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2014年7月12日土曜日

夏の世界を歩く夢

 
 そういえば、昨日は妙な夢を見た。ここは地獄です。そう誰かが言うのだが、いやいや、どう見たってこれは普通の夏ですよ。そういうありがちな暑い光景の中をただひたすら歩くのである。空は青く、太陽光線は強烈でまばゆかった。建物は虚ろで白く、アスファルトは焼きついていて、空気が陽炎で揺れている。それでもただの普通の夏だ。おかしなことがあるとすれば、どこへいっても、それが車道であっても建物の中であっても、人がどこにでも、ただしまばらにいるということだった。そして誰も彼も適当に歩いていて、目的は無いようだった。人工物は例外無くあちこちが壊れていて、人の有り様はどこへいっても同じであり、風景自体は変るがいずれの場所も雰囲気は同じだ。そして車は走っていなかった。暑くて苦しい、という感覚はあるが、それ以外には何も感じないまま、ただ歩く。
 
 ∧∧
(‥ )あなたは夢の中では
\‐  いつも歩いているか
    電車に乗っているよね
 
  (‥ )どこへいけば良いのか
      分からないのかな?
 
 まあ、夢の世界で行く場所があるのだとしたら、それはそれで奇妙ではある。

 
 ああ、そういえば、蝉の声は聞こえなかったな。そんな、苦しいだけの静かな世界



 

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