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2009年8月11日火曜日

若き日の夢

 
 こんな話。軌道エレベーターというものがある。理想的には、あるいは簡単なアイデアとしては静止衛星から長いケーブルを地上に垂らし、それを足がかりにしてそのまま宇宙まで上昇しようという移動/輸送手段。地上に伸ばしたケーブルの重量は、同時に静止衛星軌道からさらに外側にのばしたケーブルや重量物でカウンターバランス。

 実現すれば軌道エレベーターはロケットよりもはるかに効率的で経済的な”手段”となる。これには色々なバージョンがあって、未知の技術を(まあ実際には必要になるだろうけども)仮定しなくても一応、建造可能(と提唱者/あるいは賛同者が言うよう)なものもある。

 ∧∧
( ‥)でも、一部メディアの人々は
    へー??? そんなの本当に可能なのー?
    はーん?って顔だったんですよね。

    (‥ )妙なもんだよなあ。見た限り、ああいう世代っていうと
        若い頃にマルクス主義にはまって
        世直ししよーって無駄な活動したもんだけどね。

 ちんちくりんな夢を追って挫折した世代が、技術的な可能性を検討する人たちを訳分からんと懐疑的な目で見ているのを見るのはなんとも奇妙。

    ( ‥)最近は世界同時不況でついにマルクスの予言が
      -□ 実現って主張する人もいるみたいだけども。
 ∧∧
( ‥)はあ、それはそれは。

 遅れてやってきたアンゴルモアの大王じゃあるまいし。疑似科学の真骨頂というか、ちっとも予報の当たらない気象予報士がついにあたったーっと白髪を振り乱して叫んでいるようなもんで。目ざとい証券マンはとっくに次の商品を開発してる。

 ∧∧
( ‥)若き日の夢は捨てがたいのでは?

    (‥ )どうだろう? 宗教が毒ガスをまいた時に
        こんなことを言っていたおっさんがいたな。

 学生運動は挫折した。社会主義は挫折した。あげくに宗教も挫折したとなったら今の若者は何を信じればいいのか?!!

 ∧∧
( ‥)はあ、、、さいですか。

    (‥ )信じた仮説が駄目だったと知った時の
        苦痛が苦しくて苦しくてたまらなかったんだな、
        たぶん。

 この場合、若き日の挫折が忘れられないという状態。いや、しかしそれは根本的に間違っているよね。少なくとも知識が前進したという視点から見た場合、そんな挫折に苦痛を感じるのは間違っている。採用した仮説が壊れたのは、知識の上では一歩前進だ。問題ない。渋柿をかじったら喰えなかった。そんな失敗に挫折して人生を悲観するとしたら、それはバカだ。

 ∧∧
( ‥)仮説と思っていなくて真実と思っていたから
    苦痛なのでは?

    (‥ )世界の真実ってか?

 それは自分の妄想を世界に押し付けているだけではないのかね?

 ∧∧
( ‥)ああ、この柿は甘柿に違いないって
    思い込みを真実、現実であると。

    (‥ )それで喰ったら、これは渋柿だったーーー!!って
        泣き叫ばれてもなあ。

 軌道エレベーターを懐疑的に見るのはさながらあれ、初めて見た干し柿をなんだこれといって疑わしい目で見るがごとし。

 

 

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