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2014年2月16日日曜日

この世界がただの遊園地だったらどうする?


 雪の覆われた公園へいくと日当りが良く、植物が茂る南に面した斜面でキジバトが盛んに餌をあさっていた。こちらも日向ぼっこしながら資料に眼を通す。昨日送ったテキストはまあ、あれで良いらしい。そういうことは確認がとれた。
  
   キジバトさん
 ∧∧ すぐ近くまで来るよ
(‥ )
 ‐( ‥)餌をあさる場所が
   ‐□ 限られているから
     行動が大胆になって
     いるんじゃないかな?
 
 とっ、思っていると素早い影がキジバトを襲った。猛禽類にしては小さすぎるし、攻撃ではあるが、狩りではない。相手はヒヨドリだった。











 どうもここら辺はヒヨドリの縄張りらしく、時々、キジバトを追い払うのである。あるものは逃げ去り、また別のキジバトは体を丸めてじっと動かなくなった。彼らの保護色は、どうもこういう場合にも役立つものらしい。
 
 ヒヨドリは監視中
 










 
 この画像を撮影した直後、安全と見たのか再び餌をあさり始めたキジバトにヒヨドリは攻撃をしかけるのである。すぱっと切るような動き。バサバサと重く飛ぶキジバトは、巡航中ならともかく、こういう素早い動きには対抗できないらしい。
 
 先日は2羽のメジロが空中を飛び上がりながら、からまるように回転、降下しつつ戦う様子を見たが、鳥の世界はいつも思うにハードである。
 
   悲しみのない
 ∧∧ 自由ーなーそーらーへー♪
( ‥)
 ‐( ‥)現実はそんなもんじゃあ
   ‐□  ないわけだ
 
 空には阿鼻叫喚と殺し合いと争いと、重力による膨大な位置エネルギーの勾配が待っている。
 
 さて
 
 ふと思う。
 
 圧倒的な軍事力で先住民を奴隷化すれば、勝ち残った国民は略奪した富と労働力を手にして、自由と人間らしい生活を謳歌できる。
 
 ∧∧
( ‥)つまり富を偏らせた”だけ”
    だとも言える。
 
  (‥ )だが、奴隷はいつまでも
      奴隷ではない。
 
 大反乱に音を上げた西欧世界は最終的に植民地を放棄した。間接支配をしていようがなんだろうが、それは崩壊の過程でしかない。時間は絶えず腐食剤として作用する。
 
 だが、奴隷がなくても、いや、奴隷が禁じられたからこそ、移民などの低賃金労働者を使うことで状況を切り抜けた地域や国もある。
 
 ∧∧
( ‥)つまりやはり富を
    偏らせている”だけ”
    なのである
 
  (‥ )資本主義も
      帝国主義も
      移民を都合良く使う
      多文化共生とか言う
      便利なたわ言も、
      富を偏らせることで
      社会を回す道をえらんだ
      そういう結果である
      そうとらえることも
      可能であるね
 
 実際、他人の富を略奪し 他人を奴隷化する、それ以外に”自由と人間らしい生活”を維持できるだけの富を作る方法など、どこにもないのだとも言える。
 
 ∧∧
( ‥)そして世界はグローバル化する
    すべての世界の人が
    平等とまでは言わないまでも
    かつてより、はるかに自由に
    競争する社会
 
  (‥ )我々が行き着く先の未来は
      ごく単純に言うと
      すべての世界が一握りの
      金持ちに支配されて
      すべての国のほぼすべての
      人間はどこも同程度の
      低賃金労働者になっている
      そういう世界だって
      ことになる。
 
 もちろん、実際には先にスタートを切ったがゆえに、低賃金労働者でも比較的ましな生活ができる国、反対に、国民性というかその国で形成された社会性のためゆえに後塵を拝するしかない国もあるだろう。
 
 だが、単純化すると人類の能力が同質である以上、こうなるしかないのだ。ごくわずかな出来る人間が勝ち抜いて金持ちになる。
 
 反対に、どこの国であろうが、上位0.1パーセントの成績にも入れないような”出来の悪い人間”、あるいは、たかだか上位1割に入って有頂天になるような、勘違いしている”落ちこぼれ”、これら全員がすべて低賃金労働者になる運命にある。
 
 ∧∧
( ‥)世界はそうならざるを
    えないのであると
 
  (‥ )一軍に入れなかった人間が
      どうなるか?
      一軍の背景に二軍が、
      二軍の背景にどれだけの
      膨大な人々がいるか?
      それを考えればこれは
      当然の帰結だろ?
 
 ある意味、これが本当に実力に応じた平等な結果というものだ。たまたま先進国に産まれて、たまたま一部の優れた技術者が発明した銃器などの道具で世界支配のおこぼれにあずかった、そんな”市民”などという特権階級の時代はすぐにではないにしても徐々に終わらざるをえない。
 
 なぜなら、結局のところ”市民”に実力などないからである。彼らはただ国民という血統にしがみついて、権利とやらを継承した出来の悪い二代目のようなものなのだ。
 
 そして時間は絶えず腐食剤として作用する。
 
 そう考えると
 
 ∧∧
(‥ )欧米が言う、
\‐  人間らしい生活とは
    自分の実力を見誤った
    ただの勘違い
    あるいは単なる
    妄想でしかないのかも
    しれない
 
  (‥ )他国を奴隷化する
      その過程でこそ
      宗教から自由になり
      富を手中にし
      人間らしい生活を送る
      ”権利”を手に入れた、
      そういう側面があることを
      無視するわけにはいくまい
 
 ∧∧
( ‥)だが、それが終わると
    すればですよ
 
  (‥ )以上のすべても同時に
      終わることになる
      これは必然
 
 遊園地は終園した時、その姿を露にする。
 
 この世界がただの遊園地だったらどうする?
 
 彼らの言う”人間らしい生活”とやらが、実力を伴わない、裏付けも持たないただの略奪と暴力による富の偏在で、それゆえの豪華な生活であり、それがゆえの実力なき豪華な権利でしかなかったらどうする?
 
 こんなもののすべて、あの全部が、ただのお遊びでしかなかったらどうする?
 
 ∧∧
( ‥)権利とやらが、実は
    ただの特権でしかなった
    それが白日のもとにさらされる
    終園の時間が接近を開始する
 
  (‥ )西欧世界を
      灰燼に帰さしめた
      WW1もWW2も
      あれらが全部ただの
      春のピクニックだったら
      どうする?
 
 実際、先進諸国の人間がどれだけ膨大に死のうが苦しもうが、植民地の人々からすれば、それがどう見えたか、これを考えてみればいい。
 
 あれらは、全部ただのピクニックでしかなかったのではないのか?
 
 本当に恐ろしいものはこれから来るのではないか?
 
 ∧∧
(‥ )戦争の姿が変貌したから、
\‐  あれほどの損耗はもう
    起きないかもしれない
 
  (‥ )損耗自体はそうかもね
     だが、世界が次の
     フェーズへ移行するとしたら
     あれ以上の変化が起こるよね
 
 考えてみれば、ヒトラーが用いたゲルマン民族は優秀である、という煽り文句も、それは市民社会と権利と民主主義というピクニックにふさわしい言葉でしかなかったとも言える。なぜかというに、君たちには血統的に権利がある、彼の文言はそれしか述べていない。それはとても甘ったるいささやきで、しかし、それ以上のものたりえない。
 
 君はゲルマン民族だから一軍に入って年俸が保証される。そんなことを言うか?
 
 ∧∧
(‥ )まあ、どうでもいいけど
\‐  公園はきれいだったよね
 
  (‥ )ああ、空は晴れて
      雪の照り返しのせいか
      青く深く、
      ウメかな、
      花も咲いていたよね
 













 
 ∧∧
( ‥)あなたがたは自分の好む環境を
    美しいと感じるように
    進化している
 
  (‥ )心地よい環境を
      追求するのだ
      そうでないと絶滅していた
      だろうからね
      だがしかし、心地よいもの
      それが現実であるとは
      限らないのだ。
 
 
 心地よいものが巨大な虚構である場合がある。遊園地とは、そういうものではなかったか。

 
 


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