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2015年12月7日月曜日

ペルソナの皮を剥ぎ取らねばならぬ

 
 ∧∧
(‥ )町おこしに使われた
\‐  アニメというか漫画の
    ポスターが女性差別
    胸元強調
    セックスアピール過剰と
    いわゆる
    フェミニストの人に
    訴えられ差し替えに
 
  (‥ )だからフェミニストの
      ばばあ共は
      とか
      だから童貞非モテの
      オタク共は
      とか
      言いたい放題?
 
 ∧∧
( ‥)実際には
 
  (‥ )実際には
      単に怒っている人がいる
      それだけなんだろうな
 
 かつてある政治家であったか? 女は子宮で考える、と述べた。ずいぶん前の話だ。今ほどの騒ぎになることはなかった。覚えている人などほとんどいないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれを言ったら
\‐  男はチンコで考える
    そういうことになるのでは?
 
  (‥ )より露骨に言うとな
      女は卵巣で
      男は精巣で考えるわけよ
 
 つまり、単に怒れる人がいるだけなのだが、怒れる人に男女がある限り、その怒りには卵巣の怒りと精巣の怒り、この2種類が存在することになる。
 
 
 ∧∧
(‥ )困ったことに
\‐  卵子と精子は戦略が
    まったく違う
    むしろ正反対
 
 *精子は作るのが簡単だから、種を分散させる方が望ましい。要するに浮気性である。これは女性の利益に反する。

 **卵子は作るのが大変で投資が多い。その分、魅力的な存在でもあるので寄ってくる相手は多い。これゆえに相手は慎重に見定めないと大変なことになる。だが同時にそれは女性が托卵する可能性も示している。これは男性の利益に反する。
 
 この二つの戦略はまったくの正反対で、互いの利益が相手の不利益になっている。男女が殺し合うのは当然。
 
 
  (‥ )つまりだ
      怒っているから
      対立は激高し
      戦略が違う以上
      話し合いは物別れだ
      大げんかになるのは
      道理だよな
 
 それにしても、人が怒るとはなんであろうか?
 
 昔、フェミニストの...いや、あのような人物をフェミニストと言ってはいけないであろう。
 
 ともあれ、彼女は怒って言うのである。

 髪の長い女はさ、仕事が終わったら男漁りにでかけるからさ、定時になったらさ、ふわーっと長い髪をなびかせてさ、みっともない化粧をして町へ出かけるのよ
 
 ∧∧
( ‥)...それ
   うらやましいんじゃね?
 
  ( ‥)彼女は
    ‐/ なぜ怒っているのか?
       人が怒るのは
       奪われたか
       与えられなかった時だ
 
 彼女は、天から与えられなかった。残念だが、魅力的ではなかった。

 すべては遺伝的に決定されていた。
 
 いたが...、彼女の怒りは容姿だけでなく、彼女の表情をくもらせた。表情は筋肉を固定する。この意味、女性なればより深刻な意味を持つこと、理解できるであろう。
 
 そして彼女が魅力的な女性に向ける恨みの目は、結果的にはそういう女性を選ぶ男に向けられたものと考えても良いだろう。
 
 つまり、彼女の怒りとは、自分を性的に好意的に見てくれない男たち、そして自分を選んでくれなかった男たちに対する恨みではなかったか?
 
 ∧∧
(‥ )でもこれと同じことを
\‐  男女を変えて
    男の人でも言う人いるよね?
 
  (‥ )男でもいるし
      男のオタクでもいるな
 
 つまり、オタクやフェミニストが先ではない。男女が先ですらない。男女の違いは怒りの違いを生み出す経過にすぎぬ。
 
 ∧∧
( ‥)怒りの本体は
    オタクよりも
    フェミニストよりも
    ずっと下
    男女よりもさらに下層
    はるか底の世界に
    根ざしたものである
 
  (‥ )なぜお前たちは
      私を選ばなかったのか?
      そこだな
 
 以前、初音ミクなんかに夢中になっているオタク気持ち悪い。ああいう連中がいるから私は...とかそんなことを言っていた女性がいたけども。
 
 ∧∧
(‥ )真面目に考えると
\‐  奇妙な怒りなんですよね
    あなたが軽蔑している
    ”初音ミクに夢中なオタク”が
    突然ミクさんを捨てて
    あなたに寄ってきても
    嬉しくないでしょう?
    という疑問
 
  (‥ )あのぶどうは
      酸っぱいに違いない
      そう吐き捨てた
      キツネのように
      使い道のない資源に
      怒り狂うのは
      合理的ではない
 
 
 だがこれが、自分が本来持ってしかるべき、奪われた権利と尊厳と誇りを取り戻そうとする戦いであるなら、どうか?
 
 つまりそれは合理ではないのである。身を焦がす渇望だ。これがかなわねば自我が崩壊してしまうような渇望。
 
 あるいは反対に考えてみよう。
 
 例えば、

 年下の女性に母性を感じるバブみ。

 なんとみっともない。だがみっともないとは価値判断にすぎぬ。それを剥ぎ取れば、そこにあるのは、彼が望んだが、しかし彼に与えられなかったものを示している。
 
 与えられなかったものを望み欲する。それは当然。
 
 しかし、バブみは女性から見れば彼女らの権利の剥奪でもある。小さく幼いお母さんである女性。そんなものを渇望された時、女性の立場は木っ端みじんに破壊されてしまうだろう。バブみは女性の権利への挑戦だ。
 
 しかし反対に、怒れる女性がバブみや初音ミクを抹殺しようとする試みは、男性の権利への冒涜であり、蹂躙となろう。
 
 ∧∧
( ‥)かくて怒れる男女が
    殺し合いを始めると
 
  (‥ )思うにだな
      怒りの根源は同じなんだ
 
 なぜお前は私をセックスの対象として認識しなかったのか? 
 
 あまりに下品な言い様ではあるが、生物である以上、セックスの対象に選ばれないとは、死刑宣告に等しい。ゆえに、この生々しすぎる事実から下品であると目をそむけることはできぬ。ここには命のやり取りがあるのだ。
 
 そして、追いつめられた獣は猛烈な反撃を開始するであろう。かようにこの立場に立たされた人が怒りだすこと、それは当然。
 
 
 ∧∧
(‥ )だけど怒りが共通でも
\‐  男女の戦略と利益の違いは
    すれ違いと対立を生み出す
 
  (‥ )でっ
      それらがオタクだの
      フェミニストだのっていう
      皮をかぶるから
      訳分からなくなるの
      だろうな
 
 
 それゆえ、顔にまとったそのペルソナの皮を剥ぎ取らねばならぬ。

 すなわち、これが必要とされることであった。

 
 
 
 
 

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