自己紹介

イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック

2017年4月24日月曜日

これが賢き者の運命と自由意思

 
 ∧∧
(‥ )あなたが子供…
\−  この場合、中学生だった
    80年代における
    アメリカ車のイメージ
    というと
 
  (‥ )右ハンドルの日本に
      左ハンドルの車をただただ
      売りつけようとする
      日本の道路事情に合わない
      無駄にでかい車を
      売りつけようとする
      燃費の悪い車を
      考え無しに
      売りつけようとする
      イメージだね
 
      

 売れない要素ばっかりそろっているのに、それを是正しない企業努力もしない経営者達がアメリカの政治家を使って日本に市場開放とかいう押し売りをしてくるので、ああアメリカ人って底抜けの馬鹿なんだな? と子供心ながらに思ったものだ。
 
 ∧∧
( ‥)それから
    30年以上が過ぎました
 
  ( ‥)なんか何も変わってない
    −/ みたいなんだけどね
 
 一方、変わったと言えば日本である。自分が子供時代に聞いたのは、アメリカの経営者は雇われ社長で3年5年の短期的な利益ばかり追っていて、企業の長期的な利益とか発展とか成長のことを考えない、そういう分析と反省。
 
 ∧∧
(‥ )こういう意見はアメリカとか
\−  から出てきたんだっけね
    日本経営者は雇われ社長では
    ないし
    長期的視野に立っているし
    社員の首も安易には切らないと
  
 
  (‥ )それが日本でも
      バブル崩壊の頃から
      変わり始めてな
      社員の首を切り
      合理的に経営することが
      良い社長であり
      それがアメリカ式という
      進んだ経営手腕なのだとか
      そんなことが
      言われ始めてな
 
 
 ∧∧
( ‥)結局、アメリカ人が馬鹿だとか
    日本人が優れているとか
    あるいは
    アメリカ人が優れていて
    日本人が劣っているとか
    そういう話ではなかったと
 
  (‥ )単純にな
      発展の段階と言えばいいか
      段階ごとにおける
      人間の取りうる行動が
      全部あらかじめ
      決まっていた
      という話なんだよね

 アメリカの阿呆な経営者も、日本の優れた経営者も、あるいはアメリカ式の優れた経営も、日本の遅れた経営も、それらはすべてその立ち位置で必然に選び取られた結果でしかなかったのである。

 物事はごく単純な理屈に沿って進んでいただけであった。

 人件費が安い国はそれを武器に世界中の富を集めることができるが、それによって生活が豊かになれば人件費は上がり、そして飽和する。
 
 ∧∧
( ‥)成長して巨大化した組織は
    それを維持構築するためだけに
    エネルギーを大消耗し
    冒険とか新規開拓などという
    危険を犯すことはできず
    ただただ
    安全パイを選び続けるが
    しかし巨大化に従い
    複雑高度化した状況の中では
    安全パイを作ることすら
    困難極まるのである
 
  (‥ )アメリカのBig3や
      シャープや東芝や
      日本のTVや新聞のように
      なっちまうのよ
      こういう
      経営すら困難な状況では
      経営の専門職が
      必要になってくる
      自らではこれを無理と
      悟った経営陣は必然的に
      傭兵を雇うことに成る
      これが雇われ社長なんだが
 
 しかし残念。弱ったことに傭兵の最適戦略は組織内部の人間にはできない首切りや合理化を、私にはしがらみが無いからwww ともっともらしい口上を掲げて振るうことで短期的に利益を回復し、その”合理化”によって組織が受けた打撃が赤字となって現れる前に逃げ出すことなのであった。
 
 ∧∧
(‥ )要するに成長と成熟は
\−  詐欺師という寄生虫が
    跳梁跋扈する余地を作る
    ただそれだけの話であった
    アメリカではそれが
    かつて起こり
    日本では後から起こった
    それだけであった
 
  (‥ )これら詐欺師が
      辣腕という外見を
      装うために
      まとった衣装が
      アメリカ式だ
      とか
      日本は遅れてる
      とか
      ロジカルシンキング
      とか
      合理主義
      とかなのよね
 
 ∧∧
( ‥)しかし
    こういう装いをはぎとれば
    そこにあるのは
    目先の利益をただただ
    追い続けた
    詰み手の結果なのである
 
  (‥ )それが合理主義の
      いきつく先なのだ
 
 我こそは考える人間なり。我こそは合理的に物事を判断できる理知的な存在である。
 
 そう豪語する人間はまったくの愚か者。詰み手を累積させる単なる自動機械でしかない。
 
 ∧∧
( ‥)例えば
   選択肢Aは100の利益
   選択肢Bは80の利益
   を提示されたら
   合理主義者はAを選ぶのである
 
  (‥ )次の選択肢Cは120
      Dは200であったら
      そやつはDを選ぶ
 
 Eが80、Fが60ならEを選ぶ。合理主義者だの考える人間だの、そんなものは考えたなどとは言わん。あるいは考えたごときで状況の突破が不可能であることは明白だ。ここにあるのは思考の自由などではなく、ただただ自由意思で運命を獲得するだけの累積である。
 
 ∧∧
(‥ )つまり状況はすべて
\−  まったく同じように収束して
    しまうのである
    この収束から逃れる術は
    ほぼないのである
 
  (‥ )特に考える人間とか
      合理主義者は駄目だよ
      合理的であるがゆえに
      合理主義者は破滅の
      運命しか歩めない
 
 実際、アメリカ車とか日本企業の顛末とかシャープとか東芝とか見れば、ああ、そういうことだよね、ということになろう。
 
 ∧∧
( ‥)なれば全てがそうなる
    台湾企業も中国企業も
    appleもgoogleもamazonも
    そのすべてが
    運命のままに合理的に
    収束するだろう
 
  (‥ )誰も運命には
      逆らえなかったのさ
 
 考えるとか言う、究極のお馬鹿ぶりを標榜している連中がどうにもならんこと、かように明白である。
 
 
 ∧∧
(‥ )そんなことはない
\−  俺は考えたと
    彼らは言うだろうけどね
 
  (‥ )そういう時はだな
      考えて最適解を選び続けた
      その累積がお前のくだらん
      人生なのだ
      事実、お前の毎日は
      愚痴だらけじゃないか
      そう言えばよいべさ
 
 
 自らの知性で人生を選び取ったと、口では言ってるくせに、世間が悪いと言い訳しながら死ぬだけなのだ。自分は嘘つきだと認めながら死ぬ。それが賢き者の運命と自由意思。

 
 
  
 

ブログ アーカイブ