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2014年4月10日木曜日

明るい灰色の空に天の川を見た

 
 水曜日の朝は三浦半島の海岸を延々と歩き続けていたわけだけども
 
 ∧∧
( ‥)でも、出かけたのは
    火曜日の夜から
    なのだよね
 
  ( ‥)月曜の打ち合わせの
    ‐□ 帰りに星を見て
      また星を見たくなったのだ
 
 つまりこの話は時系列的には、水曜日の朝から昼にかけて海岸を歩き通して貝殻を拾ったhilihiliのhilihili: 4月の重油騒動の前、火曜日の夜から水曜日の明け方まで、にあたる。
 
 人の少ない場所までいくと、灯りがないので星は非常にきれいに見える。しかし、当然、夜にいかねばならなぬ
 
   やってきました
 ∧∧ 三浦半島22時
( ‥)
 ‐( ‥)半島は交通の便が
     良くなくてね
     この時間を過ぎると
     バスが終わっちゃうからね
 
 いや、10時にバスがあるだけでも大したものだと言える。
 
 しかし、そのバスも最終目的地の手前で運行を終了したので、そこから1〜2キロを歩く、途中、警察のパトカーがスピードを落として、こちらをうかがっていた
 
 ∧∧ 怪しまれてるね
(‥ )
 ‐( ‥)そりゃこんな時間に
      こんなところを
      歩く奴はいないからな
 
 もっとも、最終地点で降りたのは自分以外にももう一人いたので(どうも始業式を終えた高校生らしい)、それを考えると、ありえないわけではないのだろう。パトカーもスピードを上げて走り去っていった。
 
 通行人は誰一人としていないが、代わりに自動車やバイクとは意外にすれ違う。いや、むしろこちらを追い抜くのだ。前からはこない。みんな、東京方面からの帰宅者なんだろう。
 
 海岸についたらついたで、まず先客がいた。バイクとテント、さらに明け方までの間に2台の車がそれぞれ来て、テントを張った。一台はどういうわけか1時間程度で帰ったが、あるいは別の場所へ移動したのかもしれなかった。
 
   
 ∧∧ なんか賑やかだね
(‥ )
 ‐( ‥)皆さん、朝釣りか何かかな?
 
 夜空は、あまりかんばしいものではなかった。まず、半月が出ていてふたご座の近くにある。神奈川の中央だと半月の明かりは別に深刻には感じない。なんでかというと元々、都市の明かりが強すぎて、半月の明かりがまぶしくは感じないのだ。
 
 だが、三浦半島までくると、半月は、これがぎょっとするほど明るすぎた。沈みかかったふたご座と輝く木星の脇にある月は、空の3分の1近くを明るく塗りつぶしている。













 
   まあ、これは最初から 
 ∧∧ 承知の上ですが
(‥ )
 ‐( ‥)とはいえ、暗い場所では
      月明かりの深刻さが
      これほどとはね
      初めて知ったよ
 
 もちろん、月は半月(上弦の月)であるから間もなく日付が変わる時間、西空にすでにかかっている。月が沈むのはざっくりいって夜半過ぎ、それから朝まで暗い時間が充分にあるはずだ。
 
 しかし、月が沈んでも夜空が妙に明るい。手をかざすと、自分の手が真っ黒な影になって見えるし、手と服の色が違うということもなんとなく分かる。そのぐらい明るい。
 
 ∧∧
(‥ )でも、お星さまは
    ちゃんと見えてるよ
 
  (‥ )透明度が悪いのかな?
 
 空は闇ではなかった。明るく感じる灰色だ。だのに、星は見えていた。ヘルクレス座やへびつかい座をきちんと見たのはずいぶん久しぶりだし、明け方には夏の星座たちと天の川が、さらには続くやぎ座が水平線から上がってくるのを見ることができた。神奈川の中央ではどれも見れないものである。
 
 ∧∧
(‥ )でも、どうも水平線近くでは
    星が全然見えないみたい
    ですね
 
  (‥ )透明度が悪いのなら...
      星が見えるのに明るい
      これが説明できるよね
 
 明かりがあれば星は負けて、かき消えるが、空がかすんでいるだけなら、星はかすみを照らすものの、見えるだろう。
 
 実際、明け方になって相模湾側に出てみると、17キロばかり先にある江の島は、まあ見えるのだが、そこから先と、さらには富士山が全く見えなかった。空気の透明度が悪いのだ。
 
 ∧∧
( ‥)明るく見えるのも、
    絶対的には暗いので
    目が敏感になって
    いるせいだろうね
 
  ( ‥)確かに、デジカメの
    ‐□ 光が堪え難いほどに
      まぶしいのだよね
      敏感だから夜が灰色に
      見えているけども
      実際には暗くて、
      単にかすんでいるだけ
      なんだろうな。
 
 空全体が白く明るく、まるで光に照らされたように感じるのに、天の川が見えるというのはそういうことなんだろう。東の水平線から昇ったいて座から発する銀河は、織り姫と彦星をへだてて、はくちょう座がその中を飛んでいた。
 
 夜空が闇と光というコントラストを失ってしまった、そう言えば良いか。
 
 灰色ではあるが、暗いだけに色々なものを見た。 
 
 流星は5つ以上、流れたと思う。5時間も寝転がっていれば、そのぐらいは見ることができる。だが、暗いものもあったから、家の近くでは見えないものもあっただろう。流星群ではないから向きはばらばらだ。だが2つぐらい見事なものがあった。
 
 ∧∧
(‥ )人工衛星も飛んでるね
 
  (‥ )暗い光も見えるせいか
      興味深いな
 
 ぴかぴか、ぴか ぴかぴか、とリズムカルに、しかしやや複雑な拍子を打つような感じで光るものがあった。なんというか、不思議と尺取り虫を連想する光り方だ。
 
 あるいは、ぴかーー とフラッシュのような輝きも見た。時々、夜空で見る得体の知れない光で、しばしばそれっきりな代物だが、よく見ると、非常に暗いが動いていく人工衛星の光が見えた。やはりどうも、向きによって反射が変わる、増光が極端な人工天体らしい。
 
 ∧∧
( ‥)我が家の周囲では
    気づけなかったでしょう
 
  ( ‥)時々、夜空で見る
      フラッシュのような光は
      これなんだな
 
 多分、人工衛星だろうと思っていたけども、なるほど、それを確認できたのはやはり暗い場所のたまものだ。
 
 中間的なものも見た。猛烈に輝く時もあるが、一定の調子で暗く何度も明滅を重ねる人工衛星。ひょっとしたら回転しているのだが、一部の面がこちらの見る向きに応じて強く光を反射しているのかもしれない。
 
 明け方、なにかちょっと明るいな、と思ったら、途端、見る見るうちに天の川が搔き消えていった。時間にすると3時30分から40分までのごく短い時間。
 
 ∧∧
(‥ )朝までまだだし
    空は青くもなってないし
    こんなわずかな増光で
    天の川は消えちゃうんだね
 
  (‥ )驚いたね
     こんなに淡い光だったのだ
 
 星はあっという間に次々に消えていき、星座はたちまちその形が分からなくなった。
 
 
 hilihiliのhilihili: へび座の球状星団へ続く
 
 

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