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2016年10月10日月曜日

その分からないという言い訳であなたの脳はどれだけ節約したの?

 
 石油は数十年後に尽きる尽きると言われているけど、尽きてないよね。実は石油はマントルで無機的に合成されるもので、いくらでも出来てくるんだよ。
 
 こういう言説をネットで見たのは2012年
 
 多分、旧ソ連でかつて一時唱えられた石油無機起源説が元になっている与太話なんだろう。もちろんこれ、致命的な問題がある。マントルでいくらでも石油が出来るのなら、なんで石油はマントルに分厚い岩石がのっかった大陸地殻で見つかるんだい? という疑問だ。
 
 
 それから2年後
 
 石油はマグマで合成されているから幾らでも出てくる。でもそれが公になったら産油国が困っちゃうの。
 
 2014年に見たのはこういう内容だった。=>hilihiliのhilihili: なんかだんだん劣化してますね

 2012年のうわさ話と比べると、マントルがマグマに置き換わっている。多分、一般の人は地球内部は溶けたマグマだと思っているからマントル=マグマだと勘違いした結果だろう。実際にはマントルは固体でカンラン岩。宝石でいうペリドットなので緑で半透明の結晶だ。マントルは岩石であって溶けてはいない。それにマグマで石油が合成されるのなら、火山国の日本で石油がじゃんじゃか湧いてしかるべきだが、噂を吹聴する人は、そういうおかしさに気づかなかったらしい。多分、地学の本をちゃんと読んで無いんだろう。
 
 そしてさらに2年後の2016年、先ほど見たのはこんな内容だった
 
 石油は実は無限に湧いてくる。これが明らかになったら産油国が困るらしい。化石燃料説はあくまでも仮説。化石燃料でない石油はどうやって出来ているのか分からないが、それが湧き出てきて、それを燃やして文明は維持されている。分からないもので日常が運営されている。このような事実はフィクションよりも奇なり。
 
 
 ∧∧
(‥ )旧ソ連のマントルにおける
\−  石油無機起源説が
    マグマで合成になって
    さらにはこの部分が
    抜け落ちてしまいましたか…
 
  (‥ )なんかもうほんと
      順調に劣化してるな
 
 実際には、代表的な石油産油国は、かつて白亜紀に海が広がって大陸を覆い、浅い海が広がった地域にある。その時に大繁栄した植物プランクトンの死骸が大量に堆積した場所で石油は産出する。
 
 石油がそうそう尽きないのも理由は単純だ。例えば石油のある層まで穴を掘って石油が湧き出て、やがて出なくなる。しかし実はこれ、栓を開けられたコーラが吹き出たようなもので、奥にはまだまだ残っているのだ。というかむしろ残ったものの方が多いくらい。この”実は大部分が残ったままになっている石油”を油田の奥からくみ出す方法が幾つも開発されている。水圧で絞り出す方法、酸素を吹き込んで燃やして軟化させる方法、界面活性剤で溶かす方法。石油の寿命が伸びるのはこういう単純な理由である。
 
 ∧∧
( ‥)調べればすぐ分かること?
 
  (‥ )図書館にいけば
      そういう
      ボーリング技術の本とか
      いっぱいあるからな
      調べれば分かるはずよ
 
 単に皆、調べないで怠慢ぶっこいてうわさ話を信じている。それだけのことだ。
 
 
 ∧∧
( ‥)だがしかし実のところ
    どうなのだろう? 
 
  (‥ )いやさ皆は気づいて
      いるんじゃないか?
 
 石油は尽きる尽きると言われていたけど尽きない。

 ははーん? 石油は化石燃料ではなく無尽蔵にわく不思議なものなんですね?? という与太話を信じる人々。

 なんとも安易で馬鹿っぽいが、本当のところ、これを信じる皆々の脳も気づいているのではないのか?
 
 実は石油の寿命が伸びているのには、ちゃんとした技術的な理由があると。
 
 ただ、それを調べるのが面倒くさいので、調べないための言い訳として、”石油は無尽の資源説”をたしなんでいるだけではないのか?
 
 ∧∧
(‥ )調べないための言い訳として
\−  石油は無尽の資源説で
    納得したふりをしている
    だけなのではないか?
 
  (‥ )心は信じているかもな
      だが脳はどうだろうな?
 
 あなたは確かに心では”石油は無尽の資源説”を信じているであろう。

 だが、あなたの脳は実際どうなのだろう?
 
 実のところ、あなたの脳は石油の寿命が延びているのは技術的な解決策が進歩したからだ、ということを薄々気づいているのではないのか?
 
 ただ、それを調べるのがすごく面倒であることは明白。それに気づいたあなたの脳は、調べないための口実として”石油は無尽の資源説”で納得しようと可決したのではないのか?
 
 人間の心は脳の影にすぎぬ。実際、人間の行動を見ると、脳は気づいているが、心は気づいていない、ということがままある。
 
 いや、より正確にはこうだ。脳が気づかないことを可決したからこそ、心は気づいていないだけなのだと。
 
 ∧∧
( ‥)あなたは人が言う
    分からない
    を信用しない
 
  (‥ )信用しないのではなく
      信用してはいかんのだ
  
 問うべきことはこうである。
 
 分かりませんか…なるほど。その”分からない”という言い訳であなたはどれだけのカロリー節約に成功したのですか?
 
 問われるべきはこれである。
 
 
 *それにしても、そもそも石油が仮に無尽蔵の資源でも産油国は別に困らないはずなのだが、石油は無尽の資源説はそこの理論武装が甘いようである。幾ら探しても有望な石油資源は限られた産油国がにぎっているのだ。起源がどうなろうが量がどうなろうが、価格は需要と供給という経済で決定され、彼らはそれを独占している。なれば産油国が石油の起源について困ることは成立しない。石油が無尽の起源説はこの辺りの設定が非常にゆるい。
 
 ∧∧
(‥ )この次見た時は
\−  この欠点が是正されるの
    ですかね?
 
  (‥ )どうだろうな
      4年間の流れの中で
      この部分は変わってない
      人間は経済に関する
      理解が非常に貧しいから
      ここだけは
      変わらないと思うけどな
 
 
 まあこのペースでいけば、2018年に観測することになるだろうし、それを見れば良いのだ。
 
 
 
 

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