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2018年2月4日日曜日

シンデレラとしてのプラトン

 
 ソクラテスとプラトン。この師匠と弟子。なぜ弟子であるプラトンの方が圧倒的に有名か?
 
 ∧∧
(‥ )単に著作が多いから
\‐  だよね
 
  (‥ )でももうひとつ
      理由がないかな
 
 戦には勝ったのに、その後の暴風で多くの兵士を、ギリシャのポリスは直接民主制であるから兵士とは市民であり、多くの市民を死なせてしまった将軍たち。その将軍を怒りにかられて死刑にしようとした民衆。それに異を唱えたソクラテス。
 
 ソクラテスの態度は正論だが、感情論では許せない。
 
 だからやがてソクラテス自身も民衆の怒りを買って死刑を宣告され、毒を飲んで自害することを求められる。そして逃げることもできたはずのソクラテスは、民主制が定めたままに自害した。
 
 一方、弟子のプラトンはそういった民主制を憎み、訓練された哲学者たちが愚かな大衆を支配する理想国家を夢想した。これは多分、人類史上初のディストピアの提案であった。
 
 ∧∧
(‥ )頭のいい人って
\‐  独裁者による管理社会と
    ディストピアを好むよね
    知識人は
    スターリン体制下の
    ソ連が大好きだし
 
  (‥ )ディストピア小説の
      最高傑作と言われる
      「1984年」も
      あれは教師とか
      作家とか新聞記者とか
      そういう知識階級が
      政権を奪って
      独裁管理社会を作った
      という設定なのよね
 
 というか、1984年は陰鬱な印象とは裏腹に、その内容は現実のパロディであり、いわばギャグ漫画に近い作品だ。あそこで述べられているのは教師とか新聞記者とか作家とか知識人とかが、管理社会とディストピアが大好きだという現実の話なのである。

 作者のオーウェルは、彼自身が社会主義者であったにも関わらず、知識人たちの独裁制hの希求と、敵と味方に対する二枚舌と欺瞞性を非常に嫌っていた。その現実を批判的に描いたのが1984年。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると
    プラトンが2400年間
    人気なのは当然だと
 
  (‥ )ディストピア小説とは
     リベラルが世界を征服した
     という内容だからな
     プラトンは人類初の
     ディストピア作家であり
     俺たち賢い人間は
     今は愚民に虐げられているが
     いつか革命を起こして
     愚かな政治家を追放し
     自分より学歴の高い官僚を
     根絶やしにして
     愚民どもを支配してやる
     そういう夢と希望を
     知識人たちに
     与え続けてきた
     だから大人気
     そういうことでは
     ないかえ?
 
 言って見ればプラトンは、中途半端に賢い人間のためのシンデレラストーリー。知識人のための中二病小説家。

 
 
  

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