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2009年6月23日火曜日

イライラ戦争

 
 昔、イランとイラクが戦争をした時、これをイライラ戦争と名付けた人がいた。もっともこれはおかしなことで、少なくともペルシャ語で発音すると(確か)イランはイーラーンだし、イラクはエィラクになる。

 ∧∧
( ‥)エィ、というかイェというかなんですよね。

    (‥ )日本語にない発音なんだよな。
        向こうのアルファベットだとエィンと発音して
         喉から出す音なんだよね。おいちゃんには
         発音が難しい。

 宗教はイランはシーア派だし、イラクは(住人のかなりの部分はシーア派だが)当時の指導層はスンニー派だった。民族はイランはおよそペルシャ人だし、イラクは、すくなくともフセイン大統領はアラブ民族というかバース党というか、メソポタミア文明の後継者を自称するなど(アラブ人はどこいったー?)まるで違う国。

 シーア、スンニー、クルド民族(言語や宗教に統一基準なし(らしい))のうずまくイラクに突入するなんてブッシュJrは頭がいかれていると、そんなことはやる前からさんざん言われていたけども、やってみれば確かに予想通りの地獄になりましたとさ。

 閑話休題

 ∧∧
( ‥)それにしても80年代当時の日本の報道ではイランとイラク、
    どっちがどっちか分からないって風潮でしたよね?

    (‥ )当時はまだ子供だったからうろ覚えだけど
        そんな感じだったよなあ。

 まあ、なんだ、イライラ戦争なんて表記すること自体、何も調べていないんじゃないのか? と疑いたくもなるわけで。

 ∧∧
( ‥)ここからどんな結論を導きだしますか?

    (‥ )メディアは科学以前に、外国のことさえまともに
        報道できない。

 湾岸戦争の時やユーゴ内戦の時はコメンテーターやアナウンサーがイランとイラクとイスラエルとイスラームを間違えて使ってしまう場面を時々見たし、ムスリム人なんていう(いや確かに、そういう誤解を与えかねない政策があったらしいけど当時のユーゴは)表記が踊ったりともはや地獄のようなありさま。

 だからこう。

 メディアは世間一般の狭い世界観から自由になれないし、それ以上のことはさほどできるわけではないし、かつまたこなせない。

 そしてこう。

 イランとイラクとスンニーとシーアとイスラエルとイスラームもまともに伝えられないのだ。歴史や宗教よりもなお遠く異質な科学のことをメディアが理解して伝えられるわけなどないではないか。




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