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2010年1月31日日曜日

その原因を証明するという公理を以下略

 
 ビリヤード台の上で、ビリヤードの球ボールBをボールAにぶつけた時に、ボールAが動き出した原因はボールBであり、その結果、ボールAが動いたことを証明せよ。

 人によってはこの問いに対して「エネルギー保存の法則から以下云々」と言うのだけども

 ∧∧
( ‥)実際、今日、その話を人に振ったら
    そういう返事が返ってきましたよね
    それじゃいけないんですか? という具合に

     (‥ )だめでしょうね、そもそもエネルギー保存の法則は、、、
         という話をしているうちに迂闊にも
          そこで気がついたのだが。

 ある事例A〜Zを観察して得たデータからおよそこれで説明できるだろう、そういう法則を導いた。

 ∧∧
( ‥)でっあるからして、そもそも法則というものは
    演繹で導かれたものではないですね。

     (‥ )まったくもってそうではないね。
         法則は証明でもなんでもないんだよな。
 
 まあ、これ自体はすぐに分かることである。

 例えばの話、六角形の内角の和は?

 ∧∧
( ‥)六角形の中心から各頂点に線を引いた場合、
    三角形が6つできる。そのうち、中心を構成する角は
    全部で360度である。
    そして三角形の内角の和は180度である
    ゆえに、六角形の内角の和は6つの三角形の内角の和から
    中心の360度を引いた値であり、
    180×6ー360=720となりますね。
 
     (‥ )我々は三角形の内角の和が180度であることを
         すでに証明しているからできることであるね。

 ところがだ、ここでこんな解答を書いたやつがいるとする

:三角形Aの内角の和は180度である、BもCも同様
:ゆえに三角形の内角の和は180度である
:六角形の内角の和は以上のことからして720度である

と書いた場合。

 ∧∧
( ‥)ペケですね。

    (‥ )駄目だな。

 とまあ、これと同じ理由で「エネルギー保存の法則に従い、ボールAが動いた原因はボールBである」という論証は証明とは言わない。イ〜ロの事例からこのような法則があることが分かった、そのことから考えるとイ〜ロではない事例、AとBは・・・という論証は証明とは言わない。

 とまあ、こういうことはすぐに気がつくことなんだけども

 ∧∧
( ‥)相手の人も気づいてましたね

    (‥ )ああ、法則ってのは全部の事例を調べなくちゃ
        証明にはならないのか、って言っていたからなあ。

 でもここで迂闊にも気がついた。そもそもエネルギー保存の法則で原因と結果を証明できると言うのは、以上のうんぬん以前に間違いなんだよな。

 ∧∧
( ‥)なぜに?

    (‥ )エネルギー保存の法則を打ち立てる時に、そもそも
        αをしたら結果ωを得た、と仮定しているわけだよね。

 ようするに最初の段階で異なる事例αとωは原因と結果であるとしている。

 ∧∧
( ‥)その2つの事例が原因と結果であることを
    そもそも証明せよ、というわけですか。

    (‥ )つまりエネルギー保存の法則から原因と結果が、、
        という論証は

証明していない事柄の枚挙から打ち立てた法則なるものを用いて、これまで観測されていなかった新しい事例を証明できると主張すること

 ∧∧
( ‥)ということになりますね

    ( ‥)そういうことになっちまうよなあ。
        ようするに論理に飛躍がありすぎて
         証明でもなんでもないんよね。

 相手の人も当然気がつきました。

  さてもさても思う。こういうことを踏まえるに、論理的であればそれでいいって言う人たちの論理って、それはなんだろうかねえ。彼らは原因と結果を理解しているんだろうか? それともなんとなく、てきとーっなことを言っているだけなのか。
 

 

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