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2019年3月16日土曜日

産油国であるという夢をまず放棄する

 
 ∧∧
( ‥)理屈は単純でね
 
   (‥ )例えば仮にベネズエラが
      みんなが想像する
      産油国だったら
      アメリカの経済制裁なんか
      別にどうでもいいのよね
 
 アメリカ以外の国へ売ればいい。
 
 ∧∧
(‥ )実際イランはそうしてるしね
\‐  ホメイニさんのイスラム革命で
    アメリカと全面対立に向かって
    経済制裁も禁輸もくらったけど
    イランはいまだに健在だ
 
  (‥ )ベネズエラはもっと
      めぐまれておる
      ベネズエラに対する
      アメリカの経済制裁は
      そんな厳しいレベルでは
      ないからな
      実際、中露やインドへ
      石油を売ってるし
 
 だがそれでもどうにもならないとしたら、それはもうアメリカの経済制裁のせいではない。実際、トランプ大統領が経済制裁する前から、借金漬けになって中露に融資をお願いして、断られて、じゃあ返済を待ってくださいな状態に陥っていたわけだし。
 
 産油国であればアメリカの経済制裁ごときなんということはない。
 
 ところがそうではない。

 だとしたら話は単純だ。要するに話の根幹である、”ベネズエラが産油国です”という大前提が間違っているのだ。
 
 ∧∧
(‥ )一応は広義の意味で
\‐  確かに産油国では
    あるんだけどね
    品質が悪すぎて
    欧米資本でなければ扱えず
    だのに欧米資本を追い出し
    産油がダメになり
    品質が悪いからこそ近くて
    輸送コストの安いアメリカが
    お得意様だったのに
    アメリカ以外に売って赤出して
 
  (‥ )そういうのは産油国と
      言っていかんのよ
      少なくとも俺たち素人が
      考える産油国ではない
 
 素人が思い浮かべる産油国でベネズエラを見るから理解が間違う。


 
 彼らの言ってる”石油”ってこれだぞ、ということを認識しないといかん。
 
 ∧∧
(‥ )なんかさ油井からじゃんじゃか
\‐  油が溢れ出てくるイメージで
    理解しているせいか
    アメリカが石油目当てで
    ベネズエラを侵略する気だ!
    とか
    叫んでる人多いよねえ
 
  (‥ )ところがどっこい
      ベネズエラの自称石油は
      こうやって
      にゅるるんっと出てくる
      ピーナッツバターのような
      代物だ
      現実ってさ
      俺たちが思うような
      楽しい世界ではないよね
 
 
 しかし多分、現政権のマドゥーロ大統領も、上の画像で”自称石油”を手にしているチャベス大統領もこれを分かっていなかっただろう。分かっていたら、こういう”自称石油”でさえも扱うことができる技術者を丸ごと解雇しなかったはずだ。分かっていたら軌道修正をしたはずだ。分かっていたらそもそもこんなことになっていない。
 
 そして分かっていないのなら行き着く先は決まっているだろう。自家発電を持っている高級レストランは停電中でも営業しているそうだ。金持ちはそうやって生活し、大統領が民兵で国民を支配する。それは可能なのだろう。しばらくはリベラルが望む素晴らしき理想郷と独裁制が統治することになる。世界中の賢い人がこれを讃えるだろう。しかし産油を失い、外貨獲得を失えば内燃機関と化石燃料を喪失し、トラクターもトラックも喪失する。今はオートバイに乗って人々を銃撃している民兵は徒歩になり、そして馬になる。農業生産も輸送力も人力、家畜に頼らざるをえなくなる。要するに中世期への帰還だ。それでも世界中のリベラルはこれを讃えるだろう。これは原始共産制だ! 彼らは賛美するだろう。しかし現代文明とその人口は化石燃料と農薬と化学肥料に支えられているのだ。ゆえに都市は解散する。少なくとも規模が激減する。国民自体がそうなる。中世農業が支えられる人数にまで人口は減少しなければならない。興味深い現象には違いないが、これは地獄だ。
 
 
 
 
  
       

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