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2015年8月16日日曜日

パクリは定義されず認定は文脈で判断される

 
 東京オリンピックのエンブレムがパクリじゃないか問題。
 
 ∧∧
(‥ )炎上がさらに
\‐  拡大してますね
    推奨した人間と
    受賞した人間が
    実は所を変えては
    お互い同士を
    推奨し合ってた疑惑
    推奨、弁護していた人間も
    ぱくってる疑惑
    もう何がなにやら
 
  (‥ )もちろん反対に
     擁護の意見もあるな
     これらがパクリだったら
     デザインなんか
     出来ないじゃないか!
     そういう意見だ
 
 まあこれは擁護ではないかもしれない。あまりパクリパクリと言われてしまうと、仕事もデザインも事実上不可能になってしまうじゃないか。そういう業務上の都合とその表明だ。
 
 ∧∧
( ‥)どう考えるべきですかね?
 
  (‥ )何をもって
      パクリとするか?
      それは定義できない
 
 何%が同じならパクリである、という定義に意味はない。

 その線引きの根拠が不明だからだ。

 仮に線引きしたとしても、何が同じだとパクリになるのか分からない。
 
 輪郭だろうか? 色だろうか? それとも雰囲気だろうか? 構図だろうか?
 
 ∧∧
(‥ )パクリに定義は存在しない
\‐  それはつまり
    ”これはパクリだ認定”は
    恣意的であるという
    ことでもある
 
  (‥ )恣意的であるとは
      便宜的だということでも
      あるよな
 
 そして定義できないのなら、これがパクリかパクリじゃないか認定は、個々の事例について各々判断するしかない。そういうことでもある。
 
 
 多分、東京オリンピックのエンブレムがパクリかどうかと問われたら、実際にはなんとも言えない。あれだけ単純なデザインだ、基本的な形であれば、地球上で何千万人も思いつくだろう。それを意図的なパクリだと断定するのは飛躍だ。
 
 ∧∧
( ‥)むしろ騒ぎ過ぎ
 
  (‥ )しかし
      オリンピックだけに
      注目を引いてしまうからな
      一般に興味を
      もたれなくても
      分母がでかい
      割合は少なくても
      騒いだり調べたり
      追求する人の
      絶対数自体は多くなる
 
 むしろ問題はここから先だ
 
 
 エンブレムのデザイナーは他にもパクリをしている。
 
 そうかい? あまり似てないと思うぞ。
 
 だが、これらを見よ。
 
 んー、確かに似ているものもあるけど、似ているだけでパクリ認定するわけにはいかない。それにパクリ認定するには、ちょっと厳しいものも混ざっていないかね?
 
 しかし、このサントリーの景品にされたトートバッグのデザインを見よ。このフランスパンは切れ目の形までネット上にある既存の画像と同じではないか。
 
 ああ、これはまずいかもしれないね。だがこれはこれだけの問題ではないのか?
 
 ネット上にある画像を無断使用した人間が生み出すデザインとは一体何か? 彼の作り出すデザインには、大なり小なり無断引用が反映されているのではないのか?
 
 まあ確かに作業している人が同じであるのだから、そういう部分が無いとはいえない。
 
 一度起きたことは二度あるのだ。二度ある事は複数回起こる。だとしたら他のデザインの類似も、やはり引用から作られたものだと推論できないか? 少なくともこれらのデザインの類似は、無断引用するという本人のくせが反映した結果ではないのか?
 
 パクリ認定の是非はともかくとして、その推論が成立することは認める。ああ、待って... トートバッグの問題に関して事務所から説明があったようだ。
 
 「部下がしたことです」
 
 んー、これは...
 
 見よ。これは監督責任の明らかな放棄である。無断引用と責任放棄、以上の特性が観測された。このような特性を持つ主体が作成したものを、国家を上げた行事において使用して良いものであろうか?
 
 
 ∧∧
(‥ )...というやり取りをした場合
\‐  これ以上の弁護は
    ちょっと厳しいですかね
 
  (‥ )ぶっちゃけ
     オリンピックのエンブレムが
     パクリかどうか? なんて
     どうでも良い問題なのさ
     本当だったら
     あの程度の類似なら
     示談や和解金で
     終わっていたんじゃないか?
     だがそこから飛び火して
     明白な無断引用が
     別件であったこと
     監督責任を放棄したこと
     ここが今や問題にされてる
     そしてこの問題が
     エンブレムに返るわけだ
 
 
 
 つまりこれ、エンブレムのデザインをパクリと見なすかどうか、という問題ではすでになくなっているのである。

 そして、パクリ派が振りかざす、以上のような推論と論証の流れを覆すことはもはや無理だろう。
 
 ∧∧
( ‥)つまりあれだね
    同じデザインであっても
    流れによって
    パクリ認定されたり
    されなかったりする
    そういうことだね
 
  (‥ )パクリは定義できない
      極論すればすべての
      オリジナルは
      すべからくパクリなのだ
      だからパクリかどうか
      その認定は個々の文脈で
      判断されるわけだ
 
 そして、今回の事例は、文脈上、駄目っぽい、そういうことであろう。
 
 ∧∧
(‥ )擁護派は
\‐  これがパクリ認定されては
    創作なんか出来ない
    そう怒っているけども...
 
  (‥ )それはこの問題の流れが
      パクリの定義と線引きだと
      受け取っているからだな
      だが
      パクリかどうかは
      文脈で判断される
      実際、そういう流れに
      なっているよね
      それを考えると
      怒る必要はないと
      思うけどね
      定義と線引きが
      設定されたわけじゃ
      ないからな
 
 というか、

 ”こういう単純なデザインなんて誰でも考えつくのだからパクリ認定はおかしい”

 本当にそう信じているなら、炎上を拡大させている追求者たちを批判するのはちょいとずれているだろう。

 むしろ、最初に、これは俺のデザインのパクリだと言い出した人を批判するのが筋だ。なんといっても同業者なんだから。
 
 
 
 これはhilihiliのhilihili: 一人でやりますか? 大粛清を行いますか?の続き
 
 
 
 
      

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