自己紹介

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2009年7月20日月曜日

イソギンチャク's

 
 水槽のイソギンチャク。前にも書いたようにべちゃーーっと広がって2個体に。

 ∧∧
( ‥)複数になりました。

   (‥ )いまやイソギンチャク'sです。

 さきほどアサリを与えたら2個体とも食べて体がふくらんだ。さすがにちぎれたせいか個々の体は左右非対称。

 ∧∧
( ‥)分裂していく途中でも餌を与えたけども。

   (‥ )胃袋から縦に分裂していっていたせいかなあ。
       水槽のヤドカリがちょっかい出していたよね。

 食べたあげくに分裂して、中身が出ちゃった?? 分裂途中では体の一部だけがちぎれかかったゴムのように、のびてくっついていたけども。ああいうのを見て思うに。

 ∧∧
( ‥)個体ってなんですかねえ?

   (‥ )ちぎれた瞬間に各々が、さらに前とも別個体になるんだぞな!!と
       力説していた人がいたよなあ。

 ようするにこう。個体Aがぐにゃあーーーーっとのびて細くなって、そしてちぎれた瞬間に個体BとCになる。個体BはAではないし、Cでもない。それと同様、個体Cはそれまでの個体Aでもないし、Aから誕生したBでもない。そして個体AはBとCが誕生した瞬間に消滅した。そういう考え。

 ∧∧
( ‥)でも、それってずいぶん不思議な考えですね。

   (‥ )そうねえ。
 
 AからBとCが誕生する、でもその途中では”プチB+C個体(便宜的な名称)”になっているわけで。

 ∧∧
( ‥)ちぎれかかっている途中なんてまさにそんな
    状態ですよね。

   (‥ )個体ってのは結局のところ便宜的な概念だって
       ことだな。

 種が実在しないのと同様、個体も実在しない。

 ∧∧
( ‥)でも個体って言葉は使いますよね。

   (‥ )そりゃあ便利だからね。

 でも説明に便利であるからといって、そのカテゴリーが存在するというわけではない。

 ∧∧
( ‥)なんか科学哲学の話になってきました。

   (‥ )まさに科学哲学の話であるなあ。

 ここでふと思う。例えば前々から科学哲学者のエリオット・ソーバーは個体ではなく、もっと大きな集団にかかる淘汰。いわゆるマルチ淘汰を唱えている(よみがえる群淘汰とか言われることもある)。ようするに個体どころか種とか群が存在する、つまり個体(インディビジュアル)であるという考えで。

    ( ‥)あれを生物学者が言っていたら、ふーん、なんだけど
        科学哲学者が言うと、へー? なんだよな。
 ∧∧
( ‥)説明できているから存在するのだ、ってのは
    それは科学哲学としてどーよ?というわけですか。

 それもそうだけども、そもそもソーバーたちの議論は何の役に立つわけ? というわけで。

    (‥ )それを考えると、あれ面白いよね。
 ∧∧
( ‥)そりゃあ、あなたは生物学者じゃないですからね。
 
 生物学者たちは、あの手の議論にとくに興味はないらしいし、研究に役立つとも思っていないらしい(たぶん、だから興味がない)。

 ∧∧
( ‥)役立つならとっくに使っているんでしょうね。

    (‥ )ハミルトン革命と言われるような例もあるように
        使えると分かったら、圧倒的なインパクトを
        持つだろうなあ。
 
 存在とか実在ってそれは何で、どう推論すべきもの?
 
 
 

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