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2020年2月20日木曜日

ゴットリーブの憂鬱

 
 ∧∧
(‥ )米食品医薬局の
\−   元長官ゴットリーブさんが
    米CNBCで
    日本の感染者急増を
    感染者拡大の瀬戸際で
    大規模流行に発展するかも
    そうなれば国際的に
    制御できなくなると懸念
 
  (‥ )へー これは
      面白い記事だな
 
 ∧∧
(‥ )元長官では
\−  なんの意味もない発言では?
 
  (‥ )いやいや
      これはおもろい発言よ
 
 多分、日本政府と厚労省はこう考えている。
 
 入国制限は中国からの感染拡大を止める一方で、経済に致命的な影響を与える。世の中の人間は観光客の金に頼るなんて浅ましいことをするな! と言うが、観光だけではない。人の行き来がなくなれば、その経済的影響は重大だ。
 
 ∧∧
( ‥)感染拡大は
    効果と経済への影響
    この両方を天秤にかけるべき
 
  ( ‥)そして新型肺炎は
    −/ 無症状で感染し
       どうもかなりの人は
       無症状のまま終わる
 
 少なくともその可能性があり、水際対策とか検疫の意味はほとんどない。一方、その性質はインフルエンザに準じる。そして新型肺炎の出現でマスクと消毒アルコールは店頭から消え、手洗い、うがいが推奨された。
 
 その結果、2020年冬のインフルエンザは劇的に抑制された。
 
 つまり新型肺炎を抑制することは多分、可能。
 
 これを見れば次のように考えられる。今回の新型肺炎は水際で止めることはできない。無症状で感染するなら、止めようがない。では全面的な入国制限に踏み切れるか? それは死亡率と経済への損害を天秤にかければいい。
 
 ∧∧
(‥ )死亡率2%では
\−  全面的な入国制限には
    至れないでしょうねえ
 
  (‥ )死亡率は国によって
      違うしな
      2%が日本でも2になるか
      それは分からん
      そもそも2%で制限なら
      2009年に
      新型インフルエンザが
      蔓延したとき
      アメリカ人を入国制限
      したはずだが
      それはしたっけかな?
 
 つまりこうである。水際対策は現実的ではなく、入国制限するほどのものでもなく、新型肺炎の性質がインフルエンザに準じるものであるのなら、現状、インフルエンザの抑制に成功している以上、侵入した新型肺炎を押さえつけることは可能だろう。
 
 ∧∧
( ‥)あとは発症した人を
    効率よく発見し
    発症者から感染した人を
    探し出して隔離すればいい
    これで新型肺炎は対処可能
 
  ( ‥)多分、日本は
    −/ そう考えてる
       少なくとも
       この予想から
       さほど外れた行動では
       ないよね
 
 そして多分、日本政府や厚労省の判断と行動は正しい。
 
 問題は、欧米にとってそうではない、というところにある
 
 これは日米の違いを比べれば明白だ。

 日本は新型肺炎への警戒感でインフルエンザが顕著に抑制された。だったら新型肺炎も抑制できるはず。日本がそう考えるのは理に適っている。
 
 ∧∧
( ‥)でもアメリカでは
    インフルエンザが蔓延状態
    死者はすでに1万4000越え
    今、新型肺炎に侵入されたら
    ひとたまりもありませんぞ
 
  (‥ )だからさ
      アメリカの当局者が
      これはまずい事態では?
      と考えるのは当然なんだよな
 
 インフルエンザは抑制できている。だったら新型肺炎も抑制できるだろう。そもそも今、感染しているのも入国制限前に侵入したものだ。水際対策は現実的ではなく、すでに破られている。だったら抑制しつつ、発見、しらみつぶしに対処せよ。
 
 これに対し

 インフルエンザすら止められず、インフルエンザだけで死者が1万4000。あるいはそれ以上。断じて新型肺炎を入れるわけにはいかない。それでもなお入っては来るだろうが、入国制限をしないわけにはいかない。
 
 日米は置かれた条件がまったく違うので、対処も対策もまるで別になる。
 
 ∧∧
(‥ )アメリカが神経質になるのは
\−  彼らの置かれた条件の必然か
 
  (‥ )国民皆保険がない
      マスクを嫌がる文化がある
      日本人のように
      統制的ではない
      良く言えば自由
      悪く言えば無法
      大陸性の気候で寒冷乾燥で
      呼吸器系に負担が多い
      こんだけ悪条件だったら
      そりゃあ神経質にもなるわ
 
 そしてこれ、実のところ、アメリカの保険当局者も、日本の保険当局者も、相手の理解や状況をまったく把握していないということを暗示していた。
 
 ∧∧
(‥ )おそらく日本もアメリカも
\−  機械的に
    行動しているだけなので
    相手がなんで
    そんな対応をするのか
    理解できないだろう

 
  (‥ )それぞれの経験に応じて
       対策を練る
       その経験は国が置かれた
       環境や状況や
       文化によって与えられた
       違う経験である
       違う経験に基づいて
       作られた
       行動指針に沿って
       人は動作している
       そこには
       理解があるようで
       実際にはないからな
 
 日本は多分、新型肺炎を抑制できると考えているし、事実、そのように見える。 

 日本から見ればアメリカの行動は非現実なまでに神経質だ。
 
 しかしアメリカから見れば日本の行動は感染を放置して、肺炎を世界に拡散している危険な行動に見える。
 
 インフルエンザすらもろもろの理由で抑制できないアメリカだ。そんな条件にあるアメリカから見れば、日本の行動が恐ろしいものに見えるのは当然だろう。


 ∧∧
(‥ )文化の差だねえ
\−
 
  (‥ )だからよ
      このゴットリーブという
      おっさんの懸念は
      おもろいのよね
 
   
 
   

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