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2009年10月26日月曜日

オレ様理論の始まり

 
 オレ様理論屋さんは論文を読まない。教科書も読まない。英語は分からないと逃げ出す。あまつさえ、内容をオレ様に教えろと要求する。

 ∧∧
( ‥)それが1人、2人じゃないんですよね

    (‥ )なんかなあ、大抵の場合、オレ様理論屋って
        そうなんだよな。

オレ様、論文読みたくない、だからお前がオレ様に読め。

オレ様、英語読めない、だからお前がオレ様のために訳せ。

 ∧∧
( ‥)オレ様のために実験しろってのも
    ありましたよねえ。

    (‥ )オレ様の論文を英語に訳せっていった
        やつもいるんだよな。

 オレ様理論屋ってのはどうしてどいつもこいつも、いつでもなんでも他力本願なんだい??と思うのだけども。

 まあそのあたりの考察はともかくとして。

 いやさあ、気持ちは分かるんだ、気持ちは。

 ∧∧
( ‥)あなたも英語がたがたですからね

     (‥ )それでもどうにかせんといかんのよ。

 先日、届いた本はドイツ語だった。でもしょうがない。それしかないんだもん。なんでないんだか訳分からん。なんでもそのジャンルでは世界に6人しかいなくて(えっ?? そんな馬鹿な?? と思う)、1人、日本人が書いた本はもう絶版。今だに古書店では見つからず。

 ∧∧
( ‥)でも、それで弱音を吐いたら研究者からどんな
    評価をされることか。

     ( ‥)馬鹿、根性なしのレッテル貼られておしまいさ。

 研究者は必要となったら自力でロシア語だろうがオランダ語だろうがフィンランド語だろうが読むんだ、

たとえ言葉が話せなかろうがなんだろうが、ドイツにいって、身振り手振りだろうが何かする子だっているのだ(困った時はにこやかに微笑んで手を振ろう)。

 それが”日本にいて、しかも辞書があって、必要な情報がそれしかない状況下”で、僕ちゃんドイツ語わかりましぇーん、誰か訳してくだちゃい、では相手になんかしてくれるわけがない。

 というわけで、のっそりのっそり動くしかない昨今。こんな話を思い出した。

 ある場でのことである。これまたオレ様理論を展開した人がいた。教科書読めと言われて、なぜあなたたちはこの研究を無視するのですか!! この研究は明らかに獲得形質があることを示しているではないですか!! と力説。

 ∧∧
( ‥)でもその研究ってもう覆されていたんですよね

    (‥ )まーねー

 というか思った。ははーん、このおっさんは北村も知っている某ライターの本かなにかを読んだんだな? 論文も読まずにそのネタって言ったら彼の記事だろう。でもさあ、彼が書いてた当時に思ったけどさあ、そういうすっごいでっかいネタのくせに、”獲得形質の機構が想像不可能、いやむしろ単なる自然淘汰じゃねーの?”という状況下で、パラダイムシフトだとセンセーショナルに書き立てるのは感心しないよねー、と思っていたら案の定の結果。しかも今やおそらくはその記事を真に受けたばっかりに道を踏み外した犠牲者が目の前に!!

 ∧∧
( ‥)でもあなた、教えてあげませんでしたよね。

    ( ‥)誰かが教えて上げるかもって思ったのさ。


 ただ、その場に居合わせた数百人の誰一人として教えて上げなかった、というだけの話。たぶん、全員、ふーーーん? それで? と思っていたんだろう。

 ∧∧
( ‥)一応、聞きますけど、なぜ教えて上げないんでしょうね?

    (‥ )無駄だって分かってるからだろ?
 
 自力で調べない奴に何かを教えたって無駄。単なるくれくれ君になるだけだから。しかも身にならない。すべての努力が無駄になる。

 
 

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