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2017年2月1日水曜日

フランス的言語ファシズムの終焉

 
 18世紀末に起きたフランス革命で民族主義が成立し、さらにナポレオンの征服でそれが各国に広まるにつれて、多民族国家オーストリア帝国は瓦解を始め、これも多民族国家であるオスマントルコ帝国共々、WW1に分解消滅した。独裁制を残して多民族国家を維持したユーゴスラビアも独裁者チトーの死後、激しい民族紛争に陥り、残されたのは分解した一連の共和国群。
 
 もうこれだけで、民主制は多民族多文化共生主義と相容れないことは明らかである。
 
 ∧∧
(‥ )ところがこういう歴史の
\−  明白な事実から目を背けて
    民主制は多文化共生を
    属性として持つ
    というような
    主張がまかり通っている
 
  (‥ )歴史の授業で習ったことも
      リアルタイムで目撃した
      ユーゴ内戦を見ても
      そういうたわ言を
      信じてしまうのだな
 
 まあ実際は、信じている人も信じていないのかもしれない。人は意識でやっていることと、脳で行われている損得勘定が乖離しているものだ。民主制の素晴らしさと多文化共生を無批判に同時に称揚する人は、単純に、

 現在の民主制社会の理想を大胆に主張できる俺様は文化的だろう?

 俺様はお前らネトウヨのような無学で無教養な貧乏人とは違うんだよ 民族の血縁なんていう原始的な相互扶助に頼らないと生きていけない負け組じゃないんだよ
 
 ということを言っているだけなのかもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)というか
    そういう自分自慢をしたいから
    民主制の理想は
    多文化共生であると
    主張しているだけで
    そうだからこそ
    民主制と多文化多民族が
    相容れなかったという
    歴史と現実を
    無視できるのである
 
  ( ‥)まあそんなところかな
    −/ 多文化共生って
       言ってる連中も
       実際には
       多文化共生なんて
       無理だと知っている
       知っているからこそ
       あえて
       多文化共生と言っている
       そんなところかもな
 
 実際、皆が、もう多文化共生なんか無理! と言っている時に、

 いやいや俺はまだ平気だよ? 

 と主張することは、自分の体力の誇示なのである。


 無理だと知っているからあえて言う。これは人間ではありがちな行動なのだ。
 
 ∧∧
(‥ )...なんか調べたら
\−  フランスって昔は
    多言語な国家だったんだね
    フランス語をしゃべる人は
    中央にいた
    少数の人々だったという
 
  (‥ )フランス革命による
      民族主義と
      国家の名において
      国民を動員する必要が
      出来た時以来
      フランス語を普遍化し
      他言語を抹殺する方針へ
      邁進してきたそうだな
 
 確かにそうであろう。国家の名において、国民の名においてすべての住人を動員する。その時、住人は同一存在でなければならぬ。民主制とはすべての住人を型にはめて行軍させるファシズムであることは明白なのだ。
 
 ∧∧
(‥ )そのフランスが
\−  民主制の名において
    多文化共生を主張しますか
 
  (‥ )はははっ
      笑える冗談だな
 
 それにしてもこれは
 
 ∧∧
( ‥)フランス人というと
    フランス語をしゃべれない
    外国人や旅行者を
    差別したり
    こちらが一生懸命
    フランス語をしゃべっても
    そんなものはフランス語では
    ないとばかりに無視する
    そういう人々だと
    言われますが?
 
  (‥ )ああいう
     フランス人の習性って
     言語的なファシズム..
     というか言語的な民主制に
     由来するのかな?
 
 フランス国内からフランス語以外の言語を抹殺する過程では、現地語をしゃべった生徒が鞭で叩かれたそうだ。そんなことをするような国家ならそういう優越感と裏返しな嫌みな性格になってもおかしくない。
 
 ∧∧
(‥ )...反発されるのも
\−  当たり前ですかね?
 
  (‥ )テロが起こるのも
      当たり前かもな
      誇りを傷つけられたら
      人間は生涯恨むからな
      
 
 まあ、そんな民主主義もいずれ終わる。EUは国民国家の否定であり、その終焉をつげている。実際、そのせいなのかどうなのか、フランス国内ではかつて迫害され、滅びかかっていた地域語の復活と普及を目指す運動も起きてきたそうだ。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃ国民国家でなくなれば
    住民を国民と称して
    一色に塗りつぶして動員する
    必要はないし
    統一言語である必要性も
    なくなるからね
 
  (‥ )良い良い
      フランス革命以来200年
      ついに呪わしき民主制の
      塗りつぶしが解かれる日が
      近づいたのだ
 
 ゆえに絶望することはない欧州の人々よ。多文化共生主義とEUにより国民国家は終わり、住人の画一的な塗りつぶしと総動員も終わる。西欧は一握りの勝ち組が支配する貴族制へ、大企業に住人たちが隷属する新たな封建制へと移行するであろう。フランス人という概念もドイツ人という概念も消滅するだろう。そして自ら切り捨てた神という心の空白を埋めるため、波のように移入するイスラームに呑み込まれるだろう。

 だからフランス人もドイツ人も、時代遅れな民主制などに目を向けるのを止めてシャリーアを謙虚に学ぶべきなのだ。そうすれば西ローマの崩壊以来、失われていた文明がついに欧州に復活する。西欧の野蛮未開な世界が、1500年の時を経て、ついに文明世界に復帰する時が間もなくやってくるのだ。
    
    
 
 
 

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