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2019年12月11日水曜日

折れ線グラフは魅力的だが脆弱で実用的ではない

 
 次のようなデータがある。


 
 このデータを説明する時、あなたはこんなグラフを描くか?


 
 ∧∧
(‥ )まあ描く人もいるし
\−  描く場合もあるよね
    折れ線グラフってものも
    ありますからな
 
  (‥ )でもなあ
      折れ線グラフって
      通貨の価格変動を
      記録するとか
      そういう時に使うもので
      ”説明する”ために
      使うものではないよな
 
 なにより、この手のグラフは弱い。

 例えば新しく情報が手に入ったことを考えればいい。新しいデータを座標に置いたら次のようになった。


 
 ∧∧
(‥ )はい このグラフは
\−  破綻しました
 
  (‥ )では描きなおそう
 

 
 ところが? また新しいデータを付け加えたらこうなった。


 
 こうなったらまた描き直しだ。


 
 このように、すべてのデータを素直につなげたグラフは壊れやすく、脆弱で弱い。
  
 ∧∧
( ‥)それにも関わらず
    この手のグラフは
    人気があるのです
 
  ( ‥)この手のグラフってさ
    −/ すべてのデータを
       通っているから
       すべてのデータを
       積極的に説明しようと
       してるんだよね
       そこが魅力なんだよ
  
 
 よくネットで見かける推理が非常に複雑になってしまうのはこのためである。すべてのデータを説明しよう。すべてに辻褄が合うようにしよう。そうやって努力するから仮説(グラフ)は複雑となり、そして”魅力的”となる。
 
 ∧∧
(‥ )魅力的だからこそ
\−  みんな議論に夢中になって
    自分が考えた魅力ある推理を
    発表したくなるのである
 
  (‥ )だが残念
      以上述べたように
      この手の推理は
      不安定だ
      新しい話が出るたびに
      説明が崩れて
      再調整が必要になり
      説明がころころ変わる
 
 要するに、折れ線グラフは魅力的だが脆弱であり、そして実用的ではないのだ。
 
 言い換えると世の人の大半は実用よりも魅力という虚偽を選んだのである。
 
 ∧∧
(‥ )例のアイドル部
\−  夜桜たまさん騒動も
    奇怪かつ複雑な推理が
    ありますなあ
    ...内部情報をリークしたのは
    夜桜たまと社員2名だ!
    という推理がですね
 
  (‥ )んー 元ネタは
     カルロピノの配信にあった
     ”ずっと前から外部の方に
      お話しが漏れていること
      などを考えました”
      だよね...
      この主語は本来の
      文脈からすると
      夜桜たまの
      ことらしいけど
      社員2名って
      一体どこから湧いた?
 
 ∧∧
(‥ )なんかもうみんなで推理を
\−  言い合ってわけわかめ
 
  (‥ )ネットの議論って
      魅力の競い合いだから
      えてしてこうなるよ
 
 
 グラフを描く時は、単純な方がいいのである。


  
 この手のグラフはたくさんのデータを加えてもそうそう壊れない。



 ∧∧
(‥ )反対に魅力がなくなるよね
\−
 
  (‥ )”根回ししないで
      いきなり運営批判したら
      どうにもならないよ”
      という
      ごく当たり前な解釈を
      みんな無視するのは
      これが当たり前すぎて
      魅力がないからだろうな
 
 というか、そもそもこんな当たり前のこと全員分かっているんじゃないのか? 

 だがそれを認めたくない、あるいはそれだとつまらないからあえて無視している。それだけのことかもしれない。

 人間は都合の悪いことには見ないフリをするし、忘れたことにするものだ。
 
 ∧∧
( ‥)どういう解釈で
    落ち着くんだと思う?
 
  ( ‥)カルロピノと
    −/ 花京院ちえりは
       夜桜たまが嫌いで
       死体蹴りしました で
       落ち着いて
       忘れ去られるんじゃね?
 
 ∧∧
(‥ )...良い理解ではないな
\−  それになにより
    夜桜たまさんの配信による
    運営批判の悪影響を
    軽視しすぎだろ
 
  (‥ )社会人でない人間は
      会社を批判して喜ぶ
      会社員は
      経営陣を批判して喜ぶ
      人間とは
      嫌な現実よりも
      自分の幸せを保証する
      曲解を食べるものだ
 
 ∧∧
( ‥)そして忘れると
 
  (‥ )いちいち覚えてたら死ぬべ
 
 
 そして配信し続けたものが勝ち残る。

 ファンというものは継代培養しなければ存続できない菌株のようなものだ。

 あるいはファンとは流れる水のごとし。来て、そして去る。来て去る、その無数が合わさって、まるでいつもそこにファンという実体が立ち止まっているように見えるが、しかしそれは幻。
 
 いるファンは絶えずして、しかしもとのファンにあらず。
 
 このようにファンは更新され続けるもので、これゆえに記憶は継承されず消える。だから全部忘れてしまう。だから供給し続けたものだけが勝ち残る。これ以外の真理はない。
 
 
 
 
    




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