年9月17日土曜日

ライターはダーウィニズムの原則によって煽りへと進化する

 
 分かりやすい文章を書くこつとは、調べないで書くことである。
 
 ∧∧
(‥ )調べないで書くと
\−  素人が犯しやすい間違いを
    犯して書くから
    素人の読者が鵜呑みにしやすい
    文章ができあがる
 
  (‥ )実のところ名の売れた
      ライターってしばしば
      こういうものなのよね
 
 
 例えば、進化論を批判しよう、というのも、そうした事例の典型だ。
 
 一般的に人間は、進化とは10=>15=>20と考える。
 
 ∧∧
( ‥)実際には系統は分岐するから
    むしろ
 
    00_01_11
     |  |_02
     |
    10_12_22
     
     のように進行する
 
  (‥ )素人は11と22を見た時
      11と22の中間の17が
      どっかにいるはずだ
      とか思い込むのだが
      実際にはそんなもの
      最初からいないのだ
      11と22の中間種は
      実は00なのだよね
 
 これは小難しい言い方をすれば、半順序を順序で理解するから起こる誤謬なんだろう。そしてこのような誤謬を犯してはならない、そう書いたのがダーウィンであり、種の起源の説明であった。
 
 だが、調べもしないライターはこう書き立てる
 
 進化論が正しければ11と22の中間種17が存在するはずである。これをミッシングリンク、失われた環と言う。ところがこれが見つからない。進化論はミッシングリンク17を発見できないので間違っているのである!!
 
 ∧∧
(‥ )でっ同様に調べもしない
\−  一般人にとって
    これが非常に腑に落ちてしまう
 
  (‥ )調べない素人が
      思いつきで疑問を述べて
      それをさも大発見のように
      書き立てる
      すると素人にとって
      分かりやすい文章が
      出来上がる
      これはありがちな
      ライター術なのよね
 
 もちろん分かったは、事実とは異なる。

 分かったを事実と思い込むからこういう誤謬がうまれるのだ。
 
 だがしかし、残念ながらライターはこれを理解できない。彼らはすでに”分かってしまっている”ので、分かった以上は自分が間違っているとは思わない。
 
 だって、自分が認識できていない自分の間違いを認識せよ、というのは無理難題であろう?
 
 さらにこのライター術にはもうひとつ大きな利点がある。
 
 ∧∧
(‥ )調べないから作業が非常に
\−  楽なのである
 
  (‥ )前も話したように
      ライターはどれだけ
      頑張っても
      年間4冊の本を書くのが
      限界であって
      一冊の原稿料が
      60万程度であるから
      4×60万で
      年収240万を原理上
      越えることができない
 
 ではどうするか? 

 収入が低いのなら支出を抑えれば良い。
 
 ∧∧
( ‥)つまり調べない
 
  (‥ )さらに調べずに書けば
      分かりやすい文章になる
      うまくいけば増刷だ
 
 原稿料が一冊あたり60万とは、増刷しなければの話である。
 
 もちろん増刷はそうあることではない。
 
 だが、調べずに素人な誤解をセンセーショナルに煽った本が売れたらどうなる? 実際その公算は高い。事実、世の中の売れてる本の多くはそういうものであろう?
 
 ∧∧
(‥ )すると年収240万の壁を
\−  突破することができる
 
  (‥ )必ずではないけどな
      少なくとも確率は
      高まるわけだよ
 
 調べないことで支出を抑え、無自覚に嘘を書いて収入を増やす。
 
 ライターにかかる淘汰圧とはこのようなものであった。
 
 つまるところこうである。
 
 ∧∧
( ‥)ライターという職業は
    調べずに思いつきで煽るという
    方向へ進化する
 
  (‥ )まあそういうことだ
      ネットのメディアも
      その方向へ進化して
      そこで落ち着いて
      しまっただろう?
      彼らは最適解に到達して
      もはやそこから
      出られないのだ
      どうにもならないんだよ
 
 
 もちろんこれは生物の進化とは違う。人間の個体が試行錯誤しながら最適な戦略を発見するという過程だ。
 
 だが、ダーウィンが打ち立てた自然淘汰という進化の原理原則からライターは逃れることができなかった。

 そして全員がこの方向へとなすすべもなく進化してしまったのである。
 
 そうしてできた最適解に飽和した世界、それがこの世界なのだ。
 
 記事を書いているそこのあなた。あなたは今、どんな戦略へと進化していますか?
 
 そして、どんな自然淘汰に負けてしまったのでしょう?

  
 これはhilihiliのhilihili: そうか君もカロリーには勝てなかったのかの続き
 
 
  

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