自己紹介

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2015年7月26日日曜日

どうせそんなものすぐに変わる

 
 










 空と雲は果てしなく
 
 ∧∧
(‥ )日付変った昨日どころか
\‐  一昨日の夕刻だけどね
 
   (‥ )まあ固い事
       言いなさんな
 
 25日、神奈川県の中央部は13:00において気温36度、湿度55%であった。24日は東京で猛烈な豪雨と雷が起こったけども=>、25日は湿度が低いせいもあったのか、そういうことはなかった。
 
 さて
 
 
 アメリカの大学ではね、大量の本を1日で読まないと議論についていけないのですよ!! 
 
 速読術が必要なんですよ!!!
 
 ∧∧
(‥ )まことしやかにそんな話が
\‐  言われているみたいですが
    本当ですかね?
 
  (‥ )まあ仮に本当だと
      しようか
 
 本、大学、教養というのはいかにも箔をつける言葉だが、そういう虚飾をはぎとって考えよう。
 
 例えばこれをアニメに置き換える。
 
 毎回、毎回、会合のたびに、あのアニメのあの場面のあれは良かったけども、それの意義はなんだろうか? 枝葉末節、根掘り葉掘り、執拗に聞かれるとする。
 
 ∧∧
( ‥)この会話についていくために
    毎日、毎日、何本ものアニメを
    早回しで要点をさらうように
    見ることを反復するだけ
 
  (‥ )それってどう思う?
 
 ∧∧
( ‥)馬鹿じゃね?
 
  (‥ )まあそういうことだ
 
 アニメなんていう低俗なものを大量に見るから馬鹿なので、本と教養はそうではない。そう反論する向きもあろう。
 
 だがここで問題になっているのは大量の情報を処理する時、人は思い込みにそって物事を恣意的に解釈することが顕著になる、ということである。
 
 ∧∧
(‥ )データを増やせば増やすほど
\‐   答えは確実に間違う
 
  (‥ )なんていうかな
      アルゴリズムが
      ありもしない結論を
      見つけてしまうというか
      データを増やすほど
      アルゴリズムは
      アルゴリズム自身に沿った
      いわば恣意的な結論を
      発見しやすくなる
      というかでな
 
 つまりアニメが低俗、本は教養とか、そういう問題ではない。
 
 内容がいかなるものであれ、データを増大させること自体が問題を引き起こす。そうである以上、高級、低俗、教養、無教養と無関係に、破綻が生じる。
 
 ∧∧
( ‥)なに? アメリカの大学は
    馬鹿化しているの?
 
  ( ‥)少なくとも一部はあれだ
    ‐/ 最悪な意味で
      オタク化しているって
      ことかもな
 
 最悪な意味でオタク。この場合、それは無駄な知識の量を誇示する行為。量自体を誇示するだけで、質は関係ないということを意味する。
 
 そもそもデータをむやみに増やすこと自体、質をあまり考えてない反映でもあろう。物事に大きな影響を与える要素はそんなに多くない。そうであるのにデータを増やすとは、それはむしろ雑音をひたすら拾っている事と同じだ。
 
 ∧∧
(‥ )アメリカの学校は
\‐  無駄の誇示場
    クジャクの社交場みたいに
    なっているということ
    ですか?
 
  (‥ )わからんけどね
      でも、もしもそうなら
      こういうのって流行で
      あっさり
      変わっちゃうだろうな
 
 無駄自慢は必然性がないからすぐに潮流が変わる。そんなアイデアはもうSFでやっているのだ!! そうSFオタクがわめいても、アニメやラノベファンが はあ? という顔をするように、潮流は即座に変わる。必然性がない無駄自慢には淘汰圧が効かないので、一定の形状をとることができぬ。
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
   (‥ )10年ぐらいしてみ
       速読術??
       はっ! 
       そんな時代遅れなことを
       しているんですか??
       アメリカの大学では
       割烹着ですよ
       とか言ってるだろ
 
 
 

2015年7月25日土曜日

冥王星の大気崩壊

 
 冥王星の表面気圧が、これまで調査されていた値の半分しかなかった。

=>New Horizons Reveals Pluto’s Atmospheric Pressure Sharply Decreased | NASA
 
 
 ∧∧
(‥ )冥王星の表面気圧は
\‐  89年あたりから上がって
    2010年代に極大に
    達して
    それから急減ですか
 
  (‥ )予想されていた
      冥王星の大気崩壊
      みたいだね
 
 One explanation for the low pressure is .....frozen onto the planet's surface.
 
 気圧が低いことは、惑星表面で凍ったからだと説明できる。

 it could indicate that further decreases in pressure may soon be in store.
 
 蓄積されてしまうことで、表面気圧はさらに下がるだろう。
 
 と書いてあるから、そういうことなんだろう。
 
 
 ∧∧
(‥ )この間まで冥王星は
\‐  海王星軌道よりも太陽に
    近かったけども
    現在は太陽から遠ざかる
    行程を運行中
    長い冬の始まりですからね
 
  (‥ )気温が低下すると
      大気を構成していたガスが
      霜になって惑星表面に
      降りてしまう
      つまり大気の崩壊だ
      ニュー・ホライズンズの
      冥王星への接近は
      大気崩壊にぎりぎり
      間に合うという
      触れ込みだったけども
      実際そうなったな
 
 ∧∧
(‥ )それにしてもがくんと
\‐   下がりましたよねえ
 
  (‥ )夏と大気の雪解けは
      ゆっくりだけど
      凍りつくのは
      あっという間か...
 
 人類が発見して以来、冥王星はじょじょに暗い天体になってきていたけども、これからは霜が降りて、再び明るい天体になるはずだ。
 
 *ちなみに現在の冥王星の大気圧は地球の1/100-thousandthとあるから、地球の10万分の1ということになる。
 
 
 
 

全方位袋小路

  
 自然物は塩や鉱物や、あるいは雪の結晶でさえそうであるように、自分の複製を作ることができる。
 
 より複製を残せる特徴を持つものは数を増大させる。それは進化に他ならない。無生物から始まった進化は必ず生物を生む。
 
 つまり、生物は必然的にうまれる
 
 ただし、それには条件がある。水が気化して無秩序になってしまうような高温では駄目だ。反対に水どころか二酸化炭素まで凍結して秩序だってしまうような低温でもだめだ。
 
 二酸化炭素と水から我らの体は作られている。
 
 高温でもなく、冷温でもない。どちらでもない狭間の世界でないと生物は出現しない。
 
 生物はこの条件がゆえに、その存在は不安定である。
 
 生物は不安定でないと生物たりえない。狭間の不安定性こそが生には必要だ。だから生は不安定で不自然なものとなる。そして必ず安定解である死へと崩壊する。我らは二酸化炭素と水から生まれ、そしてそこへ還る。
 
 安定解への崩壊を阻止して不安定性である生を維持する。そのためには膨大なエネルギーが必要だ。
 
 つまり、生きるには命を削らねばならぬ。
 
 わずかな手抜きが死へと直結する世界。この世界において努力が報われることなどありえない。なぜ努力という苦痛を放棄すると悪いことが起こるの? その問いに対する答えは単純であろう。それは生が不自然である必然の結果である。
 
 生きるとは苦痛だ。それは不自然な生という状態を無理矢理維持している結果だ。
 
 生きるとは報われないことだと知るべし。

 生きるとは、死なないことを無理矢理継続するだけの行為。

 手にする全てを生に投入しないと死んでしまう。このため生きるとは苦痛以外の何ものでもなくなった。
 
 しかし生物は死を恐怖するように進化的にプログラムされた。死を受け入れたものはすべて消滅し、残るのは死を恐怖し回避する性質を持つものだ。その子孫である我々が死を受け入れることはない。
 
 生きるとはつまり結果論である。なぜ生きるのか? このありがちな問いは単なる誤謬だ。結果から原因を遡及するからおかしなことになる。問い自体が無意味だ。
 
 生きることに意味はなし。これが大前提となる。
 
 そしてしかし、唯一の解放である死を我々は絶対に受け入れることができない。
 
 命が産まれるのは必然
 
 命が不安定であり、生が苦闘なのも当然
 
 死を恐怖し、苦痛だけでしかない生を生きるのは進化的な運命

 生きるは苦痛。死ぬのは恐怖。努力は無意味。手抜きは死。ありとあらゆる方角が袋小路。
 
 ∧∧
(‥ )この宇宙で生は望まれていない
\‐
 
   (‥ )そういったら
       それは面白い考えだと
       言われた事があるな
       当たり前な事実を
       言ったまでなんだが
       世の中の人はそうは
       考えないのか?
 
 
 人の認識は奇怪。命無き二酸化炭素と水こそが我ら本来の姿だと知るべし。そして皆、いずれあそこへ還る。安定解への必然の崩壊を阻止せんと、無意味な苦闘を死ぬまで続ける不安定な存在、それが生。
 
 
 
 

2015年7月24日金曜日

落雷の日

 
 14時半を過ぎて東京電力の雨量情報、落雷をのぞいて見たら
 











 
 ∧∧
(‥ )東京が真っ赤っか
\‐  ですね
 
  (‥ )こっからだと
      よく見えないが
      落雷だらけか
 
 豪雨も降っているらしい。しかし、巨大な入道雲とかはここからは見えない。というか東京方面のずっと手前で雨雲がたれ込めて、あちらまで見通せないのだ。
 
 ∧∧
(‥ )今日は暑い上に
\‐  湿度がものすごいからね
 
  (‥ )午前中は晴れていたけど
      大気が不安定だよなあ
 
 午後を過ぎて気温が下るにつれて湿度も上昇するはずだ。洗濯物はまだ湿気っていたが、取り込んだ。

 神奈川中央、ここらあたりは15:09現在、気温30度、湿度80%である。
 
 
 

安定解へと事態は必ず崩壊する

 
 安保法案で戦争が起こるのではなく。
 
 ∧∧
(‥ )戦争が間近だから
\‐  法整備を急いでいる
    そう考えるべきだと
 
  (‥ )中国と日本
      あるいは中国とアメリカ
      これらが激突するのは
      もう時間の問題だよな
      後は戦争が早いか
      それとも中国の不安定化と
      内戦突入が早いか
      そのどっちかだよね
 
 中国から見れば東南アジアの海を米国や日本が支配しているのは、シーレーンを敵国に掌握されているも同然で、それを打倒したいのは当然。
 
 ∧∧
(‥ )でもその試みは日本や
\‐  米国からすれば
    こちらの安全保障を
    打倒されることを意味する
 
  (‥ )原理的に
      利害が一致しないんだ
      だったらもう戦争しか
      ないよね
 
 だとすれば法整備を急ぐのは急務。避けられないのだからしょうがない。
 
 ∧∧
(‥ )でも中国は不安定化して
\‐  いるから
    むしろあちらが瓦解して
    しまうかもしれない
 
  (‥ )内戦が早いか
      戦争が早いか
      どっちだろうね?
 
 もちろん戦争といってもそれはピンキリだ。単なる国境線での小競り合いとけが人から国境紛争、離島への上陸と奪還、もちろん全面戦争もあれば核の使用も可能性としてはある。
 
 後は、中国が核兵器をどう使うか次第だろうか? 
 
 ∧∧
( ‥)戦術的に自衛隊に
    核兵器を打ち込むのか?
    戦略的に日本の主要都市に
    核兵器を打ち込むのか?
 
  (‥ )アメリカが同盟に
      基づいて
      核報復をしてくるか?
      そこの見極めだろうね
 
 日本が核攻撃をされた時、核報復をすることが今のアメリカにできるか?
 
 ∧∧
(‥ )もしもしなかったら
\‐   アメリカの信用は
     失墜しますね
     日本は米軍を国内から
     たたき出し
     ただちに核武装して
     国内の反日的と思われる
     人々を片っ端から
     追放するでしょう
     いわゆるレッドパージ
     大粛清だ
 
  (‥ )中国からみれば
      どっちがいいのだろうな?
 
 対峙する相手が核武装した日本と米国とどっちが良いだろう?
 
 ∧∧
( ‥)核武装した日本の方が
    くみしやすい?
 
  (‥ )日本の人口は
      アメリカよりも
      少ないからな
      むしろ相手にしやすい
      そしてもしもこうなったら
      米国は完全に日本の敵だ
      敵になった以上
      米国は日本と敵対せざるを
      えなくなるだろう?
      だったら
      太平洋東半分の覇権を
      失う代わりに
      親中国家としての
      米国が誕生して
      米国と中国で日本を
      挟撃できると考えるかも
 
 ∧∧
(‥ )歴史はどうなりますかね?
\‐
 
  (‥ )さてねえ?
      とはいえ隣国同士は
      仲が悪い
      隣国の後ろにある
      国と結ぶのが安定的
      そういう原則から
      考えると
      日米同盟は基本的に
      不安定だよな
 
 不安定な状態を持続するには非常に大きな投資を必要とする。アメリカはどうも体力を無駄に消耗して不安定な状態を維持できなくなってきたらしい。未だに世界最強ではあるが、負荷が大きく、あちこちにきしみが出ている。
 
 ∧∧
(‥ )核兵器の使用があるかないか
\‐  戦争が先か
    内戦が先か
    それらと関係なく
    至る結果はあまり変わらないと
 
  (‥ )早いか遅いかの違いだよ
 
 不自然な状態は安定解へと必ず崩壊する。早いか遅いか、それだけの違いしかない。そしてその進行は、体力が無くなった時、顕著であろう。
 
 後、感想的な話をすると、オバマ大統領は核報復を決断できる人間には見えないなあ。
 
 
 

着ている服ではなく、肉体を見なければならぬ

 
 パパブッシュが湾岸戦争に向けて準備を整えていた時、確かこんなことがあったと思う。彼の演説中にプラカードか何かが掲げられた。それは、石油のために戦争をするな! というものだった。あるいはそういうやじであったか、意見であったか。

 これに対してブッシュ大統領は答えた。これは自由のための戦いなのだ。
 
 ∧∧
(‥ )うろ覚えだけど
\‐  そういう記憶?
 
  (‥ )うろ覚えだけどね
 
 もちろん、自由と民主主義の戦いなどでないこと、多くの人の目には明らかだった。

 クウェートを占領し、イラクとクウェートの石油を掌握する。こうしたフセイン大統領の利権掌握を、既得権益者は望んでいない。これを許すわけにはいかない。戦争は石油のために行なうのである。
 
 ∧∧
( ‥)皮肉な言い方をすれば
    だからアメリカは勝てたのだ
    とも言えるよね
 
  (‥ )占領されたクウェートから
      イラク軍をたたき出す
      それで十分だからな
 
 
 これで十分であったはずだ。だが、今度は国民が調子に乗った。この間までベトナムの二の舞になるのではないか? と不安げだった表情が、まるで嘘のようだった。フセイン大統領を倒さない限り戦争は終わらない、イラクを独裁者から解放し、民主主義にするのだ! 戦争の建前を今度は大衆が本気で受け取った。
 
 ∧∧
(‥ )それが
\‐  イラク戦争へ続き
    統治の失敗
    民主主義の無能さの露呈
    犠牲者を出しての撤退
    ISISの成立と
    拡大する紛争という
    今日の事態をまねいた
 
  (‥ )戦争は石油のために
      するべきだ
      正義のために
      行なうものではない
      そういうことだなあ
 
 戦争は金のために行なうものであって、正義や正しさを追求して戦争を行なってはならない、そう言うべきか。
 
 ∧∧
( ‥)でも理念や信念や
    精神論で戦争を語る人は
    多いですよね
 
  ( ‥)日本軍が負けたのは
    ‐/ 精神論に頼ったからだ
       日本社会の悪いくせだ!
       と力説する人は
       たくさんいるけども
       それ自体が精神論だよね
 
 負けたのは単に工業力がなかっただけだ。日本は精神論に頼る! とかいうが、以上のようにアメリカは民主主義を金科玉条、宗教のように奉じてあの有り様である。

 まとっている服が違うだけで、中身は同じってことだ。
 
 ∧∧
(‥ )ただアメリカは
\‐  資源、工業力、人口が
    多いから
    なかなか死なないだけである
 
  (‥ )服ではなく中身
      裸の肉体が差を作る
      体力さえあれば
      馬鹿でも阿呆でも
      宗教でも精神論でも
      問題ない
      そういう見本だね
      もっとも最近はさすがに
      青色吐息になってきた
      みたいだがな
 
 未来の歴史家はアメリカは馬鹿だ愚かだ、精神論に頼って国家を疲弊させ滅ぼしてしまった、というだろう。
 
 ∧∧
(‥ )人間はなにをまとうか
\‐  ではなく
    むしろ裸の体力の方が
    問題なのである
 
  (‥ )防寒具の差が生死を分ける
      そういう事例もあるが
      それは極端な場合だしね
      体力が差を作るのだ
 
 それを考えると、安易に、日本が、精神論が、特攻が、アメリカが、というのは考えものだろう。
 
 例えば、なんぞ最近は東芝の粉飾決算が話題である。
 
 ∧∧
(‥ )これも日本の精神論が...
\‐   と言っている人も
     いるみたいですね
 
  (‥ )精神論じゃないなあ
      だって
      赤字じゃなければ
      粉飾する必要が
      そもそも
      ないわけだからね
      体力が無いから
      粉飾するんだろ?
      精神ではなく
      体力を見るべき
 
 そういえば、以前、困った顔をして追いつめられている社長さんに、粉飾決算したら? と言ってみたことがあった。即座に、それは出来ません、と答えが返ってきたが。
 
 ∧∧
( ‥)冗談でもあなた
    めちゃくちゃなことを
    言い出しますね
 
  ( ‥)その社長さん
    ‐/ なんとかしたらしいよ
       幾つかの
       成果を取り付けて
       ちゃんと帳尻を
       合わせたんだ
 
 彼にはそれが出来た。
 
 反対にこんな事例もある。知り合いがいた会社なんだが、ある日、銀行がやってきて、そして某大企業に買収された。なんでも2代目だか3代目だかの社長が、最後の数年間、ずーっと粉飾決算をしていたそうだ。それがばれて...いや、むしろそれでも業績悪化が是正できずに、とうとう銀行が介入してきた、そういうことらしい。買収された後、社長は若くして亡くなった。自殺ってわけではない。燃え尽きたというわけでもない。喪失したという感じなんだろう。会社はまったくの別物になり人員も整理されたと聞く。元の部分なんか残っちゃいまい。
 
 ∧∧
(‥ )同じ社長さんでも
\‐  ずいぶん違いますね
 
  (‥ )でもまあ気持ちは
      分かるよね
      苦し紛れに
      粉飾したくもならーな
      会社の命運を左右する
      こんな重圧は
      普通の人間では
      耐えられない
      誘惑も多かろうよ
 
 しかし誘惑がある中でも、しない人とする人がいる。というか、しない道を見つける人と、みつけられない人がいる。この差はどうして起きるのか? この時、これを精神論で語っては、差の原因は見えてこないだろう。
 
 精神論は服だ。そして服は正否を分けない。そうである以上、着ている服ではなく、肉体を見なければならぬ。服を論評するのは逃げだ。
 
 
 そういえば、切り抜けた社長さんは高身長で肩幅がありかっぷくも良かったな。だが、喪失した社長はやせていたよねえ。
 
 ∧∧
( ‥)それが差を生みましたか?
 
  (‥ )さて?
      どうだろうねえ
 

 
       
 

2015年7月23日木曜日

境界線の山々

 
 冥王星の新しい映像
 
=>NASA’s New Horizons Finds Second Mountain Range in Pluto’s ‘Heart’ | NASA
 
 
 ∧∧
(‥ )画面左の暗い領域は
\‐  クレーターがある
    右の明るい領域には
    クレーターがなくて
    山がある
 
  (‥ )指摘されているけども
      暗い領域のクレーターに
      明るいのが流れ込んで
      クレーターの底を
      埋めているね
 
 流れ込んだ、ということは液体だった、ということなんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも液体だったとしたら
    その白い領域に山がある
 
  (‥ )山がある
      でっぱりを支えられる
      強度が地殻にあるか
      あるいは浮力があって
      山が浮いている
      そのどっちかだろうけど
 
 かつて液体だった、というのなら浮力で支えていた、ということになるんだろう。つまりそもそも浮いて突き出ていた、ということになる。
 
 ∧∧
(‥ )溶けた水に氷山が浮かぶような
\‐  感じですかね?
 
  (‥ )もしそれがこの山なら
      水の流れで
      黒と白の境界線に
      掃き寄せられたようにも
      見えるよね
      分布の偏りは説明できるし
      つじつまは
      合いそうだよね
 
 
 とはいえ、例えば溶けて割れた氷が水に漂う時、こんなぎざぎざした形をするものだろうか?
 
 例えば木星の衛星エウロパは氷の下に海があるようだし、溶けて割れて氷が漂ったと思われる地形がある

=>https://www.google.co.jp/search?q=europa+ice+rafts&client=safari&rls=en&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAcQ_AUoAWoVChMIpcGZn4vwxgIVy6aUCh0L7wcB&…
 
 でもこの地形、当たり前だけど表面が平らだ。氷が割れて漂うのならこうなるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると
    冥王星のこの山って
    なんだろうね?
    北極海から流れ出す
    氷山のようなものと
    言えばもっともらしいけど
 
  ( ‥)でもどうだろうね?
    ‐/ この山は高さが
       1.5キロあるそうだ
       それを水面下で支える
       氷山の本体部分って
       一体全体どんだけ
       でかいんだい?
 
 それに、そんなでっかい本体が水面下にあったとしたら、こんなみっちり密集できるものだろうか?
 
 あるいは実は周囲の物質と密度が全然違うのだろうか? 例えば純粋な水の氷と、水にメタンや窒素や一酸化炭素が混ざったものは密度も挙動も融点も流動性も全然違うとか。
 
 ∧∧
(‥ )研究者はこれをどう
\‐  説明するのでしょうね?
 
  (‥ )そのうち論文が
      出てくるのだろうなあ
 
 探査機は膨大なデータを取得済みだけど、それを地球に送信するには長い長い時間がかかる。それに基づいて論文が書かれるまでさらに時間がかかるから、1年、2年先ということになろうか。
 
 
 あともうひとつ気づいたことがある
 
 ∧∧
( ‥)地球の北極の氷山って
    どうやってできるわけ?
 
  (‥ )水が凍ってできます
      グリーンランドの氷河が
      割れて出来ます
      それが溶けてギザギザに
      なるんですー
      とか知ったかぶりな
      当てずっぽうは言えるけど
      具体的には知らないな...
 
 考えてみれば冥王星どころか地球のそういう自然現象も良く知らない。
 
 ∧∧
(‥ )研究はされているはず
\‐  なんですけどね
 
  (‥ )未知のものに出会って
      考え始めると
      身近なものを
      知らなかったことに
      気づかされるものだが
      これもそれか
 
 冥王星の氷の山がなぜ周囲から突き出ているのか? 浮力で浮かんでいるというのならその原因はなにか? そしてなにより
 
 ∧∧
( ‥)なんで冥王星の山は
    こんなにカクカクした
    形をしているの?
    そこが説明できないと
    駄目であると
 
  ( ‥)地形と形を説明するって
    ‐/ 実は相当難しいこと
       なんだよね
 
 

格差調整スイッチ

 
 人が曰く、日本は過重労働だ、遅れた国だ、ヨーロッパを見なさい! みんな人間らしい労働時間で働いている!!
 
 ヨーロッパでは出稼ぎ外国人労働者が極貧で働かせられているよ?
 
 それに反論して最初の彼が怒って曰く、日本だって出稼ぎ労働者を働かせているじゃないか!!
 
 ∧∧
(‥ )論点がずれてる?
\‐
 
  (‥ )まあずれているね
 
 彼は日本の、というか自分の今の境遇に不満があるだけなのかもしれない。日本の、あるいは身の回りの何もかもが気に入らないのかもしれない。
 
 それに対して、そうはいうが西欧社会も大概だよ? と申し述べる人は社会の仕組みについて語っているのだろう。格差がないところに豊かな生活はない。豊かで人間的な生活があるということは、誰かにものすごいしわ寄せが来ているということであるし、日本があまり幸せでないとしたら、格差がまだそこまで開いていないということじゃないのか? そう申し述べている。
 
 ∧∧
( ‥)怒った人は
    以上の指摘に対して
    日本にだって格差が
    あるじゃないか!! と
    反論している
 
 (‥ )でもそれは
     これが社会の
     仕組みじゃないの?
     と申し述べた人からすれば
     論点をずらしていることに
     なるんだよな
  
 
 格差調整スイッチを90に設定すると正規の国民の幸福度は80に上がる
 
 格差調整スイッチを30に設定すると正規の国民の幸福度は60にまで下がる
 
 こういう話をしている時に、格差があるのだからどこも同じだ! と反論するのは、度数を無視しているわけで、論点をずらしていることに他ならない。
 
 ∧∧
(‥ )でも怒っている人は
\‐  論点をずらしたつもりは
    ないのだろうね?
 
  (‥ )彼は身の回りを
      否定できればそれ良いし
      それ自体が目的だ
      そうだとすると
      度数なんか
      どうでも良いのだ
      否定できればそれで
      良いわけだな
 
 否定することを否定されて怒りだすとは、否定そのものが目的である、そういうことだろう。
 
 ∧∧
( ‥)まあこれらは
    ようするにですよ
 
  (‥ )逃げ場なんか
      どこにもない
      そういうことだよね
 
 少なくとも先進国の正規な国民に逃げ場というものは存在しない。どこへいっても同じなら、逃げ場などあるわけがない。そして西欧が世界中から略奪した富が、全世界に再び分散していく過程がこれからの歴史だとしたら、未来もまた否定的である。世界中が先進国になると同時に、世界中が格差社会となるだろう。現在は、後進国の人間になら逃げ場はあるが、それも奪われる。これをグローバリズムと呼ぶ。
 
 ∧∧
( ‥)そしてついでにいうと
 
  ( ‥)文句ばっかり
    ‐/ 言っている人が
       なぜ嫌われるのか?
       それは逃げ場を
       具体的に提示しない
       からなんだよね
 
 理想論は理想論だ。それは絵に描いた餅であり、口先だけの話である。口先だけだから嫌われるのだ。それがいやなら、まずは自分の人生や自分の職場から矯正しなければならない。それもできない人間がいくら声を上げても、他人はそれを酔っぱらいの愚痴としか聞いてくれないのである。
 
 ∧∧
(‥ )だから怒って
\‐  いるのですかね?
 
  (‥ )まあだから
      ますます周囲から
      浮いてしまうわけだがな
      怒っている人間に
      わざわざ近づく奴は
      いないだろ?
      交渉がね
      へたくそなんだよね
      そしてだ
      交渉がへたな奴が
      活路を見いだせるわけが
      ないよねえ
      怒っている時点で
      人生が詰んでおる
 
 ∧∧
(‥ )声を上げないと
\‐  何も変わらないじゃないか!
    とかみついてきそうですが
 
  (‥ )そういう反論はよくあるが
      変わらないじゃなくて
      変えていないから
      酔っぱらいの愚痴としか
      思われないんだろ?
      彼らはいつも
      論点を外しちょる
      次の一手の代わりに
      怒りの言葉をぶちまける
      そんなだから詰むんだよ
 
 それは、変える気がないということでもある。つまりはお前さん、もう諦めているんだろう? だけど諦め切れないから怒っているのだ。しかし、お前の怒りに次の一手は無い。怒ってはいるが、実際にはもう満足しているんじゃないのか? 自分の人生はここまでだったと。
 
     

2015年7月22日水曜日

お母さん、運ぶ

 
 徹夜明けで腹がすいてコンビニへいくと、おっさんがおばちゃんとおにぎりコーナーの前に陣取っている。
 
   きれいな入れ墨ですね
 ∧∧
( ‥)
 ‐( ‥)おっさん
     半袖から少し
     見えちゃってるな
 
 こっちはおにぎりが欲しいのだ。
 
 間に割り込むと。
 
 なんや? なんや?
 
 とガンを飛ばしながら言うので
 
 おにぎりがね欲しいのですよ
 
 そういうと
 
 なんや
 
 と答えた
 
   最初のなんやは
   なんだお前で? で
   次のなんやは
 ∧∧ なんだそうか だね
(‥ )
 ‐( ‥)言葉は文脈で意味が
     変わるだ
     ...と、仰々しく
     言うまでもなく
     単に主語が
     省略されている
     だけだがな
 
 去り際、こちらへ向けておっさんが曰く、いい腕をしとる
 
    あなたいい腕
 ∧∧  してましたっけ?
( ‥)
 ‐( ‥)いやあ少し
   ‐ ‐ 日に焼けちゃいるけど
      特に良い腕ではないなあ
 
 あれは、遠回しの謝罪であったのかもしれぬ
 
   相手をほめることで
 ∧∧ チャラにしようとしている?
(‥ )
 ‐( ‥)そう受け取った
      おう すまんなあ
      そう言えない人や個性や
      立場や日時もあろうな
 
 さて、それはともかくとして、今日はカリバチが捕まえたクモを運んでいくところに出くわした。そこそこそ自然が残っている場所なら時折目にする光景である。
 
うんせうんせと運び










 
 時々、獲物から離れて周囲を探る様子を見せたり、身繕いをする。











人に見られているので、警戒しているのかもしれない。でも詳細も理由もよく分からない。











クモは時折、ぴくぴくと痙攣しているように動く。死んではいないが身動きできないのだということが分かる。

そうしてハチは再び獲物にかみつくと、よっこいしょと、ずるずる運んでいく。











 ずるずるずるずる

 
 ∧∧
(‥ )こうしてクモさんは
\‐  身動き出来ず
    死ぬ事も出来ず
    生きたまま新鮮な食料として
    ハチさんの幼虫の
    餌となるのです
 
  (‥ )冷蔵庫が無い状況でも
      肉を保存できるように
      編み出された戦略だけど
      進化と自然って
      おっかないよねえ
      まったく容赦というものが
      存在しない

 そして子供の餌にするということは、クモを運んでいるハチはすべからくお母さんバチだということでもある。
 
 ∧∧
( ‥)母は強しですか?
 
  (‥ )容赦がないのは
      事実であるな



 

2015年7月21日火曜日

昨日20日の夕暮れ

 
 日付は変わって昨日20日の夕方。空はきれいな夕焼け。













 ∧∧
(‥ )本日、20日の夜
\‐  ここらあたりは
    晴れそうですね
 
  (‥ )星見れるかな
 
 
 


2015年7月20日月曜日

地球が拒絶される物語

 
 台風11号は周囲の熱をかき集めたという。台風が過ぎた後、猛烈な湿気と熱の中、梅雨前線はどこかへ消えた。
 
 ∧∧
(‥ )時刻は午後3時
\‐  曇った空で直射日光は
    ないけども
    お外の気温は34度
    湿度は58%
 
  (‥ )もうどうしろと
      言うのだ...
 
 さて
 
 [The First Man in the Moon]
 
 直訳すれば月世界最初の人間、時として月世界旅行とも邦訳される。
 
 ∧∧
(‥ )イギリスの作家
\‐  ウェルズさんの作品だよね
    時代は1901年
 
  (‥ )月世界旅行だと
      フランスの作家ヴェルヌの
      作品と題名が
      かぶるのだよな
 
 だから、ウェルズの月世界旅行と言うべきなのかもしれない。小学生の時に学校の図書館で読んだ記憶がある。近所の図書館で角川文庫版を借りて読んでみた。昔読んだものは子供向きに改変されていたのだろうが、それでも記憶にある内容と大体同じだ。
 
 重力を遮断する物質を研究者が発明する。主人公の若者と研究者はそれを応用することで月へいく。そこで見たのは、クレーターの底で昼の間だけ空気が沸騰して気体化すること、その間だけ植物が生えること。そして地下にすむ月人の存在であった。
 
 ∧∧
(‥ )若者は植民地主義者なのだね
\‐  世界征服は白人の義務であると
    申し述べている
    一方では危険に用心深く
    狡猾で暴力的である
    月人に捕まった後
    脱出を始めるのは彼で
    重力の低い月に適応して
    体がさほど頑丈でない
    月人たちを虐殺している
 
 
  (‥ )研究者はもう少し理性的で
      月人と
      対話できるのではないか?
      と考えている
      実際、それは実現するけど
      彼は用心深くなく
      あけっぴろげだ
      それで墓穴を掘ることに
      なってしまう
 
 二人の登場人物は対照的であり、しかしどちらもハッピーエンドを迎えることはできなかった。
 
 若者は地球に帰ることは出来たが、手に入れたものは経験と月から持ち帰った黄金製の道具だけである。月では重力が低いせいか、重いけども加工が容易な金が色々な道具として使われている。若者は金が豊富にあることを見て、月を征服し植民地にしようと考えていた。しかし、帰還こそできたものの、宇宙船を失い、今やその野望が実現することはない。
 
 一方、研究者は月人に再び捕まり、地球へ帰ることはできなかった。彼らの設備を使うことを許されて、受信はできないが月の情報を送信してくる。そうして月人の社会を物語るが、不用意な発言をした後、それは禁止され、彼の送信が回復することは二度となかった。
 
 地球人は月人よりも技術的に劣っていること。しかし体が頑強で侵略的であること、地球は統一されておらず互いに殺し合いをしていること。そしてなにより、重力遮断物質、月においてそれは理論的にはすでに知られていたものだが、それを作れる地球人は彼一人であること。
 
 これを把握した月人とその指導者が、研究者が地球へ送信することを禁じたのは当然であった。最後の送信は重力遮断物質の製法に関するものであり、それは唐突に遮られてしまうのである。
  
 ∧∧
(‥ )技術が劣っているとはいえ
\‐  筋力の強い地球人が
    月に攻めて来たら
    困るってことだね
 
  (‥ )しかし月人の社会は
      どう考えたら
      良いのだろうな?
 
 例えばWikiでは月人の社会はディストピアであると書かれている=>月世界最初の人間 - Wikipedia
 
 まあ、たしかにそういう世界かもしれぬ。月人はアリのような生物で、しかしその役割分担は無数。数学者になるべきものはそのように教育を受け、訓練を受け、それに応じて体の各器官、さらには脳におけるそれを司る場所すらもそれぞれ別の成長を遂げる。肉体の一部のみを過剰に発育させるために、子供の月人を型枠にはめて育てる場合もある。ちょうどスイカを箱にいれて立方体に成型するような感じだ。
 
 腕だけが突き出た壷のようなものがずらっと並ぶ。研究者は選択の自由を奪ってしまうその様子に不快感を覚える。 

 確かにこれはよくある管理社会の描写だ。そういえば自分が子供であった70年代、80年代は、職業と役割を生まれつき決める管理社会と、それを糾弾する小説や物語がたくさんあった時代でもあった。
 
 ゆとり教育の弊害が気づかれる以前の時代である。すべてを受験で決めるかのような社会は悪である、そういう一方的な糾弾がまかり通っていたことの反映でもあったのだろう。
 
 では月世界旅行もまた、このような管理社会への糾弾であろうか? 
 
 実のところ、ウェルズの月世界旅行における研究者は、子供を枠にはめて成型する月人のやり方に不快を感じつつも、これを合理的であるともみなす。
 
 さらに、月人には不満が無い。それを感じないように出来ている。牧人は牧人を幸せと感じるし、肉屋は肉屋を、記憶するものは記憶することを、技術者は技術を操作することを幸せと感じる世界。
 
 それだけではない
 
 ∧∧
(‥ )確かに月人の社会では
\‐  偉い人は偉いし
    お付きの者を幾人も
    しかも役割に応じて
    体を成型した従者たちを
    従えているのだけど
    従者たちが奴隷であるとか
    下層民であるとか
    賤民であるとか
    貧乏であるとか
    そういう描写はないね
 
  (‥ )偉い月人は偉いけども
      役割分担をしている
      だけなんだな
      そして月人の社会は
      高度な機械類も使うけど
      人間そのものを
      直接成型することで
      多くの機械を代用して
      文明を築き上げた世界
      というわけだね
 
 実際、小型機械に動力を与えるのが仕事の月人もいる。エンジンとして機能するようにされた人々だ。
 
 そして月人の支配階級は脳が巨大であり、自力では動けない。運ぶことに特化した月人たちに運んでもらう。
 
 この描写、月世界旅行が発表される少し前に書かれた宇宙戦争における火星人とほとんど同じである。
 
 ∧∧
( ‥)ただし火星人は月人とは
    正反対で
    全員がクローンで同じ形
    そして体の機能はすべて
    機械類でサポートしている
    文明なわけだよね
 
  ( ‥)火星人の社会は
    ‐/ 人類のありうる
       ひとつの未来でも
       あるんだよな
       火星人の祖先は元々は
       地球人みたいな姿で
       あったと設定されている
       わけだしね
 
 火星人は脳と機械を操作する指だけになった存在である。内臓がほとんど無く、内臓の変化による情緒がない、純粋知性としての存在だとされる。
 
 ∧∧
(‥ )月人も冷たい知能という
\‐  描写が作中で出てきますね
    脳が大きな月人は
    胴体が小さいからね
 
  (‥ )月人の社会は人間には
      不快に思えるけども
      合理的なんだよな
      少なくとも研究者は
      不快感を覚えつつも
      合理性を認める
 
 だとすれば月人の社会とは、ディストピアというよりはウェルズなりのユートピアを描いた作品だと考えることもできる。というか、むしろそう考えるべきなんだろう。
 
 宇宙戦争では侵略してきたのは火星人であった。地球人よりも高度なものとして進化した、機械で武装した純粋知性たちは、地球文明に何の興味も抱かずにそれを蹂躙する。
 
 月世界旅行では侵略しようとしたのは地球人であった。地球よりも高度に発達した合理性と役割分担を遂げた月人社会は地球を拒否して門を閉ざす。

 地球は月人によって断罪されたのだ。
 
 ∧∧
(‥ )作者の世界観は同じだと
\‐
 
  (‥ )ウェルズという人は
      合理的な世界観を
      持っていて
      社会が発展すれば
      同じように収斂するはずだ
      そしてその反対に
      現在の地球を否定していた
      そう考えていたと
      見るべきだろうなあ
 
 実際、タイムマシンでは、遊びほうけて馬鹿になってしまった未来人が出てくるが、あれは今(19世紀当時)のような資本主義社会とその延長では駄目なのだ、そういう主張と見るべきなんだろう。
 
 *馬鹿になってしまった未来人とは資本家や貴族階級の子孫であった。
 
 **ウェルズは社会主義に傾倒したし、社会主義とは決定論的かつ発展的な世界観である。それを踏まえればウェルズの世界観は現在の我々の世界観とどこかずれている部分があるのは当然。確かに人間の発想の基本には一直線に発展する世界、あるいは堕落する世界というごく単純な世界観がある。とはいえ、発想の基本が同じでも、社会主義失敗後の現代人は、考えてみればそれは失敗したよねー、と思い出すことができる。しかし、ウェルズたち19世紀から20世紀初頭の人々には原理上、そのような発想は存在しない。
 
 ∧∧
(‥ )ウェルズさんの世界観を
\‐  知るには
    もっと別の本で確認する
    必要があるね
 
  (‥ )あの人
      世界史概観とか
      地球国家とか
      世界史や文明批評を
      書いているからな
      それを見るべきだな
 
 
  

2015年7月19日日曜日

望むがままを行なえ

 
 日付はすでに19日だが、18日は台風11号が崩壊しつつ列島を横切り、猛烈な湿気だった。西空から夕日が差し込むと一時、見事な虹が出た。
 
 













 
 さて


 中国が台頭し、外洋へ出ようとする。すると海洋国家である日本やアメリカはそれを阻止しようとする。
 
 ∧∧
(‥ )イギリスとロシア
\‐  それに続く米ソ冷戦
    ユーラシアの大陸国家を
    大陸内部に封じ込める
    北海から黒海
    イラン、アフガニスタン
    東シナ海、日本海
    オホーツク海に広がる
    数世紀に及ぶ戦い
 
  (‥ )大日本帝国と
      ロシア帝国の戦いも
      含めるべきだよね
      この戦いは何百年と
      続いてきたし
      この先、何世紀も
      役者を変えつつ続くのだ
 
 単にここ数年あまりは中国が目立ってきたというだけで、構図はまったく変わらない。というか、考えてみればロシア帝国はモンゴル帝国の正当後継者だとも言えるし、中国は大モンゴル帝国の一部、大元ウルスであったのだ。

 相手がロシアだろうが中国だろうが、構図が変わるわけがない。
 
 ∧∧
( ‥)でっ? そういう戦いの
    構図の中で
    昔のままに時代錯誤する
    人もいれば
    理想を求めて
    あえて戦う人もいるのだと
 
  ( ‥)最近だと宮崎駿監督が
    ‐/ そうみたいね
       あれだけ大国の思惑に
       翻弄される人々と
       小国の運命を描いた
       一方で
       沖縄の非武装化とかを
       唱えるから
       脳内お花畑の売国奴と
       揶揄されているらしい
 
 ∧∧
(‥ )でもナウシカ自体が
\‐  まさにこのままな話だよね
    大国の思惑に翻弄される中で
    理想を追求し
    時には手も汚す女の子の物語
    助けてあげてと言える人物が
    実際に声を上げる物語
    やっていることはむしろ
    物語で申し述べたままですか...
 
  (‥ )空襲の時
      乗せてあげてがいえなかった
      そう聞くよね
      だから乗せてあげてと
      言える人をあえて描く
      人間は過去の経験から
      自由になれないのだ
      それにこだわるは当然
      ...でもあれなんだよな
      ナウシカって
      ナウシカ自身は
      かなりきれいなままで
      終わったけど
      その代わり周囲の男たちが
      汚れ役を引き受けている
      そういうひどく現実的な
      話でもあったよなあ

 ナウシカのような理想主義者だったのに民衆のあまりの馬鹿さ加減にあきらめて神権政治による絶対統治を目指した皇弟ミラルパ。軍事国家トルメキアの襲来よりも、民の愚かさによって帝国が崩壊することの方を危険視する男。
 
 現実主義者なのだけども、あまりにも現実的で非道の限りをつくし、帝国崩壊の時でもやるのは内戦だ。その愚かさも愚行も百も承知の上で進むは覇権。しかし己が目指す覇権さえも皮肉に笑うナムリス皇帝
 
 偉大な軍事指導者の成り上がりで王家を乗っ取って権力闘争を勝ち抜き、暗殺、毒殺、謀略、粛清、厭世的になりつつも、墓の秘密に邁進するヴ王
 
 ∧∧
(‥ )ナウシカさんも
\‐  手を汚さなかったわけじゃ
    ないけども
    誰よりも世界を相手に
    手を汚し続けたのは
    この人たちで
    もう疲れ切った
    悲惨な皆さんたち
    ナウシカさんをかばうために
    汚れて消耗した人たちだ
    とも言えますかね
 
  (‥ )特に興味深いのは
      ナムリス皇帝だよな
      クーデターで弟ミラルパを
      追い落とした後
      既得権益集団で
      社会の膿となっていた
      僧侶を虐殺して
      一掃してしまうだろ?
      あれ、本当は
      ナウシカがしなければ
      いけない責務だよね
 
 ∧∧
( ‥)ナムリス皇帝が
    大虐殺してくれたから
    ナウシカさんはすんなりと
    新指導者になれたのだと
 
  (‥ )物語的に言えば
      ナムリス皇帝って
      ナウシカの純潔を
      可能な限り守るために
      登場した人物だよね
      
 そのせいなのかどうなのか、理想という純潔を守るナウシカに対し、お前を辱めてやる! と露骨に言い放った人物は物語においてナムリス皇帝、彼だけだ。まるで、汚れ役を一身に引き受けた我が身の不条理に抗議するかのようである。
 
 しかし、あっさり死んで、ご都合主義的に退場だ。
 
 ∧∧
(‥ )でもそうでないと
\‐  ナウシカという
    理想の体現者は守れませんと
 
 
  (‥ )ナウシカだって手は
      汚しているんだがな
      実際、作中において
      虚無に罵られるだろ?
      なにをカマトトぶって
      いるんだ?
      お前の手は血で
      真っ赤じゃないかとね
      でもナムリス皇帝や
      ミラルパ皇弟
      ヴ王はそれどころじゃ
      ないからね
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  監督さんはなにもかも
    承知の上での理想論ですか
 
  (‥ )そうじゃねえか?
      それになんだ
      下世話な言い方で悪いが
      ジブリの
      ブランドもあるし
 
 ∧∧
( ‥)ブランドね
 
  (‥ )ジブリの最高指導者が
      太陽光発電なんて無理
      あんなの信じる奴は馬鹿w
      原発だよ原発
      中国の意図は分かるが
      それはそれこれはこれ
      アメリカの影響下から
      脱却はしたいがまだ早い
      同盟は止む無し
      国家の力学とは
      こういうものだ
      全員整列し納税せよ
      プロの軍人を後衛から
      支えよ
      なーんてことを
      言えるわけないからな
 
 というか、そんなことを言ってもらっては困る。子供が泣いてしまう。
 
 ∧∧
(‥ )ジブリの最高指導者は
\‐  清濁合わせつつも
    理想をこそ守れば良い
    むしろそれが責務...ですか
 
  (‥ )もちろん
      理想だけじゃ無意味だ
      だけど現実の舵取りを
      責務として実行するのは
      ジブリの最高指導者じゃない
      国家の最高指導者がそれを
      責務として行なうのだ
      国家の最高指導部は
      ジブリとか
      理想を背負うべき人とか
      そんな有象無象のことなど
      認識しないし
      する必要もない
      彼らの責務は別のところに
      あるわけだからね
 
 つまり現実の汚れ役は最高指導者である男共が引き受ければ良い話。実際、それが物語られたことであった。
 
 まあ、楽観的に考えれば状況は順調だ。アメリカは中二病的な世界観で順調に国力を無駄に消費しつつあり、自分たちが非適応的であることにまったく気づいていない。中国はその自由さゆえに不安定性が一気に臨界しようとしている。

 この世界に予想できなかったことなど何一つ起きていない。すべてが誤差の手中にあり、人の自由意志も理想もその前ではまったくの無意味。
 
 皆、それぞれの責務だけを果たせば良い。望むがままを行なえ。人間にそれ以上のことなど出来やしない。
      
      
 
 

2015年7月18日土曜日

冥王星 なんか思ってたのと違う

 
 ∧∧
(‥ )冥王星の♡部分の拡大
\‐
 
=>New Horizons Discovers Frozen Plains in the Heart of Pluto’s ‘Heart’ | NASA
 
 
  (‥ )なんだこれ?
 
 小さなクレーターすら見当たらないのっぺらぼうな地形。そこにあるは多角形に見えなくもない奇妙な模様。
 
 ∧∧
(‥ )ごく若い地形だね
\‐  出来てから日が
    経っていないから
    クレーターが
    形成されていない
 
  (‥ )冥王星は本当に最近まで
      地質活動があったのだな
   
 これらの奇妙な構造は
 
 表面が収縮して出来たか(例えば泥が乾くように)

 あるいは対流によって出来た構造ではないのか? 

 と意見が出ているらしい。
 
 ∧∧
(‥ )凍結した一酸化炭素
\‐  あるいはメタン、窒素
    それらなら対流しうると...
 
  (‥ )単純な水の氷じゃないよな
      水の氷だと
      冥王星ではもう流れない
      はずだからな
 
 
 *固体も流れる。地球において凍った水である氷河は流れるのである。しかし、地球では流れる氷も、土星より遠くではどうも流れるような流動性は持たないっぽい。冥王星の固体で流れるとしたら、一酸化炭素とかだろう、そういうことらしい。
 
 ∧∧
(‥ )冥王星も衛星カロンも
\‐  変な星だよね
    冥王星には山があったしね
    35000メートル級だという
    話ですね
 

=>From Mountains to Moons: Multiple Discoveries from NASA’s New Horizons | NASA
 
  (‥ )冥王星の氷は流れない
      山を支えられるだけの
      強度を持っている
      そうだとしても
      じゃあどうやって
      山はできたのだ?
      内部の熱で対流が起きて
      氷の褶曲とかあったのかな
      疑問はつきないなあ
 
 極めつけは衛星カロンのおかしな山だろう=>New Horizons Close-Up of Charon’s ‘Mountain in a Moat’ | NASA
 
 リンク先の拡大画像の左上にあるものである。
 
 ∧∧
(‥ )なんていうか粘土に
\‐  氷を押し込んだように
    見えますね
 
  (‥ )山っていうのは
      僕らが思っているほど
      簡単な構造物じゃ
      ないんだよな
 
 例えばの話、地球に巨大隕石が衝突したとする。巨大なクレーターが形成され、その中央には衝撃の反動で山が出来る
 
 ∧∧
( ‥)でも地球では
    そういうクレーターや山は
    仮に浸食がないとしても
    いずれ流れて消えてしまう
 
  ( ‥)地球のマントルは
    ‐/ カンラン岩であり
      固体であり岩石なんだが
      流れちゃうからな
      そういうむりやりできた
      巨大構造は
      支えられないのだ
 
 小さな山はいざしらず、巨大な山は流れる。ひるがえれば、山があるというのは、そういうむりやりな構造を支えられるほど地殻に強度があるか(例えば月や火星のように)、さもなければ山自体が実は浮力で浮いている構造であるかだ(例えばヒマラヤ山脈のように)。
 
 そしてこれは山と反対、へこんだ地形に関しても言える事。地球の陸がなぜ海よりもでっぱっていて、海がなぜ陸よりもへこんでいるのか? この地形には組成と密度の違いが反映されている。
 
 ∧∧
(‥ )でもカロンのこの山は
\‐  一体全体なんでしょうね?
    でっぱってへこむ
    山とその周囲と
    そのさらに周囲の密度が
    全然違うということですか?

 
  (‥ )当たり前だけど
      研究者も驚いている
      みたいだな
 
 リンク先でも、
 
 The most intriguing feature is a large mountain sitting in a moat.

一番、興味をそそられるのはへこみの中に鎮座した巨大な山だ。
 
 This is a feature that has geologists stunned and stumped.

これは地質学者を悩ませあぜんとさせるものだよ。
 
と書いてある。意味不明な地形であることは確かに明らか。
 
 それにカロンの中央、赤道付近にあるクレーターには光条があるように見えるけども、一部ではそれが後から途切れたような感じに思える。光条が残るクレーターは非常に新しいはずだけども、それを後からかき消すような地質活動が最近起こったということであろうか? しかもなにやら、思いっきり割れて動いているように見えるし。
 
 ∧∧
(‥ )なんか思ってた世界と
\‐  違いますね
 
  (‥ )意味不明だよなあ
 
 
 
 
 
 
      

合理か非合理かを論じている時点でそれは駄目だ

 
 曰く、社会問題が複雑化すると人間は理解が追いつかなくなり非合理な思い込みに走る
 
反対はするが対策はしない
個人に責任を転嫁して問題を解決したとする
怪しげな因果関係に飛びつく
物事の原因が不明でも何か一つにこじつける
緩和策や応急処置で満足し根本問題を先送りする
問題を細分化してより複雑にしてしまう
行き過ぎた経済偏重行動をとる
 
 ∧∧
(‥ )...だっ、そうですが
\‐
 
  (‥ )意地悪な言い方をすると
      これ自体がそのままだよね
 
 
反対はしているが対策ではない。個人個人の行動に責任があるとみなしている。非合理が原因であると因果をすでに特定している。原因を特定したが、問題は細分化して複雑にしている。
 
 もちろん、これはあまりに意地悪な解釈ではあろう。そもそも指摘は対策ではない。対策視点で指摘を論ずるのは不当かもしれぬ。だがしかし、

 
 ∧∧
( ‥)もしかしたら以上の
    ”これが非合理だ論”
    それ自体が非合理かも
    しれない
 
  (‥ )というかですね
      合理か非合理かで
      論じている時点で
      それはもう駄目ですよ
 
 効果があるかないか、見るべきはそれだけだ。そして効果は結果であり、未来のものである。今、結果を判断しても意味は無い。やれば良いだけだ。知能なんて愚かしいものに頼るから、合理、非合理とか間抜けの極みのようなことを言い出しよる。
 
 
 ∧∧
(‥ )それを考えれば
\‐  対策は簡単だよね
 
  (‥ )やれば良いのさ
      結果は後からついてくる
      そして失敗は死
      成功は生
      これが演算機械の
      0と1になる
      後は01を累積させれば
      演算は完了するのだ


 
 例えばの話、以前のように勝てなくなり、軍事費と国家への負担が増えていくローマ帝国の中で、昔のローマに戻れと主張した文化人はいたようだけども、結果を先取りした人はどうもいなかったようである。
 
 ∧∧
(‥ )結果は外来の新興宗教に
\‐  よる国家の統制
    皇帝の権限拡大
    軍隊と政府の分離
    官僚制度
    歩兵から騎兵への移行
    国家の分割
    帝国西方の放棄
    これらは無数の皇帝たちの
    決断が得た解答
 
  (‥ )考えなくても
      非合理でも
      答えは出るんだ
      頭でっかちな文化人の
      社会批判なんて
      所詮は的外れよ
 
 

2015年7月17日金曜日

サーベルタイガーの俗説

 
 サーベルタイガーというと牙が長過ぎて滅びたとか、図体が重いので草食獣が小型化軽量化へと進化するなど、環境が変化するなかで適応できずに滅びたとか言われる。
 
 *つまり、この話の続きであるhilihiliのhilihili: サーベルタイガーは牙が長過ぎたせいで○か×か?
 
 ∧∧
(‥ )実際のところ
\‐  サーベルタイガーは牙が
    長過ぎて滅びた説は
    色々な意味でおかしい
    生物は自然淘汰によって
    環境に適合するよう
    絶えず調整されている
 
  (‥ )長過ぎたら短くなるし
      獲物が変化したら
      それに合わせて
      変化するだけだからな
      牙が長過ぎて絶滅した説は
      進化を良く理解していない
      証拠よな
 
 
 氷河期の環境変動で滅びたというのもたわ言だ。そもそも氷河期は猛烈な気候変動が何万、何千年とかいうレベルで起こる200万年だった。氷河期で滅びるのならとっくに滅びているし、そもそもサーベルタイガーが滅びたのは氷河期(厳密には最終氷期)が終わっていく、ちょうどそういう時代である。
 
 とはいえ、以上のような俗説はひと世代前には意外とはびこっていた見方であった。

 そして、人間の俗説は簡単に更新されたりしない。研究者の見解と一般的な俗説の間には30年は開きがあるし、場合によっては50年、あるいは100年ぐらい前のままってこともある。つまり、僕らの理解のかなりの部分は間違いだらけなのである。
 
 そして俗説は更新されないまま、保存される。
 
 それは、wikipediaを見て、なんか合点がいった=>スミロドン - Wikipedia
 
 ∧∧
(‥ )内容が古いと
\‐ 
 
  (‥ )古いというか...
      なんというかねえ
 
 これは2015年7月17日現在の記述だけども、jpg画像に保存した上で引用するとこう。







どこから突っ込めば良いのか分からないけども、

例えばサーベルタイガー(スミロドン)が滅びたのは人類が新世界に到着する以前なのだから、人類がサーベルタイガーを滅ぼしたという説には根拠が無い、という部分。
 
これに関しては例えば1969年に出たこのような論文がある

=>‎www.nhm.org/site/sites/default/files/pdf/contrib_science/CS163.pdf
 
 ∧∧
(‥ )ランチョ・ラ・ブレアから
\‐  見つかった
    サーベルタイガーのスミロドン
    アメリカンライオン
    バイソン・アンティクス
    これらの骨に
    石器で刻まれた痕が
    残っていた事例
 
  (‥ )ロサンゼルス近郊で
      タールが吹き出て
      ぬかるみになった場所
      ランチョ・ラ・ブレア
      そこから見つかった
      化石だな
      そして三つとも絶滅種
      人間に食われておるがな

 
 
 新世界のサーベルタイガー(スミロドン)が絶滅したのは1万年あまり前、人類はその何千年も前に到達している。サーベルタイガーも、サーベルタイガーの獲物であった大型動物が滅びたのも、人間が到来して以後のことである。
 
 ∧∧
(‥ )サーベルタイガーは
\‐   タールにはまっているから
     知能が低い
     だから滅びた説
 
  (‥ )これ自体は昔から
      ある説なんだ
      まあ色々と
      おかしな点が
      あるけどもね
 
 石油がにじみでてタールと砂がまざったぬかるみ。そこには色々な動物が足をとられて死に、それらは良好な化石になった。スミロドンは化石が多い。知能が低いからぬかるみに気づけなかったのだ、だから滅びたという説なんだが。
 
 ∧∧
(‥ )でもランチョ・ラ・ブレア
\‐  から見つかった化石で
    一番多いのって
    絶滅種の狼ダイアオオカミ
    なんだよね
    狼は賢い動物だよね
 
  (‥ )肉食獣に関して言うと
     化石の数は多い順に
     ダイアオオカミ、スミロドン
     3位につけるのが
     コヨーテなんだよね
     コヨーテを馬鹿と呼ぶ人は
     あまりいないよなあ
     そしてスミロドンより
     賢いとされる
     アメリカンライオンは
     4位なんだが
     これも絶滅しているのだ
 
 化石の多さが頭の悪さの指標で、それが絶滅を分けたというのなら、ずいぶんおかしな結果であろう。コヨーテはライオンより馬鹿ということになるし、スミロドンより頭が良いはずだとされているライオンも滅びているのである。
 
 一方、ランチョ・ラ・ブレアから見つかる肉食獣の化石は、異様にダイオアオオカミとスミロドンに偏っている。この二種類が突出して多い。
 
 この理由としては次のような論文がある。

=>Parallels between playbacks and Pleistocene tar seeps suggest sociality in an extinct sabretooth cat, Smilodon | Biology Letters

 
 ∧∧
(‥ )この論文は
\‐   ぬかるみにはまった
     獲物を独占できるのは
     大きな群れを作る肉食獣だ
     という論文だね
 
  (‥ )スミロドンと
      ダイアオオカミは
      大きな群れを武器に
      他の肉食獣を
      追い払っていた
      だから自分たちも事故に
      合う可能性が大きかった
      そういう説明だな
 
 
 多分、こっちの方が解釈としては正しかろう。ダイオアオオカミとスミロドンがあまりにも突出して数が多いこと。反対に数が少ないアメリカンライオンが、どうもあまり大きな群れを作らなかったらしいこととも整合的である。
 
 ついでに言えば、何万年もかけて化石が蓄積するのである。10年に1個体が事故にあう。そんな頻度でも20万年の間に2万個体が死に、その10分の1が、歯とか骨1本とか、部分的にせよ化石に残ったとする。するとそれだけで2000個体が産出する計算となる。事故の頻度はそんな高いものじゃない(スミロドンの産出は1100あまりである)。


 要するにこうである。
 
 サーベルタイガー(スミロドン)は別に知能が低いわけではないし、原理上、環境にも適合していたし、牙が長過ぎて滅びたわけではないし、絶滅は人間の到来以後に起きたし、それは大型草食獣が根こそぎ抹殺された後であった。さらにいえば、直接の狩りの結果であるかどうかはともかく、人間に食われていた可能性すらある。
 
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると
    wikiはあまりにも
    いい加減?
 
  ( ‥)少なくとも日本語版の
    ‐/ サーベルタイガーの記述は
       あまりにも俗説すぎると
       思うな
       英語版だとかなり
       まともだけどね
 
 =>Smilodon - Wikipedia, the free encyclopedia
 
 
 ∧∧
(‥ )で? あなた自身はwikiを
\‐   編集したりはしないと
 
  (‥ )俺の仕事は
      人間の間に格差を
      作り出す事よ
      本を作るとは
      そういうことだ
 
 
 
 *付記:ちなみにwikiは英語を見れば良いというわけでもない。英語のwikiも間違いだらけである。典型的な例がこれで=>Scaly-foot gastropod - Wikipedia, the free encyclopedia

 ここで使われている学名は存在しない学名だ。
 
 ∧∧
(‥ )でもさこの呼び名を
\‐  使っちゃう人も
    いるんだよね
 
  (‥ )記載されていないのに
      いつの間にか
      はびこっちゃったのだよな
      ご丁寧なことに
      研究者までこの名前を
      学名として
      使っちゃうことが
      あるんだよねえ
      正式な手続きを
      経ないものは
      すべて無効なんだがな
      なんだろうねこれ

 
  
  

    

2015年7月16日木曜日

負けたらギブミー・チョコレートだった人たちの世界観は

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  ( ‥)今時の戦中世代の
    ‐/ 多くに取って
       WW2というのは
       戦争が始まって
       徴兵されて
       爆撃されただけ
       なんだよね
 
 つまり彼らにとって、全部、上が勝手に決めたことで、そのせいで迷惑をこうむったようにしか見えないのである。
 
 ∧∧
(‥ )アメリカ軍による占領も
\‐  レイプ被害とかは
    比較的少なかった
    0ではないけども
 
  (‥ )0ではない
      しかし
      ソ連に占領されたら
      全員、レイプよ
      三日間の略奪ですよ
 
 それを考慮すると、今時の戦中世代にとって、戦争は負けた方が特だったように感じているのだろう。少なくとも、彼らがそう考えてもおかしくない。例えそれが運でしかないとしても。
 
 彼らにとって戦争というと徴兵だ。
 
 戦後というとギブミー・チョコレートだ。
 
 もうこのことで彼らの戦争観がだいたい把握できる。
 
 ∧∧
( ‥)お上が勝手に決めた戦争で
    損をして
    戦争に負けたら得をした
    そういう世界観だと?
 
  (‥ )それ以外のなんだと
      言うのだ?
 
 
 国際政治や力学など一般大衆には理解できない。メディアの発達も悪いのである。それに対して国家は大きい。海の向こうのことなど人々に理解できるはずもない。
 
 ∧∧
(‥ )一方、日本の指導者は
\‐  むしろアメリカに
    降伏することを選んだ
 
  (‥ )やっこさんたちは
      分かっていたんだろ?
 
 分かっていたはずだ。次に来るのは米ソの対立だと。その狭間にある日本やドイツを彼らが抹殺できるわけがない。
 
 つまりどちらに降伏してどちらにつくのかが問題になる。
 
 ∧∧
( ‥)でも?
    大衆は降伏したら
    チョコもらえたー
    としか思えなかったと?
 
  ( ‥)まあだからね
    ‐/ 戦中世代の世界観で
       今の世界を
       論じて欲しくはないよね
       それはいびつな
       成功体験だよ
 
 
 戦中世代だけではない。反戦運動をした世代がソ連邦を理想郷だと信じていたこと。そしてこのご時世に及んでもなお、同じ世界観で彼らが戦争反対、安保闘争をする。これがいかに倒錯的であるかは、以上を踏まえれば分かることであろう。
 

2015年7月15日水曜日

ぬめめんとした顔

 
 hilihiliのhilihili: 海岸の夜空と波と酔っぱらいとベンケイガニの続き
 
 星を見て、波に洗われ、ひーひー言いながら海から帰ってくれば、探査機NEW HORIZONSの冥王星接近は終わっていた。データは順次地球に送信されるそうで。
 
 ∧∧
(‥ )これ自体は最接近の直前
\‐  76万8000キロで
    撮影した画像ですか...
 
=>New Horizons Spacecraft Displays Pluto’s Big Heart | NASA
 
  (‥ )冥王星の♡マークって
      1600キロあるのか
      でけーな
 
 多分、太陽系最大の♡マークなんだろう。もちろんやはり接近すればあまりきれいな♡ではなかったわけだけど。
 
 ∧∧
(‥ )それにしてもなんでしょうね
\‐  このいかにも
    溶けかかったような姿は
 
  (‥ )遠いからそう見えるのか
      それとも
      冥王星は一時
      かなりな部分が
      溶けたことがある説が
      正しいのか...
      どうなのだろうね?
 
 
 *冥王星がそれなりに溶けたことがある:冥王星の衛星カロン(シャロン)は捕獲されたか、衝突で出来た天体らしいので、軌道が現在の形に落ち着くまでの過程で熱エネルギーが生じる。それゆえ、冥王星やカロンの内部は溶けたかもしれない、という考え。
 
 ∧∧
(‥ )新鮮なクレーターもあるけど
\‐  ぬめめんとした天体だねえ
 
  (‥ )海王星の衛星トリトンには
      凍った湖らしきものが
      あったけども
      冥王星にもそういう
      ものがあるのかな?
 
トリトンの凍りついた湖はこちら=>https://www.google.co.jp/search?q=triton++freezing+lake&biw=1051&bih=833&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMIzuCfkZHcxgI…

 

海岸の夜空と波と酔っぱらいとベンケイガニ

 
 昨晩、14日は空がここらにしてはきれいなので、急遽、海へいって星を見ることに。
 
 空はきれいだ。しかし、波が大きい。
 
   月は新月に近づいて
   そろそろ大潮ですし
   風も強いし
 ∧∧
(‥ )
 ‐( ‥)なんかここ
   ‐// 水没するんじゃ
    ⊥   ねえかな?
 
 そう思っていたら波だ。いつもの場所に波が届いたのは初めてだ。
 
 退いたのだが、そこにも波、さらに退いても波。望遠鏡は足が濡れただけだが、こっちは色々と海水に浸かってしまうはめに。
 
   あまりよく
   観察できなかったね
 ∧∧
( ‥)
 ‐( ‥)ばたばたしてたからな
      まあ、それでも
      球状星団M4が
      きれいだったな
      ちかちかしてた
 
 M75、M2、M30、その他色々と見事。いて座の新星はすっかり暗くなっていてよく分からず。以前から懸案の変光星、みずがめ座CY星は、星を確認するも自分の望遠鏡ではやはりぎりぎり見える明るさなので、変光の確認はできず。星自体は分かったのだから、また今度確認してみよう。
 
 *2018.08.12追記 みずがめ座CY星=>http://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili/keitou/qa/cy-aquarii.html

 
 くじら座のミラは多分6等ぐらいに思えたけども、すでに朝。夏至から一月後の今は夜があまりにも短い。
 
 足がずぶぬれになるわ、酔っぱらいが波打ち際で奇声を上げて半ば倒れるように水に浸かってはしゃいでいて、あのデブ死ぬんじゃねーか? 俺は助けられんぞ、球状星団を探しながら悪態をついてばかりの夜だったが、まあ、後にはつながる経験だろう。
 
 *一応、書いておくと死人は出ていない。思うのだが、水辺で泥酔した友達を置いて、みんなで少し離れた場所で遊ぶのは危険だよね。
 
 朝焼けの海岸、そして多分、ベンケイガニ
 
 











 
 ∧∧
(‥ )アカテガニさんじゃなく?
\‐
 
  (‥ )んー? よく分からん
      ともあれ鮮やかだよね
 
 
 
 

2015年7月14日火曜日

極めて論理的な発想であるがゆえに破滅は不可避

 
 ∧∧
(‥ )...EU首脳とギリシャが
\‐  会合して
    ギリシャに三回目となる
    融資を行なうことに
 
  (‥ )これで財政破綻
      ユーロ離脱
      銀行システム崩壊を
      回避できると
      一応はギリシャの勝ち
      ってことなのかな?
 
 対ギリシャ強硬派のドイツと、フランスやイタリアなどの間に、やや軋轢、あるいは見解の不一致が生じたとも伝えられている。
 
 ∧∧
(‥ )ギリシャ危機による
\‐  ユーロ安を利用して
    ドイツは良いように
    しこたま儲けたじゃんよ
    と言われてますよね
    ギリシャは
    財政緊縮して金を返せ!
    とドイツが言ったところで
    ギリシャの銀行は閉鎖中
    金がないんじゃ返せませんし
    融資は当然ですか
 
  (‥ )一方ギリシャは
     ナチスだ賠償しろだ
     難民を送って
     ベルリンをISISの
     テロの餌食にするぞとか
     カメノス国防相の
     すばらしい放言やら
     恫喝やらをするわけで
     ドイツもギリシャも
     しこりが残ったよなあ

 
 
 このたびの緊縮財政と融資受け入れも、ギリシャはドイツによって収容所に入れられた! (緊縮財政的な意味で)と表現する向きもあるらしい。
 
 ∧∧
(‥ )人間は生物だから感情的だし
\‐  それもさることながら
    有象無象の個体がそれぞれの
    利益や立場で放言するから
    必ず収拾が
    つかなくなりますよね
    わずかなぶれが
    巨大な差異へと拡大して
    事態はカオティックになる
 
  (‥ )人間は金や食い物に
      支配されているから
      金や食料生産に制御される
      この原則は正しい
      だけどその動態は
      まったく非論理的だよ
 
 それを考えると、ギリシャの破綻とEU大混乱はあくまで引き延ばされたに過ぎぬ。

 そして中国経済の株価操作も...
 
 ∧∧
( ‥)制御なんかできるはずがない
 
 ( ‥)株価が際限なく下がるなら
   ‐/ 売買できないように
      してしまえ
      買う事しかできない
      状態に市場を固定した上で
      国家が買い支えてしまおう
      ああいう発想は
      極めて論理的だよな
      ある意味
      マルクス主義的だよね
      なんだかんだ言って
      やっぱ中国は共産国か
 
 共産主義とは結局のところ論理至上主義者の帝国だ。そしてマルクス主義や左翼からすれば、資本主義は狂った無制御な仕組みなのである。それを考えれば、市場を固定して売れないようにして、一方的に国家が株を買い支えるというのは極めて発想が良い。
 
 ∧∧
(‥ )ただ人間の動態は論理では
\‐  制御できないというだけの
    話でね
 
 (‥ )人間を論理で
     制御しきれるというのは
     ”自分の論理体系が
     人類と宇宙を内包している”
     という主張だからな
     そんな考えが
     うまくいくわけがない
     俺のプログラムにバグは無い
     と同じですよ
 
 中国から話を戻せばギリシャ危機も似たようなものかもしれぬ。ドイツ人は論理的だと良く言われるけども、本当にそうだというのなら、これまた破滅がまったなし。論理の先にあるのは必然の壊滅だ。ロジカルシンキングは自殺の道具にしかならん。
 
 ∧∧
( ‥)もうなにもかも
    はちゃめちゃです
 
  ( ‥)だがまだみんながそこまで
    ‐/ 感じているわけでは
       ないね
       後少し時間があるか...
 
 さて、その時間、どのぐらいだ? 1ヶ月か? 半年か? それとも3年か?
 

  
 
 

2015年7月13日月曜日

金の価格に異常は無い模様

 
 株が下落するのなら売買を停止する。
 
 買うのは良いが売るのは駄目だ。
 
 ”悪質とみなした空売り”は取り締まる。
 
 ∧∧
(‥ )公金をつぎ込んで
\‐  無理矢理の買い支え
    ということですか
 
  (‥ )まあそんなところ
      だろうね
 
 こんなことをしたら、いくら名目上は下落が止まっても、中国の相場と株式は、もはや信用されまい。
 
 それにしてもこれは、回り回って、通貨である人民元の価値が下落するということでもあるまいか?
 
 こう言う時、人はどうする?
 
 ∧∧
( ‥)通貨が信用できないなら
    金に換えますかね?
 
  ( ‥)でもネットで見ると
    ‐/ 2015年
       7月15日現在
       金に対する
       人民元の価値は
       特に変わっていない
       みたいだな
 
 
 グラム当たり、232〜231中国人民元で横ばいのままらしい。
 
 ∧∧
(‥ )まだそこまで
\‐  信用不安が広がっていない
    ということですかね?
 
  (‥ )あるいは中国の人は
      今、これから何が
      起ころうとしているのか
      良くわかっていない
      のかもしれないな
 
 
 
 

そろそろゲームの始まりです

 
 ∧∧
(‥ )そういえば中国は
\‐  株が暴落して
    それを阻止するために
    1200社
    あるいは1400社の
    株の売買禁止
    大口の株主による
    株売却の禁止を
    打ち出したのだよね
 
  (‥ )もうね
      信用とか約束とか
      ルールとか
      宇宙の彼方ですよ
      めちゃくちゃですね
 
 
 ネットの例えに曰く、スーパーマリオで言えば、穴に落ちるのをスタートボタンで止めた状態であると。
 
 ∧∧
( ‥)またなんとも適切な
 
  ( ‥)マリオの落下を
    ‐/ 止めている間に
       下の穴を塞ごうと
       中国指導部は今
       必死なんだろうな
 
 
 とはいえ、穴というのは底なしであるし、そんな禁止事項でどうこうなるものでもないし、そんな禁止事項を何もしないで見ているだけの人々でもないだろう。
 
 いよいよとなったら、意図的に共産革命を引き起こすかもしれないし、しかし、意図的な計画は必ず制御できなくなる。
 
 ∧∧
(‥ )もう世界中めちゃくちゃ
\‐  ですよね
    EUはギリシャ爆弾
    ウクライナでは紛争
    シリアではISISと戦争
    中国はスタートボタンで
    共産革命前夜
    アメリカはリーマンで
    ミドルクラスが壊滅
    日本も超高齢化社会
 
  (‥ )東京オリッピックが
      開催される5年後
      2020年
      世界はどうなって
      いるのだろうなあ
 
 ∧∧
( ‥)そしてあなたは
    どーなっているのでしょうか?
 
  ( ‥)さて面白くなって
    ‐/ まいりました
 
 
 5年後、自分はなすすべもなく死んでいるのか、それとも生き延びているのか?
 
 さあ、皆さん、そろそろゲームの始まりです。
      

 

そりゃ責任は建築家にあるでしょ プロなんだから

 
 ∧∧
(‥ )新国立競技場
\‐  2500億を越える
    予算の件で延々と
    もめているみたいですね
 
  
  (‥ )まあデザインした人間と
      それを審査した人間の
      責任だよね
 
 ∧∧
(‥ )俺に責任はないって
\‐  審査に参加した建築家とかが
    言っているとか...
 
 
  (‥ )そんな言い訳が
      まかり通るわけないだろ?
 
 デザインが予算を決める。予算がデザインを決める。

 ではデザインそのものを誰が決めるか? それは政治家か? 官僚か?

 そんなわけがない。彼らは政治の仕事と事務手続きを行なう人間たちである。デザインの判断など出来るわけがない。どうデザインするとどのぐらい金がかかるのかとか、政治家にも官僚にも判断できない。
 
 それが出来るのは建築家たちだ。
 
 なぜ、他の誰でもなく、彼らが選ばれ、招聘されたのかというと、彼らがその道のプロであるからだ。
 
 選ばれ、招聘を受け、それに応じたその瞬間から、全責任は彼らのものである。それ以外にありえない。

 
 ∧∧
( ‥)そうである以上は
 
  (‥ )建築家たちが
      俺知らないなんて
      言えるわけないだろ?
      そんなことは
      言うこと自体が罪だよ
      もし言ったのなら
      僕ちゃん素人です
      分かりませんぷーと
      言っているのと
      同じだからな
      もう二度と図面を
      引けないように自分の指を
      へし折るべきだね
  

 あるいはせめて言うのであれば、こうすれば変更は最小限で枠内に収まります。どうでしょうか? そういう対案をもってこなければいけない。それがプロというものだ。
 
 お前ら、俺の才能を見やがれ! どうだ、ひよっ子ども そう言えなければならない。
 
 俺、知らない、なんて本当に言ったというのなら、それは素人以下である。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えるとなんだかなー
\‐  ですかね
 
  (‥ )君子危うきに近寄らずって
      言うだろう?
      こういう責任を
      負わなければいけない
      立場を有頂天に
      受けるもんじゃないさね
 
 でも多分、そもそもいけないのは
 
 ∧∧
(‥ )デザインがねなんというかね
\‐  ちょっと微妙なんですよね
 
  (‥ )言い換えれば
      予算をオーバーしても
      これなら作ってもいいかな
      皆にそう思わせる
      デザインを作れなかった
      その時点で
      負けたってことかもな
 
 後は、まあ日本の土建屋とゼネコン業に予算がちゃんと還元されることを望むのみ。
 
 
 *追記
 
 ∧∧
(‥ )予算の計算はそれこそ
\‐  ゼネコンの仕事なんだ!
    という意見もある
    みたいですが
 
  (‥ )行き着く先は同じよ
      結局は
      建築家の予測能力が
      まるで馬鹿だったという
      ことになるだろ?
  
 しかも、自分たちの見積もりが現実に対して数倍の誤差を生み出すことを自覚していなかったことになる。
 
 ∧∧
(‥ )自覚していたら
\‐  我々建築家の見積もりには
    数倍の誤差があるから
    現実の予算算出には
    ゼネコンさんの計算が
    まずは必要です
    判断はそれでと
    皆に申し述べるであろう
 
  (‥ )しかしそれが無い
      見積もりもできず
      自覚もしない
      だとしたら一体全体
      何のプロなんだ?
      という話だよな
      お前らは金勘定を
      したことが無いのか?
      とか
      お前たちは大失敗して
      責任を感じたり
      これではいかんと
      思った経験がないのか?
      という話になる
      分かりませんでしたでは
      話にならん
 
 もしかしたら建築家という人々は、デザインだけをして、後は予算なんか知らねーと金だけもらって逃げていた、寄生虫のような存在ではないのか? という疑惑にもつながろう。

 これは、建築家という連中はこれまでの公共事業も、実は私物化していたのではないか? という疑義にもなる。

 こんな疑惑を持たれるようなことをすること、それ自体が罪。
 
 つまり、いかなる言い訳も通用しない。全責任は建築家にある。
 
   
      
      

2015年7月12日日曜日

規模がでかい民主制では全員が文句ばっかり言いよる

 
 hilihiliのhilihili: やつらの皮を剥ぎ、太鼓をつくれの続き
 
 民主制とは全員兵士という主義主張。政治的権利を主張するのなら兵役を果たす必要がある。
 
 ゆえに民主主義において平和的な文化人など存在しえない。例えば、
 
 愚かな大衆では政治家にいいように利用される
 
 貴族たちは馬鹿な愚民共は真っ先に突撃してくれれば良いと考えているのだ!
 
 こういうお利口さんな主張をする文化人は、民主制においてありえない。
 
 なぜなら、そもそも、一緒に戦線に立たないお前は何者だ! と皆から罵倒され、リンチされる世界、それが民主主義だからだ。

 相互監視とリンチで成り立った恐怖の監視社会。これが民主主義というものだ。
 
 民主制とは極端な軍国主義である。この世界に言論の自由と権利の自由はあるが、果てしない義務への隷属があり、ゆえに言論の自由は自主的に制限され、これに反すると民主的に毒人参を飲まされ、自害を強制される。言論の自由とはそういうものだ。
 
 ∧∧
(‥ )でも一般的にはそうは
\‐   思われていませんよと
 
  (‥ )日本人は民主化を
      上から押しつけられたから
      自主性がないからだ
      ...とか説明することも
      可能だけども

 
 
 実際は、もっと話は単純で、
 
 ∧∧
( ‥)社会が巨大であるから
    だろうと
 
  ( ‥)日本人は歴史的経緯で
    ‐/ 民主主義の精神が
       うんぬんなんて説明
       これは精神論だからな
       そして
       精神論は説明になって
       いないのだ

 
 理由はもっと即物的なんだろう。考えてみれば人口が10万とか100万を越えたら、もうお互いがまったく無関係な個人の集まりになってしまう。土地も広いから、その先を想像することも把握することもできなくなってしまう。国際政治なんて理解のしようがない。国家の果たすべき責務は日常からまったく解離する。
 
 ∧∧
(‥ )確かに村のなかでは
\‐  あの家の息子は
    兵役を拒否したとか
    そういう相互監視が
    効いてくるだろうけど
 
  (‥ )義務に関する
      相互監視だけじゃ
      駄目なんだよ
 
 例えば会社の同僚は地域の顔見知りでもあり、戦う場所は数十キロ先の隣国(今でいうとほぼ県境)。全員が隊列を組んで鎧を着て槍を持ち、整列する。そういう世界であったら、民主制は今の社会のそれより、はるかに強烈な印象を持つだろう。
 
 ∧∧
( ‥)そういう社会だと
    民主主義は兵役とワンセットだ
    この実感は
    非常に明瞭でしょうね
 
  (‥ )こういう社会において
      ”特権階級が愚民化政策を
      押し進めていて
      奴らは愚かな大衆が
      真っ先に突撃してくれれば
      良いと思っている”
      なんて意見が出てくるわけ
      ないよね
 
 そうではなく、戦列に立たないとは何事だ。突撃しない貴族は殺せ! となるだろう。狭い世界なのである。逃げ場などないし、愚民化政策もありえない
 
 ∧∧
(‥ )でも社会の規模が大きくなったら
\‐  そういう実感は全部
    希薄になっていくよね
 
  (‥ )ローマ帝国だって
      国民皆兵だったのは
      初期だけで
      兵役は忌避され
      兵士は食い詰めた貧乏人で
      構成され
      軍隊はプロ化し
      大国になったら国防の
      意味が人々に理解されなく
      なって
      必死で国家を
      守っているのに
      文化人から
      文句ばかり言われていた
      みたいだしな
      日本も世界の先進国も
      どこも同じなのだろうな


 
 *そもそも人間の賢さには限界があるのだから、人間はすべからく愚民である。そうである以上、愚民化政策などという言葉自体が愚かなのだとも言える。

 確かに教養を与えないことで一部の人間、あるいは民族を丸ごと、ごく単純な労働しかできない愚民にすることで支配する、というのはありえる。その意味で愚民化政策は存在しうる。
 
 だが、愚民化政策という言葉の裏に、教育すれば政治に関しても適切な意見を持つ正しい民主制市民が出来るという考えがあるとすれば、それは間違いだ。教育すれば適切な市民が出来るというのなら、トンデモ医療もトンデモ健康法もトンデモ美食生活も存在しないはずだが、現実はそうではない。
 
 
 

やつらの皮を剥ぎ、太鼓をつくれ

 
 ∧∧
(‥ )安保法案が通ると
\‐  徴兵制がくるぞー!
    という煽り文句
 
  (‥ )民主国家なら本来
      国民皆兵
      徴兵制は
      当たり前のはず
      なんだけどね
 
 例えばギリシャの哲学者ソクラテスは母国アテナイとスパルタが覇権を争ったペロポネソス戦争に従軍している。デリウムの戦いでは敗北して潰走するアテナイ軍のしんがりにおり、逃げつつもなお、敵に対処したとプラトンに讃えられている。全員が兵士であるは民主制の根幹ぞ。
 
 ∧∧
( ‥)フランス革命の時は
    国王に非礼を働く
    政府が気に入らずに
    サボタージュする貴族に
    対して
    市民兵大動員
    大量突撃
    王国軍を一方的に蹂躙
    みたいな例もありますか
 
  ( ‥)そもそも日本の歴史だって
    ‐/ 軍人貴族の武士の反乱を
       まがいなりにも
       市民軍というか
       農民軍で押さえ込んで
       明治になるわけだよな
 
 本来、民主主義は国民皆兵、徴兵制、全員が兵士であり凶暴な軍事国家。これこそがデモクラシー。民主制とは血に飢えた殺戮兵器とみなすべし。
 
 ∧∧
(‥ )...のはずなんだけども
\‐  まるで徴兵制が反民主制の
    ような扱いですかね?
    なにゆえですかね?
 
  (‥ )日本は外国の圧力に
      危機感を抱いた
      上の階級が自ら
      民主制と徴兵制を
      導入したせいなのかな?
      そのせいで
      兵役が本来民主制の
      根幹なのだという意識が
      ひどく欠けているのかな?
 
 だもんだから、上流階級たちは国民に愚民化政策をしき、愚かな国民が真っ先に戦場へいってくれれば良いと思っているのだ、そういう頭でっかちな揶揄がまかり通ったりするのであろうか?
 
 ∧∧
( ‥)本来の民主制なら
    率先して真っ先に戦場へ
    いかないような人間をこそ
    皆が裏切り者とののしり
    リンチするでしょう
 
  (‥ )...のはずなのに
      お上は下々を愚民政策で
      戦場へ送ろうとしている
      こういう陰謀論が
      まかり通るのはなぜだ?
      水戸黄門の見過ぎかな?
 
 貴族は俺たちを良い様に使おうとしている、ではなく、
 
 俺たちと同じ戦列に立たない貴族はその顔の皮を剥げ! 剥いだ背中で太鼓を作れ、皮と手足の旗を掲げて突撃だ!
 
 とならねばならぬ。

 そうならないところが、日本が非民主的である証拠と言うべきか。
 
 ∧∧
(‥ )でもまああれですよね
\‐  民主主義も終わりかかって
    いますからね
 
  (‥ )今時、徴兵制と
      言われてもな
      一体全体何をするのだよ
      という話だからな
      プロの軍人の世界で
      徴兵制が必要ない
      だったら民主制が
      存続する必然性も
      無いからな
 
 徴兵制が来るぞ、と脅すよりも、
 
 徴兵制の必要性がないのだから、民主制はもう終わりだよねー
 
 そう考えるべきはずなのだが、どうも世の中、そうは思わないようである。
 
 
 
 

 

2015年7月11日土曜日

奥ゆかしい表現を

 
 ∧∧
(‥ )軍艦島の世界遺産への
\‐  登録に際し
    朝鮮人の強制徴用と
    受け取られる単語が
    使用された
    これは現実的ではないし
    韓国などに
    政治的に利用される
    こんな墓穴を掘る
    外交をする外務省は
    勉強しかできない
    バカ無能集団だという
    評価が広まってますね
 
  (‥ )国内向けには
      玉虫色の表現で
      問題ないかもだけど
      国際的な英語で
      発信する時は
      お抱えイギリス人を
      雇った方が良いのかもな
 
 
 ∧∧
( ‥)イギリス英語は底意地が
    悪いから?
 
  (‥ )あの英語は表現が
      奥ゆかしいのですよ
      日本語を訳すなら
      イギリス英語でしょ
 
 
 確かに世の中には、翻訳する時に文章を直訳してしまう馬鹿がごろごろいるんである。それを防止したくば安全策を取るべきだろう。
 
 ∧∧
(‥ )直訳が当たり前なんだ!
\‐  と怒る人が山のように
    いるだろうけどね
 
  (‥ )だからイギリス英語だべ
      あいつら誠意を込めた
      弔文で
      ばーかばーか死ね死ね
      ぺっぺっ、みたいなこと
      言いよるからな
 
 
 

2015年7月10日 西空の金星と木星

 
 何日も降り続いた雨はようやく上がり、昨日、10日はひさしぶりの晴れ間であった。
 

 










 
そして夕方には西空に金星と木星が並ぶ。左の明るいのが金星。右のやや暗いのが木星。画面左上に見えるのは、多分、しし座の一等星レグルス。日付は変わってしまったのだけどもアップしておこう。
 
 
 ∧∧
(‥ )この後、雲がかかったり
\‐  したから
    いて座の新星は見れなかったね
 
  (‥ )梅雨時だからなあ
      なかなかこの季節は
      星の観察が難しい
 
 




2015年7月10日金曜日

合理主義とは非合理の極みである

 
 ∧∧
( ‥)ぶっちゃけた話
 
  ( ‥)物事を合理的に考える
    ‐/ これは典型的な馬鹿の
       発想でな
 
 合理的に考えると、これは駄目だ、こうでなければいけない、そういう考えにいたる。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれだとただの
\‐  現実否定になってしまう
 
  (‥ )合理主義者は現実を
      否定し批判して
      ドヤ顔するけど
      それゆえに現実の操作に
      失敗する
      合理主義者が文句ばかりの
      口先人間になるのは
      これが原因だろ?
 
 
 これを典型的な馬鹿と言わずして、なんという?
 
 ∧∧
(‥ )発想が合理的であること自体は
\‐  問題ないんだけどね
 
  (‥ )というか
      合理であるかどうかは
      どうでも良いことだと
      言うべきだろうなあ
 
 
 重要なのは現実を説明できるモデルを考えだせるかどうかにかかっている。現実を説明できるモデルがないと天気予報ができないように、モデルが適切でないと現実を操作できなくなる。これでは合理も非合理も関係ない。
 
 ∧∧
( ‥)合理主義だから現実の
    改良をめざすのに
    適切なモデルがないから
    現実を操作できず
    現実を否定することしか
    できなくなってしまう
 
  ( ‥)合理主義者の演説を聞くと
    ‐/ 言っていることは
       正しいように
       聞こえるのに
       なんか変だな? と
       感じるのは
       そのせいだろうな

 

 端的にいうと合理的な意見は聞くに値しない。
 
 合理的であれば良いのだ、というのがそもそも誤謬なのだ。何かが合理的であるということと、モデルが現実を説明できるかどうかはまったくの別物である。別物なのに二つを混同するから動作が破綻する。
 
 
 ∧∧
(‥ )世界を変えたければ
\‐  自分を変えろってやつですかね
 
  (‥ )こう言われると
      合理主義者は怒るだろ?
      なぜって自分の合理性と
      現実を説明するモデルとを
      混同しているからだ
      モデルが適切でないと
      操作できないでしょ? と
      言われているのに
      区別できないから自分の
      動機を否定されていると
      勘違いしてしまう

 
 
 世界を変えたければ自分を変えろ。そういう言い訳がまかり通るから世界がこんな世界のままなのだ。合理主義者って奴らはいつもすねた口調でそう言う。
 
 だがそこにすでに誤謬がある。彼は世界を説明する適切なモデルをもたない。彼が持つのは彼だけが信じる合理性という粗末なモデルである。合理主義者に出来るのは世界を非合理に呪うことだけだ。
 
 ∧∧
(‥ )合理主義というわりには
\‐  行動が非合理だと?
 
 (‥ )合理性にこだわること自体が
     非合理の極みってことだろ?
 
 
 そもそも合理性は理にかなうということだけども、理が正しいかどうかについて、理は保証を与えてくれない。これが正しいという思い込みがあるだけである。合理性は合理性の合理性自体を保証してくれない。そんなものにこだわる時点で、非合理の極みであること明らかである。
 
 ようするになんのこっちゃない、合理主義者というのは狂人だ。
 
 しかもこの狂気、なにがいけないって、つまらないことにある。
 
 
 ∧∧
( ‥)そりゃ合理的ですからね
   
  (‥ )真面目っていうのは
      罪なんよ
 
 
 
 

平均値の世界において努力は実在しない

 
 
 他人より仕事を早く終わらせると仕事を押しつけられる。
 
 ∧∧
(‥ )それは損だから他人が
\‐  仕事を終えるまで待つ
 
  (‥ )そうなるとだらだら
      残業して
      全員で一斉に帰る
      という行動が最善になる
 
 ∧∧
(‥ )でもそんな非効率的な
\‐  ことをしていたら
    会社は駄目になって
    しまうだろう
 
  (‥ )だとしたらあれだな
      全員がさぼっても
      効率が最大になるように
      するしかないなあ
 
 つまり、賃金を払ってはいけないし、休日を与えてもいけない。当たり前だ。全員がさぼっているのだから。そうしないと効率が最大になりえない。
 
 ∧∧
( ‥)それがブラック企業ですか
 
  ( ‥)そういう力学が
    ‐/ 働いている可能性も
       あるなあ
       もちろん別の力学が
       働いている場合も
       あるだろう
       単に人件費を圧縮する
       だけでもあれらは
       発生する
 
 ともあれ、この問題を打開するとしたら、仕事を早く終えたものにそれ以上の仕事を与えてはいけないし、仕事を出来る人間に無償で物事を頼んではいけない。必ず数万、10万単位で報酬を与えるべきである。
 
 ∧∧
(‥ )それをしない限り
\‐  ブラック企業は無くならないし
    無駄な残業もなくならない?
 
  (‥ )多分ね
      ただしこれはあくまで
      以上の前提に沿った場合に
      起こりうることで
      この前提なりモデルなりが
      正しいのかどうかは
      未知数であるな
 
 
 だが、他人よりも何かが出来るというのを皆に明かしてしまうこと、これが非常に危険であることは確実だ。

 そんなことをしたが最後、タダでやってくれよと能無しどもが、ぞろぞろわんさか集まってくる。

 連中は支払いをしないで他人を使いつぶす気まんまんである。一般人の多くは収入と支出とか、そういうことをまったく計算しない世界にすんでいる。家計簿だって、中途半端な存在でしかない。家計簿には収入はあっても、その収入のための投資や原価や必要経費が計上されていない。
 
 これゆえ、一般人はわずかな収入でさえも、それを得るには大変な投資が必要であるということを全然理解できない。だからいかに悪気がなかろうが、行動それ自体は寄生虫と同じになるのだ。寄生虫は駆除されねばならない。
 
 ∧∧
(‥ )仕事ができる人に
\‐  ちゃんと報酬を...ですね
    これを常識として
    固定する必要がある
 
  (‥ )というかだな
      人に頼み事をして
      報酬を支払わない人間には
      制裁を加えるという
      リンチシステムを
      導入するべきだろうな

 
 道徳の本質は相互監視と集団報復システムにある。報酬を支払わない人間には何をしても良い、そういう常識を蔓延させるべきだろう。
 
 言い換えればこういう仕組みがこれまでなかったことがむしろ不思議である。
 
 ∧∧
( ‥)なんで人に頼み事をする時
    お金を払わないでも良いでしょ
    という仕組みになって
    いるのでしょうね?
 
  (‥ )親しき仲にも礼儀あり
      とは言うのだがな
      それなのに
      なんでだろうね?
      日本は馬鹿でも
      頑張ったふりをすると
      賃金があがるという時代が
      1世代以上続いたけど
      そういうのはこれに関して
      悪い影響を与えていたり
      するのかな?
 
 その通り、と断言するのは容易であるが、実際のところはよく分からない。
 
 ∧∧
(‥ )
\‐   あなたは頑張る人を
     まったく評価しないよね
 
  (‥ )いつもの話よ
      頑張ることを金科玉条に
      していた奴の働きぶりは
      俺と変わらなかったのでな
      それにだ
      そもそも人間の労働力は
      そのほとんどが
      原理的に平均値だろ?
 
 平均値の世界において、頑張ったとか努力したとか、そんなたわ言、どうでも良いのである。そんなものは実在しないのと同じだ。
 
 
 

デマは害である だが、捏造は大罪である

 
 デマは烏合の衆の間で誕生する。

 マスコミの捏造は意思を持って作られる。
 
 ∧∧
(‥ )どちらが悪かと言われたら
\‐
 
  (‥ )そりゃマスコミだね
 
 烏合の衆の間で誕生するデマは自然現象に近い。それはあからさまに害ではあるが、罪には問えない。あるいは問うことはできても難しい。
 
 だがマスコミは組織であり、組織の捏造となったら、それは意思ある虚偽であり、それゆえに罪以外の何ものでもない。
 
 ∧∧
(‥ )デマを許すまじ
\‐  マスコミがいくらそういっても
    誰も聞きやしない
 
  (‥ )捏造とはどんな
      意味を持つか?
      それをマスコミは
      分かっていないという
      ことでもあろうなあ

 
 あるいは、そんなだから良かれと思って自分の信念に基づいて捏造した、そういうことであろうか?
 
 ∧∧
( ‥)でもそれって
 
  ( ‥)よかれと思って
    ‐/ 粉飾決算するような
       ものだよね
       マスコミは発想が
       田舎のおっさんよな

  
 
 
 
 

2015年7月9日木曜日

よもやの♡マーク

 
 冥王星に♡がある
 
 ∧∧
(‥ )だそうですが
\‐
 
   (‥ )はっ?
 
本当だった=>NASA’s New Horizons: A “Heart” from Pluto as Flyby Begins | NASA
 
 
 ∧∧
(‥ )ハートだね
\‐ 
 
   (‥ )♡だな
 
 
 探査機が打ち上げられたのは2006年。それから9年、地球からはるばる30億キロ。その間に惑星から準惑星になった冥王星にたどり着いてみれば、よもやのハートマーク
 
 ∧∧
(‥ )まあ反対方向から見たり
\‐  接近して観察すれば
    また印象が変わるのだろう
    けどもね
 
   (‥ )それにしても
       冥王プルートーの星に
       ♡とはねえ
       そうきましたか...

 

 あるいはこちらを参考に。内容は同じである=>冥王星の表面にクジラ、ドーナツ、ハート模様 - アストロアーツ
 
 
 
 

斜め読みを斜め読みする

 
 ∧∧
(‥ )速読は斜め読み
\‐
 
  (‥ )ただの斜め読みを
      速読術と呼ぶ
      もったぶった
      言い方してるからには
      底が知れておるよ
 
 斜め読みはしょせんは斜め読みだ。
 
 ∧∧
(‥ )例えば漫画やラノベを
\‐  斜め読み
 
  (‥ )それだけでも
      見落としが出てくるだろ?
      それだけで伏線とかを
      見落とすだろ?
      斜め読みがいかに危険か
      分かるよね
 
 
 ∧∧
(‥ )それでも大量に目を
\‐  通さないといけない時は
    斜め読みをしないといけない
 
  (‥ )世の中には確かに
      止むにやまれぬ
      ことがある
      見落としがあることを
      承知の上で
      見落としが後々なにか
      事件の原因になりうること
      この危険性を承知の上で
      斜め読みするのだな
 
 大げさにいえば、斜め読みをして良いのは、撃たれる覚悟のあるものだけだ、そういうことになろうか?
 
 ∧∧
(‥ )アメリカでは速読が必要なんだ
\‐  という話があるけども
    本当ですかね?
 
  (‥ )それが事実だとしても
      あるいはその人の勝手な
      思い込みだとしても
      ひとつ確かなことがあるな
 
 今や、アメリカは意識高い系の夢の国となった。
 
 ∧∧
( ‥)食い詰めた貧乏人が
    一旗揚げようという国では
    無くなったのだと
 
  ( ‥)なんの芸も無い人間が
    ‐/ 労働で向上できるのは
       自分たちが
       先進国における
       低賃金労働者以下の
       賃金しかもらっていない
       場合だよね
       先進国たるアメリカに
       そんな余地は
       すでにないし
       オバマ大統領が目指す
       中産階級の復興も
       ありえない
       ただの時代錯誤だな
 
 これゆえ、すでにアメリカンドリームは変質した。そこにあるのはもったいぶった自意識過剰な妄想であろう。
 
 そして、斜め読みは、それを上塗りする厚化粧として機能しよう。大量に読んだ知識を大量にひけらかして、その量自体を競う。こういうのは最悪な意味でオタクだ。そして嫌われるオタクとはこういうものである。
 
 ∧∧
(‥ )実際のところはどうだろうね?
\‐
 
  (‥ )さあねえ?
      ただアメリカの最近の本
      近頃の社説、記事
      情報はやたら多いが
      漫然と並べただけという
      印象があるから
      本当にそうなっている
      可能性もあるなあ
 
 漫画やラノベは売るという方向性を持ち、あるいはそのような淘汰を受ける。それゆえ、いかにその内容がお約束的に思えても、実際には固定されていない。絶えず淘汰によってぶれる可能性があるし、事実としてぶれている。
 
 だが、仮に悪い意味でオタク文化に特化するような事態が生じたとする。

 つまり作り手も消費者も、金髪ツインテールは必ずツンデレでなければならないとか、そういうお約束事だけの世界観で物事をすべて理解し、評価してしまうような状況である。
 
 ∧∧
( ‥)そしてそれが
    ”意識高い”ですか
 
  (‥ )アメリカってすでに
      そういう状況に
      なっているのかもな
       

 
      

2015年7月8日水曜日

速読術


 
 ∧∧
(‥ )速読ってなんです?
\‐
 
  (‥ )斜め読みのことだろ?
 
 
 
 
 

2015年7月7日火曜日

思想犯罪であることを抜きに語ると

 
 権力者が超法規的に問題を解決して良しとする。しかも史実と明らかに異なる設定。このような世界観を視聴者に植え付け、汚染しようとする水戸黄門は、まぎれもない思想犯罪である。水戸黄門は禁じられねばならない。
 
 ∧∧
( ‥)まあ思想犯罪うんぬんは
    抜きにして言うとですよ
 
  ( ‥)水戸黄門ってあれは
    ‐/ 高齢者のゆるふわ
       日常系アニメ
       なんだよな
 
 ゆるふわ日常系アニメ:ぼんやりとした概念だし、概念と分類と定義に意味などない。だがあえて言うなれば可愛い女の子の理想化された何の変哲もない日常の仕草をだら〜んと放送するアニメ。それがゆるふわ日常系。
 
 ∧∧
(‥ )...水戸黄門って
\‐  ゆるふわというよりは
    もっと
    中二病設定に見えますけどね
 
  (‥ )権力者の俺tueeeeで
      あられもない
      コスチュームを着た女忍者
      入浴シーンにアクション
      まあ中二病全開だな
 
 とはいえ、いつも同じ内容をえんえんと繰り返す。そこはゆるふわ日常系アニメと同じ安心感があろう。
 
 あるいはこう言えばよいか? 水戸黄門とは高齢者の萌えバトルアニメなんだが、視聴者が高齢化しているので、内容がゆるふわにちょっと歩み寄っていると。
 
 ∧∧
( ‥)歳を取ると難しいことは
    頭に入らないからね
    アクションを気取りつつ
    その実態は
    お決まりパターンの連続と
    ゆるふわ化
 
  ( ‥)ゆるふわアニメが
    ‐/ 多くなったこと自体
       視聴者が高齢化している
       反映のように思えるしな
       *この場合の高齢化とは
       40代のこと
 
 ∧∧
(‥ )つまり課長島耕作は
\‐  大人のラノベで
    水戸黄門は高齢者の
    ゆるふわ化した
    萌えバトルアニメ
 
  (‥ )当たり前だけど
      売れるものって
      全部似たような
      ものだよなあ
   
  
 

文句ばかり言いよる

 
 必死で戦っているのに勝って当たり前。誰もほめてくれないし、何かあると文句ばっかりいってくる。
 
 ∧∧
(‥ )戦っている実動部隊が
\‐  瓦解したら
    防衛線を突破されて
    すべてが
    終わってしまうのに
    安全圏から文句ばっかり
    いっている
 
  (‥ )文句どころか
      こうしたらもっと
      良いはずだ
      馬鹿な奴らだとか
      言い出すのよな
 
 2014年のバレンタインデー、東京から神奈川、山梨にかけて、この地域では未曾有とも言えるような豪雪が降った時、自衛隊は粛々と行動を開始していたけども
 
 ∧∧
( ‥)自衛隊もっと出てこいよ
    何万人もいるんだから
    全員手作業人海戦術で
    雪かきしろよ
    この税金ドロボーとか
    めちゃくちゃ言ってる人が
    いたよね
 
  (‥ )そういう奴にかぎってな
      WW2の日本軍は
      後方支援と兵站と補給を
      おろそかにして負けた
      馬鹿集団wwwとか
      言い出すのよね
 
 全員手作業人海戦術って、それって会社で言えば総務も経理も全員外回りしろって言っているのと同じだよね?
 
 世の中の理想論者は現実を見据えろという割りには精神論が大好きである。
 
 そういえば最近見たよなあ。東日本大震災で自衛隊は後方支援を考慮しない10万人という人員を無謀にも前線に動員した。自衛隊は兵站を無視した太平洋戦争の愚をまったく反省していないのだ! という意見。
 
 ∧∧
(‥ )...あれって当時の首相
\‐  菅直人首相の判断でしょ?
    そもそも
    ”文民統制”だし
 
  (‥ )俺はあれを見て
      戦後左翼は
      日本軍の愚かさと言いつつ
      自分たちこそが
      精神論で
      兵站無視するのだなと
      思っていたんだが...
      なんで自衛隊が悪いことに
      話がすり替わっているの
      だろうな?
 
 考えてみれば、はるか以前より、洋の東西を問わずこんなことばっかりなのだった。
 
 思えば、蛮族の侵入から国家を守るため、皇帝の数を四人に増やし、全員で防衛を分担して戦場を転戦したディオクレティアヌス帝を、キリスト教徒たちや歴史家たちはあしざまに罵って、暴君であるという評価を歴史に刻印したのであった。
 
 ∧∧
(‥ )帝は国家を束ねる
\‐  イデオロギーとして
    ローマ伝来の
    ユピテル神とヘラクレスを
    採用したんだよね
    だからキリスト教と
    相性が悪く
    最後の大規模な
    迫害帝となった
 
  (‥ )当時の
      キリスト教著述家って
      現在世界の
      マルクス主義者みたいな
      ものだったのかもね
 
 自分たちのイデオロギーに属さないものは徹底的に貶め、しかも安全圏に閉じこもったまま文句ばかり言う。
 
 
 

2015年7月6日月曜日

そーれ、ギリシャっ! ギリシャっ!

 
 ∧∧
(‥ )BBCの報道だと
\‐  EUが提示している
    現行の金融支援に対して
    ギリシャの有権者は
    NOを突きつけたと...
    61%が反対

=>Greece debt crisis: Greek voters reject bailout offer - BBC News
 
  (‥ )そーれ
      ギリシャっ!
      ギリシャっ!
 
 ∧∧
(‥ )...これを言われちゃ
\‐  EUもドイツもギリシャ案に
    譲歩せざるをえない
    そんな感じですか?
 
  (‥ )そもそも折り合いが
      つかないんで
      返済を停止したわけだよね
      借金が多すぎると
      借りた側の立場が
      強くなるってやつか

 
 ∧∧
( ‥)まあ日本も破綻した
    証券会社とかを
    損失補填したり
    色々やりましたしね
    妥協は必要だよね
 
  ( ‥)でも相手は
    ‐/ 主権国家でおまけに
       ギリシャなんだよな
       山一証券みたいに
       社員は
       悪くありませんから!
       とか言わないのが
       さすがだよね
 
 へっへっへ、うちの国民はノーを突きつけましたぜ。どうしやす? 

 どうですか、ギリシャの案を受け入れては?
 
 ∧∧
(‥ )ドイツははらわたが
\‐  煮えくり返っているのでは?
 
  (‥ )まあギリシャみたいな
      ところに
      金を貸したり
      金融商品を乱発したり
      その他いろいろやると
      こういうことになるって
      ことなんだろうなあ
      相手を見て金を貸せって
      ことか
 
 とはいえだ、そもそも国家ぐるみで粉飾決算していた、というところがさすがギリシャ。ドイツも白眼をむいて泡を吹く事態。やることが他国の斜め上である。そこにしびれる憧れる。
 
 ∧∧
( ‥)でも
    これで妥協にこぎつけるに
    しても
    所詮は先延ばしだよね
 
  (‥ )伸ばせば伸ばすほど
      良いのだよ
 
 でもどっかで、ぷちん、と切れたりする。それはいつの日だろうか?
 
 
 
 あとそれと
 
 ∧∧
(‥ )英語だとGreece debt crisis と
\‐  言うのですか...
    直訳すると
    ギリシャ借金危機だね
 
  (‥ )債務の意味だろうけど
      なんとも単刀直入な
 
  
 

相手を鳥類学者と評するのがヒント

 
 学校生活で理解すべきことは色々あろうが、あの経験から何か重大なことを発見するとしたら、我々の理解はそのほとんどが実は間違っているということである。
 
 ∧∧
(‥ )テストをすると
\‐  良くても1割りは
    間違いだし
    悪くすると大半が間違い
 
  (‥ )出題範囲が決まっていても
      この有り様だからな
      もっと日常生活の多く
      そのほとんどは間違いって
      ことだよ
 
 だがしかし、学校を卒業した人々は調子に乗ってしまったのである。俺は理解した。そう有頂天に思い込んでしまうのだ。
 
 ああ、テストが無いというだけで、こうも人間は全能感に支配されて舞い上がってしまうものなのか...
 
 読書というものもそうだ。
 
 テストが無いから、読書しただけで人間は理解できたと思い込む。
 
 ∧∧
( ‥)だがしかしそのほとんどは
    間違いなのである
    本の書評もおかしなもの
    だらけでございます
 
  ( ‥)最近みた書評で
    ‐/ うわ〜〜って
      思ったのは
      「銃・病原菌・鉄」の
       やつかな
 
 例えば曰く、西欧は新世界に感染症を持ち込んで圧倒したとこの本には書かれているが、西欧やユーラシアにも感染症があったではないか、感染症で死んでいるではないか、これはおかしいじゃないか。
 
 というものであった。
 
 ∧∧
(‥ )...あの本の主張って
\‐  ユーラシアは新世界よりも
    一足早く巨大社会を
    作ったので
    空気感染する病原菌と
    共進化した
    そういうことだよね
 
  (‥ )だから
      ユーラシアにも
      感染症があるから
      話が成り立たない
      ではなく
      ユーラシアは感染症の
      温床だったから
      新世界を圧倒出来た
      少なくともその動力の
      ひとつはそれだ
      そういう主張なんだよね
 
 多分ユーラシアの人間は巨大社会を作ったがゆえに、自然界で生き抜くテストからまぬがれている。これゆえ、むしろ他の人々に比べて知的に劣っている可能性すらある。 

 それにも関わらずユーラシアが他の大陸を圧倒出来たのは、人口が多く、知識の伝承と蓄積、改良が可能で、おまけに感染症の温床になっていたからだろう。
 
 「銃・病原菌・鉄」とはおおむねこんな内容。
 
 実際、こんな感染症まみれの連中と接触したら、他の地域の人々はひとたまりもないのだ。

 というか、例えば西欧人がユーラシアと接触したことがない地域へいくと、土地の人々に対して、一方的に病気を引き起こすことは19世紀にはすでに知られた事実だった。船員に自覚症状が無いにも関わらず、船が島を訪れると、相手に熱病や赤痢や伝染病を引き起こす。ダーウィンのビーグル号航海記、第19章にもその話が引用されている。
 
 
 ∧∧
( ‥)つまり不潔な馬鹿が
   世界を征服したのである
 
  ( ‥)それを可能ならしめたのは
    ‐/ ユーラシア大陸が
       東西に長いので
       人間の移動が容易なこと
       たまたま馬のように
       家畜化出来る動物が
       残っていたこと
       あの本はこういうことに
       注目した内容
       なんだよねえ
 
 
 それを考えると、西欧や日本にも感染症があったじゃないか、という評価はかなりとんちんかん。
 
 ∧∧
(‥ )この書評さんは
\‐  著者のダイヤモンドさんを
    鳥類学者と呼んでいるのだね
 
  (‥ )それが多分ヒントだな
 
 ダイヤモンドというと進化学の本では何かしら論文が引用される研究者である。なぜなら、ニューギニアの鳥類を素材にしてその分布から種分化と進化の過程を論証する論文を幾つも書いたからだ。
 
 ∧∧
( ‥)だから例えば
    あなたから見れば
    ダイヤモンドさんは
    鳥類学者というよりも
    進化学者
 
  ( ‥)その彼を鳥類学者と
    ‐/ 呼ぶ評者は印象的だよね
       そしてそれは
       本を読む時に
       進化的な視点を彼が
       まったく持っていない
       そういうことだよな
 
 
 進化的な視点を持って本を読んでいない。それを考えると、ユーラシアにだって感染症はあったじゃないか、ユーラシアの人間も感染症で死んでいるじゃないか、というかなり的外れな書評の原因は理解しやすい。ここには共進化という視点がまるっと抜けている。
 
 ユーラシアの人間も感染症で死んだのだから同じ、なのではなく、ユーラシアの人間は共進化によってすでに感染症に何度も大規模にかかって死んでいる。このため、免疫がついていて、本人たちに自覚は無いが人を殺す保菌者である。
 
 ここが重要。
 
 ∧∧
(‥ )言い換えるとこれが
\‐  分かっていないのだと
 
  (‥ )評者が
      進化という概念で
      物事を理解したことが
      無い人らしい
      そういうことは
      推論できるよね
 
 
 後、これまでどんな本を読んで、反対にどんな論文を読まなかったのかも推論できよう。
 
 書評を読めば、評者がこれまで何を読んだか、何を読んでいないのか、それが全部分かってしまう。書評とはそういうものだ。
 
 
 
 
 

2015年7月5日日曜日

サーベルタイガーは牙が長過ぎたせいで○か×か?

 
 ∧∧
(‥ )進化を理解しているか
\‐  理解していないか
    それを識別するには
    どんな質問を相手に
    すれば良いか?
 
  (‥ )サーベルタイガーが
      絶滅したのは
      牙が長過ぎたせいである
      ○か×か?

 ∧∧
( ‥)答えは×ですね
 
  (‥ )生物はその場の環境に
      淘汰されているので
      その場の環境に対して
      ほぼ最適解になっている
 
  
 サーベルタイガーは牙が長過ぎて絶滅したというのなら、じゃあなんで今まで長く伸びてきたの? 不利になるのなら長くならないはずじゃんよ
 
 となるし
 
 環境が変動して有利な特徴が不利になったのだ、というのなら、だったら牙の短い個体が淘汰されて牙が短くなる方向へ淘汰されるだけだろ? 
 
 となるし
 
 ∧∧
(‥ )進化では対応できないほどの
\‐  超高速で環境が変化した
    というのなら
 
  (‥ )そんな環境変動が
      いつあったんだよ?
      という話になるし
 
 氷河期末期の急激な温暖化で滅びたのだ、というのなら、氷河期ってそういう急激な温度変化が何度もめまぐるしく、ひっきりなしに続く時代だったのだから、なんで1万年前にだけ他の動物もろとも滅びたのか説明になっていないでしょ
 
 となるし
 
 ∧∧
(‥ )仮に本当に急激な変動で
\‐  進化による対応が間に合わずに
    絶滅した場合であっても
 
  (‥ )湖が干上がって魚が
      絶滅したのは
      鰓が大きいせいです
      なんて言わないよね
 
 つまりサーベルタイガーは牙が長過ぎたから絶滅した 答えは○か×か?
 
 この問いには×をつけるのが正しい。自然淘汰説をちゃんと理解しているかどうかはこれで識別が可能。
 
 
 ちなみにサーベルタイガーは人間の拡大と共に順次滅びていったので、多分、人間による生態系の破壊で絶滅した、というのがおそらく妥当。
 
 ∧∧
(‥ )でもネットでは
\‐  サーベルタイガーは
    人類到来以前に滅びていたから
    人類による絶滅説は
    根拠が無いと書いている人も
    いるね
 
  (‥ )その原因はあれだな
      ひとつはホモテリウムと
      スミロドンを
      区別していないせい
      だろうな
 
 おそらくユーラシアのサーベルタイガーであるホモテリウムが人類到来以前に絶えていた、という話を根拠にしているのだろう。しかし、僕らが言うサーベルタイガーとは、新世界に入った人類が遭遇したスミロドンのことである。
 
 さらにもうひとつ。最近見つかった化石でヨーロッパでも人類到来時、ホモテリウムと人類が同時期に存在していたことが分かったこと、これをたぶん知らない。

=>Late Pleistocene Survival of the Saber-Toothed Cat Homotherium in Northwestern Europe on JSTOR
 
 
 
 *2015.07.17追記:wikiを見たら印象的な記述内容だったので、以下へ続く=>hilihiliのhilihili: サーベルタイガーの俗説
 
 

無能将軍 VS 冬将軍

 
 
 ∧∧
(‥ )無能な将軍って
\‐  どんな人?
 
  (‥ )無能な将軍を
      列挙する人じゃね?
 
 
 
 

2015年7月4日土曜日

それは機械的な反応

 
 
 ∧∧
(‥ )新幹線車内で焼身自殺
\‐  事故でもないのに
    これを受けてマスコミが
    安全神話崩壊!! と
    がなり立てているとか
 
  (‥ )長い間、機械的に
      上の句、下の句と
      文章作成作業をして
      きたから
      本能的に反応している
      だけじゃね?
 
 つまり
 
 新幹線、ときたら、安全神話崩壊、と書く自動機械に成り果てている。
 
 いってみれば、金髪ツインテールときたらツンデレだ、こういう機械的な反応だと思えば良い。
 
 ∧∧
( ‥)ツンデレはともかく
    報道という責任ある人間が
    そういうことをして
    いいんかい
 
  (‥ )やってるから問題だし
      問題を自覚していないから
      問題なのだ
 
 さらに言えば、単に歳なのである。
 
 検討外れの文章を作成して、はばかることなく連呼するとは、もう脳が単純作業しかできない、新しい表現を発見できないし、それにカロリーを傾けることすらおっくうだということを示している。
 
 人間は歳を取っても美しくなれる。知性には磨きがかかる、人として輝けるとかいう人もいるけども、それは逃げであり、ただのたわ言である。

 起きたままで夢を見てはいけない。老いにあるのはただの劣化と、朽ちていく中で突っ立つように残った人格の骨組みであり、残骸だ。
 
 
 
 
 
  

2015年7月3日金曜日

回収できるか回収できないか

 
 ∧∧
(‥ )ギリシャの借金よりも
\‐  東京オリンピックのために作る
    新国立競技場の方が高い...
    
 
  (‥ )そりゃ返済額の一部だからな
      それに
      競技場にかけるお金は
      土建屋やゼネコンに
      落ちるわけだろ?
      無駄になるわけないよね
 

 確かに予算のかなりの部分は廃熱となって失われる。
 
 作業するとどうしても熱が発生する。それは電気機器が出す熱かもしれないし、内燃機関の出す熱かもしれないし、作業員の体温かもしれない。電気代、ガス代、食費。予算として使われたこれらの金は、熱エネルギーとして廃棄され、経済の流れから喪失してしまう。
 
 ∧∧
( ‥)でもこれは必然の無駄
    体温を0には
    できないからね
 
  ( ‥)土建屋がうるおえば
    ‐/ いざという時に
       彼らは働いてくれる
       人も装備も維持できる
       そのための投資が
       廃熱なのだ
       そして他の予算は
       税金になって
       戻ってこよう
       回収できるのだ
 
 だが、ギリシャの借金は額面こそ競技場と同じだがそうではない。
 
 一回限りの返済額と比べること自体がおかしい以前に、返済にはそもそも中身というものがない。そこにあるのはうわべだけだ。
 
 それでもEUが支援しなければいけないとは、中身の無いまったくの無駄がEU中に網目を張っており、止むにやまれぬ道をただひた走らざるをえないことを示している。
 
 ∧∧
( ‥)ようするにですよ
 
  (‥ )まじやばってことだろ?
 
 
        

ドライプラネットと重炭酸光合成の未来

 
 およそ45億年前に誕生していらい、太陽はじょじょにその光度を上げつつある。当然、地球の温度も上がる。遠い将来、温度が水の沸点を超えると生物は絶滅するだろう
 
 ∧∧
(‥ )...という見解は
\‐  60年代からすでに
    言われていたんだね
 
  (‥ )さらに
      沸騰以前に生物が
      絶滅する可能性も
      指摘されていたのな
 
 温度が上昇すると、気候は湿潤になるだろう。雨は大気から二酸化炭素を取り除き、岩石と反応させて石灰として固定する。一方的に二酸化炭素が大気から失われると、植物は光合成が出来なくなり、光合成に依存した植物と動物、菌類は地上から姿を消す。
 
 ∧∧
(‥ )当初はそういう未来が
\‐  たった1億年先だと
    考えらていたらしい
 
  (‥ )地質的には1億年なんて
      すぐだよね
 
 時々聞く、地質学的に至近の未来に起こる生物絶滅の可能性。あれはこの見解が由来らしい。
 
 一方、植物には低い二酸化炭素でも光合成できるものがいるから、それを考えれば生物の絶滅と生物圏の消失はもっと先延ばしになる。多分、5億年はもつはずだ、そういう意見も出たという。
 
 とはいえ、5億年もかなり近い未来である。
 
 あるいはこうも言う。温度上昇で蒸気が成層圏にまで多く入るようになると、地球の海は干上がり、これゆえに生物は絶滅すると。
 
 ∧∧
(‥ )遠い未来の地球は
\‐  海が干上がって乾いている
    そういう設定のSFは
    時々あったけども
    このあたりが元ネタですか?
 
  (‥ )どうだろうね?
      単純に水は蒸発して
      失われるっていう
      身近な経験に基づいた
      発想かもよ
 
 水は蒸発して消える。この身近な経験の延長には、地球が水分を宇宙へ喪失するという現実が存在する。
 
 経験から幻視した未来が現実であったということは、ありえそうだ。
 
 ∧∧
(‥ )でも、地球が砂漠の星に
\‐  なるのなら
    むしろ好都合だという
    解釈もあるのだね
 
=>evolution from ocean planet to land planet inner edge of habitable zone - Google 検索
 
  (‥ )言われれば確かに
      そうなんだよな
      太陽光度が増大して
      水蒸気が増えると
      温室効果がどこかで
      暴走状態に陥って
      地球は蒸気の惑星
      スチームプラネットに
      なっちゃうからな
 
 そうなってしまったら生物は絶滅だ。高温に耐えられるバクテリアもいるが、高温に対する遺伝子の安定性には限界がある。超高温の蒸気惑星において地球型生物ではどうにもなるまい。
 
 ∧∧
( ‥)でも地球が水を喪失し
    海を失って
    砂の惑星
    ドライ・プラネットへと
    変貌するのなら
    太陽の光度上昇に耐えて
    生物を維持することができる
 
  ( ‥)こういう論文もあるのだ
    ‐/ 助かるよねえ
 
=>habitable zone limits for dry planets - Google 検索
 
 ちなみに論文ではハーバートの「デューン:砂の惑星」が引用されている。
 
 後、光合成に関して言うと、たとえ大気中から二酸化炭素が限界まで失われても、生物によっては石灰とか使うんじゃないの? と思ったりしたが
 
 ここで思いついた
 
 そういう生物は実際にいるんじゃね?
 
 ∧∧
(‥ )...検索をかけたら
\‐  これがそうですかね?
 
=>experimental study on the utilization Oocystis solitaria calcium carbonate - Google 検索
 
  (‥ )石灰岩を流れる水に
      含まれている
      重炭酸イオンも
      炭素源として使う
      光合成生物みたいね
 
 要検討だけども、少なくとも生物はあらゆる可能性を進化の過程で試している、そういうことだろう。
 
 理屈の上で存在できうるものは、探せば何かしらいるものだ。
 
 ∧∧
( ‥)これならはるか遠い将来
    異形の姿へと変貌し
    海も二酸化炭素も失った
    砂の地球でも
    生物は存続できると
 
  ( ‥)世界は驚きに満ちている
    ‐/
 
 生物も論文も色々なものがある。あらゆる可能性が検討されていくってことだ。
 
 それを知らぬは、我々自身なり。
 
 
 ∧∧
( ‥)でっ?
   計算結果はどうよ?
 
  ( ‥)この計算で良いものか...
    ‐/ とは言えあれだ
       結果を言えば
       30センチあれば十分だ
 
 30センチあれば、焦熱の20日間をやり過ごせる。ここまで長かった。
 
 
 
 
 
 *追記:この後計算に間違いを見つけて計算をやり直すことに。
 
 ∧∧
(‥ )1メートル20センチに
\‐   なっちゃったね
     期間も10日だよ
 
  (‥ )残念な結果だが
      まあ良しとしよう
  
 *そしてさらに追記
 
 ∧∧
( ‥)でっ? 今度は
    単位の間違いを
    見つけたと
 
  ( ‥)困ったねー
    ‐/ でもこの場合だと
       60センチで
       良いことになるな
 
 ∧∧
( ‥)どう検算します?
 
  (‥ )少なくとも砂漠での
      実測値とほぼ同じ
 
 その後、最悪の場合を想定しても80センチで大丈夫っぽいことが判明。
 

 
 

2015年7月2日木曜日

死ぬ時の自分は今の自分の痕跡

  
 東海道新幹線の車内で焼身自殺があったのが6月30日
 
 そして今日、7月2日。東京駅で新幹線から降りると、構内で不審物を見かけたら...というアナウンスが耳についた。
 
   車内焼身自殺が
 ∧∧ あったから?
( ‥)
 ‐( ‥)前から普通に
     言っていると思うが...
 
 オウム真理教が地下鉄にサリンをまいていらい、電車内にある不審物への注意喚起はいつも言われるようになったわけだし、アナウンスはいつも通りではなかったか? むしろ事件があったから、いつもは聞き流していた言葉が意識に入った、それだけなんだろう。
 
   サリン事件があった後
   乗っていた電車が
 ∧∧ 止まったことあったよね
(‥ )
 ‐( ‥)止まったというか
      駅に停車した時
      座席に忘れ物があって
      駅に降りようとした
      おっさんが
      それを見つけて
      運転士に伝えたのだ
 
 たまたま先頭車両に居合わせたので、おっさんが運転室の窓を叩いて何事か告げるのを見たのだった。もちろん、ただの忘れ物だったのだが、どこかみんな神経質になっている時期だったので印象に残っている。

 *ちなみにオウム真理教に警察が入る前だったので、誰がどんな意図でガスをまいたのか分からない時だった。だから余計に過敏だったのだろう。
 
  今回自殺した人は
   周囲の客にお金を
   押しつけようとしたとか
 ∧∧
( ‥)
 ‐( ‥)印象としてはあれだな
     誰かと接点を
     持ちたかったという
     感じだなあ
 
 
 自殺といっても人を一人殺しているのであるから、単純に殺人だ。 
 
 他人と接点を持ちたい。

 そうとでも思わないと運行している電車の中で自殺したり、他人をまきぞえにしようとしたりはしない。これから死ぬのに、どうでもいいようなはした金を勝手に他人に押しつけたりはしない。
 
  印象論だけどね
 ∧∧
(‥ )
 ‐( ‥)生活が苦しいとか
     年金が少ないとか
     そういう不満が
     あったともいうが
  
 
 そういう時、こういう死に方をすると、誰かが周囲からずれた義憤にかられて社会を批判するものだ。結果的にはそれを狙ったとも言えよう。皆の前で何かするとは、意見表明なのである。
 
 
   当て推量だけどね
 ∧∧
( ‥)
 ‐( ‥)とはいえだ
     一人で死ねないってのは
     やはり罪だよなあ
 
 
   40も半ばを
 ∧∧ 越えますと
( ‥)
 ‐( ‥)少しずつ周囲の人間が
     脱落していくのを
     見るようになるのだ
     そしてその脱落ぶりは
     日々の延長なんだよね
 
 日々の行動は筋肉と骨の形を決定する。日々の思考は脳神経の形を決定する。
 
 肉体が衰えていく時、そこに残るのは過去の行動で作られた枠組みである。
 
 つまり人間は誰でも、そういう過去の残骸に成り果てる。
 
 生活も収入も体力も体型も思考も行動も、そのすべてが過去の痕跡。
 
 では、
 
 自分はどう死ねばいいのか どんな痕跡に成り果てるのか? そしてどう死んで逝くのか
 
 
  あなたも年金なんか
 ∧∧ 期待出来ないよね
( ‥)
 ‐( ‥)どう死ぬのか?
     考えておくのは
     大事だぜえ
 
 
 
 

機械ジャングル生態系

 
 ∧∧
(‥ )なんで日本人はこんなに
\−  働いているのに
    遊んでいるギリシャ人と
    同じぐらいの生産性なの?
    という話がですね…
 
  (‥ )インフラが多いので
      維持費が高いのだろ?
 
 
 電気、ガス、水道、道路、電車、発電所、工場。それらが桁外れになれば支出も桁外れになる。規模だけじゃない、精緻さでもそれが高度化すれば維持費が上がる。
 
 インフラを維持するためだけに人は過酷な労働を強いられることになるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)つまりここから出れば
    ”楽”になるわけだ
 
  (‥ )でも誰も出ては
      行かないだろ?
      答えは明らかさ
 
 そういえば昔、こんな話があった。
 
 彼は怒っていった
 
 マスコミが言うのだよ
 
 ギリシャでは地下に流れる微弱な電流で地震予知をしている。日本ではなぜしないのか?

 これに対して彼は曰く。失礼なことを言うとね、ギリシャみたいな後進国ならそれは可能だよ。だけどね、日本みたいに工業化が進んだ国だとそんな微弱な電流は、機械類が出す電気のノイズであっさりかき消されるんだよ。こういうことなんど説明してもマスコミ共は、なぜギリシャを見習わないのか?? とか言いやがる。
 
 ∧∧
(‥ )...そういえばそういう話が
\−  あったよね
    これは
    日本がどれほど工業化して
    いるのか
    そういう話でもあるよね
 
  (‥ )俺たちはインフラという
      巨大な機械ジャングルを
      維持構築するために
      働くのだ
      意外とこれは
      見過ごされがちだがな
 

 ある意味では、日本のような社会はマトリックスにかなり近い。機械たちが作り出す機械生態系。それを維持するパーツとして我々人間は生きて働いているのだ。人間らしい暮らしだと? 機械の部品が何を言うか。そして、ここから出ても、マトリックスの外が暗い死の世界であるように、良いことなんかどこにも無いのである。地下に閉じこもった野良人間共を見ても、うらやましいと思えない。我々はすでに機械だ。
 
 すなわち
 
 喜べ、諸君! 我々は確かに未来に生きており、より過酷なディストピアへと世界は変貌するであろう。すべては予定通りである。豊かさとは、こういうことだ。それは果てしない義務と支出への隷属である。
 
 
 

老いるとは無様なことだ

 
 新聞は取っていないが、新聞を読む機会があった。
 
 ∧∧
(‥ )6月30日は
\−  東海道新幹線の先頭車両で
    男が液体をかぶり
    焼身自殺
 
  (‥ )車内で引火物を
      まかれたのに
      車両が炎上しない
      3時間後には
      動かして小田原に入る
      新幹線すげーな
 
 一人では死ねない。それは人として無様なことである。
 
 ∧∧
(‥ )そういうことを言うと
\−   不謹慎だと
    言われそうだけどね
 
  (‥ )不謹慎でも事実だぞ?
      一人で死ねない人間は
      無様なのだ
      そして何より罪である
 
 
 あるいは、こんな事件と無関係に、手にした新聞のコラムは鼻息が荒かった。
 
 ∧∧
(‥ )...なんですか
\−  誰だか作家さんが
    自民党の勉強会で
    口にしたことを
    マスコミがこぞって
    叩いていると
 
  (‥ )まああれな
      話をねつ造するような
      新聞は潰してしまえ
      最近は
      良く言われる意見だね
 
 今からは信じられないかもしれないが、冷戦時代にはどんな空理空論も言い立てて良かった。

 米ソという超大国がすべてを決めてしまう世界では、米ソ以外の国に実践という言葉は存在しなかったからである。すべてが空理空論であったし、それでよかったのだ。
 
 空理空論と実践が区別できない世界では、ねつ造と真実もまた区別できない。
 
 冷戦下において、理想論に基づいたねつ造は実践であり真実であったのだ。
 
 新聞がねつ造したというのは、それは冷戦下では当然のことだとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )でも冷戦が終わったら
\−  そうはいかなくなりましたと
 
  (‥ )でもこの新聞のコラムを
   □−  書いている人間は
      まだ鼻息が荒いなあ
      このような作家は
      王の望むがままに
      嘘を真であると答えた
      臣下と同じだ
      そう述べている
 
 ようするにコラムを書いている人間からすれば、防衛戦ができるようにしている安倍首相は極右のヒトラーな独裁者だし、それに賛同する作家は無条件に佞臣である。そういうことなのだ。
 
 まあそう思うのは自由だけども、だがしかし、それでは駄目だ。冷戦は終わったのだ。理想論に基づいたねつ造は砕けた。中国の大躍進は挫折し、地上の楽園であったソ連は崩壊した。
 
 冷戦が終わった今、人は論証しなければならぬ。自分の正義感を大前提にした論理的な結論では駄目だ。そうではなく、証拠の整合性を検討しなければならぬ。
 
 ∧∧
(‥ )悪い宰相と悪い臣下では
\−  悪人だから悪人なのだ
    としか言っていないことに
    なるからね
 
  (‥ )言ってることの内容が
      妥当ではない
      そう思うのなら
      それが
      どうして妥当でないか
      それを
      機械的に説明しないと
      駄目なんだよ
 
 そのラジオがなぜ動かないのか? それにはラジオを分解し、配線を示し、それを示せないと駄目だ。
 
 ∧∧
( ‥)だけどそれをしていない
    悪だ悪だ
    そう言い立てるだけである
 
   ( ‥)できないってことは
     −□ やったことがない
       そういうことなんだ
 
 ああ、分かるぞ。もうできないんだろ? だって、やったことがないのだからな。
 
 日々の習慣が人の肉体を型にはめてしまうように、日々の思考は脳を型にはめてしまう。
 
 さて、では僕らの脳はどんな型にはまっているか?

      


 
 
 

2015年7月1日水曜日

メッシニアンな棺桶

 
 メッシニアン塩分危機(Messinian Salinity Crisis)
 
 およそ500万から600万年前に起きた出来事で、地中海と大西洋をつなぐジブラルタル海峡が閉鎖し、地中海が干上がった事変。地中海は広大な塩の盆地となり、塩を奪われた地球の海は、当時、その塩分の6パーセントを喪失したともいう。そして塩分の喪失は海の振る舞いを変え、地球環境を変化させうる。
 
 ∧∧
(‥ )...なんでメッシニアン危機に
\−  流れ着いているんですか
 
  (‥ )いやそのなんだ
      ヒントになるかなー
      と思ってな
 
 
 どうも調べた限りでは、このたびの仕事のヒントにはならないようである。
 
 ∧∧
(‥ )まあ関係はするだろうけどね
\−
 
  (‥ )地中海における
      ハゼの淡水進出を
      メッシニアン危機と
      からめて考察した論文は
      ヒントになるかなあ
 
 *海が干上がれば、魚は淡水に逃げ込まざるを得ない。
 
 ∧∧
(‥ )でっ? お次ぎは
\−  カンオケバエですか
 
  (‥ )Coffin Fly
      学名がConicera tibialis
      だったり
      Megaselia scalaris
      だったりするな
      シノニムかな?
      誤記かな?
 
 Coffin Fly まんま”棺桶のハエ”である。地中深く侵入して死体を食べるハエで、どこまで本当なのか...土葬された棺桶にまで到達すると言われているものだ。埋葬後は土がしまっていないだろうし、侵入を許すとは古い時代の話なんだろう。実際どうも、その観察と出典は1964年のものらしい。
 
 話では聞いていたが、このぎょっとさせられる昆虫を思い出して検索し、そうしてたどり着いた。
 
 ∧∧
( ‥)こっちは参考になった?
 
  ( ‥)体長2.5ミリ
    −/ このサイズでこれが
       出来るのなら
       状況は解決できそうよ
 
 ∧∧
(‥ )問題は熱伝導率ですか?
\−
 
  (‥ )ごく簡単な方程式が
      あるらしい
      簡便に計算すると
      多分、問題ない
      50センチで十分
      おそらくはね
      状況は成立しうるのだ
 
 ∧∧
( ‥)でっ? さすがに
    頭がぱーですか
 
  ( - -)んーちょっとね

 
 
 
 

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