自己紹介

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2016年11月28日月曜日

我こそ一服やってるナビゲーター

 
 ∧∧
( ‥)なんだ
    お疲れモードだな
 
  ( ‾□‾)…..
 
 資料を探して箱を開けて、それを閉じて、箱を開けて資料を見つけて箱を閉じて。
 
 ∧∧
(‥ )案外疲れるものだな
\−  取りあえず資料は
    そろったぞ
 
  ( - -)あーなんでだろ
       山登りより疲れてる
 
 ともあれ
 
 思考なんてどうでもいい。試行錯誤こそが解探索。つまりどれだけ多くの手を打てるか? それが勝負の分かれ目だ。
 
 ∧∧
(‥ )次の一手を思いつくには
\−  確かに思考も必要だろうけどね
 
  (‥ )でも次の一手を思いつく時
      それは思考というよりは
      本当にただの思いつきとか
      ひらめきだからな
      熟慮ではないのだ
      熟慮すれば
      道が開けるってのは
      馬鹿の現実逃避だよ
 
 とはいえ、思考などという空理空論を振りかざす賢しい連中が、そういう馬鹿の現実逃避をしたくなるのも当然なのだ。
 
 自分が思いついた一手は成功するに違いない、そう思い込まねば一歩も前に進めぬであろう?
 
 未知の領域とは、それがほんのわずかなものであっても、その一歩は絶えず恐ろしいものなのである。
 
 その時、

 俺はこう考えた、だから俺の次の一手は成功するはずだ

 そう理論武装することは必要だろう? 

 我と我が身を騙さずにはやっていけぬであろう?
 
 ∧∧
( ‥)でっ?
    あんたの次の理論武装は
    一体なんだ?
 
  ( ‥)紹介する生物を半分の
    −/ 14にまで減らす
       その代わり説明文は
       2倍だ
       場合によっては
       4倍、5倍
 
 編集者は紹介する生物の数を多くしたがる。
 
 盛りだくさんの方が読者も喜ぶだろう、ということなんだが
 
 ∧∧
(‥ )紹介する生物が多くなると
\−  説明文を短く圧縮しなければ
    いけなくなる
 
  (‥ )そうするとな実は
      読者の脳がパンクして
      しまうんじゃないか?
      そういう懸念だな
  
 じゃあ数を半分にして、代わりに説明を間延びさせれば?
 
 ∧∧
( ‥)つまり引き延ばすわけだ
−  − こう
    びよ〜んと
 
  (‥ )実際、書いてみたら
      5300文字になったよ
      これまで1200文字
      だったものが
      今度は5000越えですよ
 
 ∧∧
(‥ )これをこれまでの
\−  1200文字にすることは
    できる?
 
  (‥ )できるね
      ただ要点が圧縮された
      難解な文章になる
      だろうなあ
 
 そもそも5300文字と言えば、普通にしゃべって8分程度の内容だろう。 
 
 つまり5300文字で説明を書いた、ということは、8分のスピーチで自分の書いた内容を相手に理解させられるか? という問題である。
 
 ∧∧
( ‥)可能か?
 
  (‥ )無理だろ?
      説明自体は可能だが
      そもそも8分で
      自分の知らない名詞と
      概念を把握できる
      聞き手なんていないよ
 
 だが、1200文字よりははるかにましだ。
 
 ∧∧
(‥ )1200文字と言えば
\−  せいぜい2分程度の
    スピーチですかね?
 
  (‥ )8分だと説明はできるが
      聞き手は良くわからない
      だな
      でもそれは当然だ
      だけど2分だったら
      説明は要点の羅列であり
      聞き手はまったく
      分からないだろうなあ
      これは駄目だよね
 
 5300文字を1200文字にしてしまおうというのは、鈍器で相手の頭部を殴ることに相当する暴力となろう。
 
 別に読者を撲殺しまくっても良いだろうけども、あいにく、本は凶器として買い求められるものではないのだ。
 
 ∧∧
( ‥)つまりあなたがやろうと
    していることは
     本の内容をこれまでの
     半分にしてしまおうって
     ことなのだな?
 
  (‥ )本当は4分の1ぐらいに
      したいのだけどな
      今の人間に
      50ページ以上
      3万5000文字を
      越える本を読む力はない
      時間も気力も
      それに割ける
      経済的余裕もないだろ
 
 デフレの状況下、しかも臨界にたっして相転移を起こしているのではないのか? という昨今である。

 今の人々に背伸びをする余裕はないし、俺様はこんな難しい本を読めるんだぜ、という馬鹿のやせ我慢すらできぬだろう。誰も彼も、今やそこまで追いつめられていると見るべきだ。
 
 もともと読書は脳というカロリー消費の高い器官を酷使する行動なのである。ちょっと経済の条件が厳しくなるだけで、読者というやせ我慢集団はたちまち大量死を遂げてしまうのは当然。世界は極めてシビアな条件の元で均衡を保っていたと見るべきで、それは容易に崩れるし、事実として崩れた。そうではないか?
 
 なれば、経済の状況が改善されるまで、2分の1、あるいは4分の1に薄めた本を出すべきだ。
 
 ∧∧
(‥ )...うまくいきますかね?
\−
 
  (‥ )さあねえ
      まあやってみれば
      分かるさ
 
 ∧∧
( ‥)でもあなたとしては
    次のこの一手がどうなるか
    もう分かっているんでしょ?
 
  (‥ )失敗するさ
      うまくなんかいかないよ
 
 そもそも売れる本はわずかであるし、なぜ売れたのか作り手でも良くわからないことが多い。

 つまるところ、この複雑系において未来予測も、因果関係の特定も、経験に基づいた戦略にも意味はない。
 
 ここではすべてに意味がないのだ
 
 ∧∧
( ‥)それでもなお
    未来予測をでっちあげ
    因果関係を断定し
    経験に基づいたと称して
    信じてもいない戦略を
    立てるときたもんだ
 
  (‥ )知らんか?
      間違った仮説でも
      役立つし
      人間には嘘でもなんでも
      航行士が必要なのだ
      かつては星占い
      現在では
      グローバル化戦略だの
      ロジカルシンキングだの
      こういう現代の占いに
      阿呆共がぞろぞろ
      群がってるだろ?
 
 そうとも、人間には航行士が必要なのだ。ギルドナビゲーターのように麻薬をやって行き先を示し、未来を駈ける能力者たちが。
 
 ∧∧
( ‥)それ以外に
 
  (‥ )行き先無しよ
 
 
 だから飛ぼうぜ
 
 ∧∧
( ‥)せめて楽しくな
 
  (‥ )つまらねーことは
      やりたくないからな
 
 
 
 ああ、でもあれだ。1200文字を5300文字に展開するのは、快であった。
 
 
 
  
 
   
 

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