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2019年1月11日金曜日

チャベスに進め!

 
 
 韓国は長年にわたり中国の支配下にあった。また彼の国の人は賢く、勝ち組に即座につくという戦略で行動しているように思われる。そして残念ながら賢い人間は踏みとどまれない。賢い人間に国家の防衛は不可能。

 では? 中国支配下にいることが自然であり、それに抗しえないはずの韓国がこれまで西側にいられたのはなぜか? それは日米の援助というエネルギーの注入があったからである。

 エネルギーの注入があるからこそ、不自然な状態が維持できる。しかし韓国は経済発展を遂げた。経済発展を遂げると、物価の上昇をまねく。それは、これまで日米が投入してきたエネルギーが相対的に目減りすることを示す。
 
 なんと皮肉なことだ。韓国が発展すると、”韓国が中国から独立している”という不自然な状態を日米は支えられなくなる。原理的にどうしてもそうなのだ。

 これゆえ、韓国は遅かれ早かれ歴史的に安定だった状態へとエネルギーを放出しながら崩壊し、安定するだろう。
 
 
 ∧∧
(‥ )問題はいつ誰がどうやって
\‐  それを実現するかですよ
    文さんはそれが可能か?
 
  (‥ )1代で
     親米国が反米国になった
     事例というと
     キューバとイランだな
     いずれも経済がダメになって
     戦士であるカストロ
     宗教指導者であるホメイニ師
     彼らが政権を奪取
     大衆の歓呼と支持の中
     反米を宣言し
     企業を国有化した
 
 カストロ議長とホメイニ師。以上の事例は...うーん、ちょっと韓国には当てはめられない。文大統領は革命戦士でもないし、生き神様でもない。
 
 ∧∧
( ‥)革命戦士だの生き神様だの
    そういう大げさなキャラを
    あてにするのは無謀だからな
    もう少し地味なキャラを
    参考にしないと
    反米大転換は成功しないべ
 
  ( ‥)そこで思い出したよ
    ‐/ ベネズエラの
      チャベス大統領が
      いたじゃないか
 
 1999年 大統領就任。
 
 2000年 憲法改正で大統領権限を強化 再選制限を撤廃 当選

 2005年 社会主義国家を宣言
 
 2013年 後継者としてマドゥーロ副大統領を指名 ガンで死去
 
 ∧∧
(‥ )親米から反米へ路線転換
\‐  企業や農地の国有化
    貧困層を助けることを訴え
    貧困層への支援実施
    貧困層のために
    必需品の価格を
    安く設定する価格統制
 
  (‥ )聞こえは素晴らしいな
      だがその結果はどうだ
      外資は逃げ
      国内の投資は冷え込み
      放漫な支出で財政が破綻
      採算の取れない価格設定で
      国内生産が極端に落ち込み
      物価は急上昇
      2018年は公式発表で
      170万%の
      ハイパーインフレだ
      経済が破綻しとる
 
 
 こんな状況なので2015年12月の選挙で政府は大敗。2016年以降、議会は反政府派が大半となった。しかしこれに対し政府は議会の権限を剥奪しようとし、議会は政府を憲法違反と批判する。

 ちょっと調べるだけで現在のベネズエラの状況がめっちゃくちゃであることがわかる。国家として成立しているのが不思議なぐらいだ。
 
 ∧∧
(‥ )まあでも混乱自体は
\‐  経済政策の失政だからね
    チャベス大統領が
    クーデターなしに
    こういう国家の大転換
    親米から反米へ
    資本主義から社会主義へ
    民間から国有化へ
    以上を成し遂げた事実は
    大きいですな
 
  (‥ )これを踏まえれば
      文のおっさんも
      うまくやれば
      革命戦士になる必要はない
      大統領のまま
      韓国の大転換を
      成し遂げられるかもしれん
 
 
 問題は、文大統領の場合、彼自身が韓国の経済をダメにしつつあり、若者からの支持を失っているということであろうか。
 
 ∧∧
(‥ )最低賃金を1時間あたり
\‐  1万ウォンにすると公約して
    当選したと
    そして2018年には
    6470=>7530
    まで引き上げ
    続く今年2019年には
    7530=>8350
    にまで引き上げ予定
 
  (‥ )経済がともなわない
      急激な人件費引き上げで
      倒産や解雇
      採用見合わせが相次いで
      若者の失業率が11%
      これでは救世主になる
      どころか
      文のおっさんが
      救世主に打倒される
      悪者になってしまう
 
 当たり前だが、なかなか思うようにはいかぬものだ。
 
 ∧∧
(‥ )チャベス路線を
\‐  文さんが模倣することは
    無理ですかなあ...
 
  (‥ )自分で作り出した
      経済の失政を
      糊塗するために
      強権を発動する
      強権発動のため
      憲法を改正する
      失業した若者を助けるため
      財閥を国有化する...
      そういうことを
      やってもいいけど
      支持を得られるとは
      とても思えないよね
 
 それでもやる自由はあるのだ。そして可能と言えば可能であるようにも思われる。

 例えば雑に言えばチャベス大統領の後を継いだマドゥーロ大統領がしているのはほぼこういうことらしい。
 
 ∧∧
( ‥)おかげでハイパーインフレに
    なってるけどな
 
  ( ‥)経済的な失政なんか
    ‐/ どうでもいいさ
       韓国の中国帰還
       正しいことが
       実現されるかどうか
       大事なのはそれだけだよ
 
 少なくとも倫理的に他人を超越した信念の人とは、そういうことをするし、そういう決断をするものだ。
 
 さてさて、じっくり眺めることにしよう。観客というものはいつでも無責任なものであり、観客の一人である自分としてはなるべく面白い展開を希望。
 
 
 
 ちなみに
 
 ∧∧
(‥ )ベネズエラって1999年
\‐  チャベス大統領の憲法改正の時
    国名を変えていたんだね
    1999年からは
    ベネズエラ・ボリバル共和国
 
 
  (‥ )ボリバルってなんぞ?
 
 
 調べたら、ベネズエラやコロンビア、ペルーを独立させた英雄シモン・ボリーバルに由来するそうだ。ボリビアもこのボリーバルに由来する国名だそうである(余談だがボリビアがボリビア多民族国 The Plurinational State of Boliviaという名前だとは知らなんだ)。
 
 
 そしてチャベス大統領はもともと軍人で、クーデターを目論んだことがある。これ自体は失敗したが、その時の団体名はボリーバル革命軍200というものだったそうな。
 
 

 

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