さあいこうではないか、認識無き灰色の世界

　
　∧∧
（‥　）安倍さんが就任前の
＼−　　トランプさんに会ったことに
　　　　すこしせっかちすぎると
　　　　民主党が批判
　
　　（‥　）当選確定した途端に
　　　　　　日本株を軒並み
　　　　　　下落させるような
　　　　　　人物相手の会談に
　　　　　　せっかちもへったくれも
　　　　　　ないと思うけどな
　
　∧∧
（‥　）多文化共生と差別反対
＼−　　自由と民主主義万歳！　と
　　　　目をキラキラさせながら
　　　　言っていた人々が
　　　　トランプ当選の途端に
　　　　暴力と暴動の姿を
　　　　見せつけたことに
　　　　ショックを受けた人多数
　
　　（‥　）ああでも
　　　　　　あの手の人の行動は
　　　　　　そんなおかしくないと
　　　　　　思うんだけどね
　
　まず人間は自分の利益を最大化することを考える。どんな時、どんな状況でもだ。
　
　しかし人には面子と建前があり、それゆえにしばしば、これはあなたのためなのだ！　というお題目を使う。
　
　∧∧
（　‥）これは私のためではない
　　　　これはあなたのためである
　　　　こういう建前と言葉で
　　　　自分の欲を最大限に
　　　　徹底的に追求する
　　　　これが人間である
　
　　（‥　）利他行動は
　　　　　　偽装されたエゴイズムだ
　　　　　　ということなんだが
　
　こう言うと、ああようするに民主主義者たちは敵国のスパイで売国奴なんだろ？　金もらってるんだよねww　と受け取る人もいる。
　
　いや、それは正しくない。

　実のところ、他人のためになにかする。その行動が偽装である必要はないのだ。むしろ本気そのままで十分なのである。
　
　∧∧
（‥　）他人のために自分をなげうつ
＼−　　本物の利他行動で
　　　　自分のエゴイズムを最大限に
　　　　追求することは可能である
　
　　（‥　）こういうとまるで
　　　　　　魔法とか裏技のように
　　　　　　聞こえちゃうけど
　　　　　　実はもっとくだらない
　　　　　　どうでもいいこと
　　　　　　なんだよな
　
　それに非常にあからさまでもあるのだ。
　
　実際、多文化共生主義とか民主主義とかを他人より大声で言う人は、これを大声で言える俺様すげー、と自慢しているであろう？
　
　∧∧
（　‥）私はこんな素晴らしい
　　　主義主張を大声で言える
　　　それはあからさまに
　　　自分のようではない他人を
　　　馬鹿にしきっているのである
　
　　（‥　）ああだからほら
　　　　　　よく聞くじゃないか
　
　男女平等とか多文化共生とか格差社会を是正しようとか、それはいいよ？　でもさ、そういうことを率先して言い立てる人に限って、なんで、

　馬鹿なオタク共め！

　とか、

　ああ、あんたたちは貧乏だからネトウヨになるんだね？？　

　とか他人を馬鹿にするわけ？
　
　こういう愚痴や苦言は良く言われることであろう？
　
　皆は不思議がっているのだ。なぜ差別反対と言う人々が、他人を口汚く罵り、差別するのか？　これは矛盾ではないのかと。
　
　∧∧
（　‥）実は矛盾でもなんでもなくて
　　　　例えばそもそも
　　　　差別反対とは
　　　　差別自体が目的なのだと
　
　　（‥　）差別反対を訴えている
　　　　　　俺様は上級市民で
　　　　　　そうでないお前達は
　　　　　　劣等人種だ
　　　　　　そういう主張だと
　　　　　　思えば良い
　
　そんな馬鹿な！　そうでない人だっているはずだ！　そう怒る人もいるであろう。
　
　もちろん、そうでない人もいるのは事実だが、そうである人がいるのも事実なのだ。
　
　そうでない人もいる、という反証では、そうである人がいるという困った現実を否定できない。

　そして今注目すべきは、そうでない人のことではない。そうである人のことなのである。
　
　∧∧
（　‥）でも以上の指摘を受けて
　　　　もっと正しく言い直しては？
　
　　（‥　）ああそれなら
　　　　　　こう言えばどう？
　
　困ったもんで、人間の中には差別する目的で差別反対を訴える人間がいる。
　
　具体的に言うと、差別反対を掲げる俺様は上級市民。そうでないお前達は全員劣等人種。このような階級差別をするためにこそ、あらたな階級差別を作り出し、自分がちゃっかり貴族におさまることを目的として差別反対を訴える人間がいる。
　
　端的に言うと、人間は非常に創意工夫に富んだ動物なので、差別反対を差別の道具として、ひいては自分の地位を高めひけらかすために使う者がいる、と。

　創意工夫に富んだ人間にとって、差別反対は差別のための道具だし、格差社会反対は格差を作るための道具であるし、多文化共生は他者の排除と抹殺のための道具となりうる
　
　そしてその究極的な目的とは純粋なエゴイズム。自分を貴族とし、他人をすべて奴隷におとしめ、皆の名誉と富を奪って自分のものとすることなのだと。
　
　事実、連中はあからさまに他人を馬鹿にしてるだろう？　ほら、連中はすでに己の欲と利益を確保しているじゃないか。
　
　∧∧
（‥　）こう考えると
＼−　　共生と寛容と平等を
　　　　訴えていた人が
　　　　排除と非寛容と差別と
　　　　暴力に走ることが
　　　　説明できる
　
　　（‥　）しかも敵勢力から
　　　　　　金をもらっているとか
　　　　　　そういう陰謀論に
　　　　　　頼る必要もない
　
　陰謀論は物事を説明できるが、現実的でないのだ。金を渡すとしたらあまりにも予算が多すぎるし、スパイがいるのは世の当然ではあるが、すべてをスパイだとするとあまりに数が多すぎる。
　
　∧∧
（　‥）全員がスパイなどではなく
　　　　もともと
　　　　そういう人たちがいて
　　　　そういう無数の人の中から
　　　　一部の人が工作員やスパイに
　　　　なるってのが現実的ですかね
　
　　（‥　）つまり順序が逆なんだ
　　　　　　スパイが先ではなく
　　　　　　人が先なんだな
　　　　　　そして人が先であるなら
　　　　　　人は最初から利益を
　　　　　　手に入れていたと
　　　　　　考えなくちゃいかん
　
　だから次のような説明が妥当であろう？　
　
　人は利己的な目的でないと動かない。
　
　だから利他的な行動で利己的な目的を達成しようと考える人間が出てくる。

　だからどうしても
　
　差別反対を差別の道具にする人間が出てくる。

　多文化共生を排除の道具にする人間が出てくる。
　
　格差反対を格差の道具にする人間が出てくる。

　寛容を非寛容の道具にする人間が出てくる。
　
　民主主義を暴力の言い訳にする人間が出てくる。
　
　彼らの主張は単純だ。
　
　差別の無い、多文化共生の社会を築き、格差をなくし、寛容と民主主義の理想郷を作り出そう。それを支配するのはそうした主張を行う我々だ。
　
　彼らのその目的もごく単純だ。
　
　素晴らしい我々でないお前達は劣等人種であるからお前達の富と名誉を私によこせ。
　
かように、利他的な行動で利己的な目的を達成するなど、造作も無い。そもそもこれはあなたのためなんだから！！　という言い訳でごり押しする人間は、誰でもうんざりするほど見てきたであろう？　

　そしてそれを言う彼らが、あなたよりも多くの利益を手にしていることも見てきたことであろう？
　
　つまりこれはありきたりな、くだらないことなのだ。
　
　∧∧
（‥　）それを考えると
＼−　　トランプさん当選で
　　　　怒り狂っている人たちは
　　　　別におかしくないのだと
　
　　（‥　）いやだって
　　　　　　俺たちは素晴らしいぞ
　　　　　　俺たちから見れば
　　　　　　トランプみたいな
　　　　　　差別主義者は劣等人種さ
　　　　　　やっぱ俺たちが貴族だよね
　　　　　　そう思っていたのに
　　　　　　その構図が覆された
　　　　　　そりゃ怒るに決まっとる
　
　それは自分たちが素晴らしい、という枠組み、それ自体が崩壊することなのである。
　
　それは自分たちが持っていた優良株が、今日から紙くずです、と言われたのと同じことなのである。

　それは目の前の肉を奪われた犬と同じような状況なのだ。怒り狂うのが当然だ。それは動物的な本能で恥ずべきことではない。人間は動物にすぎず、腹が減れば飯のことを考える。人の意識は胃袋の単なる投影であることを忘れてはいけない。
　
　
　∧∧
（　‥）でっ？
　　　　そういうあなたは
　　　　利他主義の仮面で
　　　　どんな利己主義を追求し
　　　　どんな批判で自分を
　　　　貴族にしようというのだ？
　
　　（‥　）俺は頭が良くないからな
　　　　　　良くない人間が
　　　　　　最高峰に立ち
　　　　　　王になる世界が必要だ
　　　　　　だったら答えは
　　　　　　明白だろう？
　
　自由の女神などというあばずれを殺し、その顔の皮をはぎ、無貌混沌の神に作り替え、この地上に君臨させる。知性あるものをこの地上から抹殺し、プラトン主義者を根絶やしにし、彼らの死体で王都を築く。かくて知性は地球から消滅し、知性無き解探索だけがひたすら進行する。意識も自覚も、認識さえも失った、果てしなき無限広大の大演算が渦巻く世界。私はその世界の王になろう。
　
　∧∧
（　‥）自覚もないのに？
　
　　（‥　）あっぱっぱー
　　　　　　人の行き着く先は
　　　　　　崩壊と無我だ
　　　　　　つまり自我喪失こそが
　　　　　　我らの必然
　　
　さあいこうではないか、認識無き灰色の世界。