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2013年3月28日木曜日

実験星

 
 
 ドサディ実験星 砂の惑星の作者ハーバートが書いた小説。いわば”どこでもドア”が普及した世界。誰もが望む場所へすぐに行ける社会。誰でもすぐに、瞬時にいかなるものにでもアクセスできる世界。
 
 しかし、この時、気がついた人々がいた。
 
 ∧∧
( ‥)物事に即座に
    アクセスできる。
    それは任意の物事を
    完全に隔離できること
    に他ならない。
 
   (‥ )つまり、ドアでアクセス
       できないようにすれば
       ひとつの惑星を丸ごと
       隔離できる。それに
       気付いた人間がいた。
       そして、人々を隔離して
       何世代も実験を行う。
       そういう物語。
       
 
 瞬間的なアクセスが普及した世界で面倒くさい手段をとる人間はいない。
 
 つまり瞬間的なアクセスさえ遮断すれば、任意の場所を完全に隔離することができる。
 
 
 
 現実にこれを置き換えればこうである。
 
 いかなる情報にでも瞬時にアクセスできるネットが普及した今、ネットに接続できないようにすれば任意の情報を丸々、人々の目から隠すことができる。
 
 ∧∧
( ‥)いや、接続できていても
    いいのですよね。
 
   (‥ )さる人曰く、検索の上位に
       出てこない情報は
       存在しないことと同じ。
       ほら、彼は隔離できると
       述べている。
       情報を隠すことは、実は
       非常に容易な時代なのだ
 
 本に携わる仕事をする人でも、編集の中核にいないと、wikiで物事を調べ、確認しようとすることさえしない。そして、しかし、そのwikiは間違いだらけ。
 
 つまり、正しい情報を人々の目から隠すことは、むしろたやすい。
 
 ∧∧
( ‥)人によっては検索上位に
    こない情報は需要がない
    だから知る必要もない
    そう言うでしょう。
 
  ( ‥)だが残念。それが成立する
      のは人が検索上位にくる
      情報のみで行動する時
      だけなのだ。
 
 概してそうだ。だが絶えずそうか?
 
 いやあ、そうではない。
 
 ∧∧
( ‥)言い換えると、
    アクセスの障害を
    突破できるようになれば
    それは独自の仕事に
    なるのだと
 
  (‥ )検索上位にない、という
      ことは、確かに需要は
      少ないということだ。
      だが皆無なわけじゃない。
 
 ましてや、無限に続く活字による会話に人が呑まれたというのなら、教科書を読む人間でないとラノベや漫画を読まない時代だ、というのなら、本が相手にするのはもはやマイナーな需要でなければならない、そういうことでもあるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)本は情報を隔離する
    ツールである。
 
  (‥ )本は知識と情報の差別と
      格差を作るツールである。
      ならばやりようはある
      そういうことだ。
 
 

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