自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2016年12月26日月曜日
冬山の円礫と接触変成とヤブタバコ
日付は変わってしまったが昨日25日は山に出かけたのであった。
クリスマスなのに
∧∧ 山だー
( ‥)
−( ‥)ホッホッホー
先日見れなかった溶岩とその周辺の地形を見に行くのだ。
本日の道のりは
まずO山に登り
それから峰伝いに
∧∧ 目的地へ回り込むと
(‥ )
−( ‥)前に言った
川沿いの国道で上がる
道筋だと
集落が点在するゆるやかな
谷を突っ切らないと
いかんのだよな
降りて登るのではなく、一気に登って、谷を囲む尾根を伝うように目的地へたどり着こうという目論みだ。それにO山にも用事があるのであった。
O山には丸い石が
∧∧ ありますからなあ
( ‥)
−( ‥)明らかに河原の石だと
思っていたけども
やはり調べれば
隆起した大地が
河川に削られ
山になっていく時
河川が残した礫だと
聞くな
例えば登り始めて994歩の場所の風景。山中に河原の石が取り残されている様は、よく見ればシュールである。
登りきった時、2010歩だったので、994歩ならばほぼ中間だ。
この山は町との比高差が
∧∧ 500メートルでしたな
(‥ )
−( ‥)単純に考えれば
町から250メートル上空に
未だに河原の石が残された
ままなわけだね
先日は雪だった。町ではなんとなく降って、少し積もってすぐに溶けた雪が、山ではそのまま残っている。
まあせいぜい3センチか
∧∧ 5センチだけどね
( ‥)
−( ‥)ああしかし日本海側からの
雲もかかってきたなあ
すべては雪ともやでぼんやり白くかすむ。
ともあれ、天気予報では晴れであるし、空にはなびくもやの向こうに青空が見える。そういうわけで目的地まで進む、進む。
我々より早く来ている人が
∧∧ 1人いますなあ
(‥ )
−( ‥)足跡が小さいのだよな
中学生でないのなら
女性かな?
実はこの人、自分と同じ登山道を登ってきた人だ。先に来て、そしてその人以外の足跡は山頂に無かった。自分が訪れたのは10時42分である。早朝来たとも考えにくいから前の日に登ってきたということであろうか? 足跡を見ると山頂をあちこち散策し、閉鎖された道路を200メートルは歩き、さらには自分がこれからいく、ほとんど知られていない遊歩道にも途中まで足を向けていたことが分かる。
かなり冒険心のある
∧∧ 人みたいですね
( ‥)
−( ‥)クリスマスのイブに
なかなか剛胆な
ともあれO山を下り、尾根伝いに進む。距離は直線距離でおよそ2キロなんだが、尾根に出るまで山を一旦降りること、尾根をうねるように進むこと、目的地の最期は薮の中を登って降りねばならなかったことで、結局、1時間40分あまりかけて目的地に到着。ここは海底の堆積物に貫入した安山岩がある場所だ。
落下した安山岩の柱状節理
風化して赤くなった面と、割れた新鮮な面の対比が印象的。
そうしてマグマに接触して変成したんじゃないか? と思われる泥岩
∧∧
(‥ )左の貝殻状の割れ口が
\− 変成した泥岩で
右の白っぽいのが接触した
安山岩?
(‥ )...と最初は
思っていたけども
帰って調べてみると
なんか怪しいのだよな
接触すると変成する。マグマが地層を破って貫入する時、その高温で周囲の鉱物の再編成が起きる場合がある。当然、鉱物から作られている岩石もその有様が変成し、別の岩石へと変わるのだ。
その接触変成を見たくてやってきて、これがそうかと思ったこの居場所。
しかし右側の白い岩。火山活動で作られた岩石には違いないのだが、さっきの柱状節理の安山岩と見た目が違う。
帰って調べてみると、どうもこの近辺では泥岩と火成岩が互いに重なり合っているらしい。つまり画面右側の白っぽい岩、これは柱状節理の安山岩ではなく、別の火成岩ではないだろうか? つまりマグマに貫入された方の側で、地層を作っていた火成岩。
∧∧
( ‥)だとすると
この泥岩と火成岩の
並びは
マグマと泥岩が接触した
場所なのではなく
単に
当時の海底にあった
異なる地層の境界線では
ないだろうか?
( ‥)異なる落石が隣り合って
−/ いるとかじゃないのよね
まあ実のところ
画面左の石自体は
落石なんだけども
左側が同質の泥岩なのは
事実なんだよな
なんだ接触変成を見つけたわけじゃないのか…。
∧∧
(‥ )と思ってみるも
\− ここの黒い泥岩はものすごく
固いのだよね
(‥ )貝殻みたいに割れるのだ
一方、少し離れた場所では
これぞ泥岩というものが
ぼろぼろに風化しておる
質も色もまるで違う。
∧∧
( ‥)これが本来の泥岩だと
いうのなら
先ほどの黒くて固くて
結晶が肉眼で見えず
特に構造を持たない
あの泥岩は
やはり変成しているのでは?
( ‥)んーまたいって
−/ 調べてみよう
いずれにせよ、冬至を過ぎたばかりの季節である。日は2時を過ぎると傾き、あまり長くはいられない。2時半には撤収。
こんどはバスで
∧∧ 来ましょうか
(‥ )
−( ‥)歩く方が好きなんだがな
今度はバスだなあ
歩きでは時間がかかり過ぎて
すべてを見切れない
後、なんだか妙にイバラが多い場所なのである。今度はイバラを安全に取り除く道具を持ってきた方が良いように思われた。
服や肌にささるわ
引っかかるわ
足や手元をすくわれるわ
∧∧ 生地をほつれされるわ
( ‥)
−(;- -)ジーパンの生地まで
ほつれさせやがる!
自然の恵みとか
言ってる連中の
気が知れないぜ
あだだだだだっ
自然は人類の敵だ!
もうみんなね
生存競争をかけて
あらゆる防御策を
抗じるからね
∧∧ 容赦無しですぞ
(‥ )
−( - -)帰り際の山道では
ヤブタバコにびっしり
種をつけられましたよ
もうべたべたですよ
帰りは目的地と町をふさぐ山を突っ切って帰る。
ところがその山道に生えるヤブタバコの大群。
ヤブタバコはタバコの名前と裏腹にキクの仲間なんだけども綿毛を使って散布しない。べたべたのヤニのようなもので種子を動物につけるのだ。
ジーパンがべったべたである。
まああなた
ヤブタバコには
∧∧ 好印象ですから
( ‥)
−( ‥)種をはらうのが
めんどくさいけどな
いわれなき
∧∧ イバラ差別
( ‥)
−( ‥)理由はあるがな
− イバラは痛い
ヤブタバコは
痛くない
それにしてヤブタバコのヤニ、なんとも言えない、妙な臭いのするヤニである。松やにと似ているがどこか違う。心地よいわけではないが、悪くもない。小さな山の頂上で町を見下ろしながらヤブタバコの種子をズボンから払い落とし、そうして帰った。
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