自己紹介

イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック

2013年2月28日木曜日

新人を消耗せよ 新人により摩耗せよ

 
 
 しばらく外国へいっていたその人は、ひさかたぶりに帰国して言った。
 
 テレビがつまらないの。芸人がなんの芸も見せないの。みんなが、あはは、あはは、ってわざとらしく一斉に笑っているだけで、まるで見ている自分も一緒にこれを面白がらなくちゃいけないような、それを強制するような不安な内容。
 
 ∧∧
( ‥)若手芸人がぎゃーぎゃー
    騒いでいるだけ、そう
    揶揄される状況はやはり
    外国帰りの人にとっても
    そうだった、というわけ
    ですか
 
 ( ‥)テレビという娯楽がネットに
   –/ 浸食されるこの時代、
      若手芸人は人件費が
      安いから、
      次々に使い捨てられる。
      以前からそういう傾向は
      あったし、そうした
      予測もできることなんだけど
 
 *聞くに芸能人は駆け出しと有名どころとでは支払われる賃金がまるで違うという。このように格差が非常に激しいということは、テレビ局に金がなくなれば、駆け出しでまだ売れておらず、しかし、仲間の芸人たちから面白さで抜きん出た者を安く使うようになるだろう。そして、その芸人の知名度が上がり、支払うギャラが高くなれば切り捨て、次の安い芸人(獲物)を探すだろう。この場合、若手芸人たちはただ消費され、使い捨てられる存在になる、ということ。
 
 
 ∧∧
(‥ )2010年4月4日の
\–   カキコで、あなたも
     そういうこと書いてますね

 =>hilihiliのhilihili: 緩慢で引き延ばされた崩壊を
 
  (‥ )ふと思い出して、
      若手、芸人、hilihiliで
      検索をかけたのだ。
      ああ、しかしだよ、
      若手芸人の消耗的起用、
      それ自体がTVを
      さらにつまらなくさせる
      原因になることまでは
      予想外だったなあ
 
 ∧∧
(‥ )一応、TVがつまらないのよ、
\–   という証言は引用してます
     けどもね
 
  (‥ )でも、この文脈は
      金がない、という原因から
      2つの結果、すなわち
      :つまらない
      :若手芸人の使い捨て
      が起こるという言い様
      だよね?
 
 若手芸人を消耗し続けること、それ自体が面白さを摩耗する原因になるだろう、とは書いていない。
 
 ∧∧
( ‥)予想外ですか
 
  (‥ )というか、そこまで
      頭が回らなかった。
      予想すべきことなんだが
      面目ない。
 
 ∧∧
(‥ )なんでこうなるんでしょうね?
\–
 
  (‥ )んー。若手たちから抜きん出た
      時点で、その人は面白い、
      あるいは人気があるはず。
      つまり次々に人材を
      消費するだけでも
      面白さは持続できそう
      なのだけどね。
 
 でも、考えてみれば、その面白さは、流行の、その時に受けた、という、断片的なもの、その累積でしかなくて。
 
 ∧∧
( ‥)芸の円熟とかではない
 
  (‥ )でっ、安定してそこそこ
      面白い人は人件費が高いから
      切る。削る。だとしたら
      全体の質が下がるのは
      当然かな。
 
 実際、その時々の断片的な面白さを累積させるのなら、素人の集合であるネットで十分代用が効くんである。素人の集合に勝てないのなら、そんなもの芸能人などとは言えない。
 
 ∧∧
(‥ )2010年にカキコをした
\–   その少し前の時期、
     お笑い芸人というと、
     一攫千金を夢見る若者が
     目指す夢のある職業では
     なかったでしたっけ?
 
  (‥ )うろ覚えだけど、そんな
      雰囲気一時期あったよな
 
 摩耗的な消耗戦で夢は消えた、ということだろうか?
 
 
 *ちなみに先のリンク先にある言葉、「彼らはそうする気だ、という意見」 とは、さる場所である人が語った内容に由来している。もう少し詳しく話すとおおよそこんな内容。
 
 「テレビ局の上の人たちと会ったけども、あの人達、自分たちの会社や業界の未来のことなんか全然考えてない。コンテンツも全部見捨てる気だ。自分たちだけは定年退職で逃げられると考えて、責任を取らず、決断もせずに逃げる気ですよ。」
 
 ∧∧
( ‥)一証言でしかないですが
    まあ、その選択肢自体は
    当然でしょうね
 
  ( ‥)業界と心中するなんて
    –□ 馬鹿のやることだからな
 
 本来なら業火の中で仁王立ちになり、華麗に滅びればいいのだ。だが、滅びってものは大概、無様にぷすぷすくすぶって終わるもので、紅蓮の炎の中で焼け落ちたりはしない。
 
 ∧∧
(‥ )炎上焼け落ちって、
\–   ショータイムの真骨頂
     なんですけどね
 
  (‥ )やって欲しいけどなあ
      できんだろうなあ
      だけど、みてーなー
      やんねーかなー
 
 摩耗的な消耗戦の果てに業界全体が炎上瓦解するのなら素敵だが、しかし、世の中、そうはいかないのである。
 
 
 
 

ブログ アーカイブ