自己紹介

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2016年12月28日水曜日

人生棒に振るなら盛大に棒に振れ

 
 ∧∧
(‥ )今必要なのは
\−  技術の優位を作る
    研究者ではなくて
    経済の優位を作る
    起業家なのだ!
    という意見があるね
 
  (‥ )残念だけど起業家は
      格差を作るだけで
      富は作り出せないなあ
 
 amazonもgoogleも富を作ったわけではない。仕事を奪って金を集めただけで富を生み出したわけではない。
 
 実際、富を新たに生み出すには手が3つぐらいしかない。
 
 ∧∧
( ‥)太陽エネルギーを使って
    食料生産を行う農業を
    極限まで効率的にするか
    太陽エネルギーに代わりうる
    エネルギー源を発見するか
    金や銀のような貴金属の
    鉱脈を新たに発見するか
 
  (‥ )それを成し遂げたのは
      残念ながら起業家では
      ないのだよね
      成し遂げたのは
      農薬、化学肥料
      品種改良と農学と
      石油と内燃機関と地学だよ
 
 もちろん、以上の富の生産にも限界がある。
 
 というか人類は事実上、詰み手であると考えて良いだろう。
 
 ∧∧
(‥ )これ以上の農業生産の
\−  飛躍的増大は見込めず
    石油に代わりうる燃料は
    存在せず
    高速増殖炉は頭打ちで
    核融合には手が届かず
    内燃機関の熱効率追求も
    もはや限界
 
  (‥ )それでも富を集めるには
      軍事力なんだよな
 
 他国に特許使用料を請求できるのは軍事力で相手を威圧できる場合に限る。
 
 ∧∧
( ‥)そして軍事力の競合と
    維持には
    あらゆる技術力が必要である
 
  ( ‥)これまでの火薬と
    −/ 原理が異なる火薬を
      作ろうという
      提案があったけど
      あれは適切な化学式を
      発見するために
      大演算が必要で
      スーパーコンピューターが
      必要なんだよな
 
 そうして作られた火薬は理論上は既存の火薬を圧倒的に上回る。こんなものが実現されたら、何もかもが変わってしまうだろう。
 
 そしてそれに必要なのはスーパーコンピューター。
 
 スーパーコンピューターが2位じゃいけないんですか? と言ったのは現在の野党党首であるが
 
 ∧∧
(‥ )2位じゃいけないどころか
\−  国防に関する重要事である
 
  (‥ )というか歴史的には
      戦争が経済そのもので
      あったことを考えれば
      まさに経済戦争とは
      軍事力そのものなのだ
 
 相手の国を略奪して富をかき集めるという経済は、古典的に普通であった。つい最近まで、列強が実際に行っていたことである。
 
 ∧∧
( ‥)現在の列強はそれをするには
    経済や富の格差がなさ過ぎるし
    軍事の出費が多すぎるから
    やらないだけで
 
  (‥ )やらないだけでというより
      やれないだけなんだな
      経済戦争と軍事は
      別物ではなく表裏一体
      分けて考えちゃあ駄目だよ
 
 軍事力あってこその経済ぞ。そして技術力あってこその軍事力。
 
 科学を維持することに理念はいらぬ。恐怖と憎悪があれば良い。
 
 そして今の地球は列強がひしめく恐怖の世界。 
 
 ゆえに我らの未来において科学が放棄される心配などない。
 
 これは血を吐いて続けるマラソンであって、マラソンとは血を吐いて続けるものなのだ。
 
 これ以外の選択肢などありえないし、他の可能性はすでに閉じておる。
 
 だから、さあ続けよう。無限の憎悪と苦痛が続く未来を。
 
 とはいえ…
 
 とはいえ、人間の技術力はもはやブレークスルーを引き起こすことができそうになく、富を新造することもできず、ただ富が分散化していくこの地球。
 
 この世界において、科学技術に大量の投資をできる列強などひとつもないことも事実。
 
 ∧∧
(‥ )というわけで
\−   どこもかしこも大学は
     予算が足りず
     金がなく
     院生は未来と職がないと
     怒り嘆くのです
 
  (‥ )まあ、やむを得んな
      人類の歴史ではそれが
      普通であって
      そこへ戻っていくだけだよ
 
 今の我々は顎先まで水につかって歩く人間のようなもの。これは多分、過去の世界と同様の状況なのであった。

 わずかに水位が上がれば溺死するし、溺死させまいと下駄をはかせる予算もぎりぎりで、そもそもなけなしの下駄をはかせて、それで溺死寸前なのである。
 
 ∧∧
( ‥)どこの国もあっぷあっぷで
    さりとて競合を止める
    わけにもいかず
    溺死したり
    溺死しなかったり
    ぎりぎりのチキンレースを
    行うはめになる
 
  ( ‥)とはいえだ
    −/ 今のご時世に
       院生を選んだ人が
       自分の選択を棚に上げ
       予算の足りない世の中を
       憎むのはちょっと
       ずれてるかもな
 
 日本には日本の問題がある。

 どうもある時、誰かが決めたのだ。

 欧米に比べて日本は院生が少ない。だから院生を欧米なみに増やそうではないか、と。
 
 ∧∧
(‥ )問題は一気に院生を
\−  増やしたところで
    就職口があるわけないじゃん
    というところで
 
  (‥ )何年も時間をかけて
      院生卒業者がたまった
      欧米と
      数だけは日本も
      一気にそろえよう
      頭がいかれてるんだが
      やっちゃったんだよなあ
 
 という状況を聞いたのはもう何年も前である。5年前か、10年前か。
 
 そう言う問題点は、院生諸君らは何かしら聞いているだろう?
 
 それを知った上で院生になって、それから薄給で不安定で就職先がないことを呪われても、それはいかがなものであろうか?
 
 ∧∧
( ‥)分かった上で選んだだろうし
 
  (‥ )分からなくて選んだなら
      そりゃ世間のせいじゃなく
      自分のせいだからな
 
 一流の大学を出たのに、なんだよこの薄給は! と言ったところで
 
 ∧∧
(‥ )先を見る目があった
\−  同級生は
    一流大学にふさわしい
    就職先をまんまと確保して
    収入を手に入れている
 
  (‥ )同級生相手にだな
      今の愚痴をこぼせるか?
      そこが問われるのだ
      愚痴をこぼすのは
      まあ良いにしてもだ
      自分で選んだ選択を
      世間への呪いに変えちゃ
      駄目だよねえ
 
 酔狂で選んだ選択肢だ。どうせ棒に振る人生なのだから、盛大に棒に振らなければ駄目だろう。
 
 ∧∧
( ‥)あんたみたいにか?
 
  ( ‥)さてどうかな?
    −/ 皆に言う以上
       俺はもっと盛大に
       棒に振らないと
       駄目だよねえ
 
 さあ、どうしてみようか?
 
 
  

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