ヌスビトハギの同属別種、フジカンゾウ。残念ながら数日前に見かけた花はもう終わっていて、みつけた花も花柄が折れてしおれてた。しょうがないので折れてしおれた花を持って帰る。
∧∧
(‥ )手にくっつきますね
゜-
(‥ )あらびっくり。
フジカンゾウ。実を入れた莢もさることながら、茎も花柄も葉柄もひっつく力があるらしい。一応、近くのヌスビトハギを触ってみるとべたべたつくのは莢だけの模様。
∧∧
( ‥)なにゆえ、茎や花柄までべたつくんですか?
(‥ )さあ???
そこでぴんっときた。
たまたま全身がべたつくようになっちゃって、それが結果的に実を分散するのに都合がいいから、ヌスビトハギでは淘汰を受けて実だけがべたつく/ひっつくようになった。つまりヌスビトハギは特化したものだとか??? 特化したとか??? したとかーー???
そんな考えがぽっと頭に思いついて、いやいやと考える。
∧∧
( ‥)それじゃあ、どっかで”オレ様鳥進化論”とかを思いついちゃってる
人たちと同じですね。
( ‥)そうなんだよなあ。思いつくのは誰でも思いつくんだ。
思いつくのはしょうがない。思いつくのは止められない。でもそれを検証する手段というと、結局のところ、例えば最節約なデータの解析をして、あるいは類似度で作ってなおかつ根をつけた系統樹(?でいいのか?デンドログラムなのか?)を出力した後、そこに形質をプロットして最節約に祖先形質の復元をするべきであって。
∧∧
( ‥)そんなんだったら最初からデータを最節約に解析して
素直にクラドグラムを作ればいいだけの話ですね。
(‥ )いやまったくその通りでね。
データからグラフを作って手持ちの値を入力し、そいでもって予想される答えを見つければいいだけの話。そんなこと、教科書を読めば高校生にも中学生にだってできる。それもせずにまずは”オレ様グラフ”を作って恣意的に答えをてきとーに出して、そんでもって矛盾がないっぽ、オレ様すごいじゃん、ではただの○○。というか、二次方程式が載っている教科書をぺらっと”見た”だけでオレ様方程式というわけわからんしろもの作って答えがでましたと言っているも同じ(しかも答えがあってない)。
それじゃあお話を作っているだけやがな。それでは小説家にはなれても科学は理解できまいよ。最初に”お話”を考えてどうすんだい。検討すべき答えを真っ先に”作ってしまって”、それに満足してどーすんだい?
∧∧
( ‥)楽しいんじゃないの? 楽しいからするんでしょ?
実際、あなた、一瞬だけど楽しかったでしょ?
(;— —)すいませんねえ。すぐに我に帰りましたよ。
とはいえ、しかしなんというか、ヌスビトハギ属の中ではフジカンゾウが原始的なのかな〜〜〜とか余計なことが念頭にあったもんで、ついね、そんなことを思っちまいましたとさ。
それにしてもだいたい、考えても見れば”たまたま全身がべたつくようになっちゃってーえ”と仮定してしまっているところがお笑いかもしれぬ。
∧∧
( ‥)たまたま全身がべたつくようにって、なーんか
そういう変異って淘汰に関しては
中立ーな前提を敷いている臭いがしますよねえ。
(‥ )だったら、なんで”フジカンゾウは全身がべたつくという状態に
形質が固定されているわけ?”という問いに積極的には
答えられないよね。
∧∧
( ‥)確率的にたまたま固定されたんですよ、と言ってみる。
(‥ )いやあ、まあ、それでもいいかもしれんけどさ。
まあなんだ、ここに含まれているもろもろの問題はこれから色々と考えよう。(適応主義が問題なら、確率的に固定されたんですよーという主義も問題になるんですかね、なるんだろうねえ、たぶんねえ)まあそのなんだ、研究者には笑われるかもしれないが、現時点では力不足であること、このうえない。
ともあれ、顕微鏡でのぞいてみたら。
∧∧
(‥ )フジカンゾウの体を覆う小さな毛は
□- みんな逆トゲですね。
(‥ )くっつく秘密はこれかよ。
なんか、これ、もっのすごく簡単な変異でできちゃうんじゃないの? という仕組みっぽく思えた。
( ‥)べたべたした感触があるから
-゜ てっきり粘液かと思っていたのだが。
∧∧
( ‥)調べてみるもんですね。
一応、さっと目を通したら、それは本には書いてあることで、つまりすでに知られていたことなんだけども、しかしながら実際に先入観抜きに見てみると、おおーという感じ。きれいだなあ。今度はヌスビトハギとじっくり比較してみよう。
∧∧
( ‥)見落としていることがたくさんあるんですよ
(‥ )うむ。まったくだ。