自己紹介

イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック

2016年4月3日日曜日

ひとりひとり順繰りに、だったら問題ない

 
 インフルエンザは戦士の力ではない。
 
 だからインフルエンザの意図的な蔓延による敵の抹殺は、英雄の物語としては成立しない。
 
 ∧∧
(‥ )でも考えてみたら
\‐  ジョジョの奇妙な冒険に
    出てくる味方のスタンド
    パープルヘイズは
    ウイルスを武器として使用する
    ものでしたよね

=>https://www.google.co.jp/search?q=パープルヘイズ&biw=727&bih=795&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjU2Mnv1vDLAhVBLKYKHRjGCYcQ_AU…
 
  (‥ )組織のボスに叛旗を翻す
     主人公達についていけなくて
      途中退場しちゃうけど
      パープルヘイズを使う人は
      仲間だったからなあ
 
 この事実は、ウイルスも場合によっては戦士の力になる、という証拠なのだろう。
 
 途中退場したのも、ネットで見ると嘘か真か、スタンド能力が強烈であったことが、理由のひとつだという。
 
 確かに、あのあまりにも大きな力は物語を進める上でちょっと困るかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)あれは
    スタンドの拳についている
    ウイルス入りカプセルを
    くらったら
    敵も味方も
    スタンドを操る本人でさえも
    死んじゃうという
    とんでも能力でしたよね
 
  (‥ )病原菌に対して人間が持つ
      恐怖心とその圧倒的な力を
      体現したような
      強力かつ使い勝手の悪い
      能力でな
 
 そのせいなのか、賢い使用者と違って、スタンドがなんか馬鹿っぽいのも印象的である。
 
 ∧∧
(‥ )ともあれ、あれですな
\‐  ウイルスでも戦士の力に
    なるのなら
    ウイルスで敵を殲滅して
    死都を築くこともまた
    了承されうるのだと
 
  (‥ )パープルヘイズが
     戦士として許されるのは
     多分、人型であること
     使用者も危険であり
     命を張っていること
     効果は強烈だがごく短時間で
     蔓延はしないこと
     そこじゃないかなあ
 
 
 ∧∧
( ‥)病害虫で農地を壊滅させ
    援助と称して
    難民を集中させることで
    感染症のアウトブレイクを
    引き起こし
    敵を民間人もろとも
    抹殺するのは許されないが
  
  (‥ )感染症の恐怖を具現化した
      姿と能力でもって
      ひとりひとり順繰りに倒し
      死都を建国することは
      了承されるのだ
 
      
  

2016年4月2日土曜日

ネクロポリス建国

 
 
 ∧∧
(‥ )「ゲート 自衛隊
\‐  彼の地にて、斯く戦えり」
    という物語があって
    アニメ化もされたとか
 
  (‥ )出来がいいし
      面白いみたいだな
      そういえば以前
      高校の同期にこれが
      面白いと勧められたよ
 
 勧められたのはアニメが始まる前であったはずだが、それが小説であったのか、コミカライズされた漫画版であったのかは、はて、覚えていない。
 
 物語のあらすじはこうである
 
 ∧∧
(‥ )中世的な異世界の帝国が
\‐  魔法の力で門を開き
    門の先にある世界を
    侵略しようとするが
    開いた先は東京銀座
    遠征軍は
    当然、自衛隊によって圧殺
    さらには逆に
    自衛隊に攻め込まれて
    帝国は講和に持ち込まれる
 
  (‥ )中世レベルの文明と
      現代文明の接触かあ...
 
 ふと考える。
 
 例えば、できれば冬場、何か正当な口実をつけて現地の人間と日本人をしばらく一緒にさせる。たまたま日本人側には体調を崩していたものがいたのだが、それは偶然だ。そして現地人を街へと返す。村では意味がない。街であることが重要だ。それもなるべく人の往来の多い、交易拠点のような街だ。
 
 そしてこの時、日本は冬場であった、というのがみそである。
 
 ∧∧
( ‥)...ああ、異世界の帝国側に
   インフルエンザを流行らせる気か
 
  (‥ )偶然ですよ偶然
      不幸な事故ですよ
  

 現代人は長く続いた集団生活と文明生活で幾世代もあらゆる伝染病にさらされて、それなりに抵抗力を持つに至っている。当然、伝染病もそれに対抗する力を持つよう、お互いに進化している。

 だが、我々よりも歴史が短い異世界にとってはどうであろうか?
 
 
  (‥ )こっちの土をたまたま
      相手の農地に
      持ち込んじゃったり
      こっちの家畜が
      逃げ出して
      あっちの人間がこれ幸いと
      持ち帰っちゃったり
 
 ∧∧
( ‥)ほう? すべて偶然か?
 
 
 たまたまだ、不幸な事故である。
 
 それに、実際、どうなるのかは分からない。何も起きないかもしれないし...
 
 ∧∧
( ‥)あるいは
    こちらの何気ない病害虫が
    異世界の農地に打撃を与え
    家畜を壊滅状態に追い込み
    人間に致死的な
    伝染病となるかもしれない
 
  (‥ )こっちはなんとも
      ないんだけどな
 
 農薬も化学肥料もなく、品種改良も不完全。中世以前の帝国の農業生産力なんてたかがしれている。ちょっと生産に打撃を被れば、それだけで社会全体が危機にひんするだろう。臣民の肉体の抵抗力も落ちること明白だ。

 この状況で、次に例えば、相手の都市に援助を申し込もう。なんだかんだ理由をつけて一部の都市だけに食料援助を行う。
 
 さてどうなるか?
 
 ∧∧
(‥ )困窮した人々が
\‐  難民になってなだれ込む
    でしょうね
 
  (‥ )古代、中世の人間は
      感染症を理解しては
      いないんだ
      衛生概念が未熟な状態で
      一カ所に大量の人間が
      集中したら
      どうなると思う?
 
 ∧∧
( ‥)なるほど、意図的に
    感染症のアウトブレイクを
    引き起こすのだな
 
  (‥ )何の話ですかな?
      援助しただけですよ
      どこに問題が?
 
 
 アウトブレイクに成功した場合、社会が機能を失うのはいつだろうか? 人口の2割を失った時か? それとも3割か?
 
 ∧∧
(‥ )その後だったら
\‐  敵を打倒することは
    さらに容易でしょうね
 
  (‥ )むしろ成功しすぎて
      秩序が完全に崩壊し
      四分五裂してしまう方が
      心配なぐらいかもな
 

 大いなる都は、自分たちがなぜ死んでいくのか理解できないままに倒れた頭蓋と骸骨に覆われ、死都ネクロポリスと成り果てる。罪ある者も、罪無き者も、万遍なく打ち倒された誰もいない世界。空位の玉座から眺める光景は圧巻だ。
 
 ∧∧
( ‥)臭いぞ
    何年も臭いぞ
    ずーっと臭うぞ
 
  (‥ )やれやれ
      現実とは嫌なものだな
      美しさのかけらも無い
      
 話を戻せば
 
 ∧∧
(‥ )実際の物語は
\‐  もちろんこういう話ではなく
    突撃してきた古代中世の軍隊を
    自衛隊が現代兵器で圧倒し
    万の単位で殲滅する
    ようですけども
 
  (‥ )以上を踏まえて
      考えてみたまえ
      許容できる犠牲ではないか
      それにその殲滅も
      あくまで正面決戦の結果
      しかも聞けば
      本当に最初の戦闘時の
      出来事だそうだな
 
 話としても理にかなっている。最初、相手は何も知らないし、近世以前の戦法で現代軍に襲いかかれば、万単位で、文字通り殲滅されるだろう。しかしその後は当然、対応を変える。

 現実問題としても正しいのだろう。初戦での圧倒的な優位を背景に有利な条件で講和する。異世界の帝国なんか統治できないし、そうするしかないだろう。事実、アメリカは同じ現代世界であるのに、イラクでさえも統治できなかった。中世の帝国に統治の価値などない。
 
 植民地にするのも論外だ。初等教育も知らない遅れた人間に、一体どんな価値があろうや?
 
 物語としても正しかろう。まいどまいど殲滅していたら、視聴者としてはいくらなんでも心理的に許容できないだろう。やはり物語は戦士の神話であるべきだ。
 
 ∧∧
(‥ )そしてこのお話はその条件を
\‐  満たしているのだと
    主人公は乞われてドラゴンを
    倒すらしいじゃないですか

 
  (‥ )高校の同期が
      お勧めしてくるわけだぜ



 言い換えれば、インフルエンザでネクロポリス建国は物語として駄目だってことである。
 
 
 ∧∧
( ‥)ただ死都を作ること自体は
    ありなんだろうね
 
  ( ‥)「ヘルシング」や
    ‐/「ドリフターズ」の作者
      平野さんの初期エロ漫画で
      そういうのあったしな
 
 というか、あれはエロ漫画なんだろうか? 敗北し占領された王都でレイプされる姫の元に颯爽と登場するヒーローがネクロマンサー。敵の兵士をゾンビに変えて敵国王を食い殺させ、軍団もことごとく殺し尽くして自らの配下とし、築き上げた死の王国で姫と末永く暮らす物語。
 
 ∧∧
( ‥)なんだネクロポリスでも
    ハッピーエンドできる
    じゃねえか
 
  (‥ )インフルエンザで
      建国しては駄目なんだ
      だけど
      魔法でなら良いのだな
 
 
 多分、魔法なら戦士の力であるから良いのだろう、一方、インフルエンザは戦士の力ではないのだ。
 
 
    
    

2016年4月1日金曜日

25文字にネタしこめ

 
 いかにも新聞が使いそうな書き方で虚報を伝えるサイト、虚報新聞
 
 
 ∧∧
(‥ )本物とまぎらわしい!!
\‐  騙された!! と
    怒り狂う人もいるけど
    一方では
    ...ちゃんと読めばネタって
    分かるじゃん
    騙された奴は文盲なのか?
    と冷ややかな人もおります
 
  (‥ )あてずっぽうに言うと
      最初の25文字で
      ネタだと分からないと
      騙されるかもね
 
 人間は25文字以上の文章が読めない。というか読めるのだが、25文字程度を読んだ時点で、そうかこういう内容なんだ、後は読まないでオッケー、と頭を使うことを拒否して結論してしまうのである。
 
 つまり、最初の25文字以内に、あからさまに嘘だと分かるネタを仕込まなければ、ほとんどの人間は騙される、ということになるだろう。
 
 *引っ掛け問題を作りたいのなら25文字以上にすれば良い、ということでもある。
 
 ∧∧
( ‥)でも最初の25文字に
    ネタを入れるって
    無茶だよね?
 
  (‥ )ネタって言うなれば
      起承転結の転だからな
      だとすると
      良心的な虚報とは
      四コマ漫画で言えば
      最初の一コマに
      3コマ入れるようなもの
      それはちょっとねえ
      無理だよねえ
 
 
 
 

家族を狙うのはアウト 上司の脳を食べるのはセーフ

  
 
 コロシアムの殺し合い、ネットの炎上、水戸黄門から明らかなように、娯楽の基本とは公開処刑である。
 
 
 ∧∧
(‥ )物語とは
\‐ こいつ殺していいでしょ?
   いいよね? いいでしょ?
   ということを
   読者や視聴者に納得させる
   ものなのである
 
  (‥ )しかしどこまで殺して
      いいものだろうか?
 
 例えば、ヒーローは子供を殺せない。
 
 ∧∧
( ‥)ロボコップ2で悪ガキが
    蜂の巣にされて
    ぶち殺されていたじゃ
    ないですか?
 
  (‥ )でもやったのは
      2号機で
      主人公じゃないだろ?
 
 
 ヒーローは女も殺せない。

 悪い女性キャラは、悪い子供キャラと同様に、敵によって処刑されるのだ。
 
 ∧∧
(‥ )主人公の手を
\‐  汚すわけにいかないのである
 
  (‥ )ダークヒーローだと
      もう少し自由が効くのだよな
 
 例えば「羊達の沈黙」のレクター博士は物語が始まる前、看護婦を襲って顔面を食っている。
 
 ∧∧
(‥ )でも直接描写はないですなあ
\‐  奴は彼女を食っている間
    脈拍はまったく正常だった
    という伝聞だけだよね
 
  (‥ )後は警察官を2名殺してるな
      映画だと
      一人はお腹の中身を
      すっぽり抜かれて
      キリストのごとく
      飾り立てられてしまうのだ
      実に良い
 
 ∧∧
( ‥)警察官は殺しても良いの?
 
  (‥ )んー
      警察官は武装している
      一方
      博士は知能こそ高いが
      徒手空拳である
      このように互角な状況では
      殺しは戦士の戦い
      ということで
      オッケーなのかもしれん
 
 後、博士は救急隊員も殺してる。殺した警官と自分の服を換え、さらに警官の顔の皮をはぎとり、それをかむることで重症警官になりすまし、救急搬送されることで警戒網を突破する。

 そしてもちろん、搬送途中で救急隊員を殺して、さらに高飛びをかけるのだ
 
 ∧∧
(‥ )殺しまくりだな
\‐
 
  (‥ )でもなぜかな?
      完全警戒の監獄から
      脱獄するという
      立場なせいか
      殺したこと自体には
      あまり関心わかないなあ
 
 どういうわけか、脱獄ということになると、視聴者は脱獄犯を応援するものである。
 
 ∧∧
(‥ )課題が与えられた場合
\‐  皆の眼は課題の解決に向くから
    脱獄以外の事柄は
    黙認されるという
    ことでしょうか?
 
  (‥ )人間の問題意識が
      垣間見えるよな
 
 例えばこれが、児童無差別殺傷犯の無罪を勝ち取る弁護士の話、になると途端に受取手の状況は変わる。

 この場合、弁護士は社会にあだなす裏切り者となって、けつの穴から串刺しにされたあげくに火をつけられ、群集はそれを持って街路を練り歩くであろう。
 
 あるいは話を戻せば、レクター博士でも子供を狙ってはいかんかもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)レッドドラゴンでしたっけ
    監獄内にいるにも関わらず
    ONOFで外部に電話をかけ
    高名な人物を名乗り
    連続殺人鬼の眼に止まるよう
    新聞に広告を載せ
    しかもそれがある程度
    知能のある人間なら
    解ける暗号で
    その内容は主人公の家族の
    居場所ってのが確か
    ありましたよね
 
  (‥ )あれ読んだ時は
      ちょっ、レクター博士
      これまずいです
      と思ったからな
 
 つまりどうも、あれだ。

 処刑ショーのヒーローになるには、戦士でなければならないし、そして戦士である以上、相手の家族や子供を狙ってはならない。

 そういう不文律があることがうかがえる。
 
 ヒールにも悪役なりの美学が必要で、それは視聴者をなるべく納得させるものでなければならぬ。
 
 
 ∧∧
(‥ )博士はハンニバルだと
\‐  悪い上司を食べちゃうよね
 
  (‥ )ヒロインを苦しめた
      下種なおっさんを
      ランニング中に捕まえて
      局部麻酔し
      頭蓋上部を切開
      意識を保ったまま
      露出させた脳髄から
      スプーンで前頭葉を
      すくいだして調理し
      ヒロインのディナーに
      供じてしまうのだ
      あれはぞくぞく笑える
      場面だよなあ
 
 上司は前頭葉をすくとられるたびに、人としての自我がひとつひとつこぼれ落ちていく。

 いつもヒロインを下種な言葉で貶めていた彼の理性は、文字通り、彼女に食われることで磨り減り、博士に前頭葉のほぼすべてを取り除かれた時、彼は童謡をがなりたてるだけの、人の姿をした何かに成り果てる。
 
 これぞ人格破壊を越えた自我の蹂躙。下種な人間にふさわしき、美しき末路。
 
 
 ∧∧
( ‥)つまりここまでなら
    ヒーローのやって良い
    範疇なのであると
 
  (‥ )スライム勇者はどこまで
      悪を食べてしまって
      良いものか?
      このさじ加減の見極めは
      ここにあろうよ
 
 
 少なくとも、悪代官に寄生し、脳をじわじわ食べてしまう、というのは問題ないようである。
 
 
 
 

2016年3月31日木曜日

必殺スライム勇者

 
 
 ∧∧
(‥ )スライム勇者の最大の技
\‐  って何ですかね?
 
  (‥ )自分の肉体の一部を
      脳内に侵入させて操った
      市民、兵士による
      無差別一斉攻撃
 
 街区から上がる悲鳴と絶叫、逃げ惑う人々、そして湧き出るようにぎくしゃくと押し寄せる人体の軍勢。迎え撃つ警護の兵士達の間にもすでに寄生体がいて、ここぞという時に背後から襲いかかり、防衛ラインが決壊していく。もはや誰が敵で誰が味方かも分からぬ中、同士撃ちと蹂躙で、城にも火の手が上がる。
 
 ∧∧
( ‥)とっ見せかけて
 
  (‥ )それも実は陽動で
      本体はすでに
      城内に侵入ずみ
 
 
 なぜだ越後屋? お前の言う通り、怪し気な者は皆遠ざけた。なんでこんなことになる??

 私が申したこととは言え、他人を貶める讒言を重んじるようではいけませんな、代官様。
 
 この期に及んで裏切り? 怒りと戸惑いの表情を見せる代官に越後屋は答える。

 ああ、親愛なる代官様。いつもの鋭敏さはどこへいってしまったのでしょう。お分かりになりませんか? すでにわたひひゃあ...
 
 男の額が内部からみりみりと無理矢理に裂けて、灰色のしずくがねっとりと流れ出し、ぬるりと突き出た腕が代官の顔を掴む。体は動かせても、頭はぴくりともその場を離れられない。
 
 おわはりに、なりまへんか、鎚でつぶしても裂けぬ強固な人皮。しかしそれを引きちぎる私の力とは、一体どれほどのものなのか? 

 しずくから伸びた腕が代官の頭をゆっくりと、しかし抗えぬ力でねじつぶしていく。
 
 
 ∧∧
(‥ )もはや大災害
\‐
 
  (‥ )ばれなきゃ犯罪じゃ
      ねーんですよ
 
 あるいはちーとも勇者が姿を見せないと思っていたら。
 
 ∧∧
( ‥)すでに悪代官は内部から
    食われている
 
  (‥ )ご乱心して越後屋や
      部下を切り捨てた後
      耳元で声がするのだ
 
 勇者はここにおりますよ、代官どの。
 
 なぜ、どうしてこんなことに? 夢のように虚ろな感覚で声のする方を振り向いても、暗い廊下の先に見えるのは自分が切り捨てた死体と、飛び散った血ばかり。
 
 あなたの鼓膜。
 
 声はすぐ耳元だ。ささやくようでいて、しかし鳴り響く声がする。
 
 いや、正確に申しますと蝸牛に直接働きかけて、私の声を聞かせているのです。自分の体に違和感を感じられませんでしたか? 

 代官様は今朝の食事時、はしを取り落としました。なぜだと思います? 

 あなた様の心に浮かんだ動きを私が再現するので、どうしても代官殿の思考と動作にわずかなずれが生じるためですよ。

 ですから、あなたの心に浮かんだ動きを私が再現しなければ、ほら、この通り。
 
 動けない。
 
 もはや体を動かせぬ代官の見つめる先で、彼の腹が膨らみ破れるが、痛みもかゆみも感じない。夢のような無痛の中で、灰色のしずくがゆらゆらと身をもたげ、浮かび出した口が笑って言う。
 
 わたくし、先日より少しずつあなた様を食べてまいりました。すでに皮膚と表情筋、脳と脊椎、胃と腸、あなた様の肉体はもはやそれだけ。他はもう残っておりません。
 
 眼球は動かせるが声が出ない。自分の動かぬ腕の皮膚がゆれ、中で無数のものたちがうごめくのが見える。
 
 代官殿、まぶたも眼も動かせますが、他は指の一本も動かせぬし、腹を破られたのに痛くもないでしょう? これこそ、あなた様の筋肉も骨も、声帯も痛覚も、すべて私が食べてしまった証拠なのですぞ。
 
 にたにた笑う口が、捕食のために大きく広がり、動けぬ代官の視界をゆっくりと覆っていく。
 
 ∧∧
( ‥)人知れず悪と戦う
    スライム勇者万歳
 
  (‥ )毎日ご飯を
      食事だ勇者
 
 
 
     
      

理想的な民主主義者は必ず独裁制を希求する

 
 手持ちの情報で世界を理解する。

 自分が理解して考えるにこうすれば問題は解決できる。

 これは明白なことであるのに、なぜ皆はしないのか? 

 それは世の中はこんなことも分からない馬鹿だらけだからだ。

 なれば自分が最高指導者に自分の計画を持っていて、それを鶴の一声で実現すれば良いではないか。
 
 
 ∧∧
(‥ )しかしこれは
\‐  組織を無視したただの
    独裁制なのである
    
 
  (‥ )民主制を声高に言い立てる
     連中が拙速であること
     排他的な独裁主義であること
     他人の意見を聞かない
     理想主義者であるのは
     これが原因だろうな
 
 端的に言えば、自分が考えた無矛盾かつ無謬の計画を実現したい、それだけのために直接民主制を信奉している、ということになろう。
 
 民主主義者にはどうしてもこういうものが混入してくる。
 
 ∧∧
(‥ )実際のところこの世に
\‐  無謬の計画など存在しない
    むしろ民主制は
    先が見通せない状況において
    参加者を演算素子にすることで
    選択肢を発見する
    巨大演算機械だと考えるべき
    ゆえに未来は見通せず
    今しか分からない
    どっちかというと
    民主主義は反知性主義
    あるいは無知性主義ですかね
  
  (‥ )頭の良い連中は...
      というか
     「俺のプログラムに
      バグは無い」
     と考える連中は
     これが我慢ならんのだな
     だから民主主義と言いつつ
     実際には賢者による独裁制を
     実現しようとする
  
 ∧∧
( ‥)頭の良い人間というのは
  
  ( ‥)浅ましい奴らだよ
    ‐/ まあ単に痛い連中
       なんだけどね
  
 俺の計画に矛盾はなく、ゆえにバグもない、などと本気で言う奴らなど信用できぬ。
 
 
 では望ましい民主主義者とは何者であるか?
 
 ∧∧
( ‥)やっぱ阿呆な人ですかね
 
  (‥ )あばばー
 
 
 所詮、人は演算素子でしかない。演算素子に何かを見通すことなど出来やしない。

 これゆえ、何かを考えるなど無駄なこと。遠大な目論みにも計画にも意味はない。
 
 むしろこうである。説得力ある知性と教養あふれる人間など殺してしまえと。
 
 そんなもの、演算の役には立たぬが故に。
 
 
   

2016年3月30日水曜日

皆が望む破滅的な独裁制

 
 直接民主制は素人の意見を反映させれば素晴らしいものができるはず、という世界観であるから、方針を決める方法としては最悪の部類に入る。
 
 ∧∧
(‥ )小さくて均一な社会なら
\‐  全員が現場経験者なので
    成り立つかもしれないけど
 
  (‥ )大きな国では無理だなあ
      実際、直接民主制の
      古典ギリシャは
      ついに帝国になれず
      そればかりか
      新しいことにも対応できず
      世襲議員制のローマに
      征服されて
      帝国に組み込まれてしまう
 
 
 そして、民主制は歴史の中で消えていく。

 その後、火器の発達で素人な市民を大量動員すれば戦争に勝てる、という状況が生まれたので、直接民主制が復活したけども。
 
 ∧∧
(‥ )それがアメリカなんだけど
\‐   国家は世界帝国と言えるほど
     巨大化してしまって
     徴兵制はなくなり
     軍隊もよりプロ化が
     進行している
     民主制を成立させる条件は
     すでに消えているんだよね
 
  (‥ )つまりアメリカは存在が
      時代錯誤なんだよな
      歴史についていけず
      惰性だけの存在に
      なってしまっている
     
 
 多分、何世代かかけて修正し、日本のようになっていくんだろう。つまり二世議員や世襲議員、派閥という組織内で政治家を訓練する、そういう方向性へ傾いていく。そうすれば直接民主制の不安定さはかなり減少するはずだ。
 
 ∧∧
( ‥)それでも理論上は
    素人にも最高指導者への
    門戸が開放されている
    その意義は大きいのである
 
  (‥ )ただしそれは弊害もある
      問題は
      直接民主制は
      その弊害が
      大きく膨れる傾向がある
      ことだよねえ
 
 その事例が多分、こたびのアメリカ大統領選挙。
 
 
 と、以上は真面目な話で
 
 ∧∧
(‥ )根本的に直接民主制とは
\‐  水戸黄門的な世界観であろう
 
  (‥ )俺は問題を把握している
      だから俺のひらめきを
      トップに直談判すれば
      この問題は解決される
      そういうかなり素朴な
      世界観だな
 
 確かにそういうことはありうる。

 だが、それと同じくらい、それじゃ駄目だ、ということもありうる。

 ∧∧
( ‥)ようするに直談判の可否は
    個々に判断することであって
    直談判すれば問題解決
    という世界観はあまりにも
    主張が強すぎるのである
 
  (‥ )実際、そんなことをしたら
      全国中から送られる電報に
      毛沢東が全部可否や指示を
      批語にして返信した
      みたいな状況に
      なっちまうからな
 
 つまるところ、水戸黄門的な世界観を持つ人は、強烈な独裁制を考えているのだとも言えるし、ものすごく単純な、君主と自分という、1対1の関係しか考えていないのだとも言えよう。
 

 ∧∧
(‥ )でも水戸黄門は
\‐  人気なのである
 
 
  (‥ )人気ってことは
      あれが一般的な
      世界観だから
      分かりやすいってこと
      なんだろうな
 
 ∧∧
( ‥)ということは
    皆が心に描いている
    理想的な政治とは
    実のところ
    破滅的な独裁制なのであると
    
  ( ‥)それを踏まえれば
    ‐/ その状態を実現してしまう
       直接民主制が
       どれほど危険かって
       分かるよなあ
 
    
      

そのためだけに希望には価値がある

 
 
 ∧∧
(‥ )そういえば
\‐  トランプさん
    日本をただでは守れない
    もっと負担を多くするか
    在日米軍撤退だと
    言ったみたいね
 
  (‥ )なんか微妙に
      白けた感じなのは
      そうなってくれたら
      日本としても嬉しいが
      実際には出来ないよねえ
      と思われてるから
      だろうな
 
 WW2で勝利を納め、三つの帝国、大英帝国、大日本帝国、ドイツ第三帝国の勢力圏を受け継ぎ、事実上、世界帝国になってしまったアメリカだ。

 一旦、世界帝国になってしまったら、維持費だけがのしかかる。国民の過労死と均衡するぎりぎりまでそれを維持しなければならない。
 
 ∧∧
( ‥)それが世界帝国の運命
 
   (‥ )アメリカは
       民主国家のまま
       しかも直接民主制という
       もはや時代錯誤な形式で
       世界帝国になって
       しまったからな
       世界帝国としての戦略と
       合衆国としてのあり方の
       致命的な矛盾が
       吹き出しておる
 
 
 ∧∧
(‥ )言い換えれば経済がたがた
\‐  格差拡大、イラク戦争失敗に
    押しつぶされた民衆の本音を
    トランプさんが代弁したって
    ことだね
 
  (‥ )政治家は市民の現実を
      知らないと
      民衆達は言うが
      それを言ったら
      民衆は政治の現場を知らん
 
 知らないのに現場に口出しするのがまずいというのなら、直接民主制は最悪の政治だってことになろう。少なくとも、現場と国家が乖離してしまうような大きな国では必然、そうなる。
 
 ∧∧
(‥ )まあトランプさんの発言も
\‐  口先だけでしょうけどね
 
  (‥ )とはいえ口先だけでも
      言葉にした時点で
      価値が出てくるのだよな
 
 ∧∧
( ‥)皆の望みを体現した
    希望の言葉はかなわぬ
    という反面的な価値ですな
 
  (‥ )オバマっちが
      アメリカの中流階級と
      国民保険を救おうと
      希望の言葉を発した
      ようにね
 
 夢は叶わない。そしてすべての人間が帝国を維持する歯車として労働奉仕することが義務となるであろう。

 その現実を見据えるために、さあ、皆、今こそ希望を抱いて言葉にすがるのだ。

 希望の言葉が折れ、人が絶望した時にこそ、見るべき現実がよく見えるようになるであろう。
 
 そのためだけに希望という愚かしい言葉には価値がある
 
 ∧∧
(‥ )もっとも
\‐  見据えるべき現実って
    最初っから目の前に
    あるんですけどね
 
  (‥ )でも絶望しないと
      見えないものなのよ
      まるでヴェールが
      かかったかのように
 
 
 
      

2016年3月29日火曜日

スライム勇者は無責任でなければならぬ


 
 娯楽とは結局のところ、自分の身近にいる嫌な人間をどう無惨に殺すのか、という殺人ごっこショーに過ぎぬ。
 
 ∧∧
(‥ )ローマのコロッセオから
\‐  ネット社会での炎上に
    至るまで
    その基本は変わらない
 
  (‥ )日本人は
      ネットで人を叩くことを
      娯楽にしている!
      なんてひどい国民性だろう
      とかドヤ顔で言う識者も
      いるけど
      娯楽の本質を
      見抜けぬ奴らよ
      その節穴の眼は
      糾弾されるべき重罪なり
 
 とはいえ、この娯楽に問題があるのも事実である。
 
 例えば水戸黄門もそうだが、最高責任者やそれに準じるものが、超法規的に問題を解決してしまう、というのは、フィクションとしても極めて危険だ。
 
 ∧∧
( ‥)組織の意味がなくなるし
    法律の意味がなくなるし
    全員が権力者に直談判するし
    国家の末端に至るまで
    具申された意見に
    最高指導者が
    可否を出す政治になって
    しまいますなあ
    清朝中国皇帝とか
    毛さんとかが
    それやったらしいよね
 
  ( ‥)最高権力者が市中に出て
    ‐/ 問題解決を行う
       暴れん坊将軍なんかも
       本来は許されざる行為
       なんだよね
 
 もちろん、ほぼあらゆるものに擬態し、人間を捕食するスライムたる勇者が世直しと称して食事をする場合には、この問題はあまり関係ない。

つまりこの話である=>hilihiliのhilihili: みんなのヒーロー 娯楽マン

*異世界に転生して俺tueeするなら、補給の心配がなく、怪しまれることもない、人間を捕食し、なんにでも擬態できるスライムが良いのではないか? という考え。つまりスライム勇者が悪人をばったばったと食べちゃう殺人娯楽。
 
 ∧∧
(‥ )勇者は権力者でもないし
\‐  組織人でもないし
    無法者だし
    そもそもスライムだったら
    人間じゃないしね
 
  (‥ )でもやった結果は
      強烈だろうね
 
 もし本当に水戸黄門のようなことをやったら、大問題である。連邦国家である江戸時代の日本で、あのような行為は侵略行為であろう。
 
 もちろん、人間を捕食する擬態スライム勇者が、悪代官を捕食した場合には、以上のような法的かつ組織的な問題は生じない。

 だが、勇者によって独断で処断された、というか、ご飯として食べられてしまった悪代官がいない間、政務や事務手続きは滞るであろう。これは大問題である。
 
 ∧∧
( ‥)そもそも本当に悪代官なのか?
    という問題もありますなあ
 
  (‥ )彼が選んだのは
      止むを得ない選択肢で
      それ以外の選択肢が
      もっと悪いという可能性も
      ありうる
 
 あるいはもっと極端に次のようなことを考える。
 
 人魚姫は最後には泡になって消えてしまう。この悲劇を回避するにはどうしたらよいか?
 
   回避自体は簡単だよねー
 ∧∧ 王子と会わせなければいい
( ‥)
 ‐( ‥)というわけで
      難破する前に
      王子の乗った船を
      魚雷で撃沈だ
      確実に仕留める
 
 するとこうなるかもしれない。

 王子は第一王位継承者であった。それが謎の爆発で木っ端みじんになってしまった今、王宮内部では権力闘争が勃発するだろう。

 息子を失って病に伏せてしまった王に代わり、摂政として国政に関与する王弟と外国から嫁いだ王妃が対立。王弟はやはり政略結婚で嫁いできた妻の実家に、王妃は自分の実家に後ろ盾を頼み、宮廷闘争は3国の紛争に拡大。

 一時は海峡を越えてやってきた王弟の軍が優位に立ち、王都を占拠するが、その力の拡大を望まぬ第4国の介入をまねき、聖女を押し立てて王都にせまる。一方、それは近隣の王国連合である神聖帝国の内紛に飛び火し、30年戦争が勃発。しかも国家紛争が宗派間紛争でもあったので、法王庁まで関与して全土を巻き込む宗教戦争に。何千という戦死者、何万という犠牲者、何十万という餓死者と100万に達する難民と大混乱。
 
 ∧∧
( ‥)ひとつ問題を解決したら
    結果的にもっとたくさんの
    不幸が押し寄せるかもしれない
 
  ( ‥)世の中って概して
    ‐/ そういうものだよね
 
 もっとも、だからといって躊躇する必要がないのもまた事実。
 
 ∧∧
(‥ )多分スライム勇者さんって
\‐  生ける災害みたいな
    存在なんでしょうなあ
 
  (‥ )とはいえだスーパーマンが
      本当にいたら
      まず最初にテロ組織を
      壊滅させるだろ?
      でもそれだけでは
      悪が避けられないと知って
      空爆するアメリカ軍を
      壊滅させ
      イスラエルを殲滅し
      さらに他の軍隊や
      あらゆる国家や権力
      さらには個人に至るまで
      かたっぱしから
      粛清するべさ
 
 悪が人間から生まれるのであれば、悪を打倒する力を無制限に行使する正義の味方は人類を抹殺してしまうであろう。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えたら
    相手が悪人なら
    食べても良いでしょ?
    俺は腹が減っているし
    その結果は知ーらね
    という不責任ぶりの方が
    はるかにまっとうであろうと
 
  ( ‥)そしてそのような
    ‐/ 娯楽をこそ
       人は望んでいるのだ
 
 難しく考える必要はない。ただ気に入らない人間を殺す。これが娯楽の鍵である。
 
 ただし、それには大義名分が必要であり、この見極めこそが難事。

ところで
 
 ∧∧
( ‥)王子と出会わなかった人魚姫は
    どうなるんですかね?
  
  (‥ )人魚の実業家
     オコゼ太郎さんと結婚し
     醜男だけど商才のある
     太郎さんと一緒に
     人間の軍事物資輸送を
     請け負って
     うはうはの大儲け
     2000個の卵を産んで
     幸せに暮らしましたとさ
  
 
 
     

みんなのヒーロー 娯楽マン

 
 無敵の勇者も、生活できねば飢え死にだ。
 
 ∧∧
(‥ )異世界に放り込まれて
\‐  俺tueeeするには
    少なくとも当初は
    一切の補給無しで
    生活できないといけない
 
  (‥ )だから主人公は
      ゾンビや
      アンデッドが望ましい
      食わないですむからな

 
 あるいは普通に現地に溶け込んで、食料を確保する、という手もある。
 
 ∧∧
( ‥)吸血鬼になるか
    スライムになるかですか
 
  (‥ )闇にまぎれて人を食うか
      擬態して人を食うか
      方向性は同じだな
 
 とはいえ、ずいぶん違う選択肢でもあろう。特に吸血鬼は制限が多すぎるように思われる。
 
 ∧∧
(‥ )じゃあスライムですかね?
\‐  良く言えばターミネーター2の
    T1000
    もう少し生物的に言うと
    寄生獣ですか
 
  (‥ )でも
      人間を溶かして食うのは
      ちょっとあれだよな
 
 ∧∧
( ‥)ちょっとあれって
    なんだよ
 
  (‥ )殺し方がえぐいと
      人気でないだろ?
 
 娯楽というのは基本的に人殺しである。

 水戸黄門だろうが、必殺仕事人だろうが、見れば分かるように娯楽とは殺人ショーなのだ。
 
 嫌な上司、うんざりする家族、殺してやりたい先生とクラスメート
 
 ∧∧
(‥ )でも本当に殺すわけには
\‐  いかないから
    お話で我慢するのである
 
  (‥ )だから水戸黄門は
      人気があるんだけど
      殺し方がえぐいと
      みんな
      どん引きするんだよね
      当たり前だがな
 
 例えば、

 助さん、格さん、こらしめてやりなさい。

 うえーへっへっへっへ
 
擬態を解き、ついにその正体を露わにした2体の巨大スライムに捕まり、一人一人、順繰りに溶かされていく警護の侍達。半透明の体内であばれる肉体、崩れる影、くぐもって聞こえる幾つもの絶叫。腰を抜かす越後屋。失禁する悪代官。逃げ惑う村人。発狂する若娘。
 
 ∧∧
( ‥)...確かに楽しめないな
 
  ( ‥)綺麗に殺さないと
    ‐/ 駄目なんだよ
 
 多分、一番理想的なのは、捕食の場面だけ吸血鬼的というのが望ましい。

 ちゅーーーーっと吸って、カラカラになった人体を、ぺっ、と吐き落とす。
 
 ∧∧
(‥ )でっ主人公はあれか
\‐  悪い代官や貴族や
    騎士を毎回毎回
    食い散らかすわけだ
 
  (‥ )情報を手がかりに
      聞き出しては食い
      食った相手に擬態して
      敵組織に入り込み
      事態を明らかにしながら
      じりじりと本丸に
      近づいていくのだよ
 
 食われる人間は、皆が思い描く嫌な上司や無能な部下や口うるさく無神経な家族を思わせるものであることが望ましい。
 
 これぞ、娯楽の基本。殺人ショー。
 
 ∧∧
( ‥)でも擬態して
    悪人を成敗捕食する
    主人公って描きづらいのでは
    ないですかね?
 
 
  (‥ )遊び人に擬態する
     遠山の金さんとか
     徳川吉宗とかいるから
     大丈夫っちゃ大丈夫じゃね?
 
 

2016年3月28日月曜日

ゾンビには生活苦が存在しない

 
 
 ∧∧
( ‥)ゲームのような異世界に
    いくのだったら
 
  (‥ )例えばゾンビとか
      アンデッド
      魔法使いのアンデッドたる
      リッチとかが
      望ましいかもね
 
 異世界にいって俺tueeしたい、と言うのは簡単なんだが
 
 ∧∧
(‥ )いくら俺tueeeで無敵でも
\‐  生活できなきゃ死ぬからね
    兵糧攻めには勇者様でも
    勝てませんぞと
 
  (‥ )生活苦で死ぬ勇者
      なかなか微笑ましい
      現実だけども
      最初から死んでれば
      食事の問題は回避できる
      わけだよ
 
 もちろん、死んで食事をしないアンデッドが動ける、というのは理不尽の極みなんだが、まあ気にしない。
 
 気にするとしたら、人間の認識がいかにいい加減であるかということがここから汲み取るべき事実なのだろ。

 ゾンビとアンデットという世界観からは、人間が、”生きる”、ということを自然なことだと誤認していることがありありと分かる。
 
 ∧∧
( ‥)死んだ人体を放置すると
    生命を支えていた炭素化合物は
    最終的に
    二酸化炭素と水へと崩壊し
    安定する
 
  (‥ )本来なら
      安定な二酸化炭素と
      水こそが我々の
      あるべき姿で
      それを不安定な
      炭素化合物に維持する
      かように生きるとは不自然
      俺たちは生きているという
      不安定な状態を
      無理矢理維持しているのだ
  
 いわば、絶えず崩壊する山に無理矢理土砂を運び込んで高さを維持するようなものである。そして当然、この無理矢理を維持するには膨大なエネルギーを必要とする。

 事実、このために人間は食事をし呼吸をする。

 食事をとらず、呼吸を止めると即座に死んでしまうほど、我々は状況の維持にエネルギーを割り当てる。

 呼吸と食事、この現実が生きることの不自然さと無茶ぶりを語っているのだ。
 
 ∧∧
(‥ )生きるということが
\‐  どれほど不自然であることか
 
  (‥ )だが
      人間は社会生物だからな
      他人から肯定的に
      評価されることを
      絶えず望んでいる
 
 他の動物は気にしないが、人間は、自分たちが不自然だ、という事実に心理的に耐えられない。
 
 さらに多分、自然界と生態系からエネルギーを得て生活するために、自然の恵みという言葉を人は使うようになった。

 それは、エネルギーを得ている、という意味では正解なのだが、人の世界観はそれにとどまらない。

 人間は、自然という母から恵みを受け取ることで生きている。それは母の愛情のようなもので、愛情を受け取る自分の存在は正しいに違いない、という心理的な誤謬を生み出した。おそらくそうだろう。
 
 ∧∧
( ‥)だからこそ
    生きることが無理矢理である
    という明白な事実に
    まるで気がつかないのである
 
  (‥ )体がガンに犯されたり
      死に直面したりすると
      あわてて生と人生に
      意味があるとか
      自分は宇宙に
      望まれているとか
      機械論的な
      進化論は誤りだとか
      必死で取り繕い
      非情な宇宙に対して
      自分の存在価値を捏造する
      無理なきこととはいえ
      無様よなあ
 
 そして考えてみれば、生が不自然であるということから眼をそらし、生が自然で望まれているという世界観がゾンビやアンデッドを生み出し、容認したのだとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )食事や呼吸をしなくても
\‐  いかなるエネルギーの供給が
    存在しなくても
    動き行動できる存在
    それがゾンビやアンデッド
    ですからね
 
  (‥ )生が望まれているという
      世界観でなければ
      ゾンビやアンデッドは
      生まれてこなかった
      だろうなあ
 
 まあ、おかげで異世界にいって大騒ぎするのなら、ゾンビやアンデッドが便利という非現実な選択肢が開放されるのであった。それは生が不自然であるという世の理から外れた存在だからである。それゆえに実在しないし、それゆえに補給の問題が生じない。
 
 
 
  ( ‥)後は吸血鬼とか
    ‐/スライムかな
 
 ∧∧
( ‥)人間を食うつもりだな
 
 

 

2016年3月27日日曜日

形骸化した世界

 
 ああ、でも例えばあれだ、こう考えてみる。
 
 組織は時代と要請によってその有り様を変える。
 
 例えば、500年後、EUはまだ存続していた。EU議長も選ばれておる。
 
 しかし500年後の人々は500年前、21世紀初頭のEUのことを歴史で習うと、皆、一様に驚くのである。
 
 えっ? EUって昔は国境を自由に行き来できたの??
 
 ユーロって何???
 
 昔はEU議長ってのがいたんだ、すげー!! えっ? まだいるの? 嘘? マジ?
 
 
 ∧∧
( ‥)すっかり形骸化してるな
 
  (‥ )神聖ローマって
      多分こういう
 
 
 

偉大なり神聖ローマ

 
 異世界を舞台に話を進める時、国家には名前が必要だ。

 なんとか王国、なんちゃら帝国、かくかく連邦、しかじか連合、なんとか同盟
 
 
 ∧∧
(‥ )そしてよくあるのが
\‐  神聖なんとか
 
  (‥ )元ネタの
      神聖ローマ帝国からして
      名前がネタ満載だからな
 
 というか、神聖ローマ帝国が放つ、このすさまじきパチモン臭。
 
 ∧∧
(‥ )西ローマ崩壊から
\‐  何世紀もたって建国した
    フランク王国が
    僕たち西ローマですが何か?
    とか言い出して
    それに対して東ローマが
    何言ってるんだ? お前? と
    突っ込んだせいじゃないけど
    フランクは即座に分裂
    東フランクが出来て...
    
   (‥ )それがいつの間にか
      神聖ローマになって
      いつ改名したの?
      と思っていると
      影が薄くなって
      どこいったの神聖ローマ?
      もしかして
      ハプスブルク帝国に
      なったの?と思っていると
      実は19世紀まで
      存続してて
      ナポレオンで解散してて
      じゃあハプスブルクは?
      と思うと
      こっちはまだ続いてる
      こういうよく分からん何か
      それが神聖ローマ帝国
 
 
 誰もが世界史で習う一方で、意味不明。

 しかし少なくとも国名に、”神聖”、などという恥ずかしい枕詞をつけてもいいんだね、ということは分かる歴史の前例。

 それが神聖ローマ帝国。
 
 このパチモン臭がどこか中二病心をくすぐるのだとも、ファンタジックな想像を刺激するのだとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )ファンタジー世界における
\‐  国名のバリエーションに
    大きな貢献をした国家だよね
 
  (‥ )なにをしたのか知らんが
      文化的には多大なる
      恩恵をもたらした国だよな
      神聖ローマに栄光あれ

 
 
      
    

2016年3月26日土曜日

言ってもいいけど選ぶのは脳に優しい異世界

 
 ∧∧
(‥ )先日だよね
\‐  googleの囲碁ソフト
   AlphaGoが囲碁の
   世界チャンピオンに
   勝利したってのは
 
  (‥ )良く知らんけど
      人間の定石を覆すような
      選択肢を見つけて
      打ってくるという話みたい
      だったけども
 
 つまり定石たる碁盤目の隅から打つのではなく、人間には先が見通し切れない真ん中からAlphaGoは打ってくるという。
 
 ところで、このソフトを現実的に運用する時、消費電力と維持費はいかほどなのであろうか?
 
 これについて検索したけども、よく分からない。
 
 ∧∧
(‥ )人間が見通せない手を
\‐  見つけて打ってくる
    解探索という点では
    これは画期的
    なんでしょうなあ
 
  (‥ )言い換えれば
      人間と違う手を打つとは
      残念ながら
      人間の再現ではないって
      ことでもあるね
 
 あるいは再現ではないにしても、利用可能なエネルギーを落とすと、能力が人間と同程度になってしまうということであろうか? 

 例えば囲碁ソフトを運用する時に使う消費電力を下げて省エネ化し、ついには人間一人の人件費と同程度の支出でも運用できるように機械もソフトも改良した時、能力が人並みになって定石通りの打ち方をするようになるとか。そういうことはあるのだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)ああ、エネルギーの大量投入と
    力押しの大演算が
    不可能になって
    それでも現実的な手を探ると
    真ん中は良く分からないから
    碁盤目の隅から打つねー と
    AIが人間の定石を
    やりだす可能性ね
 
  (‥ )そうだったらおもろいけど
      よく分からんと
      なんとも言えんよなあ
      このお話は
      このぐらいにしておくか

 
 さて


 人は言う。今時の異世界は全部ゲームばかりだと。
 
 ∧∧
(‥ )でもゲームとは仮想現実
\‐  いまや誰もが共有する
    息抜きのための
    第二現実なのである
 
  (‥ )ゲームとは違う異世界を
      見たいとか言う人もさ
      本物の異世界を
      見せられたら
      本を放り出すだろうしな
 
 例えば地球から20光年離れたてんびん座の赤色矮星グリーゼ581。この星には幾つか惑星が見つかっている。そのひとつ、惑星グリーゼ581cは太陽である赤色矮星にちょっと近すぎるが、生物が存在できる可能性が指摘されている(*注釈すると、グリーゼ581星系にはもっと生存に適した惑星gが報告されていたのだが、これは存在しないのではという論文があるので、ここでは論じない)。
 
 ∧∧
( ‥)しかしその環境は異様で
    主星たる赤色矮星に近いせいで
    自転と公転が一致してしまい
    惑星の半分は永久に昼
    その反対は永久に夜
 
  (‥ )気圧などの設定にも
      よるけども
      昼半球は100度を越え
      夜半球は氷点以下だ
 
 当然、昼半球の水は全て沸騰して蒸発してしまう。蒸発した水は、惑星の反対側にある夜半球で雪となり、すべて凍りついてしまうだろう。つまり惑星の半分は高温、乾燥した砂漠の世界であり、反対側は何千メートルもある分厚い氷に覆われた闇と星空の世界。海があるとしても、それは沸騰と凍結、二つの世界の中間、永久に黄昏れが続く領域だけになるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )夜半球から流れてきた
\‐  氷河が融解して海を作る...
    というかむしろ湖でしょうね
 
  (‥ )光合成生物がそこにいて
     酸素を作っているとする
     入植した人類が住めるのは
     この黄昏れた
     トワイライトゾーンのみ
     地平線に浮かんだまま
     永久に動かない赤い太陽
     そこからふきつける熱風
     反対の空の彼方には暗い地平
     明るい星なら見えることも
     あるかもね
 
 
 公転周期はたった13日だ。夜半球にいれば13日で夜空の星が一回りする様子が分かるだろう。そして重力は地球のおよそ2倍である。
 
 ∧∧
(‥ )こんな世界の物語を
\‐  読めと言われても
    さっぱり理解できない
    でしょうね
 
  (‥ )時間の概念からして
      違っているからな
 
 永久に黄昏が続く世界に、1日という考えはない。季節もない。夜半球ならともかく、トワイライトゾーンでは廻る星が絶えず見えるわけではない。これでは1年という概念があるかどうかすらも疑わしい。というか、そもそもこの惑星の1年は地球時間で13日である。
 
 
 ∧∧
( ‥)時間からして
    世界観が違いますからね
    現地の時間感覚で
    物事を説明されても
    何がなんだか
    分かりませんよね
 
  ( ‥)舞台が地球であっても
    ‐/ 異世界の理解は
       難しい
 
 例えば、WW2でヒトラーが現れたのは、結局のところ、ドイツが中央集権化や官僚の育成に失敗したからではないか、そう考えてみる。
 
 ∧∧
(‥ )選挙で選ばれたリーダーが
\‐  全部の権限を握るってのは
    普通は考えられませんよねえ
 
  (‥ )カノッサの屈辱など
      神聖ローマ帝国が
      中央集権化に失敗して以後
      帝国は分裂して
      ドイツ帝国の出現まで
      統一されなかった
      統一には強力な指導者が
      必要である一方で
      統一された事が無い
      そりゃ不自然な独裁が
      成立するよな
 
 では、なぜ帝国はそもそも統一できなかったのか? それは土地の生産性が低いからではないだろうか? 少なくとも生産性が高くて食料の余剰もあれば統一に必要な軍隊も官僚も維持できる。なければ無理だ。
 
 ∧∧
( ‥)では中世以前にどういうわけか
    西欧にジャガイモが
    突如出現したとする
 
  (‥ )必ずしもジャガイモで
      なくてもいいのだ
      未知の植物で気候が
      冷涼でも育つ
      デンプンを含んだ根菜なら
      条件は満たされる
 
 要するにこの話である=>hilihiliのhilihili: ジャガイモタイムマシン
      
 この場合、ローマ帝国はゲルマン人に征服された後、再統一されるかもしれない。実際の歴史ではついに現れなかったゲルマン人のローマ皇帝がいたかもしれないし、西欧に暗黒時代はないだろう。反対にイスラームの大征服もスペインで止まらずにパリやゲルマーニアまで攻め込んだかもしれないし、モンゴル帝国もロシアで止まらずに西欧になだれ込んできたかもしれない。
 
 当然、歴史が全部変わる。
 
 ∧∧
(‥ )大都市パリに玉座を構え
\‐  月桂冠と緋色のマントで
    その身を飾るは
    西ローマ帝国を支配し
    ゲルマーニアも統べる
    大ハーンにして
    西欧ムスリムの守護者
    スルタン・インペラトール
    アルタン
    とかそういう世界になって
    いるかもしれない
 
  (‥ )そして
      この世界にヒトラーは
      いないわけだ
      帝国が存続すれば
      独裁者はいても
      それはあくまで
      官僚に支えられた
      君主であるからな

 さて、このヒトラーのいない世界の物語、我々はすんなり理解できるだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)無理だろうね
    文化、言語、習俗
    民族、宗教、歴史
    全部が今と同じようでいて
    すべてが違う
   
 
  ( ‥)異世界を見たいと言う人は
    ‐/ いるけども
       実際には脳が
       耐えられないだろうな
 
 だから、異世界はどれもゲームの焼き直しばかりだとか、口先だけの文句は言うものではないのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)あるいは
    言ってもいいけど
    言ってるだけでしょ と
 
  (‥ )世の中そんなもんよ
 
 
 
 そして異世界はこれまでもこれからも、神話の中の物語として続くのみ。なぜなら、それが一番、脳に優しかったからである。
 
 

 
 
  
    

2016年3月25日金曜日

異世界からはじかれてしまった異世界マニア

 
 35歳過ぎたらもう駄目だって言いますけどね! こういう例もあるし、こういう人もいるんですよ!!
 
 
 ∧∧
(‥ )...と言ってる人は
\‐  戦線のあちこちで
    我が兵が敵を殺してるから
    我が方が有利のはず!
    と叫んでいる将軍も同じ
 
  (‥ )実際
      こういうことを言う奴って
      もれなく先細りだよね
 
 せめて、あの人は無理だったが、あちらの人はできた。だから自分はあちらの人の真似をしてみたのだが、さてどうだろうか? ぐらいは言うべき。
 
 
 さて
 
 先日、インクを買いに出かけた先の店でレジに品を出したら、店員さんが整えているアニメDVDの山が眼に入った。表紙は青い髪の女の子だった。
 
   最近ネットでみかけた
   アニメキャラだね
   「この素晴らしい世界に
 ∧∧  祝福を」でしたか
(‥ )
 ‐( ‥)元はwebで
     それがライトノベルになり
     さらにアニメ化が成功して
     人気が出て
     即座に二期制作が決まった
     そうだな
 
 意識して探してもいないのにDVDを、しかもレジで見る。人気が出た事、疑い無い。
 
 確かに、聞くにかなり愉快な話である。死んでゲームのような異世界に転生した主人公が活躍するのだが
 
 ∧∧
(‥ )パーティーの面子が
\‐  ものすごく偏っているのだよね
    防御力は極端に高いが
    攻撃がほとんど当たらない戦士
    最大火力を誇るが1日1発
    それしか使えない魔法使い
    そして
    死人の蘇生までこなせるのに
    お馬鹿で空気が読めないせいで
    すべてが台無しの女神様
 
  (‥ )このパーティーで
      冒険しちゃ駄目でしょ
      という面子でね
 
 そして話を聞いているとこれ、ちょっと駄目なキャラをあえて演じる人たちが参陣しちゃった、くせの強いテーブルトークRPGをほとんどそのまま小説にしたような内容らしい。
 
 テーブルトークRPG

 文字通り、参加者がテーブルに集い(別に床でも良いのだろうが)、それぞれが自前のキャラを演じながら、設定とルールの枠内で、さらに運をサイコロで与えることで行動し、皆で物語を作りながら進めるゲーム。
 
 ∧∧
(‥ )もちろんそのままでは
\‐  世界観も地理も謎も無いから
    世界設定と進行役の人も
    いるんだよね
    世界の謎は彼の中
    つまり
    ゲーム上では運命を司る
    神様のような役割の人
 
  (‥ )でもさあ
      キャラを演じる人に
      くせがあると
      物語がトンチンカンな
      方向へ進んで
      運営役の人が頭を抱える
      事態も起こるのだよな
 
 例えば、進行役がせっかく宝箱や世界の謎に至るヒント、迷宮に潜む新世界への道、隠された強敵を用意しているのに、さらにはそれへと至る運命の導きまでしているのに、プレーヤーの破天荒な行動のせいですべてが台無しになったり、せっかくの冒険まで後一歩なのに思い描いていた展開をへし折られたりする。
 
 
 ∧∧
(‥ )先のこの素晴らしい世界も
\‐  空気を読まない女神様が
    話をへし折る
    らしいじゃないですか
 
  (‥ )ネットの反応を
      見る限りじゃ
     この素晴らしい世界なる小説
     いわば現実の話なんだよな
 
 すくなくともゲームの事にある程度詳しい人間なら、ああ、こういうこと実際にあるよね、という物語。
 
 一般的にはテーブルトークRPGは知られていないが、機械ゲームのRPGはこれを焼き直したもの。そう考えれば、若い人ならほとんど誰でも知っているものだということになる。
 
 ∧∧
( ‥)つまりゲームの物語って
    いまや第二の現実なんですね
    そして皆がある程度は
    共有できる現実でもある
 
  ( ‥)しかも
    ‐/ 第一の現実から逃れて
       息抜きできるように
       調整されているわけだ
 
 それを考えれば、なんで今時の小説の舞台は、どれも判を押したように同じようなゲームの世界なの? という苦言が的外れであること明らかであろう。

 人は異世界など創造したことがないし、そんなもの必要としていない。

 そしてすでに第二の共有される、息抜きの現実がある。
 
 そうである以上、すべての息抜きがそこを舞台とすること必然である。
 
 ∧∧
(‥ )逆に言うと
\‐  今時の異世界は全部ゲームだと
    嘆いている人は
    第二の現実についていけなく
    なってしまった人だと
 
  (‥ )異世界を望みつつ
      実際には異世界から
      はじかれてるわけだ
      もちろん個人の趣向に
      合う合わないもあるけども
      皮肉なことであるな
  
  
 これはhilihiliのhilihili: ただの1度も創造されたことのない世界の続き
 
 
 

ただの1度も創造されたことのない世界

 
 なんで物語の異世界ってどれもこれも同じくゲームな世界なの?
 
 ∧∧
( ‥)それが楽だからだよね
 
  (‥ )本当の異世界なんて
      物語で書かれても
      読めないからな
 
 というか、現実世界においてさえも、人は自分たちの知識の範疇外にある世界を理解できないのだ。
 
 いや、理解できないのではなく、めんどくさいから理解を拒絶するのである。
 
 
 ∧∧
(‥ )現実世界においてさえも
\‐  イスラム教にはシーア派と
    スンニ派があって
    実のところこれは
    ペルシャとアラブの戦争だ
    ってことを把握するのは
    非常に面倒くさいのである
 
 
  (‥ )国際情勢とテロという
      我々に実際に関わる
      深刻な問題でさえも
      人々は理解を
      拒否するのだ
      アメリカに至っては
      理解をはしょって
      手を出して
      あげくに国を傾けたわけよ

 では国を傾けたから理解が進んだか? そうはならなかった。国家を傾けてさえも理解を拒絶する。人間とは、考えることを徹底的に回避する動物なのだとも言える。
 
 命がかかっている現実の問題でさえ、この有り様。

 なれば、現実逃避のために作られた物語の中で、本気の異世界なんか見せられたらもはや誰も読まないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもRPGの世界なら
\‐  誰もが知ってるからね
    いちいち説明しなくても
    良いのである
 
  (‥ )それを考えると
      RPGって偉大だよな
      誰もが共有できる
      便利な別世界を
      普及せしめたのだからな
 
 娯楽だからゲームの異世界は普及した。そして後続の作品群が誰もが知る異世界として、その舞台をなぞるのは当然の事であった。

 そもそもゲームの異世界自体、もっと以前にあった、すでに皆に受け入れられていた神話や物語の焼き直しなのである。つまるところ、人の世において異世界など一回も創造されたことがないと言うこともできよう。
 
 
 ∧∧
( ‥)頑張った事例自体は
    あるんですけどね
 
  (‥ )そうだけど
      例外の累積で
      現実は語れぬでな
      頑張った事例を
      個々に述べても
      状況は覆らないよね

 
 
 

2016年3月24日木曜日

これが正しきことであった

 
 正しいことをしてはいけない
 
 ∧∧
(‥ )というと
\‐  なんで? 
   と聞き返してくる人
   いますよねえ
 
  (‥ )それこそがまさに
      問題の要よな
 
 正しいことをしてはいけない。
 
 そう言われた時に

 ああ、確かに正しさは成功を保証するものではない。そうであるのに、正しいは成功であると考えて正しさを振り回し、そして大失敗して多くの人を傷つけ、それのみならず、大虐殺した人もいっぱいるからねえ。

 ∧∧
( ‥)...ということに思い当たらず
    なんで正しいことを
    してはいけないの?
    なんで? なんで? と聞く
 
  (‥ )それこそが正しさの
      弊害なんだけどな
      それに気づかずに
      無邪気になんで? と
      尋ねよる
 
 
 これはあからさまに危険人物である。おそらく野放しにしておくと、多くの人を傷つけるであろう。
 
 ゆえに、正しさを疑わない人間を発見したら、ただちに抹殺せよ。これが正しきことであった。
 
 
 

作画崩壊を連呼するのは楽だから説

 
 何かを作るというのはやっかいごとだ。特に集団で作るとなったらさらにやっかいごとだ。そして時としてどうにもならないものが出来たりする。
 
 例えばアニメだと、時々起こる作画崩壊。
 
 ∧∧
(‥ )有名なのは
\‐  「夜明け前より瑠璃色な」
    におけるキャベツですね
 
=>https://www.google.co.jp/search?q=夜明け前より瑠璃色な+キャベツ&biw=1172&bih=771&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&sqi=2&ved=0ahUKEwiNxtHC7tbL…


  (‥ )キャベツが緑のボールに
      なっちゃった事例だな
 
 時間がなかったんだろうと思われる場面。

 ∧∧
(‥ )こういうのを作画崩壊と
\‐  言うのだと
 
  (‥ )実際にはこの場合
      崩壊というよりは
      時間がないから最小限の
      作画ですませましたが
      さすがに
      この省略は駄目ですよね
      なんだけどな
      崩壊っちゃ崩壊だな

 
 
 そしてこういうことが起これば、皆が作画崩壊という言葉を耳にするようになる。そして耳にした言葉を人は使いたがるし、いずれそれは用語となる。

 しかしそれゆえにか、動く画像の表現として絵を崩したものまで作画崩壊と言う人が現れるようになった。

 ∧∧
(‥ )...動きの表現が作画崩壊なら
\‐   野球漫画などにおける
    手のぶれも
    作画崩壊だってことに
    なるんでしょうなあ

=>https://www.google.co.jp/search?q=野球漫画&biw=1172&bih=771&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&sqi=2&ved=0ahUKEwjgy4e68dbLAhUMkZQKHWvrB7wQ…

 
  (‥ )なんというかな
      作画崩壊って言葉を
      使う人は
      あまり深く考えずに
      使ってるみたいね
 
 理由は色々考えられるが、多分、一番単純なのは
 
 ∧∧
( ‥)深く考えずに使っている
    というよりは
    深く考えないための作法として
    作画崩壊という言葉を
    使っているのではないか
 
  ( ‥)脳を使うってのは
    ‐/ 大きな負荷を人体に
       与えるからな
       深く考えないで
       作画崩壊と言うのは
       自己防衛の手段かもね
 
 例えば、昨今はこういう短文を多く見るようになった。
 
 だらだらっと話を述べて、その最後に

 ...という話、ほんと好き

 を付け加えて文章を締めくくるというやり方。
 
 ∧∧
(‥ )これも楽だからですか?
\‐
 
  (‥ )出来事を説明し
      その感想と理由を述べる
      しかも限られた文字数内で
      その条件を満たす短文を
      膨大な単語の
      組み合わせから発見せよ
      この探索には
      脳に過大な負荷がかかる
      冗談抜きで生存に支障が
      出かねない
 
 
 そんなことをするぐらいなら、「...という話、ほんと好き」、という定型句に流し込んでしまった方が良い。
 
 
 ∧∧
(‥ )動きを表現するための
\‐  絵柄の崩しを
    作画崩壊!作画崩壊!
    と連呼する人も
    脳に負荷をかけないために
    やっているのだろうと
 
  (‥ )こういう崩しをすると
      こういう動きが
      うまれるんだ
      そういう発見が
      出来ない人とも言えるな
      発見以前に断言して
      それ以上の理解を
      進めない
      これはあからさまに
      脳を節約しているって
      ことだろ?
 
 用語は手抜きの手段にもなる。

 若者の車離れと言えば、他人を断罪できる一方で、給料を減らして雇用を不安定化すれば経済が回らない、という事実とその対策から眼をそらせることにもなるだろう。

 そしてこんなことをしてしまうのは、脳を働かせるのがおっくうだからだ。
 
 実際、車離れを言う人は、そこで思考停止するであろう? もう先へは進みたくないし、進みたくないからこそ、用語を思考停止の手段として使っておる。
 
 
 ∧∧
(‥ )作画崩壊に話を戻せば
\‐  中には嫌いな絵柄を
    作画崩壊と呼ぶ人さえ
    いるみたいですね
    ここまでくると
    用語の意味すら不明瞭に
    なってきてしまう
 
  (‥ )使う語彙が極端に
      貧しいのだとも言えるし
      極端に少ない語彙に
      物事を押し込むことで
      表現することを放棄し
      脳の負荷を抑えている
      とも言えるだろうね

   
 キャベツが緑のボールになってしまった、というのはともかくとして、作画崩壊と言った時、お前は自分の表現から何を節約してしまったのであろうか?
 
 

 
 

2016年3月23日水曜日

隙間売り

 

   (‥ )ショーンK?
 
 ∧∧
(‥ )高卒なんだけど
\‐  海外の大学卒業だと偽って
    テレビのコメンテーターや
    企業コンサルタントを
    していたのが
    ばれた人だってさ
 
 つまり、世の人々はコンサルタントと詐欺師の識別ができなかったことになる。
 
 これはようするに企業コンサルタントとかいうものが、インチキ占い師と同じものだからだろう。
 
 元々中身が無いものであるから識別が不可能なのだ。
 
 そしてこれはコンサルタントに限ったことではない。
 
  
  ( ‥)本も同じだよな
    ‐/ 適当な嘘や
      思いつきだけど
      皆がへーそうなんだーと
      思い込んでくれる内容なら
      それで良しとされる
 
 ∧∧
( ‥)そりゃあ
    需要あっての供給ですからね
 
 コンサルタントも詐欺師も、連中は皆が望む心の隙間に、ぴたっとはまる嘘や思い込みや思いつきを申し述べただけのこと。

 これのどこに罪があろうか?
 
 ∧∧
( ‥)それこそが罪なんだけどねー
 
  (‥ )ひるがえれば
      世の人々の罪は深いな
      自ら望んで
      これが私の隙間にはまると
      喜んで買ったくせに
      それが嘘だと分かると
      怒りよる
 
 嘘をつくのがいけないのだ。皆はそう怒るが、そうであろうか?
 
 嘘をつくのがいけない、それ自体が嘘ではないか。

 事実、あれは嘘ですが、こちらが現実です、これをどうぞ、そう言って事実を見せると、これは私の隙間にはまらないと言って買うのを拒絶するではないか。
 
 ようするにこれ、婚活のようなものである。

 未来も可能性も無い人間に、あなたが望む可能性はありますよと夢を売りつける。

 買ったのは誰か?
 
 お前だ
 
 選んだのは誰か?
 
 お前だ
 
 事実を見せられてもなお、最良の妥協案を拒否したのは誰か?
 
 それもお前だ
 
 なにもかも自己責任と自己選択のはずなのに、なぜ今になって、嘘を売りつけられた!と泣き叫ぶのか?
 
 世の人々は夢を望む自らに対して、なんと罪深いことか。
 
 ∧∧
(‥ )だからといって
\‐  嘘を売ったことを
    正当化できるわけもなし
 
  (‥ )とはいえ、これは
      茶番であるぞ
 
 
 コンサルタントとか言う連中もまた、婚活詐欺師や占い師と識別できないのである。ショーンKなる人の事件で論証されたのはこれであった。
 
 そして、これが明らかになったところで、物事は変わらない。

 私の心の隙間にぴったりはまるものはどこかにありませんか? それを人が渇望している限り、この茶番は続く。
 
 ∧∧
(‥ )言い換えれば
\‐  隙間売りをすれば
   大金持ちってことですなあ

 
  (‥ )どんな隙間売りが
      自分に向いてるかな?
 
 課題となるべきは、すなわちこれであった。人間にはそれぞれ向き不向きがある。人の心の隙間に売りつける。隙間売りにも色々なものがある。どんな隙間に何を売りつけるのが自分に一番合っているか、それを見極めねばならぬ。
      

 

2016年3月22日火曜日

いかなる回答も答えではない

 
  
   (‥ )国連ってのはあれだろ?
       世界中の意識高いを
       こじらせた奴が
       集まる掃き溜めだろ?
 
 ∧∧
(‥ )その指摘が事実でも
\‐  事実無根でも
    そうじゃないと
    答えるでしょうね
 
 
 つまり、いかなる回答があっても、それは答えになどなっていない。
 
 
 
 

ブログ アーカイブ