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2013年9月15日日曜日

世界を二分する敵の最高指導者は、酔っていた

 
 hilihiliのhilihili: 草葉の陰に大統領の続き
 
 以前からある話。オバマっちは安倍っちに対してけんもほろろの対応で、むしろ邪険にしている、という噂。それを聞いて日本のリベラルは曰く、ほらみろ、国粋主義者の安倍なんかオバマから見たら評価に値しないってことじゃないか、ざまーみやがれ、と。
 
 ∧∧
( ‥)あなたのご意見は?
 
  (‥ )仮に本当に嫌いだから
      邪険にしました、
      そうだと言うのなら、
      それは、
      政治家うんぬん以前に
      人として駄目だよね?
      
 
 いや、リベラルで、白人社会の中で生き抜いてついにトップに立ったオバマ大統領から見れば、安倍のようなぼんぼんの極右は否定されて当然なのです。
 
 ∧∧
( ‥)という意見もありますが
 
  (‥ )だったらなおのこと。
      政治家なら会わなきゃ
      駄目じゃねえ?
 
 相手が危険だ、と聞いたなら、その危険な相手を推し量る機会が到来したれば、それを逃してはいかん。機会があるごとにつついて推し量るべし。
 
 ∧∧
(‥ )ジャーナリストで言うなら
\‐  事件の渦中にある
    重要人物が向こうから
    ひょこひょこやってくる
    ようなものですよね
 
 
  (‥ )だのに、
      聞く限りでは
      あいつはけしからん奴だ
      だから会談は軽く扱おう、
      本当にそんなことを
      したというのなら、
      それは先入観にまみれた
      手抜きであって、
      仕事に対する
      態度ではないなあ。
      ましてやこれが
      指導者の判断だとするなら
      信じがたい話だけどね

 
 なんとも言えないけども、仮にアメリカの最高指導者であるオバマ大統領が事実としてそういうことをした、あるいは”する”人物だとする。
 
 ∧∧
( ‥)でも、考えてみれば、
    オバマさんだけがそういう人だ
    というわけじゃないですよね
 
  ( ‥)その前のブッシュ
    ‐□ 出来の良いお父さん
      ではない、
      息子の方、
      あの人も大概だった
      からね
      それを考えれば
      この信じがたい話も
      普通の話なのかもしれん
 
 ブッシュ大統領(Jr)は正気とは思えない戦争を始めて、お父さんの業績を木っ端みじんにしたのみならず、結果的に国を傾けた(そもそもオバマ大統領の仕事自体、これを是正することである)。
 
 ∧∧
( ‥)一時的な後退でしょうけども、
    この痛手からアメリカが
    回復するにはベトナム同様、
    一世代ぐらいは
    かかりますかねえ
    あるいは状況が違うから
    もっと長いか
 
  ( ‥)もちろん、これは外交の
      おもてなしの問題では
      ないけども、
      理屈や打算よりも信念を
      優先している
      そういう意味では
      ブッシュJrも
      オバマ大統領も
      同じじゃないのか?
      ということよね。
 
 ならずもの国家、その筆頭であるフセイン大統領を打ち倒し、イラクに民主主義を打ち立てる十字軍を! という無神経極まる夢と信念は現実という泥沼の中で無惨な姿をさらしてもがいて死んで、腐って消えた。

 そして、ブッシュJrも敵の言うことはおろか、本来は味方である人であっても、自分に反対する人の意見は聞いたりはしなかったようである。
 
 少なくとも、当時の国際的な雰囲気とあの戦争の陣容はどう見てもそうだろう。
 
 ∧∧
( ‥)つまり、信念で素人くさい
    ことをしてしまう。
    これはアメリカ大統領に
    おいては普通に起こる?
 
  (‥ )アメリカは直接選挙。
      直接選挙で選ばれるのは
      それは日本の知事を
      見ても分かるけども、
      しばしば経験がない、
      目立つ成り上がり者
      だよな?
 
 そして必然的に彼らはしばしば信念の人ではないか? 
 
 ∧∧
( ‥)政治家はそもそも
    信念の人ですけどね
 
  (‥ )だが経験があると
      現実の前に丸くなるだろ?
      信念は現実に屈服し
      より妥当に、あるいは
      狡猾になるのだ。
 
 でも、そうでない場合、直接選挙で選ばれた政治家は”信念だけの人”になるのではないか?
 
 そして信念とは、それがいかに美しくとも空虚なものだ。だって、現実じゃないのだから。
 
 では、信念の人が舵を取る時、何が起こるか? それは、我々自身が何度も色々な場面で目撃したこと、いや、巻き込まれたことではなかったか?
 
 直接選挙で選ばれた政治家には、新鮮さと信念がある一方で、現実に対して妙に無神経なところがある。
 
 
 ∧∧
(‥ )官僚体制が整っている
\‐  国ならば、
    指導者よ、あなたはそう
    おっしゃいますが
    現実はこうですよ、
    政治家にそういう具申が
    なされるので、
    そうした現実への無神経さは
    緩衝されるのですけどね。
 
  (‥ )だからあれよね、
      官僚や専門家のいない
      古代世界の直接民主制
      よりは、
      現在の直接民主制は
      まっとうに機能している
      ように見えるよね
 
 だが、やはり成り上がり者は成り上がり者。経験の薄さは否めない。そういう素人くささは官僚制でいかに糊塗しても表に出てしまう。それが自然ではなかろうか?
 
 ∧∧
(‥ )反対に、子供の頃から
\‐  政治に関わる機会があった
    二世、三世議員の方が
    政治家としては練度が
    高くなりうる。
    彼らは成り上がり者とは
    違う。
    理屈の上ではそうですね。
    もちろん反証例は
    いくらでも
    ありそうですが
 
  (‥ )ブッシュJr大統領や、
      日本のこの前までの
      首相なんかそうだろうな
      トラストミーで
      大騒ぎですよ
  
 しかし二世たちのこうした体たらくの一方で、大きな勝利を上げたパパブッシュが戦争参加者であり、実戦経験者であり、政治家としての職歴も長く、そればかりか現場と政権中枢、その両方から戦争を見ていたことを考えると、印象的だ。
 
 ∧∧
( ‥)二世、三世議員であれば
    プロになれる、ではなく
    プロになるには職歴が
    長いことが必要で、
    世襲議員はそれを
    満たす可能性がある、
    そういう感じですかね
 
  (‥ )世襲にすれば良いって
      ものではない。
      だがそれは、
      世襲でなければ良いを
      意味するわけでもない。
      民主制は業界のことを
      知らない素人を絶えず
      中枢に放り込んでいる。
      そういう仕組みで
      あることを
      忘れちゃいかん
      そういうことだろうな
 
 僕ら観客は、舞台上の俳優たちはシナリオに沿って声を上げる均一なプロだと思っているが、考えてみればそんなことはないんである。観客から飛び込みで壇上に上がる奴がいるし、名家もあれば素人も混ざったおかしな舞台なのだ。思惑もばらばら。
 
 ∧∧
( ‥)舞台上の政治家たちは、
    理詰めやシナリオじゃ
    考えられない、
    おかしなことを
    しているだろうと
 
  (‥ )そして時々、荒削りの
      素人臭さが顔を出す、
      そうでないと説明が
      つかないことが多すぎると
      思わないかね?
 
 直接選挙で選ばれたからすばらしい”はずだ”、とか、二世、三世だから駄目”なはずだ”、それらは空虚な信念でしかないだろう。
 
 現実は経験と実力だろうし、職歴の長さはある程度ではあるが、それを示す目安となるだろう。
 
 それを考えた時、この指導者は直接選挙で選ばれたからすばらしく、こちらは二世だから劣っている、そういう前提が支持されるか? それを検討してみても悪くはない。少なくとも現実は信念ではないのだ。    
  
 そして現実と言えば
 
  ( ‥)そういえばさ、
      クリントン大統領って
      赤ら顔のエリツィンが
      くだを巻いてしゃべるのを
      聞きながら、
      いやそうな顔で会談してた
      ことあったよな
 
 ∧∧
( ‥)ああ、確か、チェチェンの
    ならずものがぁぁ〜〜とか
    どう見ても酒飲んでるだろ
    という顔でエリツィンが
    しゃべってた時ね
 
 
 なんで地球を二分する相手との会談がこれなんだ? と思っても、我慢しなければいけないことがある。現実ってのはこんなもんらしい。
 
 
  
 
 

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