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2015年10月7日水曜日

不満度5の中で不満度10を述べてしまうそこのあなた!

 
 物事を理解する時、人は前提を使用する。
 
 ∧∧
( ‥)あなたが人の行動を
    理解する時に
    前提するのは何?
 
  (‥ )恨みだな
 
 恨みとはこの場合、
 
 俺は本来、もっと評価されてしかるべきだ、俺の社会的地位はこんなものではないはずだ
 
 という想いを指す。
 
 それが家庭内であれ、会社内であれ、地域内であれ、社会、国家の内部におけるものであれ、人は”俺の社会的地位はこんなものではないはずだ”という満たされなかった想いと渇望で行動する。
 
 ∧∧
(‥ )まあ大概その想いは
\‐  満たされないわけ
    ですけどね
 
  (‥ )人間の地位ってのはな
      実際には
      今が精一杯なんだよ
 
 皆がそれなりに努力(投資)を傾注し合う中で現在の均衡状態がある。なれば、その人の今の立ち位置は、彼の熱き想いとは裏腹に、今のそこが限界であると言って良い。
 
 ∧∧
( ‥)例外はいくらだって
    ありえるだろうけど
 
  (‥ )例外をいくら列挙しても
      自分が例外であることには
      ならんな
 
 不当に地位を剥奪された例外を並び立てて、

 ”かような例があるように、私が今のこの低い地位にあること、これもまた事例と同様に不当なのだ。私の立ち位置はもっと上にあるべきだ! ”

 とか
 
 ”悪いのは私を評価しない家族である、学校である、会社である、地域である、社会である、日本である、日本人である、人類である!”
 
 そう熱い想いを叫び立てる。

 ∧∧
(‥ )こうやって怒る人は多い
\‐  
 
  (‥ )だがな例外を
      いくら列挙しても
      自分が例外であることには
      ならない
      だからこれは逃げなんだよ
      つまり
      例外を上げている時点で
      負け組みなんだよな
 
 人は今の地位に満足できない。
 
 だが、実際には今の地位は過去の自分の延長だ。

 過去の自分の実力が不十分だから今の地位があるのだ。

 つまりそれはもって生まれたものであって、結局のところ今の地位は自分の精一杯である。何もかも、生まれた時に決まっていたのだ。
 
 いや、父親の精子と母親の卵子が複合して遺伝子の組み合わせが決定された受精の瞬間に、今のお前の立ち位置はすでに決まっていた。そう言うべきか。
 
 ∧∧
( ‥)でも? 人はこれを
    認めることができない
 
  (‥ )だから恨みを持つ
      まあ向上心とも言うな
      皆が全員向上心を持つから
      状況は均衡して安定する
      向上心があるから
      差し引きゼロですむ
      だから向上心と恨みは
      生きていく上では
      必要なのだ
 
 全員が現状に対する不満を持ち、それを恨みとする。それは向上心となる。しかし全員が向上心を持つから状況は均衡する。
 
 これを逆に言うと、向上心と現状への不満を無くした瞬間に、つまり恨みを持たなくなった瞬間に、人は均衡状態から外れて滑落するということでもある。
 
 ∧∧
(‥ )ゼロどころか
\‐  マイナスへ滑落するのである
 
  (‥ )世界が
     恨みつらみだらけなのは
     そう考えると当然だろ?
 
 恨みを持たないと滑落する。ようするに、恨みを失ったものは観測の範囲外へ消えたってことだ。
 
 ∧∧
( ‥)残るのは恨みつらみと
    不満を抱えた人々だけになる
 
  (‥ )家庭が悪い
      会社が悪い
      社会が悪い
      日本人が悪い
      日本が悪い
      人類が悪い
      そんな言葉ばっかだろ?
 
 だが良い、良い。
 
 それで良い。

 恨みが現状への不満なら、それは向上心だ。向上心は差し引きゼロにしかならないが、マイナスに比べればプラスである。人は恨みを持たなければ現状維持すらできぬ。
 
 そしてそういう人々の恨みのはけ口を売って儲けるのがジャーナリズムと出版界でございます。
 
 ∧∧
(‥ )いやな話だな
\‐
 
  (‥ )でも本当に
      いやな奴ってのは
      人並み以上に不満を持つ
      人間のことだがな
 
 自分の実力以上に、分不相応に社会に不満を持ち、社会が悪い、日本が悪いとか言い出すと、皆から軽蔑されることになる。
 
 なぜって、皆よりも大きな不満を抱いて、家庭が、会社が、社会が、日本が、人間がと言い出すと、それは周囲に対する攻撃になってしまうからだ。
 
 ∧∧
( ‥)全員周囲の悪口を
    言っているじゃないか! と
    釈明を試みても
    この場合
    意味はないのである
 
  (‥ )みなが不満を5
      言っている時に
      自分だけ10言ったら
      自分だけがプラス5に
      なってしまう
      これに対して
      周囲は相対的にはゼロ
      だからな
 
 不満度5の中で不満度10を述べることは犯罪である。
 
 確かに、不平不満が向上心である以上、不平不満と満たされぬ恨みは持たなければならない。さもないと自分の向上力だけがマイナスになって周囲から滑落する。

 さりとて向上心を人並み以上に持って、周囲以上に不平不満を露わにすると、どうなるか? それは周囲への攻撃と見なされる。

 つまり、不平不満を持つ事は義務であるが、それと同時に不満の量は人並み、平均であることも求められている。ここんところを見誤ると、人生、ろくなものにならない。
 
 ∧∧
(‥ )まあでも活動家になって
\‐  仲間と一緒につるむという
    手もありますよねえ
 
  (‥ )不満度が平均5の
      集団の中にいるから
      不満度10の自分が
      目立つ
      それなら不満度10の
      小集団の中にいけば
      良いわけよ
 
 あるいはそういう人たち相手に商売をするという手もある。つまり不満度5ではなく、不満度10のコアな顧客相手に世の中、こんなに間違っているという商品を売りつけるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)...そういう仕事も
   出版界には存在するよね
 
  ( ‥)だから言うのだ
      おいでよ諸君!

 
 人並み以上に恨みを持ったそこの君


 毎日毎日、日本が悪い、社会が悪いと怒ってばかりのそこのあなた!


 会社なんて辞めちまいな。ライターに転職すれば。うまくいけば大金持ちだ!
 
 ∧∧
(‥ )実際にはそうはうまく
\‐  いかないし
    のたれ死にはほぼ確実
    仮に成功したところで
    世界は1ミリだって
    動きませんけどね
 
  (‥ )いやいや
      あやつらは世界を
      変えようなんて
      本気では思っちゃいないよ
      だから大丈夫さ
 
 彼らは単に自分の話を聞いて欲しいだけである。人は恨みで行動する。自分の恨みを受け入れてくれる顧客が見つかった時、彼は晴れやかな顔で成仏し、天に召されるだろう。
    
 
 
 

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