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2014年2月6日木曜日

3700km弱から眼で見えるようになる?

 
 hilihiliのhilihili: 軌道上を二つの光点がチェイスするように見えるだろうの続き
 
 ガンダムにおけるザクの大きさは17.5メートル
 
 ∧∧
( ‥)それが何か?
 
  ( ‥)暗い土が光を反射する率は
    ‐□ アルベド(albedo)で
      0.1~0.2だそうだよ
 
 ザクの反射能も、そんなものなのだろう、少なくとも、あれが迷彩だというのなら、およそそうでないといけない。
 
 ∧∧
(‥ )albedoは0〜1で示されると
\‐
 
  (‥ )新鮮な雪のアルベドは
      0.9だそうだ。
      素直に考えれば
      90パーセントの光を
      反射しているって
      解釈するべきだろうな
 
 ∧∧
( ‥)すると暗い土は受け取った光の
    10〜20パーセントを
    反射していると
 
  ( ‥)宇宙で太陽光線を
    ‐□ 浴びるザクはまばやく
      輝く光点に見える
      それはもう明らかだね
 
 真空中の弱められていない太陽光の1割、2割を反射するのだ、そりゃあもう明るく輝くだろう。
 
 そんな土の反射ぐらいで大袈裟な、と思ってしまうかもしれなけども、考えてみれば、月だって単なる岩石に当たった太陽光線が反射した結果が、あの明るさなんである。
 
 ∧∧
(‥ )お月様は夜に見るから
\‐  明るく見えるだけだからね
 
  (‥ )昼間の月は
      白い雲よりも暗いしな
      雲が水蒸気であることを
      考えれば、
      雲が明るいのは当然
      反対に大気を通過する
      過程で弱められている
      とはいえ、
      月の光が輝く雲よりも暗い
      それは月が水蒸気よりも
      反射率が低い物体だ
      ということを
      示しているよね

 
 
 日光が入り込んで輝く暗い部屋の壁を思い返せば良い。太陽光線に比べればなんてことはないが、闇の中で、それはそれは明るいものだ。
 
 そういえば2013年の春先には地球のすぐ近く、2万7700kmを小惑星2012DA14が通過したのであった。
 
 国立天文台のページ=>国立天文台 | 質問5-9)2013年2月16日に接近する小惑星 2012 DA14とは?
 
 ∧∧
( ‥)あれは望遠鏡を使わないと
    見えませんでしたけどね
 
=>hilihiliのhilihili: そして去りゆく2012 DA14
 
  ( ‥)大きさは45メートル程度
    ‐□ アルベドは…と検索を
      かけてみたら、
      こんな論文がひっかかって
      きてだな
 
=>‎arxiv.org/pdf/1310.0577.pdf
 
 どうもこれを見ると、2012DA14のアルベドは0.4ぐらいらしい。
 
 ∧∧
( ‥)おや、意外に明るい
 
  (‥ )でも望遠鏡でないと
      見えなかったよね。
      アルベドが0.4
      大きさが45メートル
      距離2万7700km
      光度は7等級だ。
 
 つまり、仮にザクが暗い土と同じぐらいのアルベド0.1~0.2で、大きさが17.5メートルなら、距離2万7700km離れると、2012DA14よりも暗く見えるはず。つまり当然肉眼では見れないことになる。
 
 ∧∧
(‥ )でもさ、仮に半分の距離
\‐  1万3850kmまで近づくと、
    光の強度は距離の平方に
    逆比例するから4倍に
    なるよね
 
  (‥ )1等級差の光度は2.5倍
      そう考えると、
      2012DA14なら6等級より
      明るくなって、
      暗い場所で
      眼がいい人なら
      肉眼で見えるようになる
      そういう計算かな
 
 さらに2分の1の距離である6925kmまで近づくと光の強度は16倍だ。
 
 ∧∧
( ‥)2.5倍すると1等級上がる
    2.5の3乗は15.624
    およそ16倍ですよ
 
  (‥ )つまりだ、この距離まで
      近づくと2012DA14は
      もとの光度より3つ
      光度が上がることになる
      ざっくり言って4等級の
      星に見えるわけだな
 
 ではザクは?
 
 ∧∧
(‥ )単純に大きさだけで考えると
\‐  ザクさんは2012DA14の0.39倍
    光を反射する表面積は
    その二乗で0.15倍ですね
 
  (‥ )距離7000kmの
      2012DA14をザクに
      置き換えたらどうなるか?
      相似形ではないから
      比較は大雑把だけども
      16×0.15=2.4だよね
      ザクのアルベドが
      2012DA14の半分なら1.2倍
      4分の1の距離にまで
      近づいて稼いだ値が
      ほとんど帳消しに
      なる感じだな
      この距離まで近づいても
      ザクは6等級より暗いから
      肉眼では
      見えないんだろうな
 
 だけどもさらに半分の距離である3663kmまで近づいたら
 
 ∧∧
( ‥)多分、眼で見えるように
    なってくるだろうと
 
  ( ‥)この計算で良いのか、
    ‐□ というのはともかく
      距離3700km弱から
      肉眼で見えるように
      なるのだとしたら、
      黒く塗りつぶさないと
      もろばれだよねえ
 
 
 もっとも、黒く塗りつぶす、と簡単に言うけども、多分、実際にはそんな簡単なもんじゃないんだろう。
 
 ∧∧
(‥ )小惑星には石炭並みに黒い
\‐  天体があるけども、
    そういう天体も
    望遠鏡で観測されています
    からね
 
  (‥ )小惑星は大きいからって
      こともあるけども、
      強烈な太陽光線が直射する
      世界ではなあ、
      黒く塗ってみましたでは
      多分、駄目だよね
 
 それよりは日傘をさしてうまいこと自分を影にしつつ、相手に見えないようにした方が良いのじゃないかと思うけども、それはまた今度の話。
 
 
   
      

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