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2013年7月19日金曜日

知ってるガラクタにしか見えない人もいるだろう

 
 一緒に深海生物の本を作った編集の人が「深海展」へいってきたという。
 
 今、上野の国立科学博物館でやっているやつ。
 
 ∧∧
( ‥)我々は昨日、
    いきましたけども
 
  ( ‥)編集の人言ってたな
    ‐□ 本当に、ホテイエソには
      帯状に発光器があるの
      ですねって。
 
 ∧∧
( ‥)縦に見えるけど、
   たしか横縞ですよね
 
  (‥ )人間の横縞は胴体を
      垂直に切断するような
      感じで入る模様を言う
      でも魚と人間は
      体軸の向きが
      90度ずれてるから
      横縞は、いわば縦に
      入るのだよね。
 
 ともあれ、編集さんは感慨深かったらしい。
 
 ∧∧
( ‥)あなたも食い入るように
    見ていたじゃないですか
 
  (‥ )あの発光器はさ、
      小さいから通常は
      図示されないんだよね
 
 論文の記述や標本写真では知っていても、実際に見れば、おおーっと思う。
 
 
 ∧∧
( ‥)本を作ったからこそ
    見て分かる標本の特徴
 
  ( ‥)僕らは目の前のものから
      可能な限り、情報を
      抽出しないといけない。
      ただ、予備知識がないと
      抽出のしようがないの
      だよ。
 
 ∧∧
(‥ )一般の人はグロい標本を見て
\‐  興味津々ですよ
 
  (‥ )反対にそれなりに調べると
      知らないから興味津々
      なんてことはもうない。
      その代わりに、
      ああ、ここ、こうなって
      いるんだっ! と
      色々なことに気づける。
      編集さんの反応を
      聞いてると
      それがよくわかるね。

 本を作るってのは、こういうことかもしれん。作れば知識は頭に入る。そうすれば、それまで見えなかった色々なことが見えてくる。
 
 ああ、本当に顎が外転するんだ。とか、ああ、二次的な発光器ってここのことなんだ、とか、これが噂の腹の構造か! とか。
 
 ∧∧
( ‥)でも? どっちでもない人は
    不幸かもしれない、と。
 
  (‥ )すでに知っているから
      興味津々になれない
      しかし、知ってる以上の
      予備知識がないから
      標本から情報を
      抽出できない。
      標本はただの色あせた
      知ってるガラクタにしか
      見えない。
      それは、幸せって
      言うのかね?
 
 ∧∧
(‥ )まあ、自分は十分に知っている
\‐  それを信じることは
    幸せでしょう。

 
  (‥ )今度はいついこうかなあ
 
 

 
 
 

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