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2015年7月31日金曜日

ゆるゆる上がってずるずるっと下がる

 
 2015年7月31日、中国の株はガタガタと上下して、そうしておよそ横ばいになり、だんだんと上がって、そこから急に落ちて、最後に少し戻した。
 
 
 ∧∧
(‥ )横ばいってことは
\‐  当局の介入はそんなに
    露骨じゃなかった
    そういうことですか?
 
  (‥ )でもなんか普通に
      横ばいって
      今や
      不自然ぽく見えるよな
 
 
 胡散臭いなあ、と思って検索をかけると、どうも証券口座の売買制限をかけたらしい。
 
 ∧∧
(‥ )まあ経済のことは
\‐   分からないから
     実際その制限とやらが
     どんな影響を与えるのか?
     実際に効果があるのか?
     僕らには
     分かりかねますけどね
 
 (‥ )むしろあれだよね
     横ばいって胡散臭せー
     なんかしてるんじゃねえか?
     そう疑われるような
     印象を作ってしまったことの
     方が致命的なんだろうね
 
 
 ゆるゆる上がって、最後にずるずるっと下がる。株価を支えるために金を投入して、それを見越した人々がなんとか損失を回避しようとわらわら群がる様子が見えるようだ。
 
 ∧∧
(‥ )まああくまで想像ですけどね
\‐
 
  (‥ )想像だけどね
      でもそういうことだよな
 
 一方、今日は今日とて、中国軍の大物が失脚。
 
 ∧∧
(‥ )この状況下で粛清なのか
\‐  この状況下だから粛清なのか...
 
  (‥ )粛清すると不満がたまって
      不安定になるのか
      不安定だから
      それを抑えるために
      粛清するのか
      どっちなんだろうなあ
 
 ∧∧
(‥ )今のトップは習さんですか
\‐  習さんあと何年もちますかね?
    5年ぐらいですか?
 
  (‥ )実体経済に混乱が波及して
      粛清された人たちが
      反撃を始めて...
      そんなぐらいかねえ
 
 

当然、誰も残らない

 
 プログラムは簡単に出来ると思っている経営者がいる。
 
 原価はこれだけなんだから、この売値はぼったくりだと馬鹿の一つ覚えのように連呼する客がいる。
 
 
 ∧∧
(‥ )物作りとは何か?
\‐  それを計算することはおろか
    必要な条件を
    想像することすら出来ない
    人たちがいる
    ちゃんとした人を
    識別するにはどうすれば
    良いのでしょうね?
 
  (‥ )そうね
      例えば漫画を馬鹿にする
      人間は排除して良い
 
 
 好き嫌いの問題で物事を語る時、そこには投資の概念がすでにない。
 
 好き嫌い、低俗高級関係なく、それを作る時にどれだけ投資が必要であったか? それを見なければならぬ。
 
 なれば、漫画だから下らないと言った人間は、投資を把握できる人間の候補から除外されるべきである。
 
 ∧∧
(‥ )次は?
\‐
 
  (‥ )漫画を論評する人間は
      全排除するべき
 
 論評するとは、この場合、好き嫌いを示す。好き嫌いを申し述べるとは結局のところ自分の脳を語っているだけである。ここに投資という概念と理解は存在しない。なれば漫画を語るもの、投資を把握できる候補者から排除するべき。
 
 ∧∧
( ‥)誰も残らないじゃ
    ないですか
 
  (‥ )つまりそういうことだろ?
 
 人間のままでは候補者たりえない。少なくとも、好き嫌いと善悪と認識で物事を語るようでは駄目だ。

 

2015年7月30日木曜日

±2.89%

 
 ∧∧
(‥ )ネットで上海の株を
\‐  見てみると
    本日7月30日は
    3761から始まって
    14時に3871を
    越えるも
    1時間後の15時には
    3707を下回る
    最後にちょこんと上向き
 
  (‥ )上がった時は
      ほぼ2.89%
      下がった時も
      ほぼ2.89%...
      おらあ素人だから
      当たり前の反応なのか
      すごい乱高下なのか
      よく分からんな
 
 ∧∧
(‥ )ここから
\‐  上げていきますかね?
    それとももう少し
    様子見なんですかね?
    明日はお金の
    大量投入ですか?
 
  (‥ )安値なら今が買いで
      介入が始まったら売り
      そういう選択肢に
      賭ける人もまだまだ
      いるはずだけど
      どうなのだろうね
 
   
 
 

幸いなるかな不老不死

 
 みんなが不老不死になれました
 
 ∧∧
(‥ )交通事故による死者は
\‐  現在、年間に4000人ぐらい
 
 (‥ )10年で4万人
    100年で40万人
    1000年で400万
    10000年で4000万人
    30000年で1億2000万
    はい、日本人口が
    丸ごと消えました
 
 
 ∧∧
(‥ )まあ死んだぶんだけ
\‐  産まれたりするし
    運の良い人はずーっと
    死なないでしょうけどね
 
  (‥ )でも言わんとすることは
      分かるだろ?
 
  
 
  

法治国家は理論上存在しない

 
 小説「砂の惑星」を書いたフランク・ハーバートは「ドサディ実験星」という作品も書いた。
 
 この小説で出てくる人々がゴワチン。人類とは違う種族で、見た目は人間とカエルのあいのこであるが、そんなことはどうでも良い。
 
 ゴワチンの奇妙な点はその法体系、というか法律の運用だ。
 
 彼らの法廷において、弁護人と検察は虚偽を司る。
 
 法律を恣意的にねじ曲げて被告人を無罪にしたて上げる。これがゴワチンの法廷における弁護人の役割だ。
 
 反対に、法律を恣意的にねじ曲げて被告人を有罪にしたて上げる。これがゴワチンの法廷における検察の役割。
 
 この法廷では、弁護人が勝てば検事が死ぬ。検事が勝てば弁護人が死ぬ。法律を恣意的に運用することで行なう命をかけた戦い。これを人々は夢中になって観戦する。

 
 ∧∧
(‥ )裁判がショーになっている点は
\‐  アメリカの裁判を
    思わせますかね
 
  (‥ )法的な詭計を用いることが
      まかり通っているのも
      似ているかもね
 
 別にアメリカの裁判のすべてがそうだというわけではないが、そんな理屈で無罪にしちゃったの?? と驚かされるようなことは時として聞く話だ。法的な詭計が横行する余地があり、それを娯楽として楽しむ文化。
 
 他の知的生物は、ゴワチンの裁判を、文明を一回りして野蛮になっていると否定する。このあたりは、アメリカの裁判を見る、アメリカ人以外の人間の見方なのかもしれぬ。
 
 
 一方、ゴワチン自身の評価はまったくの逆だ。俺たちの法律こそが最高だ。連合の法律は欠陥だらけではないか。
 
 確かにゴワチンの裁判には良い点もある。
 
 ∧∧
(‥ )少なくとも法律の
\‐  恣意的な解釈とへ理屈で
    正義が汚されるということは
    ありませんからね
 
  (‥ )無罪になった被告は
      その瞬間にぶっ殺される
      からな
 
 無罪判決が言い渡された瞬間。傍聴人がなだれ込み、被告人をぶち殺してずたずたに切り裂き、後は肉片を担いでお祭りだ。恣意的な解釈とへ理屈で無罪になった人間は、罪人に他ならぬ。殺されるのは当然だ。
 
 あともうひとつ良い点というと
 
 ∧∧
(‥ )判断を下す判事団に
\‐  法律の専門家を
    入れてはいけない
 
  (‥ )法的な詭計を縦横無尽に
      繰り出して戦うのは
      法律の専門家なんだ
      だけど判事団は
      一般人でないといけない
 
 確かに、言われればそうだ。法律というのは、例えアメリカでも日本でも、世界のどの国でも。過去から現在、洋の東西を問わず、なにかしら恣意的に運用されるものであった。実際、既存の法律はこれから起こる全ての訴訟に素直に対応できるものではない。
 
 法律が文字通りすべてに対応できると言うのは、法律が宇宙を含んでいると言うに等しい暴論。つまり、そんなことはありえない。
 
 そうであるなら、法律には必ず恣意的に運用される部分がある。
 
 この意味において法治国家などというものは存在しない。
 
 あるいはこうも言える。法治国家は理論的にも原理的にも、存在不可能であると。
 
 ∧∧
(‥ )そもそも法律に是非の
\‐  お墨付きを与えるのは
    大衆であって法律ではない
 
 (‥ )大津市でいじめ自殺というか
     事実上、殺人だな
     あの事件があった時
     教育長の対応が気に入らんと
     襲撃があっただろ?
 
 法律の運営に是非を与えるのは大衆だ。大衆が法律に従うのは、公平な第三者が運営すべきであると委任したからに他ならない。
 
 ∧∧
( ‥)ある意味、妥協の産物だ
 
   ( ‥)だからな大衆から
     ‐/ 公平じゃないと
        思われたら
        すべて
        終わっちゃうんだ
        法的な公平さを
        疑われるようなことを
        してはいけない
        やったら殺されても
        文句はいえんわけよ
 
 法律を認めるのは大衆だ。法律を正当化するのは法律ではないし、ましてや法学者でもない。

 そこを見誤ってはならぬ。見誤るとリンチされて殺される。そりゃ当たり前だ。
 
 同様に次ぎのようにも言えよう。
 
 専門家は法律の恣意的な運用を縦横無尽に駆使してもよい。
 
 だが、その技を良しと認めるかどうかは大衆が判断すべきである。
 
 ∧∧
(‥ )だから判事団には
\‐  法律の専門家を入れない
    そして大衆である
    判事と傍聴人たちの総意が
    結論を導く
    それがゴワチンの法ですか
 
  (‥ )アメリカの裁判は
      おかしいよねと
      人は疑問に思う
      連合はゴワチンの法律を
      野蛮と呼ぶ
      当然だよね
      だがゴワチンたちは
      自分たちの法律が最高だ
      そう主張する
      それもまた道理であるね
 
 法的専門家の技を評価するのは大衆であるべきで、専門家が評価するべきことではない。これは重大な指摘だ。
 
 ∧∧
(‥ )法的専門家は神権政治を
\‐  やたらにやりたがりますからね
 
  (‥ )あいつらはな
      一般人は無知蒙昧な馬鹿で
      俺たち天才が
      導いてやらねばならない
      そう思い込んでいる
      最悪の意味での
      オタクだからな
 
 救世主が言われたように、律法主義者は死ね。これはまたゴワチンの言葉でもあった。
 
 
 ちなみに
 
 ∧∧
(‥ )そういえばドサディ実験星の
\‐  主人公マッキーが
    ゴワチンの法廷で
    被告人を無罪にするために
    使った手段って
    律法主義者を殺すこと
    でしたよね
 
  (‥ )3人の判事団のうち
      自分の息がかかっていない
      判事に
      法的な難癖をつけて殺し
      自分に賛成票を入れる
      判事だけにしちゃうの
      だよな
 
 取ってつけたような展開なので説得力にやや欠けるが(ハーバートさん、意外とこういうことをする)、あれはそういうことだろう。

 ゴワチン裁判において死ぬのは検事、弁護人、被告だけではない。理論上、法廷にいるものは全員、判事団も傍聴席にいる傍聴人、そのすべてが法的に命を奪われる可能性がある。
 
 そして、主人公の手段は自分に敵対する判事に法的な難癖をつけて排除することであった。その判事が法律の専門家であることを暴露し、ゴワチン法の名の下に彼を串刺しにして殺すのである。それは傍聴人たちの賛同のうなり声で承認される。そんな判事は殺されて当然である。これは是なりと。
 
 
      


金が無いだけで全てが収束する

 
 
  (‥ )例えばおいらが
      テレビ番組の脚本家や
      構成作家だとしよう
 
 ∧∧
(‥ )放送事故まったなしですな
\‐
 
 真面目にあらゆることをしても素人がそんなことをしたら、事故が起こること疑いない。
 
 とはいえ、仮に事故が起きずに自分が書いたようにドラマなり番組が奇跡的にも進行したとする。
 
  
  (‥ )面白いと思う?
 
 ∧∧
( ‥)面白いわけないね
 
 
  
  (‥ )そんな俺にどのぐらい
      お金払ってくれると
      思う? 
 ∧∧
( ‥)限りなく払いたくないです
 
 
 以上を踏まえて反対にこう考えてみよう。
 
 書けばそこそこヒットする番組を作ってくれて、条件さえ整えば大ヒットを飛ばしてくれる構成作家、あるいは脚本家。
 
 
  (‥ )彼にいくら払う?
 
 ∧∧
( ‥)採算の範囲内で可能な限り
 
 
 ではこう考えてみる。ネットと携帯の普及でテレビの市場は奪われ、縮小した。当然、広告料も減っていく。そんな中、どうしたら良い?
 
 ∧∧
(‥ )....止むを得ずあなたにまで
\‐  頼る事になるでしょうね
    お金がないんじゃ
    腕の立つ人を
    雇えませんからね
    しょうがないですね
 
  (‥ )するとつまりだ
      つまらない番組しか
      作れなくなるわけだ
      どうなると思う?
 
 ∧∧
( ‥)みんなテレビを
    見なくなるでしょうね
 
  ( ‥)そうなるとさ
    ‐/ 全員の腕が落ち始めるの
       だよなあ
 
 お金がない。雇う人を減らす。
 
 お金がない。質の低い人を雇う。
 
 お金がない。人を雇う回数も減らす。
 
 人はへり、質は下がり、仕事がないからさらに腕まで下がる。
 
 毎日、実戦していればいつでも対応できようが、たまに実戦するだけでは技も体も頭も眼も錆び付くだろう。
 
 これは人間だけに限らない。服や衣装や小道具。発注先は発注がへったことであまり対応してくれなくなるだろう。かつては品揃えが豊富だった店先と倉庫はがらんとしたものになる。
 
 以前なら電話一本ですぐに取り寄せられたものが、今ではもうどこにもない。
 
 これがあらゆる場所で起こりだす。
 
 ∧∧
(‥ )かくてテレビはどんどん
\‐  つまらないものになって
    いくだろうと
 
  (‥ )金がないと全部が
      駄目になる
      練習すら
      できないのだからな
      こんな状況で
      どうにか出来る方が
      おかしかろうよ
 
 それを考えると日本のテレビやドラマや映画や美しき俳優たちと芸人たちはよく頑張っているではないか。しかし、それらすべては無駄なあがき。皆、日干しになって死ぬ運命。これが論証されるべきことであった。
 
 
 
 

2015年7月29日水曜日

7月29日 なにも思いつかない

 
 中国は詰んだと考えている人は多くいるが、詰んだと言うこと自体は簡単。予測する以上、この予想から1円でも儲けることができたら本物。
 
 ∧∧
(‥ )あなたは2013年
\‐  12月11日に
    およそこういうことを
    書いてますね
 
=>hilihiliのhilihili: 状況が変動する時、そこから利益をむさぼる詩人たちがいる
 
  (‥ )弱ったな
      俺は1円も
      儲けてない
 
 ∧∧
(‥ )株でも買います?
\‐  それとも信用不安による
    金の上昇を当て込んで
    金相場に手を出しますか?
 
  (‥ )それはそれで
      なんか違うよな
      どうしたものかな
 
 
 昨日28日、中国株は乱高下したと聞く。
 
 *つまりこの書き込みはhilihiliのhilihili: 28日は乱高下したというの続き。
 
 本日、29日、上海総合指数とやらは開始から下げていたが、午後に入って一転上がり調子。結局、前日28日よりも株価は上げて終わった模様。
 
 ∧∧
(‥ )当局の介入ですか
\‐
 
  (‥ )だろうねえ
      というか介入しなくちゃ
      駄目だからな
      もちろんそれを見込んで
      買って売って儲ける人も
      まだまだいるだろうし
      さらに皆が
      お金儲けはもう少し
      出来そうだ...
      そう思ってくれたら
      安泰だよね
 
 
 人民元はいくらでも刷れるのだ。後は湯水のごとく市場に投入すれば良い...
 
 ∧∧
( ‥)なんてことをしたら
    通貨の信用がなくなって
    通貨は下落
    物価は上昇でしょ?
 
  ( ‥)投機で色々なものが
    ‐/ すでに値上がりしてて
       数年前の時点で
       その値上がりちょっと
       おかしいだろ??
       になっていたのだよな
       インフレと格差拡大が
       顕著だったのだが
       それがさらに一気に
       悪化する
       そういうことだよね
 
 当然、社会不安になる。国家分裂という可能性もある。もちろん、そういう危機は誰よりもあちらの指導部は分かっている。なんと言っても、あちらの指導部はあちらの専門家だ。
 
 ∧∧
(‥ )この前、株価が暴落した時は
\‐  人権派弁護士がいっせいに
    大量検挙されたと聞くからね
 
  (‥ )そりゃおかしなことを
      されちゃ困るからな
 
 訴えの内容が正当であろうがなんだろうが、”おかしなこと”をされては困るのである。
 
 ∧∧
( ‥)政治的には当然の処置でも
    一斉検挙はあまりにも
    力づくだけどね
    他にも
    一部どころか
    1500にせまる株と
    銘柄を売買禁止にするとか
    剛力すぎでしょ
 
  ( ‥)とはいえだ
    ‐/ 天安門みたいに
       力づくで事態を
       収拾したことが
       あちらの指導部には
       あるからなあ
       経験的には当たり前の
       選択肢ではあるよね
 
 もっとも今度もそれでうまくいくかというと、そりゃちょっと無理じゃね? なんだろう。

 反乱は軍事力で抑えられるが、軍事力で経済を抑えることはできない。そもそも軍事力を抑えるのが経済だ。だとしたら力づくの収拾など不可能。事態はどう考えても悪い方向へ転がるのみである。
 
 ∧∧
(‥ )でっ? そこまで
\‐  予想したら?
 
  (‥ )なんとか儲けることを
      考えねばならぬのだが
      なーんにも思いつかん
   
 

28日は乱高下したという

 
 ∧∧
(‥ )そういえば昨日
\‐  28日は中国の株が
    ずいぶん乱高下した
    みたいですね
 
  (‥ )取引が終わる前から
      ニュースになってた
      みたいだけども
      それを考えれば
      えらいこっちゃな
      状態ってことかな
 
 売買停止の会社がまだ残っているのに、それでもなお報道されるような乱高下というのは、まさに凶兆。
 
 そしてこれを見て、さあ、面白くなってきやがった。と笑って放言できる立場でないのもまた凶兆。
 
 
 ∧∧
(‥ )どんなあおりを食らうか
\‐  分かったものじゃ
    ないですからね
 
  (‥ )70年代の
      オイルショックの時
      出版界はあまり影響が
      なかったと聞いたことが
      あるけどもな
      ネットが普及して
      本を買う必要性も予算も
      無くなった現在では
      さてどうなるか
 
 
 とはいえ、状況が阻止できるわけもなく、昨今の国際情勢だと中国の弱体化はむしろ望ましいのであって、その点、容赦はないだろう。阻止もできず、容赦する必要もないとなれば、後はめいめいが防衛するのみである。
 
 そして困った時にこそ現実が露わとなる。外交の仮面がはずれて思わぬ本音がじわじわ漏れだす。ギリシャ危機でドイツと周辺諸国の軋轢や不満が、苦言として出てきた時のように。
 
 さて? では今回は何が漏れだすやら。
 

偉大なりネロ帝

 
 29日、3:00現在、神奈川県の中央のここ、外の気温は29度、湿度は90%
 
 ∧∧
(‥ )えらいこっちゃですな
°
 
  (‥ )冷房が切れない
      気候であるよ
 
 さて
 
 ローマの暴君ネロ帝は巨大な館を建てたという。己の巨像を据え、庭の池はまるで海のごとく広く、邸内の部屋のほとんどに金箔を貼り、そこに宝石と真珠をちりばめた。食堂には花や香水をまきちらす仕組みを用意し、浴場に海水と硫黄泉を引いた。
 
 これでやっと人間らしく住めるようになった
 
 ネロ帝はおおいに満足したという。
 
   ( ‥)...ネロ帝
     ‐/ なんと偉大な
 
 ∧∧
( ‥)そうなんですかね?
 
 もちろん、これはあくまでスエトニウスによる「ローマ皇帝伝」に伝えられた話。
 
 ∧∧
(‥ )どこまで本当なんですか?
\‐
 
   (‥ )さてね? とはいえ
       暴君にふさわしき
       偉大な所行よ
 
 富は偏りがないと存在しない。帝の偉大な浪費は帝国中からかき集められた富で成立している。
 
 ∧∧
(‥ )しかしそのネロ帝とて
\‐  現代人に比べれば
    生活は質素なもの
 
  (‥ )邸宅の作りと広さは
      豪華かつ贅の極み
      だけどね
      電気もなければ
      ガスもないしな
      照明も冷暖房も不十分
      食べ物とて
      現在より香辛料が少なく
      運輸も保存も不完全で
      品種改良すらまだ
      進み始めたばかり
 
 偉大なるネロ帝に我々の食事を食べさせたら、さて、なんというか? 
 
 ∧∧
( ‥)やっと人間の食べ物に
    ありつけた...とか
    言いますかね?
 
  ( ‥)帝国中の富を奪い
    ‐/ 一身に集中させて
      これで人間らしいくらしが
      できるようになった
      そうのたまう
      なんと正直な叫びよ
 
 これは確かに暴君の所行ではあるが、果たして我々がこれを批判できるであろうか?
 
 ∧∧
(‥ )まあ、あなたたちは
\‐  贅の極みを維持するためだけに
    働いていますからね
    ネロ帝に堂々と申し開きが
    できるでしょう
    
  (‥ )確かに
      俺たちは帝に堂々と
      言えるわけよ
      帝よその贅沢ゆえに
      あなたは謀殺される
      でしょう
      我々はこの贅沢ゆえに
      過労死いたします
 
 人間らしい生活をするには、どうしても無理がある。全世界から収奪するか、さもなければ贅を維持するための維持費と人件費を支払うため、過労死寸前まで働かねばならぬ。これは摂理。
 
 だが、これを否定する人がいる。彼は言う。見よ、あそこに楽園があると。
 
 かつてその楽園はソ連であった。
 
 それはアメリカになり、そして今はヨーロッパのどこかだ。
 
 例えばドイツ。
 
 日本よりも輸出が好調で富を集め、それでいながら人間らしい暮らしが保証されていると伝えられる正社員の王国。
 
 ∧∧
(‥ )...という触れ込みだったけども
\‐  どうも胡散臭い
 
  (‥ )実際にはユーロ安を
      隠れ蓑に
      輸出してるだろ?
      とか
      貯蓄する国内ではなく
      消費ばかりする
      ギリシャとかに
      売りつけたろ
      とか
      膨大なトルコ系移民を
      いいように搾取しただろ?
      とかな
      疑惑がぼろぼろ
      出てくるわけだ
 
 人間らしい暮らしとは、実際には暴虐なのだ。より人間らしい暮らしに近づけば近づくほど、それは純然たる暴力に変化する。

 人間らしい正社員を保証するために、格差調節ダイアルを60から90に上げる。それが何を意味しているのか、知らぬとは言わせぬ。その軋轢がギリシャ問題でも噴出しておるらしいが、それも当然。富が偏りから産まれる以上、人間らしい暮らしは暴力以外のなにものでもない。それがこの宇宙の法則だ。
 
 そうである以上、理想郷などまやかしに他ならぬ。事実、すべてがまやかしであった。
 
 ∧∧
( ‥)それを踏まえますとね
 
  (‥ )ネロ帝は偉大だぞ
      暴虐の果てに
      これでやっと
      人間らしい生活ができる
      そう堂々と言いよる
 
 王者とはかくあるべし。これぞ暴虐の極み。
      
 
これはhilihiliのhilihili: 人間が人間らしく暮らせるとは歪んでいるということだの続き
 
 
 
 

2015年7月28日火曜日

馬鹿だから民主制が未熟と言ってる時点で意味はなし

 
 ∧∧
(‥ )日本の民主主義は
\‐  未熟である
 
  (‥ )そういうことを
      言ってる時点で
      駄目じゃね?
 
 何事かについて未熟であるということはなんでもありうる。
 
 ∧∧
(‥ )政権を取ったら
\‐  公約を果たすべき
    それゆえ
    公約を果たしているだけの
    政治家を独裁者と
    批判するのはお門違いである
 
  (‥ )独裁と批判する
      それ自体が未熟
      でもこういう未熟さ
      あるいはその反対の
      円熟さって
      こうしたらこうすべき
      という単純な約束事を
      覚えたか覚えていないか
      あるいは
      教えられたか
      教えられなかったか
      それだけの違いなんだよね
 
 先日、我が家にひさかたぶりに間違いファックスがあったけども、このご時世になってもファックスを使う奴はいる。

 それと同じで、自分の気に入らない政策には「これは独裁だ!」としか言えない人もいよう。彼らはそうとしか教えられなかったか、そうとしか民主主義を理解しなかったのだ。
 
 *もちろん、選挙とはそういうものではない。気に入らなければ反対票を投じれば良いし、多数決で物事が決まるのが民主主義である。気に入らない政策だから独裁だ、俺様たち少数派の意見を多数決で無視するのだから独裁だ、というのは筋が通らない。
 
 ∧∧
(‥ )でもこういう未熟か
\‐  未熟じゃないか
    その違いは
    単に覚えたか
    覚えなかったの
    違いである
 
  (‥ )ファックス使う奴は
      ファックスを
      ずーっと使うし
      電子メールを使う奴は
      メールに添付するのだ
 
 かように、未熟か未熟じゃないかの違いは、馬鹿かまともかの違いではない。単に年齢の違いである。

 ∧∧
(‥ )もちろんその意味では
\‐   日本の民主主義が
     未熟であるってことは
     ありうるんだよね
 
  (‥ )これは駄目だ
      これは筋が通らない
      こういう決まり事は
      時間と共に浸透する
      その意味では先行した
      民主国家の方が
      わきまえているはず
      だからね
 
 つまり理屈の上では民主国家としての歴史が長いアメリカがその点では先行し、日本はその点では遅れているはずだ。
 
 ただしこれとて単に覚えた結果である。ファックスの代わりに電子メールを覚えたことと同じで、それ以上のものではない。
 
 つまり頭の問題ではない。入力されたことがあるかないか、それだけの違いである。
 
 ∧∧
(‥ )でもその違いを頭の問題に
\‐  帰結させる人は多いよね
 
  (‥ )日本の民主制は
      政治家が馬鹿だから
      未熟なんだ
      とか
      有権者が馬鹿だから
      未熟なんだ
      とかな
 
 だが実際のところ、そんなことはありえない。知ってるか知っていないかの違いは、頭の良し悪しの問題では無い。単に経験したことがあるかないか、それだけの違いだ。
 
 これゆえ、学力のある政治家は、訓練された二世議員に負ける。
 
 政治家でさえ頭だけでは経験に勝てない。だったら政治に直接参加してはいない有権者が正しい提案をすることなど不可能である。
 
 反対に、訓練された二世議員であっても民主制である以上は、現場を知らない有権者から反対票を投じられて失脚する。
 
 彼が正しかったかどうかは対案が失敗するか成功するかで、初めて確かなものとなる。こうした集団の経験に基づいて次の選挙が実行される。
 
 つまり、民主制は知能によって運営を改善できない仕組みである。
 
 民主制は経験でしか運営を改善できない。ここに知能の存在は必要ない。
 
 ∧∧
( ‥)つまり政治家が馬鹿だ
    有権者が馬鹿だ
    の問題ではない
 
  (‥ )だから政治家が馬鹿だ
      有権者が馬鹿だ
      と言ってる時点で
      失格ですよ
 
 日本の民主制が未熟なのは、政治家が馬鹿だからだ、いや、有権者が馬鹿だからだ。そもそもこんな指摘、政治家は人間である、有権者は人間であると言っていることと等しい。こんな指摘に意味はないし、民主制は知能抜きで解探索できる。

 そうであるなら、馬鹿だから駄目だ理論は論点があからさまにずれている。このような理論に意味などない。
 
 ∧∧
(‥ )...日本よりも民主制が
\‐  先行しているアメリカは
    独裁者を倒したら
    地域が混乱して次々に
    戦争することを余儀なくされた
    それをイラク戦争で
    学びましたね
 
  (‥ )やったねアメリカ
      またひとつ経験値が
      増えました
 
 民主制はこうしてまた少し、うんざりするようなゴールへと接近するのである。すべての夢が破れた灰色の世界へと、さあ、歩むべし。


     
      
    

人間が人間らしく暮らせるとは歪んでいるということだ

 
 ∧∧
(‥ )最近は...ドイツに対する
\‐  厳しい物言いが
    少し目立ちますかね?
 
  (‥ )ギリシャ危機で
      ドイツとギリシャの
      あるいは
      ドイツと周辺国との
      軋轢が表面化したからな
      まあ人間だからね
      本音を言い出すと
      ろくなことにならん
 
 
 曰く ドイツは本来なら経済力に見合ったマルク高で輸出産品の競争力を失うはずだ。だがドイツはEUの一部であり、そこにギリシャなどが入っているおかげでユーロは安く保たれ、競争力を不当に失わずにすんでいる
 
 曰く ドイツ人は真面目で貯蓄してしまう。しかしそれでは経済が回らない。だからギリシャなどに借金させてでも消費をさせて経済を回した。それでしこたま利益を上げたにも関わらず、ギリシャを一方的に排除するかのような態度は不当だ
 
 ∧∧
(‥ )...どこまで本当ですか?
\‐
 
  (‥ )さあね?
 
 さらにいえば、トルコ系を含めて大量の移民を低賃金と極貧で搾取している、というドイツに対する批判はもう20年とかそういう単位で続いている。
 
 その一方では、ドイツの正社員は日本と違って人間らしい労働条件で暮らしているとも評価される。
 
 ∧∧
( ‥)これってどういうことよ?
 
  (‥ )もしも全部を
      総合できるなら
      賞賛の社会は
      全部嘘っぱちだった
      そういうことじゃねえか?
      すべては虚像
 
 人間らしい労働条件で幸せに暮らす。

 そんな無茶ぶりを実現するにはどこかにしわよせがなければならない。それを皆が見て見ぬ振りをした。あるいは認識することもなかった。それだけのことではなかったか?
 
 この世界に、人間が人間らしく暮らせる場所などあるものか。人間が人間らしく暮らせる場所があるとしたら、それは歪んでいるというのだ。
 
 ∧∧
(‥ )実際にはどうなのでしょうね?
\‐
 
  (‥ )すべては10年、20年
      間もなく
      明らかになるだろう
      日本のバブルも
      アメリカのバブルも
      中国もなにかも
      そのくらいで崩れるだろ?
      もうお開きの時間さね
 
 なにすぐさ。夢はいつか終わらなければならぬ。夢の界面は裂けて、現実の地獄が吹き出さねばならぬ。すべての人が直面せねばならぬ。人間らしくあれる場所など、この地球のどこにもすでにないと。
 
 もちろん、それでもなお、夢が崩壊する最後の瞬間まで、西欧には人間が人間らしく暮らせる社会があると信じ込む人はいるだろう。かつてソ連は理想郷であると信じた夢見る人たちのように。そして夢見る人は論理主義者だろう。かつて理想郷を信じた人たちのように。
 
 だが現実はすべてを押しつぶすのである。これゆえ、夢を見ている余裕はもはやない。
 

2015年7月27日月曜日

二次元嫁が三次元嫁にアセンション

 
 ∧∧
(‥ )お外の気温は36度
\‐  湿度は54%
 
  (‥ )まいったね
      室温を27度設定にしても
      外気温と10度も差が
      あるのか
 
 あまりに気温差があると、どうも体が落ち着かないが、さりとて28度とかに設定すると、外から浸透してくる熱でじょじょに力を奪われる。
 
 さて
 
 竹取物語を簡単に調べて、そして図書館から本を借りてきた。「世界昔話ハンドブック」三省堂 という本。
 
 ∧∧
(‥ )中国には
\‐  貧しい青年が
    年越しの買い物市で
    有り金出して
    美人画を買い求める
    絵の女性が夜になると
    絵から出てきて主人公と
    良い仲になる
    そういう民話があるんだね
 
  (‥ )科挙試験に落ちまくってる
      青年のところに
      女の子に化けた狐が
      やってくるという話は
      良く聞くけど
      そのものずばり
      絵から出てくるというのも
      あるんだなあ
 
 
 ∧∧
(‥ )現代日本のエロゲーでは
\‐  抱き枕の女の子と
    エッチするというものが
    あるそうですが...
 
=>だっこしてぎゅ - Google 検索
 
  (‥ )出てくるわけでは
      ないようだが
      いずこも発想は
      同じなのな...
    
 
 ただ、中国の民話の場合、主人公が上流階級であった場合、二次元嫁を奪われたところで話が終わることが多いそうだ。
 
 
 
 ∧∧
(‥ )夢みてんじゃねーよ
\‐  ということですかね?
 
  (‥ )主人公の多くは貧しい青年
      だけども時々
      主人公が読書などをする
      上流階級である場合がある
      でもその場合は
      二次元嫁を奪われて終わる
      読書する上流階級は
      夢をみちゃいかん
      そういうことかな
 
 
 あるいは夢を見るような読書人を、これ以上、甘やかしていけない、戻って来れなくなる。そういうことであろうか?
 
 あるいは上流階級なのだから、それ以上は必要ないでしょ、そういうことだろうか。
 
 一方、主人公が奪われた二次元嫁を探す旅に出て、ついに奪還する。そうして彼女は三次元嫁になるという展開も多いそうだ。

 しかし、以上のことからすると、それは貧しく行動的な青年にのみ許される行為、あるいは報酬であるということなのかもしれぬ。
 
 それは彼らにはその権利があるということであろうか? 彼らならそれができる、ということであろうか?
 
 それともそのような権利を、せめて物語としてだけでも青年に与えておかないと、人の心が正気ではいられない。そういうことであったろうか?
 
 
 

ショートショートへの怨嗟

 
 星新一という作家はアイデアを片っ端から短編にして消費してしまう。本来なら一つの長編になるようなアイデアをこのように消費してしまうから、何を出しても彼のパクリだと言われる。
 
 ∧∧
(‥ )...という怨嗟の声は
\‐  時々聞くけど
    どこまで本当なんですかね?
 
  (‥ )そういえば
      ひらめいた! と思って
      アイデアを披露したら
      午後の恐竜だった
      とかいう話があったな
 
 ∧∧
(‥ )星新一さんが書いた
\‐  午後の恐竜というと
    ネタバレすればあれだよね
    三葉虫の目撃から始まり
    恐竜が歩く幻覚が世界を
    闊歩する
    それは
    核兵器による地球滅亡と
    自らの絶滅と死を
    感じ取った地球生物が見る
    地質的なレベルでの
    走馬灯だったという話だよね
 
  (‥ )ぶっちゃけここまで
      ネタバレしてもあの短編の
      物悲しさというか
      やるせなさは読まないと
      分からないと思うけど...
      ともあれあれだ
 
 
 例えばの話、このアイデア、短編ならきれいにまとまるけど、長編にできるものなの?
 
 ∧∧
( ‥)長編にするのなら
    例えば...途中でこれは
    俺たち全員の走馬灯だと
    気づいただれかが
    死を回避するために
    行動する話にしなくちゃ
    駄目ですかね?
 
  ( ‥)そしてそうしたら
    ‐/ 午後の恐竜の持つ
       あのイメージは
       違うものに変質するの
       だろうなあ
 
 違うものに変質するのなら、それはもうオリジナルだ。だったらぱくれば良いじゃない。

 それでもなお、これってぱくりだろ? とかいう人がいたら、うるさいと言えばいい。
 
 ∧∧
( ‥)まあ
    これって○○のぱくりだろ?
    と心ない事を言う人が
    世の中にはいますから
   
  (‥ )まあなあ
      おれもさっき
      思ったしな
 
 なんぞ、漫画の紹介をネットで目撃した。それは菌類が人間を複製する物語。
 
 ああ、これって「ゼロの怪物ヌル」のぱくりだよね。
 
 そう思った。
 
 *ちなみにヌルの作者は多くの人にとって意外な人物である=>ゼロの怪物ヌル - Google 検索
 
 ∧∧
( ‥)この漫画
    ヌルのぱくりだろって
    あんた心ない人だね...
 
  ( ‥)でもだからって否定は
    ‐/ しないよ
       思っただけさ
 
 
 エヴァンゲリオンの人類補完計画を「幼年期の終わり」のぱくりと人は言う。確かに自分も、ああ補完計画って幼年期の終わりだったのか、それもとびきりグロテスクな奴、とは思った。
 
 思ったが、そもそも幼年期の終わり自体が「ヨハネの黙示録」のぱくりだし、ヨハネの黙示録はヘラクレス神話の、さらにそれはメソポタミアとシュメールの神話にさかのぼる。
 
 天地が分たれた時、海は戦をしかけてきた。配下の化け物、怪物、多頭の竜が海より這い上がり、戦いを挑んでくる。迎え撃つは無双のマルドゥク。そして黙示録にも曰く、海より上がり、地上を汚さんとする多頭の竜。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  エヴァンゲリオンは
    シュメール神話の子孫
    だけどもずいぶんと
    変わっちゃいましたね
 
  (‥ )幼年期の終わりよりは
      伝統に忠実なんだがな
      海よりやってくる
      異形の怪物たち
      戦いの果てにくるは
      大虐殺と世界の変貌
      新世界の到来
      しかし別物だ
 
 それを考えると、ぱくりだなんだと小賢しい。
 
 人間は無駄を追求して脳を肥大化させた。その悪しき習性で、それは何々であると誰かに自分の無駄な知識をひけらかさないと気が済まないのだ。
 
 まるで1000冊を読まないとSFは分からないと豪語する時代遅れの遺物と化したSFマニアのように。それを人は最悪の意味でオタクと呼ぶ。
 
 *データを巨大化させると答えが確実に間違うことを考えると、1000冊と言った時点で、発言者が五里霧中に陥っていることは明らかである。
 
 
 それにしても逆に考えるとだ。長編小説を星新一がショートショートとして書いたらどうなるのだ?
 
 ∧∧
( ‥)アイデアが同じでも
    別物になるだろうと
 
  (‥ )小説のサイズが変わって
      しまうわけだからね
      同じものたりえないよな
 
 例えば星新一が砂の惑星を書いたらどうなるだろう?
 
 ∧∧
(‥ )砂の惑星のどのアイデアを
\‐  使えばショートショートに
    なりますかね?
 
  (‥ )んー あれかな?
      ギルドはスパイスの産出に
      直接関与できない
      その部分かな?
 
 人類が自ら生み出した人工知能を戦いで打倒し、抹殺した後、人は大演算抜きで航路を発見できるよう、時間の先を見通す能力と、それを増幅するスパイスに頼るようになった。
 
 このような能力と技能は非常に特殊なので、必然、交易と運輸はすべてギルドが掌握、独占するに至る。
 
 しかし、これほどの権力を持ちながら、ギルドはスパイスの産出に直接関与することはない。
 
 ∧∧
(‥ )ショートショートにしたら
\‐   これを簡略に
     会話で説明しないと
     いけない
 
  (‥ )スパイスを産出する惑星に
      降下しながら
      これ以上の供給不安は
      もはや容認できません!
      反乱はただちに
      鎮圧するべきだ!
      そう居丈高にギルドが
      皇帝をせっつくとか...かな
 
 ∧∧
( ‥)親征した皇帝は
    ギルドにこの戦いの
    見通しを尋ねるでしょう
 
  (‥ )だけど曖昧な答えしか
      返ってこないだろうな
 
 もちろん、俗権の王者である皇帝にとって、未来を見通す力など占い師の能力も同じだ。問いに答えてもらえぬとて、歯牙にもかけぬだろう。無敵の軍勢で反乱軍を押しつぶすのみ。それこそが王者。
 
 だが、戦いが混乱に向かう中、皇帝は道を見通す者であるギルドが曖昧にしか答えなかったことの意味に気がつくだろう。
 
 ∧∧
( ‥)まず気づくべきは
    スパイスの供給を誰が
    掌握するのか?
    それが不確定なのではないか
    という疑惑
    思ったよりもはるかに強い敵
    この戦いの帰趨が不明だから
    未来が決していない
    そういうことではないか?
 
  (‥ )それはギルドに否定される
      だろうな
      誰がスパイス供給を
      掌握しようとも
      ギルドは
      スパイスの供給がある限り
      道を示すことができる
      掌握の不確定さは
      未来に干渉しない
 
 だが、そう答える当のギルドが今この瞬間、未来を見ても道を示せない。
 
 皇帝はさらなる疑惑を持つだろう。道を示せないとはすでに干渉されているということではないのか?
 
 それは無い。ギルドは答えるだろう。予知の原泉であるスパイスの掌握に予知能力を使わない限り、干渉は起こらない。
 
 ∧∧
( ‥)それこそ
    ギルドがスパイス供給に
    直接関与しない原因
 
  (‥ )予知の原因を
      結果である予知そのもので
      操作する
      これは因果律の混乱だ
 
 これゆえにギルドは、皇帝をしのぐ力を持ちながら帝国の全権を掌握しなかった。できなかったのだ。
 
 スパイスを掌握するのは勝利者。それは皇帝、あなたか、あるいは敵であるあのムアドディブ。呪われたウィル・オブ・ザ・サンド、すなわち砂の怪物、このどちらかだ。干渉はありえない。
 
 だがなおもギルドは未来を見通せない。
 
 見通せぬ未来を力でねじふせてきた皇帝ならば気がつくだろう。
 
 この答えは明瞭である。

 干渉されているとは、勝利者たる者のどちらかが干渉する者、予知能力者なのだ。そして自分は予知能力者ではない。だとしたら、敵、膨大な軍勢を率いる復讐者ポウル・ムアドディブこそが干渉者。そして未来においてすでに干渉が起きているとは、この戦いの帰趨はもはや明らか。いや、そもそも結果は最初から...
 
 轟く轟音、はぜ飛ぶ防壁、スパイスの香りを巻き上げながら吹き込む砂嵐と共に、大本営玉座の大広間になだれ込む血塗られた軍勢たち。そしてモーゼが海を割るがごとく、軍団より歩み出る若者が一人。
 
 陛下、あなたが今気づかれた通りです。ギルドの使いはヒントは出すものの、分別ある頭を持っておりませんな。
 
 
 ∧∧
(‥ )星新一さんがこんな話を
\‐  書くかどうかはともかく
    こうなると
    もはや別物ですね
 
  (‥ )砂の惑星は基本的には
      ごく単純で王道な
      英雄譚だからな
      そういう部分が
      まったく無いよね
 
 そもそもショートショートはそういう表現にあまり向いているとは思えない。そして別物になってしまうのなら、ぱくってしまえば良いじゃない。そして、これが論証すべきことであった。
 
 
 
 
 *一応、書いておくと、事変が起こる前にギルドが「未来に問題がある」と訴えたこと、予知能力者であるがゆえにギルドがスパイス供給に関わることを避けていたことは原作で説明されている。
 
 

2015年7月26日日曜日

どうせそんなものすぐに変わる

 
 










 空と雲は果てしなく
 
 ∧∧
(‥ )日付変った昨日どころか
\‐  一昨日の夕刻だけどね
 
   (‥ )まあ固い事
       言いなさんな
 
 25日、神奈川県の中央部は13:00において気温36度、湿度55%であった。24日は東京で猛烈な豪雨と雷が起こったけども=>、25日は湿度が低いせいもあったのか、そういうことはなかった。
 
 さて
 
 
 アメリカの大学ではね、大量の本を1日で読まないと議論についていけないのですよ!! 
 
 速読術が必要なんですよ!!!
 
 ∧∧
(‥ )まことしやかにそんな話が
\‐  言われているみたいですが
    本当ですかね?
 
  (‥ )まあ仮に本当だと
      しようか
 
 本、大学、教養というのはいかにも箔をつける言葉だが、そういう虚飾をはぎとって考えよう。
 
 例えばこれをアニメに置き換える。
 
 毎回、毎回、会合のたびに、あのアニメのあの場面のあれは良かったけども、それの意義はなんだろうか? 枝葉末節、根掘り葉掘り、執拗に聞かれるとする。
 
 ∧∧
( ‥)この会話についていくために
    毎日、毎日、何本ものアニメを
    早回しで要点をさらうように
    見ることを反復するだけ
 
  (‥ )それってどう思う?
 
 ∧∧
( ‥)馬鹿じゃね?
 
  (‥ )まあそういうことだ
 
 アニメなんていう低俗なものを大量に見るから馬鹿なので、本と教養はそうではない。そう反論する向きもあろう。
 
 だがここで問題になっているのは大量の情報を処理する時、人は思い込みにそって物事を恣意的に解釈することが顕著になる、ということである。
 
 ∧∧
(‥ )データを増やせば増やすほど
\‐   答えは確実に間違う
 
  (‥ )なんていうかな
      アルゴリズムが
      ありもしない結論を
      見つけてしまうというか
      データを増やすほど
      アルゴリズムは
      アルゴリズム自身に沿った
      いわば恣意的な結論を
      発見しやすくなる
      というかでな
 
 つまりアニメが低俗、本は教養とか、そういう問題ではない。
 
 内容がいかなるものであれ、データを増大させること自体が問題を引き起こす。そうである以上、高級、低俗、教養、無教養と無関係に、破綻が生じる。
 
 ∧∧
( ‥)なに? アメリカの大学は
    馬鹿化しているの?
 
  ( ‥)少なくとも一部はあれだ
    ‐/ 最悪な意味で
      オタク化しているって
      ことかもな
 
 最悪な意味でオタク。この場合、それは無駄な知識の量を誇示する行為。量自体を誇示するだけで、質は関係ないということを意味する。
 
 そもそもデータをむやみに増やすこと自体、質をあまり考えてない反映でもあろう。物事に大きな影響を与える要素はそんなに多くない。そうであるのにデータを増やすとは、それはむしろ雑音をひたすら拾っている事と同じだ。
 
 ∧∧
(‥ )アメリカの学校は
\‐  無駄の誇示場
    クジャクの社交場みたいに
    なっているということ
    ですか?
 
  (‥ )わからんけどね
      でも、もしもそうなら
      こういうのって流行で
      あっさり
      変わっちゃうだろうな
 
 無駄自慢は必然性がないからすぐに潮流が変わる。そんなアイデアはもうSFでやっているのだ!! そうSFオタクがわめいても、アニメやラノベファンが はあ? という顔をするように、潮流は即座に変わる。必然性がない無駄自慢には淘汰圧が効かないので、一定の形状をとることができぬ。
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
   (‥ )10年ぐらいしてみ
       速読術??
       はっ! 
       そんな時代遅れなことを
       しているんですか??
       アメリカの大学では
       割烹着ですよ
       とか言ってるだろ
 
 
 

2015年7月25日土曜日

冥王星の大気崩壊

 
 冥王星の表面気圧が、これまで調査されていた値の半分しかなかった。

=>New Horizons Reveals Pluto’s Atmospheric Pressure Sharply Decreased | NASA
 
 
 ∧∧
(‥ )冥王星の表面気圧は
\‐  89年あたりから上がって
    2010年代に極大に
    達して
    それから急減ですか
 
  (‥ )予想されていた
      冥王星の大気崩壊
      みたいだね
 
 One explanation for the low pressure is .....frozen onto the planet's surface.
 
 気圧が低いことは、惑星表面で凍ったからだと説明できる。

 it could indicate that further decreases in pressure may soon be in store.
 
 蓄積されてしまうことで、表面気圧はさらに下がるだろう。
 
 と書いてあるから、そういうことなんだろう。
 
 
 ∧∧
(‥ )この間まで冥王星は
\‐  海王星軌道よりも太陽に
    近かったけども
    現在は太陽から遠ざかる
    行程を運行中
    長い冬の始まりですからね
 
  (‥ )気温が低下すると
      大気を構成していたガスが
      霜になって惑星表面に
      降りてしまう
      つまり大気の崩壊だ
      ニュー・ホライズンズの
      冥王星への接近は
      大気崩壊にぎりぎり
      間に合うという
      触れ込みだったけども
      実際そうなったな
 
 ∧∧
(‥ )それにしてもがくんと
\‐   下がりましたよねえ
 
  (‥ )夏と大気の雪解けは
      ゆっくりだけど
      凍りつくのは
      あっという間か...
 
 人類が発見して以来、冥王星はじょじょに暗い天体になってきていたけども、これからは霜が降りて、再び明るい天体になるはずだ。
 
 *ちなみに現在の冥王星の大気圧は地球の1/100-thousandthとあるから、地球の10万分の1ということになる。
 
 
 
 

全方位袋小路

  
 自然物は塩や鉱物や、あるいは雪の結晶でさえそうであるように、自分の複製を作ることができる。
 
 より複製を残せる特徴を持つものは数を増大させる。それは進化に他ならない。無生物から始まった進化は必ず生物を生む。
 
 つまり、生物は必然的にうまれる
 
 ただし、それには条件がある。水が気化して無秩序になってしまうような高温では駄目だ。反対に水どころか二酸化炭素まで凍結して秩序だってしまうような低温でもだめだ。
 
 二酸化炭素と水から我らの体は作られている。
 
 高温でもなく、冷温でもない。どちらでもない狭間の世界でないと生物は出現しない。
 
 生物はこの条件がゆえに、その存在は不安定である。
 
 生物は不安定でないと生物たりえない。狭間の不安定性こそが生には必要だ。だから生は不安定で不自然なものとなる。そして必ず安定解である死へと崩壊する。我らは二酸化炭素と水から生まれ、そしてそこへ還る。
 
 安定解への崩壊を阻止して不安定性である生を維持する。そのためには膨大なエネルギーが必要だ。
 
 つまり、生きるには命を削らねばならぬ。
 
 わずかな手抜きが死へと直結する世界。この世界において努力が報われることなどありえない。なぜ努力という苦痛を放棄すると悪いことが起こるの? その問いに対する答えは単純であろう。それは生が不自然である必然の結果である。
 
 生きるとは苦痛だ。それは不自然な生という状態を無理矢理維持している結果だ。
 
 生きるとは報われないことだと知るべし。

 生きるとは、死なないことを無理矢理継続するだけの行為。

 手にする全てを生に投入しないと死んでしまう。このため生きるとは苦痛以外の何ものでもなくなった。
 
 しかし生物は死を恐怖するように進化的にプログラムされた。死を受け入れたものはすべて消滅し、残るのは死を恐怖し回避する性質を持つものだ。その子孫である我々が死を受け入れることはない。
 
 生きるとはつまり結果論である。なぜ生きるのか? このありがちな問いは単なる誤謬だ。結果から原因を遡及するからおかしなことになる。問い自体が無意味だ。
 
 生きることに意味はなし。これが大前提となる。
 
 そしてしかし、唯一の解放である死を我々は絶対に受け入れることができない。
 
 命が産まれるのは必然
 
 命が不安定であり、生が苦闘なのも当然
 
 死を恐怖し、苦痛だけでしかない生を生きるのは進化的な運命

 生きるは苦痛。死ぬのは恐怖。努力は無意味。手抜きは死。ありとあらゆる方角が袋小路。
 
 ∧∧
(‥ )この宇宙で生は望まれていない
\‐
 
   (‥ )そういったら
       それは面白い考えだと
       言われた事があるな
       当たり前な事実を
       言ったまでなんだが
       世の中の人はそうは
       考えないのか?
 
 
 人の認識は奇怪。命無き二酸化炭素と水こそが我ら本来の姿だと知るべし。そして皆、いずれあそこへ還る。安定解への必然の崩壊を阻止せんと、無意味な苦闘を死ぬまで続ける不安定な存在、それが生。
 
 
 
 

2015年7月24日金曜日

落雷の日

 
 14時半を過ぎて東京電力の雨量情報、落雷をのぞいて見たら
 











 
 ∧∧
(‥ )東京が真っ赤っか
\‐  ですね
 
  (‥ )こっからだと
      よく見えないが
      落雷だらけか
 
 豪雨も降っているらしい。しかし、巨大な入道雲とかはここからは見えない。というか東京方面のずっと手前で雨雲がたれ込めて、あちらまで見通せないのだ。
 
 ∧∧
(‥ )今日は暑い上に
\‐  湿度がものすごいからね
 
  (‥ )午前中は晴れていたけど
      大気が不安定だよなあ
 
 午後を過ぎて気温が下るにつれて湿度も上昇するはずだ。洗濯物はまだ湿気っていたが、取り込んだ。

 神奈川中央、ここらあたりは15:09現在、気温30度、湿度80%である。
 
 
 

安定解へと事態は必ず崩壊する

 
 安保法案で戦争が起こるのではなく。
 
 ∧∧
(‥ )戦争が間近だから
\‐  法整備を急いでいる
    そう考えるべきだと
 
  (‥ )中国と日本
      あるいは中国とアメリカ
      これらが激突するのは
      もう時間の問題だよな
      後は戦争が早いか
      それとも中国の不安定化と
      内戦突入が早いか
      そのどっちかだよね
 
 中国から見れば東南アジアの海を米国や日本が支配しているのは、シーレーンを敵国に掌握されているも同然で、それを打倒したいのは当然。
 
 ∧∧
(‥ )でもその試みは日本や
\‐  米国からすれば
    こちらの安全保障を
    打倒されることを意味する
 
  (‥ )原理的に
      利害が一致しないんだ
      だったらもう戦争しか
      ないよね
 
 だとすれば法整備を急ぐのは急務。避けられないのだからしょうがない。
 
 ∧∧
(‥ )でも中国は不安定化して
\‐  いるから
    むしろあちらが瓦解して
    しまうかもしれない
 
  (‥ )内戦が早いか
      戦争が早いか
      どっちだろうね?
 
 もちろん戦争といってもそれはピンキリだ。単なる国境線での小競り合いとけが人から国境紛争、離島への上陸と奪還、もちろん全面戦争もあれば核の使用も可能性としてはある。
 
 後は、中国が核兵器をどう使うか次第だろうか? 
 
 ∧∧
( ‥)戦術的に自衛隊に
    核兵器を打ち込むのか?
    戦略的に日本の主要都市に
    核兵器を打ち込むのか?
 
  (‥ )アメリカが同盟に
      基づいて
      核報復をしてくるか?
      そこの見極めだろうね
 
 日本が核攻撃をされた時、核報復をすることが今のアメリカにできるか?
 
 ∧∧
(‥ )もしもしなかったら
\‐   アメリカの信用は
     失墜しますね
     日本は米軍を国内から
     たたき出し
     ただちに核武装して
     国内の反日的と思われる
     人々を片っ端から
     追放するでしょう
     いわゆるレッドパージ
     大粛清だ
 
  (‥ )中国からみれば
      どっちがいいのだろうな?
 
 対峙する相手が核武装した日本と米国とどっちが良いだろう?
 
 ∧∧
( ‥)核武装した日本の方が
    くみしやすい?
 
  (‥ )日本の人口は
      アメリカよりも
      少ないからな
      むしろ相手にしやすい
      そしてもしもこうなったら
      米国は完全に日本の敵だ
      敵になった以上
      米国は日本と敵対せざるを
      えなくなるだろう?
      だったら
      太平洋東半分の覇権を
      失う代わりに
      親中国家としての
      米国が誕生して
      米国と中国で日本を
      挟撃できると考えるかも
 
 ∧∧
(‥ )歴史はどうなりますかね?
\‐
 
  (‥ )さてねえ?
      とはいえ隣国同士は
      仲が悪い
      隣国の後ろにある
      国と結ぶのが安定的
      そういう原則から
      考えると
      日米同盟は基本的に
      不安定だよな
 
 不安定な状態を持続するには非常に大きな投資を必要とする。アメリカはどうも体力を無駄に消耗して不安定な状態を維持できなくなってきたらしい。未だに世界最強ではあるが、負荷が大きく、あちこちにきしみが出ている。
 
 ∧∧
(‥ )核兵器の使用があるかないか
\‐  戦争が先か
    内戦が先か
    それらと関係なく
    至る結果はあまり変わらないと
 
  (‥ )早いか遅いかの違いだよ
 
 不自然な状態は安定解へと必ず崩壊する。早いか遅いか、それだけの違いしかない。そしてその進行は、体力が無くなった時、顕著であろう。
 
 後、感想的な話をすると、オバマ大統領は核報復を決断できる人間には見えないなあ。
 
 
 

着ている服ではなく、肉体を見なければならぬ

 
 パパブッシュが湾岸戦争に向けて準備を整えていた時、確かこんなことがあったと思う。彼の演説中にプラカードか何かが掲げられた。それは、石油のために戦争をするな! というものだった。あるいはそういうやじであったか、意見であったか。

 これに対してブッシュ大統領は答えた。これは自由のための戦いなのだ。
 
 ∧∧
(‥ )うろ覚えだけど
\‐  そういう記憶?
 
  (‥ )うろ覚えだけどね
 
 もちろん、自由と民主主義の戦いなどでないこと、多くの人の目には明らかだった。

 クウェートを占領し、イラクとクウェートの石油を掌握する。こうしたフセイン大統領の利権掌握を、既得権益者は望んでいない。これを許すわけにはいかない。戦争は石油のために行なうのである。
 
 ∧∧
( ‥)皮肉な言い方をすれば
    だからアメリカは勝てたのだ
    とも言えるよね
 
  (‥ )占領されたクウェートから
      イラク軍をたたき出す
      それで十分だからな
 
 
 これで十分であったはずだ。だが、今度は国民が調子に乗った。この間までベトナムの二の舞になるのではないか? と不安げだった表情が、まるで嘘のようだった。フセイン大統領を倒さない限り戦争は終わらない、イラクを独裁者から解放し、民主主義にするのだ! 戦争の建前を今度は大衆が本気で受け取った。
 
 ∧∧
(‥ )それが
\‐  イラク戦争へ続き
    統治の失敗
    民主主義の無能さの露呈
    犠牲者を出しての撤退
    ISISの成立と
    拡大する紛争という
    今日の事態をまねいた
 
  (‥ )戦争は石油のために
      するべきだ
      正義のために
      行なうものではない
      そういうことだなあ
 
 戦争は金のために行なうものであって、正義や正しさを追求して戦争を行なってはならない、そう言うべきか。
 
 ∧∧
( ‥)でも理念や信念や
    精神論で戦争を語る人は
    多いですよね
 
  ( ‥)日本軍が負けたのは
    ‐/ 精神論に頼ったからだ
       日本社会の悪いくせだ!
       と力説する人は
       たくさんいるけども
       それ自体が精神論だよね
 
 負けたのは単に工業力がなかっただけだ。日本は精神論に頼る! とかいうが、以上のようにアメリカは民主主義を金科玉条、宗教のように奉じてあの有り様である。

 まとっている服が違うだけで、中身は同じってことだ。
 
 ∧∧
(‥ )ただアメリカは
\‐  資源、工業力、人口が
    多いから
    なかなか死なないだけである
 
  (‥ )服ではなく中身
      裸の肉体が差を作る
      体力さえあれば
      馬鹿でも阿呆でも
      宗教でも精神論でも
      問題ない
      そういう見本だね
      もっとも最近はさすがに
      青色吐息になってきた
      みたいだがな
 
 未来の歴史家はアメリカは馬鹿だ愚かだ、精神論に頼って国家を疲弊させ滅ぼしてしまった、というだろう。
 
 ∧∧
(‥ )人間はなにをまとうか
\‐  ではなく
    むしろ裸の体力の方が
    問題なのである
 
  (‥ )防寒具の差が生死を分ける
      そういう事例もあるが
      それは極端な場合だしね
      体力が差を作るのだ
 
 それを考えると、安易に、日本が、精神論が、特攻が、アメリカが、というのは考えものだろう。
 
 例えば、なんぞ最近は東芝の粉飾決算が話題である。
 
 ∧∧
(‥ )これも日本の精神論が...
\‐   と言っている人も
     いるみたいですね
 
  (‥ )精神論じゃないなあ
      だって
      赤字じゃなければ
      粉飾する必要が
      そもそも
      ないわけだからね
      体力が無いから
      粉飾するんだろ?
      精神ではなく
      体力を見るべき
 
 そういえば、以前、困った顔をして追いつめられている社長さんに、粉飾決算したら? と言ってみたことがあった。即座に、それは出来ません、と答えが返ってきたが。
 
 ∧∧
( ‥)冗談でもあなた
    めちゃくちゃなことを
    言い出しますね
 
  ( ‥)その社長さん
    ‐/ なんとかしたらしいよ
       幾つかの
       成果を取り付けて
       ちゃんと帳尻を
       合わせたんだ
 
 彼にはそれが出来た。
 
 反対にこんな事例もある。知り合いがいた会社なんだが、ある日、銀行がやってきて、そして某大企業に買収された。なんでも2代目だか3代目だかの社長が、最後の数年間、ずーっと粉飾決算をしていたそうだ。それがばれて...いや、むしろそれでも業績悪化が是正できずに、とうとう銀行が介入してきた、そういうことらしい。買収された後、社長は若くして亡くなった。自殺ってわけではない。燃え尽きたというわけでもない。喪失したという感じなんだろう。会社はまったくの別物になり人員も整理されたと聞く。元の部分なんか残っちゃいまい。
 
 ∧∧
(‥ )同じ社長さんでも
\‐  ずいぶん違いますね
 
  (‥ )でもまあ気持ちは
      分かるよね
      苦し紛れに
      粉飾したくもならーな
      会社の命運を左右する
      こんな重圧は
      普通の人間では
      耐えられない
      誘惑も多かろうよ
 
 しかし誘惑がある中でも、しない人とする人がいる。というか、しない道を見つける人と、みつけられない人がいる。この差はどうして起きるのか? この時、これを精神論で語っては、差の原因は見えてこないだろう。
 
 精神論は服だ。そして服は正否を分けない。そうである以上、着ている服ではなく、肉体を見なければならぬ。服を論評するのは逃げだ。
 
 
 そういえば、切り抜けた社長さんは高身長で肩幅がありかっぷくも良かったな。だが、喪失した社長はやせていたよねえ。
 
 ∧∧
( ‥)それが差を生みましたか?
 
  (‥ )さて?
      どうだろうねえ
 

 
       
 

2015年7月23日木曜日

境界線の山々

 
 冥王星の新しい映像
 
=>NASA’s New Horizons Finds Second Mountain Range in Pluto’s ‘Heart’ | NASA
 
 
 ∧∧
(‥ )画面左の暗い領域は
\‐  クレーターがある
    右の明るい領域には
    クレーターがなくて
    山がある
 
  (‥ )指摘されているけども
      暗い領域のクレーターに
      明るいのが流れ込んで
      クレーターの底を
      埋めているね
 
 流れ込んだ、ということは液体だった、ということなんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも液体だったとしたら
    その白い領域に山がある
 
  (‥ )山がある
      でっぱりを支えられる
      強度が地殻にあるか
      あるいは浮力があって
      山が浮いている
      そのどっちかだろうけど
 
 かつて液体だった、というのなら浮力で支えていた、ということになるんだろう。つまりそもそも浮いて突き出ていた、ということになる。
 
 ∧∧
(‥ )溶けた水に氷山が浮かぶような
\‐  感じですかね?
 
  (‥ )もしそれがこの山なら
      水の流れで
      黒と白の境界線に
      掃き寄せられたようにも
      見えるよね
      分布の偏りは説明できるし
      つじつまは
      合いそうだよね
 
 
 とはいえ、例えば溶けて割れた氷が水に漂う時、こんなぎざぎざした形をするものだろうか?
 
 例えば木星の衛星エウロパは氷の下に海があるようだし、溶けて割れて氷が漂ったと思われる地形がある

=>https://www.google.co.jp/search?q=europa+ice+rafts&client=safari&rls=en&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAcQ_AUoAWoVChMIpcGZn4vwxgIVy6aUCh0L7wcB&…
 
 でもこの地形、当たり前だけど表面が平らだ。氷が割れて漂うのならこうなるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると
    冥王星のこの山って
    なんだろうね?
    北極海から流れ出す
    氷山のようなものと
    言えばもっともらしいけど
 
  ( ‥)でもどうだろうね?
    ‐/ この山は高さが
       1.5キロあるそうだ
       それを水面下で支える
       氷山の本体部分って
       一体全体どんだけ
       でかいんだい?
 
 それに、そんなでっかい本体が水面下にあったとしたら、こんなみっちり密集できるものだろうか?
 
 あるいは実は周囲の物質と密度が全然違うのだろうか? 例えば純粋な水の氷と、水にメタンや窒素や一酸化炭素が混ざったものは密度も挙動も融点も流動性も全然違うとか。
 
 ∧∧
(‥ )研究者はこれをどう
\‐  説明するのでしょうね?
 
  (‥ )そのうち論文が
      出てくるのだろうなあ
 
 探査機は膨大なデータを取得済みだけど、それを地球に送信するには長い長い時間がかかる。それに基づいて論文が書かれるまでさらに時間がかかるから、1年、2年先ということになろうか。
 
 
 あともうひとつ気づいたことがある
 
 ∧∧
( ‥)地球の北極の氷山って
    どうやってできるわけ?
 
  (‥ )水が凍ってできます
      グリーンランドの氷河が
      割れて出来ます
      それが溶けてギザギザに
      なるんですー
      とか知ったかぶりな
      当てずっぽうは言えるけど
      具体的には知らないな...
 
 考えてみれば冥王星どころか地球のそういう自然現象も良く知らない。
 
 ∧∧
(‥ )研究はされているはず
\‐  なんですけどね
 
  (‥ )未知のものに出会って
      考え始めると
      身近なものを
      知らなかったことに
      気づかされるものだが
      これもそれか
 
 冥王星の氷の山がなぜ周囲から突き出ているのか? 浮力で浮かんでいるというのならその原因はなにか? そしてなにより
 
 ∧∧
( ‥)なんで冥王星の山は
    こんなにカクカクした
    形をしているの?
    そこが説明できないと
    駄目であると
 
  ( ‥)地形と形を説明するって
    ‐/ 実は相当難しいこと
       なんだよね
 
 

格差調整スイッチ

 
 人が曰く、日本は過重労働だ、遅れた国だ、ヨーロッパを見なさい! みんな人間らしい労働時間で働いている!!
 
 ヨーロッパでは出稼ぎ外国人労働者が極貧で働かせられているよ?
 
 それに反論して最初の彼が怒って曰く、日本だって出稼ぎ労働者を働かせているじゃないか!!
 
 ∧∧
(‥ )論点がずれてる?
\‐
 
  (‥ )まあずれているね
 
 彼は日本の、というか自分の今の境遇に不満があるだけなのかもしれない。日本の、あるいは身の回りの何もかもが気に入らないのかもしれない。
 
 それに対して、そうはいうが西欧社会も大概だよ? と申し述べる人は社会の仕組みについて語っているのだろう。格差がないところに豊かな生活はない。豊かで人間的な生活があるということは、誰かにものすごいしわ寄せが来ているということであるし、日本があまり幸せでないとしたら、格差がまだそこまで開いていないということじゃないのか? そう申し述べている。
 
 ∧∧
( ‥)怒った人は
    以上の指摘に対して
    日本にだって格差が
    あるじゃないか!! と
    反論している
 
 (‥ )でもそれは
     これが社会の
     仕組みじゃないの?
     と申し述べた人からすれば
     論点をずらしていることに
     なるんだよな
  
 
 格差調整スイッチを90に設定すると正規の国民の幸福度は80に上がる
 
 格差調整スイッチを30に設定すると正規の国民の幸福度は60にまで下がる
 
 こういう話をしている時に、格差があるのだからどこも同じだ! と反論するのは、度数を無視しているわけで、論点をずらしていることに他ならない。
 
 ∧∧
(‥ )でも怒っている人は
\‐  論点をずらしたつもりは
    ないのだろうね?
 
  (‥ )彼は身の回りを
      否定できればそれ良いし
      それ自体が目的だ
      そうだとすると
      度数なんか
      どうでも良いのだ
      否定できればそれで
      良いわけだな
 
 否定することを否定されて怒りだすとは、否定そのものが目的である、そういうことだろう。
 
 ∧∧
( ‥)まあこれらは
    ようするにですよ
 
  (‥ )逃げ場なんか
      どこにもない
      そういうことだよね
 
 少なくとも先進国の正規な国民に逃げ場というものは存在しない。どこへいっても同じなら、逃げ場などあるわけがない。そして西欧が世界中から略奪した富が、全世界に再び分散していく過程がこれからの歴史だとしたら、未来もまた否定的である。世界中が先進国になると同時に、世界中が格差社会となるだろう。現在は、後進国の人間になら逃げ場はあるが、それも奪われる。これをグローバリズムと呼ぶ。
 
 ∧∧
( ‥)そしてついでにいうと
 
  ( ‥)文句ばっかり
    ‐/ 言っている人が
       なぜ嫌われるのか?
       それは逃げ場を
       具体的に提示しない
       からなんだよね
 
 理想論は理想論だ。それは絵に描いた餅であり、口先だけの話である。口先だけだから嫌われるのだ。それがいやなら、まずは自分の人生や自分の職場から矯正しなければならない。それもできない人間がいくら声を上げても、他人はそれを酔っぱらいの愚痴としか聞いてくれないのである。
 
 ∧∧
(‥ )だから怒って
\‐  いるのですかね?
 
  (‥ )まあだから
      ますます周囲から
      浮いてしまうわけだがな
      怒っている人間に
      わざわざ近づく奴は
      いないだろ?
      交渉がね
      へたくそなんだよね
      そしてだ
      交渉がへたな奴が
      活路を見いだせるわけが
      ないよねえ
      怒っている時点で
      人生が詰んでおる
 
 ∧∧
(‥ )声を上げないと
\‐  何も変わらないじゃないか!
    とかみついてきそうですが
 
  (‥ )そういう反論はよくあるが
      変わらないじゃなくて
      変えていないから
      酔っぱらいの愚痴としか
      思われないんだろ?
      彼らはいつも
      論点を外しちょる
      次の一手の代わりに
      怒りの言葉をぶちまける
      そんなだから詰むんだよ
 
 それは、変える気がないということでもある。つまりはお前さん、もう諦めているんだろう? だけど諦め切れないから怒っているのだ。しかし、お前の怒りに次の一手は無い。怒ってはいるが、実際にはもう満足しているんじゃないのか? 自分の人生はここまでだったと。
 
     

2015年7月22日水曜日

お母さん、運ぶ

 
 徹夜明けで腹がすいてコンビニへいくと、おっさんがおばちゃんとおにぎりコーナーの前に陣取っている。
 
   きれいな入れ墨ですね
 ∧∧
( ‥)
 ‐( ‥)おっさん
     半袖から少し
     見えちゃってるな
 
 こっちはおにぎりが欲しいのだ。
 
 間に割り込むと。
 
 なんや? なんや?
 
 とガンを飛ばしながら言うので
 
 おにぎりがね欲しいのですよ
 
 そういうと
 
 なんや
 
 と答えた
 
   最初のなんやは
   なんだお前で? で
   次のなんやは
 ∧∧ なんだそうか だね
(‥ )
 ‐( ‥)言葉は文脈で意味が
     変わるだ
     ...と、仰々しく
     言うまでもなく
     単に主語が
     省略されている
     だけだがな
 
 去り際、こちらへ向けておっさんが曰く、いい腕をしとる
 
    あなたいい腕
 ∧∧  してましたっけ?
( ‥)
 ‐( ‥)いやあ少し
   ‐ ‐ 日に焼けちゃいるけど
      特に良い腕ではないなあ
 
 あれは、遠回しの謝罪であったのかもしれぬ
 
   相手をほめることで
 ∧∧ チャラにしようとしている?
(‥ )
 ‐( ‥)そう受け取った
      おう すまんなあ
      そう言えない人や個性や
      立場や日時もあろうな
 
 さて、それはともかくとして、今日はカリバチが捕まえたクモを運んでいくところに出くわした。そこそこそ自然が残っている場所なら時折目にする光景である。
 
うんせうんせと運び










 
 時々、獲物から離れて周囲を探る様子を見せたり、身繕いをする。











人に見られているので、警戒しているのかもしれない。でも詳細も理由もよく分からない。











クモは時折、ぴくぴくと痙攣しているように動く。死んではいないが身動きできないのだということが分かる。

そうしてハチは再び獲物にかみつくと、よっこいしょと、ずるずる運んでいく。











 ずるずるずるずる

 
 ∧∧
(‥ )こうしてクモさんは
\‐  身動き出来ず
    死ぬ事も出来ず
    生きたまま新鮮な食料として
    ハチさんの幼虫の
    餌となるのです
 
  (‥ )冷蔵庫が無い状況でも
      肉を保存できるように
      編み出された戦略だけど
      進化と自然って
      おっかないよねえ
      まったく容赦というものが
      存在しない

 そして子供の餌にするということは、クモを運んでいるハチはすべからくお母さんバチだということでもある。
 
 ∧∧
( ‥)母は強しですか?
 
  (‥ )容赦がないのは
      事実であるな



 

2015年7月21日火曜日

昨日20日の夕暮れ

 
 日付は変わって昨日20日の夕方。空はきれいな夕焼け。













 ∧∧
(‥ )本日、20日の夜
\‐  ここらあたりは
    晴れそうですね
 
  (‥ )星見れるかな
 
 
 


2015年7月20日月曜日

地球が拒絶される物語

 
 台風11号は周囲の熱をかき集めたという。台風が過ぎた後、猛烈な湿気と熱の中、梅雨前線はどこかへ消えた。
 
 ∧∧
(‥ )時刻は午後3時
\‐  曇った空で直射日光は
    ないけども
    お外の気温は34度
    湿度は58%
 
  (‥ )もうどうしろと
      言うのだ...
 
 さて
 
 [The First Man in the Moon]
 
 直訳すれば月世界最初の人間、時として月世界旅行とも邦訳される。
 
 ∧∧
(‥ )イギリスの作家
\‐  ウェルズさんの作品だよね
    時代は1901年
 
  (‥ )月世界旅行だと
      フランスの作家ヴェルヌの
      作品と題名が
      かぶるのだよな
 
 だから、ウェルズの月世界旅行と言うべきなのかもしれない。小学生の時に学校の図書館で読んだ記憶がある。近所の図書館で角川文庫版を借りて読んでみた。昔読んだものは子供向きに改変されていたのだろうが、それでも記憶にある内容と大体同じだ。
 
 重力を遮断する物質を研究者が発明する。主人公の若者と研究者はそれを応用することで月へいく。そこで見たのは、クレーターの底で昼の間だけ空気が沸騰して気体化すること、その間だけ植物が生えること。そして地下にすむ月人の存在であった。
 
 ∧∧
(‥ )若者は植民地主義者なのだね
\‐  世界征服は白人の義務であると
    申し述べている
    一方では危険に用心深く
    狡猾で暴力的である
    月人に捕まった後
    脱出を始めるのは彼で
    重力の低い月に適応して
    体がさほど頑丈でない
    月人たちを虐殺している
 
 
  (‥ )研究者はもう少し理性的で
      月人と
      対話できるのではないか?
      と考えている
      実際、それは実現するけど
      彼は用心深くなく
      あけっぴろげだ
      それで墓穴を掘ることに
      なってしまう
 
 二人の登場人物は対照的であり、しかしどちらもハッピーエンドを迎えることはできなかった。
 
 若者は地球に帰ることは出来たが、手に入れたものは経験と月から持ち帰った黄金製の道具だけである。月では重力が低いせいか、重いけども加工が容易な金が色々な道具として使われている。若者は金が豊富にあることを見て、月を征服し植民地にしようと考えていた。しかし、帰還こそできたものの、宇宙船を失い、今やその野望が実現することはない。
 
 一方、研究者は月人に再び捕まり、地球へ帰ることはできなかった。彼らの設備を使うことを許されて、受信はできないが月の情報を送信してくる。そうして月人の社会を物語るが、不用意な発言をした後、それは禁止され、彼の送信が回復することは二度となかった。
 
 地球人は月人よりも技術的に劣っていること。しかし体が頑強で侵略的であること、地球は統一されておらず互いに殺し合いをしていること。そしてなにより、重力遮断物質、月においてそれは理論的にはすでに知られていたものだが、それを作れる地球人は彼一人であること。
 
 これを把握した月人とその指導者が、研究者が地球へ送信することを禁じたのは当然であった。最後の送信は重力遮断物質の製法に関するものであり、それは唐突に遮られてしまうのである。
  
 ∧∧
(‥ )技術が劣っているとはいえ
\‐  筋力の強い地球人が
    月に攻めて来たら
    困るってことだね
 
  (‥ )しかし月人の社会は
      どう考えたら
      良いのだろうな?
 
 例えばWikiでは月人の社会はディストピアであると書かれている=>月世界最初の人間 - Wikipedia
 
 まあ、たしかにそういう世界かもしれぬ。月人はアリのような生物で、しかしその役割分担は無数。数学者になるべきものはそのように教育を受け、訓練を受け、それに応じて体の各器官、さらには脳におけるそれを司る場所すらもそれぞれ別の成長を遂げる。肉体の一部のみを過剰に発育させるために、子供の月人を型枠にはめて育てる場合もある。ちょうどスイカを箱にいれて立方体に成型するような感じだ。
 
 腕だけが突き出た壷のようなものがずらっと並ぶ。研究者は選択の自由を奪ってしまうその様子に不快感を覚える。 

 確かにこれはよくある管理社会の描写だ。そういえば自分が子供であった70年代、80年代は、職業と役割を生まれつき決める管理社会と、それを糾弾する小説や物語がたくさんあった時代でもあった。
 
 ゆとり教育の弊害が気づかれる以前の時代である。すべてを受験で決めるかのような社会は悪である、そういう一方的な糾弾がまかり通っていたことの反映でもあったのだろう。
 
 では月世界旅行もまた、このような管理社会への糾弾であろうか? 
 
 実のところ、ウェルズの月世界旅行における研究者は、子供を枠にはめて成型する月人のやり方に不快を感じつつも、これを合理的であるともみなす。
 
 さらに、月人には不満が無い。それを感じないように出来ている。牧人は牧人を幸せと感じるし、肉屋は肉屋を、記憶するものは記憶することを、技術者は技術を操作することを幸せと感じる世界。
 
 それだけではない
 
 ∧∧
(‥ )確かに月人の社会では
\‐  偉い人は偉いし
    お付きの者を幾人も
    しかも役割に応じて
    体を成型した従者たちを
    従えているのだけど
    従者たちが奴隷であるとか
    下層民であるとか
    賤民であるとか
    貧乏であるとか
    そういう描写はないね
 
  (‥ )偉い月人は偉いけども
      役割分担をしている
      だけなんだな
      そして月人の社会は
      高度な機械類も使うけど
      人間そのものを
      直接成型することで
      多くの機械を代用して
      文明を築き上げた世界
      というわけだね
 
 実際、小型機械に動力を与えるのが仕事の月人もいる。エンジンとして機能するようにされた人々だ。
 
 そして月人の支配階級は脳が巨大であり、自力では動けない。運ぶことに特化した月人たちに運んでもらう。
 
 この描写、月世界旅行が発表される少し前に書かれた宇宙戦争における火星人とほとんど同じである。
 
 ∧∧
( ‥)ただし火星人は月人とは
    正反対で
    全員がクローンで同じ形
    そして体の機能はすべて
    機械類でサポートしている
    文明なわけだよね
 
  ( ‥)火星人の社会は
    ‐/ 人類のありうる
       ひとつの未来でも
       あるんだよな
       火星人の祖先は元々は
       地球人みたいな姿で
       あったと設定されている
       わけだしね
 
 火星人は脳と機械を操作する指だけになった存在である。内臓がほとんど無く、内臓の変化による情緒がない、純粋知性としての存在だとされる。
 
 ∧∧
(‥ )月人も冷たい知能という
\‐  描写が作中で出てきますね
    脳が大きな月人は
    胴体が小さいからね
 
  (‥ )月人の社会は人間には
      不快に思えるけども
      合理的なんだよな
      少なくとも研究者は
      不快感を覚えつつも
      合理性を認める
 
 だとすれば月人の社会とは、ディストピアというよりはウェルズなりのユートピアを描いた作品だと考えることもできる。というか、むしろそう考えるべきなんだろう。
 
 宇宙戦争では侵略してきたのは火星人であった。地球人よりも高度なものとして進化した、機械で武装した純粋知性たちは、地球文明に何の興味も抱かずにそれを蹂躙する。
 
 月世界旅行では侵略しようとしたのは地球人であった。地球よりも高度に発達した合理性と役割分担を遂げた月人社会は地球を拒否して門を閉ざす。

 地球は月人によって断罪されたのだ。
 
 ∧∧
(‥ )作者の世界観は同じだと
\‐
 
  (‥ )ウェルズという人は
      合理的な世界観を
      持っていて
      社会が発展すれば
      同じように収斂するはずだ
      そしてその反対に
      現在の地球を否定していた
      そう考えていたと
      見るべきだろうなあ
 
 実際、タイムマシンでは、遊びほうけて馬鹿になってしまった未来人が出てくるが、あれは今(19世紀当時)のような資本主義社会とその延長では駄目なのだ、そういう主張と見るべきなんだろう。
 
 *馬鹿になってしまった未来人とは資本家や貴族階級の子孫であった。
 
 **ウェルズは社会主義に傾倒したし、社会主義とは決定論的かつ発展的な世界観である。それを踏まえればウェルズの世界観は現在の我々の世界観とどこかずれている部分があるのは当然。確かに人間の発想の基本には一直線に発展する世界、あるいは堕落する世界というごく単純な世界観がある。とはいえ、発想の基本が同じでも、社会主義失敗後の現代人は、考えてみればそれは失敗したよねー、と思い出すことができる。しかし、ウェルズたち19世紀から20世紀初頭の人々には原理上、そのような発想は存在しない。
 
 ∧∧
(‥ )ウェルズさんの世界観を
\‐  知るには
    もっと別の本で確認する
    必要があるね
 
  (‥ )あの人
      世界史概観とか
      地球国家とか
      世界史や文明批評を
      書いているからな
      それを見るべきだな
 
 
  

2015年7月19日日曜日

望むがままを行なえ

 
 日付はすでに19日だが、18日は台風11号が崩壊しつつ列島を横切り、猛烈な湿気だった。西空から夕日が差し込むと一時、見事な虹が出た。
 
 













 
 さて


 中国が台頭し、外洋へ出ようとする。すると海洋国家である日本やアメリカはそれを阻止しようとする。
 
 ∧∧
(‥ )イギリスとロシア
\‐  それに続く米ソ冷戦
    ユーラシアの大陸国家を
    大陸内部に封じ込める
    北海から黒海
    イラン、アフガニスタン
    東シナ海、日本海
    オホーツク海に広がる
    数世紀に及ぶ戦い
 
  (‥ )大日本帝国と
      ロシア帝国の戦いも
      含めるべきだよね
      この戦いは何百年と
      続いてきたし
      この先、何世紀も
      役者を変えつつ続くのだ
 
 単にここ数年あまりは中国が目立ってきたというだけで、構図はまったく変わらない。というか、考えてみればロシア帝国はモンゴル帝国の正当後継者だとも言えるし、中国は大モンゴル帝国の一部、大元ウルスであったのだ。

 相手がロシアだろうが中国だろうが、構図が変わるわけがない。
 
 ∧∧
( ‥)でっ? そういう戦いの
    構図の中で
    昔のままに時代錯誤する
    人もいれば
    理想を求めて
    あえて戦う人もいるのだと
 
  ( ‥)最近だと宮崎駿監督が
    ‐/ そうみたいね
       あれだけ大国の思惑に
       翻弄される人々と
       小国の運命を描いた
       一方で
       沖縄の非武装化とかを
       唱えるから
       脳内お花畑の売国奴と
       揶揄されているらしい
 
 ∧∧
(‥ )でもナウシカ自体が
\‐  まさにこのままな話だよね
    大国の思惑に翻弄される中で
    理想を追求し
    時には手も汚す女の子の物語
    助けてあげてと言える人物が
    実際に声を上げる物語
    やっていることはむしろ
    物語で申し述べたままですか...
 
  (‥ )空襲の時
      乗せてあげてがいえなかった
      そう聞くよね
      だから乗せてあげてと
      言える人をあえて描く
      人間は過去の経験から
      自由になれないのだ
      それにこだわるは当然
      ...でもあれなんだよな
      ナウシカって
      ナウシカ自身は
      かなりきれいなままで
      終わったけど
      その代わり周囲の男たちが
      汚れ役を引き受けている
      そういうひどく現実的な
      話でもあったよなあ

 ナウシカのような理想主義者だったのに民衆のあまりの馬鹿さ加減にあきらめて神権政治による絶対統治を目指した皇弟ミラルパ。軍事国家トルメキアの襲来よりも、民の愚かさによって帝国が崩壊することの方を危険視する男。
 
 現実主義者なのだけども、あまりにも現実的で非道の限りをつくし、帝国崩壊の時でもやるのは内戦だ。その愚かさも愚行も百も承知の上で進むは覇権。しかし己が目指す覇権さえも皮肉に笑うナムリス皇帝
 
 偉大な軍事指導者の成り上がりで王家を乗っ取って権力闘争を勝ち抜き、暗殺、毒殺、謀略、粛清、厭世的になりつつも、墓の秘密に邁進するヴ王
 
 ∧∧
(‥ )ナウシカさんも
\‐  手を汚さなかったわけじゃ
    ないけども
    誰よりも世界を相手に
    手を汚し続けたのは
    この人たちで
    もう疲れ切った
    悲惨な皆さんたち
    ナウシカさんをかばうために
    汚れて消耗した人たちだ
    とも言えますかね
 
  (‥ )特に興味深いのは
      ナムリス皇帝だよな
      クーデターで弟ミラルパを
      追い落とした後
      既得権益集団で
      社会の膿となっていた
      僧侶を虐殺して
      一掃してしまうだろ?
      あれ、本当は
      ナウシカがしなければ
      いけない責務だよね
 
 ∧∧
( ‥)ナムリス皇帝が
    大虐殺してくれたから
    ナウシカさんはすんなりと
    新指導者になれたのだと
 
  (‥ )物語的に言えば
      ナムリス皇帝って
      ナウシカの純潔を
      可能な限り守るために
      登場した人物だよね
      
 そのせいなのかどうなのか、理想という純潔を守るナウシカに対し、お前を辱めてやる! と露骨に言い放った人物は物語においてナムリス皇帝、彼だけだ。まるで、汚れ役を一身に引き受けた我が身の不条理に抗議するかのようである。
 
 しかし、あっさり死んで、ご都合主義的に退場だ。
 
 ∧∧
(‥ )でもそうでないと
\‐  ナウシカという
    理想の体現者は守れませんと
 
 
  (‥ )ナウシカだって手は
      汚しているんだがな
      実際、作中において
      虚無に罵られるだろ?
      なにをカマトトぶって
      いるんだ?
      お前の手は血で
      真っ赤じゃないかとね
      でもナムリス皇帝や
      ミラルパ皇弟
      ヴ王はそれどころじゃ
      ないからね
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  監督さんはなにもかも
    承知の上での理想論ですか
 
  (‥ )そうじゃねえか?
      それになんだ
      下世話な言い方で悪いが
      ジブリの
      ブランドもあるし
 
 ∧∧
( ‥)ブランドね
 
  (‥ )ジブリの最高指導者が
      太陽光発電なんて無理
      あんなの信じる奴は馬鹿w
      原発だよ原発
      中国の意図は分かるが
      それはそれこれはこれ
      アメリカの影響下から
      脱却はしたいがまだ早い
      同盟は止む無し
      国家の力学とは
      こういうものだ
      全員整列し納税せよ
      プロの軍人を後衛から
      支えよ
      なーんてことを
      言えるわけないからな
 
 というか、そんなことを言ってもらっては困る。子供が泣いてしまう。
 
 ∧∧
(‥ )ジブリの最高指導者は
\‐  清濁合わせつつも
    理想をこそ守れば良い
    むしろそれが責務...ですか
 
  (‥ )もちろん
      理想だけじゃ無意味だ
      だけど現実の舵取りを
      責務として実行するのは
      ジブリの最高指導者じゃない
      国家の最高指導者がそれを
      責務として行なうのだ
      国家の最高指導部は
      ジブリとか
      理想を背負うべき人とか
      そんな有象無象のことなど
      認識しないし
      する必要もない
      彼らの責務は別のところに
      あるわけだからね
 
 つまり現実の汚れ役は最高指導者である男共が引き受ければ良い話。実際、それが物語られたことであった。
 
 まあ、楽観的に考えれば状況は順調だ。アメリカは中二病的な世界観で順調に国力を無駄に消費しつつあり、自分たちが非適応的であることにまったく気づいていない。中国はその自由さゆえに不安定性が一気に臨界しようとしている。

 この世界に予想できなかったことなど何一つ起きていない。すべてが誤差の手中にあり、人の自由意志も理想もその前ではまったくの無意味。
 
 皆、それぞれの責務だけを果たせば良い。望むがままを行なえ。人間にそれ以上のことなど出来やしない。
      
      
 
 

2015年7月18日土曜日

冥王星 なんか思ってたのと違う

 
 ∧∧
(‥ )冥王星の♡部分の拡大
\‐
 
=>New Horizons Discovers Frozen Plains in the Heart of Pluto’s ‘Heart’ | NASA
 
 
  (‥ )なんだこれ?
 
 小さなクレーターすら見当たらないのっぺらぼうな地形。そこにあるは多角形に見えなくもない奇妙な模様。
 
 ∧∧
(‥ )ごく若い地形だね
\‐  出来てから日が
    経っていないから
    クレーターが
    形成されていない
 
  (‥ )冥王星は本当に最近まで
      地質活動があったのだな
   
 これらの奇妙な構造は
 
 表面が収縮して出来たか(例えば泥が乾くように)

 あるいは対流によって出来た構造ではないのか? 

 と意見が出ているらしい。
 
 ∧∧
(‥ )凍結した一酸化炭素
\‐  あるいはメタン、窒素
    それらなら対流しうると...
 
  (‥ )単純な水の氷じゃないよな
      水の氷だと
      冥王星ではもう流れない
      はずだからな
 
 
 *固体も流れる。地球において凍った水である氷河は流れるのである。しかし、地球では流れる氷も、土星より遠くではどうも流れるような流動性は持たないっぽい。冥王星の固体で流れるとしたら、一酸化炭素とかだろう、そういうことらしい。
 
 ∧∧
(‥ )冥王星も衛星カロンも
\‐  変な星だよね
    冥王星には山があったしね
    35000メートル級だという
    話ですね
 

=>From Mountains to Moons: Multiple Discoveries from NASA’s New Horizons | NASA
 
  (‥ )冥王星の氷は流れない
      山を支えられるだけの
      強度を持っている
      そうだとしても
      じゃあどうやって
      山はできたのだ?
      内部の熱で対流が起きて
      氷の褶曲とかあったのかな
      疑問はつきないなあ
 
 極めつけは衛星カロンのおかしな山だろう=>New Horizons Close-Up of Charon’s ‘Mountain in a Moat’ | NASA
 
 リンク先の拡大画像の左上にあるものである。
 
 ∧∧
(‥ )なんていうか粘土に
\‐  氷を押し込んだように
    見えますね
 
  (‥ )山っていうのは
      僕らが思っているほど
      簡単な構造物じゃ
      ないんだよな
 
 例えばの話、地球に巨大隕石が衝突したとする。巨大なクレーターが形成され、その中央には衝撃の反動で山が出来る
 
 ∧∧
( ‥)でも地球では
    そういうクレーターや山は
    仮に浸食がないとしても
    いずれ流れて消えてしまう
 
  ( ‥)地球のマントルは
    ‐/ カンラン岩であり
      固体であり岩石なんだが
      流れちゃうからな
      そういうむりやりできた
      巨大構造は
      支えられないのだ
 
 小さな山はいざしらず、巨大な山は流れる。ひるがえれば、山があるというのは、そういうむりやりな構造を支えられるほど地殻に強度があるか(例えば月や火星のように)、さもなければ山自体が実は浮力で浮いている構造であるかだ(例えばヒマラヤ山脈のように)。
 
 そしてこれは山と反対、へこんだ地形に関しても言える事。地球の陸がなぜ海よりもでっぱっていて、海がなぜ陸よりもへこんでいるのか? この地形には組成と密度の違いが反映されている。
 
 ∧∧
(‥ )でもカロンのこの山は
\‐  一体全体なんでしょうね?
    でっぱってへこむ
    山とその周囲と
    そのさらに周囲の密度が
    全然違うということですか?

 
  (‥ )当たり前だけど
      研究者も驚いている
      みたいだな
 
 リンク先でも、
 
 The most intriguing feature is a large mountain sitting in a moat.

一番、興味をそそられるのはへこみの中に鎮座した巨大な山だ。
 
 This is a feature that has geologists stunned and stumped.

これは地質学者を悩ませあぜんとさせるものだよ。
 
と書いてある。意味不明な地形であることは確かに明らか。
 
 それにカロンの中央、赤道付近にあるクレーターには光条があるように見えるけども、一部ではそれが後から途切れたような感じに思える。光条が残るクレーターは非常に新しいはずだけども、それを後からかき消すような地質活動が最近起こったということであろうか? しかもなにやら、思いっきり割れて動いているように見えるし。
 
 ∧∧
(‥ )なんか思ってた世界と
\‐  違いますね
 
  (‥ )意味不明だよなあ
 
 
 
 
 
 
      

合理か非合理かを論じている時点でそれは駄目だ

 
 曰く、社会問題が複雑化すると人間は理解が追いつかなくなり非合理な思い込みに走る
 
反対はするが対策はしない
個人に責任を転嫁して問題を解決したとする
怪しげな因果関係に飛びつく
物事の原因が不明でも何か一つにこじつける
緩和策や応急処置で満足し根本問題を先送りする
問題を細分化してより複雑にしてしまう
行き過ぎた経済偏重行動をとる
 
 ∧∧
(‥ )...だっ、そうですが
\‐
 
  (‥ )意地悪な言い方をすると
      これ自体がそのままだよね
 
 
反対はしているが対策ではない。個人個人の行動に責任があるとみなしている。非合理が原因であると因果をすでに特定している。原因を特定したが、問題は細分化して複雑にしている。
 
 もちろん、これはあまりに意地悪な解釈ではあろう。そもそも指摘は対策ではない。対策視点で指摘を論ずるのは不当かもしれぬ。だがしかし、

 
 ∧∧
( ‥)もしかしたら以上の
    ”これが非合理だ論”
    それ自体が非合理かも
    しれない
 
  (‥ )というかですね
      合理か非合理かで
      論じている時点で
      それはもう駄目ですよ
 
 効果があるかないか、見るべきはそれだけだ。そして効果は結果であり、未来のものである。今、結果を判断しても意味は無い。やれば良いだけだ。知能なんて愚かしいものに頼るから、合理、非合理とか間抜けの極みのようなことを言い出しよる。
 
 
 ∧∧
(‥ )それを考えれば
\‐  対策は簡単だよね
 
  (‥ )やれば良いのさ
      結果は後からついてくる
      そして失敗は死
      成功は生
      これが演算機械の
      0と1になる
      後は01を累積させれば
      演算は完了するのだ


 
 例えばの話、以前のように勝てなくなり、軍事費と国家への負担が増えていくローマ帝国の中で、昔のローマに戻れと主張した文化人はいたようだけども、結果を先取りした人はどうもいなかったようである。
 
 ∧∧
(‥ )結果は外来の新興宗教に
\‐  よる国家の統制
    皇帝の権限拡大
    軍隊と政府の分離
    官僚制度
    歩兵から騎兵への移行
    国家の分割
    帝国西方の放棄
    これらは無数の皇帝たちの
    決断が得た解答
 
  (‥ )考えなくても
      非合理でも
      答えは出るんだ
      頭でっかちな文化人の
      社会批判なんて
      所詮は的外れよ
 
 

2015年7月17日金曜日

サーベルタイガーの俗説

 
 サーベルタイガーというと牙が長過ぎて滅びたとか、図体が重いので草食獣が小型化軽量化へと進化するなど、環境が変化するなかで適応できずに滅びたとか言われる。
 
 *つまり、この話の続きであるhilihiliのhilihili: サーベルタイガーは牙が長過ぎたせいで○か×か?
 
 ∧∧
(‥ )実際のところ
\‐  サーベルタイガーは牙が
    長過ぎて滅びた説は
    色々な意味でおかしい
    生物は自然淘汰によって
    環境に適合するよう
    絶えず調整されている
 
  (‥ )長過ぎたら短くなるし
      獲物が変化したら
      それに合わせて
      変化するだけだからな
      牙が長過ぎて絶滅した説は
      進化を良く理解していない
      証拠よな
 
 
 氷河期の環境変動で滅びたというのもたわ言だ。そもそも氷河期は猛烈な気候変動が何万、何千年とかいうレベルで起こる200万年だった。氷河期で滅びるのならとっくに滅びているし、そもそもサーベルタイガーが滅びたのは氷河期(厳密には最終氷期)が終わっていく、ちょうどそういう時代である。
 
 とはいえ、以上のような俗説はひと世代前には意外とはびこっていた見方であった。

 そして、人間の俗説は簡単に更新されたりしない。研究者の見解と一般的な俗説の間には30年は開きがあるし、場合によっては50年、あるいは100年ぐらい前のままってこともある。つまり、僕らの理解のかなりの部分は間違いだらけなのである。
 
 そして俗説は更新されないまま、保存される。
 
 それは、wikipediaを見て、なんか合点がいった=>スミロドン - Wikipedia
 
 ∧∧
(‥ )内容が古いと
\‐ 
 
  (‥ )古いというか...
      なんというかねえ
 
 これは2015年7月17日現在の記述だけども、jpg画像に保存した上で引用するとこう。







どこから突っ込めば良いのか分からないけども、

例えばサーベルタイガー(スミロドン)が滅びたのは人類が新世界に到着する以前なのだから、人類がサーベルタイガーを滅ぼしたという説には根拠が無い、という部分。
 
これに関しては例えば1969年に出たこのような論文がある

=>‎www.nhm.org/site/sites/default/files/pdf/contrib_science/CS163.pdf
 
 ∧∧
(‥ )ランチョ・ラ・ブレアから
\‐  見つかった
    サーベルタイガーのスミロドン
    アメリカンライオン
    バイソン・アンティクス
    これらの骨に
    石器で刻まれた痕が
    残っていた事例
 
  (‥ )ロサンゼルス近郊で
      タールが吹き出て
      ぬかるみになった場所
      ランチョ・ラ・ブレア
      そこから見つかった
      化石だな
      そして三つとも絶滅種
      人間に食われておるがな

 
 
 新世界のサーベルタイガー(スミロドン)が絶滅したのは1万年あまり前、人類はその何千年も前に到達している。サーベルタイガーも、サーベルタイガーの獲物であった大型動物が滅びたのも、人間が到来して以後のことである。
 
 ∧∧
(‥ )サーベルタイガーは
\‐   タールにはまっているから
     知能が低い
     だから滅びた説
 
  (‥ )これ自体は昔から
      ある説なんだ
      まあ色々と
      おかしな点が
      あるけどもね
 
 石油がにじみでてタールと砂がまざったぬかるみ。そこには色々な動物が足をとられて死に、それらは良好な化石になった。スミロドンは化石が多い。知能が低いからぬかるみに気づけなかったのだ、だから滅びたという説なんだが。
 
 ∧∧
(‥ )でもランチョ・ラ・ブレア
\‐  から見つかった化石で
    一番多いのって
    絶滅種の狼ダイアオオカミ
    なんだよね
    狼は賢い動物だよね
 
  (‥ )肉食獣に関して言うと
     化石の数は多い順に
     ダイアオオカミ、スミロドン
     3位につけるのが
     コヨーテなんだよね
     コヨーテを馬鹿と呼ぶ人は
     あまりいないよなあ
     そしてスミロドンより
     賢いとされる
     アメリカンライオンは
     4位なんだが
     これも絶滅しているのだ
 
 化石の多さが頭の悪さの指標で、それが絶滅を分けたというのなら、ずいぶんおかしな結果であろう。コヨーテはライオンより馬鹿ということになるし、スミロドンより頭が良いはずだとされているライオンも滅びているのである。
 
 一方、ランチョ・ラ・ブレアから見つかる肉食獣の化石は、異様にダイオアオオカミとスミロドンに偏っている。この二種類が突出して多い。
 
 この理由としては次のような論文がある。

=>Parallels between playbacks and Pleistocene tar seeps suggest sociality in an extinct sabretooth cat, Smilodon | Biology Letters

 
 ∧∧
(‥ )この論文は
\‐   ぬかるみにはまった
     獲物を独占できるのは
     大きな群れを作る肉食獣だ
     という論文だね
 
  (‥ )スミロドンと
      ダイアオオカミは
      大きな群れを武器に
      他の肉食獣を
      追い払っていた
      だから自分たちも事故に
      合う可能性が大きかった
      そういう説明だな
 
 
 多分、こっちの方が解釈としては正しかろう。ダイオアオオカミとスミロドンがあまりにも突出して数が多いこと。反対に数が少ないアメリカンライオンが、どうもあまり大きな群れを作らなかったらしいこととも整合的である。
 
 ついでに言えば、何万年もかけて化石が蓄積するのである。10年に1個体が事故にあう。そんな頻度でも20万年の間に2万個体が死に、その10分の1が、歯とか骨1本とか、部分的にせよ化石に残ったとする。するとそれだけで2000個体が産出する計算となる。事故の頻度はそんな高いものじゃない(スミロドンの産出は1100あまりである)。


 要するにこうである。
 
 サーベルタイガー(スミロドン)は別に知能が低いわけではないし、原理上、環境にも適合していたし、牙が長過ぎて滅びたわけではないし、絶滅は人間の到来以後に起きたし、それは大型草食獣が根こそぎ抹殺された後であった。さらにいえば、直接の狩りの結果であるかどうかはともかく、人間に食われていた可能性すらある。
 
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると
    wikiはあまりにも
    いい加減?
 
  ( ‥)少なくとも日本語版の
    ‐/ サーベルタイガーの記述は
       あまりにも俗説すぎると
       思うな
       英語版だとかなり
       まともだけどね
 
 =>Smilodon - Wikipedia, the free encyclopedia
 
 
 ∧∧
(‥ )で? あなた自身はwikiを
\‐   編集したりはしないと
 
  (‥ )俺の仕事は
      人間の間に格差を
      作り出す事よ
      本を作るとは
      そういうことだ
 
 
 
 *付記:ちなみにwikiは英語を見れば良いというわけでもない。英語のwikiも間違いだらけである。典型的な例がこれで=>Scaly-foot gastropod - Wikipedia, the free encyclopedia

 ここで使われている学名は存在しない学名だ。
 
 ∧∧
(‥ )でもさこの呼び名を
\‐  使っちゃう人も
    いるんだよね
 
  (‥ )記載されていないのに
      いつの間にか
      はびこっちゃったのだよな
      ご丁寧なことに
      研究者までこの名前を
      学名として
      使っちゃうことが
      あるんだよねえ
      正式な手続きを
      経ないものは
      すべて無効なんだがな
      なんだろうねこれ

 
  
  

    

2015年7月16日木曜日

負けたらギブミー・チョコレートだった人たちの世界観は

 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  ( ‥)今時の戦中世代の
    ‐/ 多くに取って
       WW2というのは
       戦争が始まって
       徴兵されて
       爆撃されただけ
       なんだよね
 
 つまり彼らにとって、全部、上が勝手に決めたことで、そのせいで迷惑をこうむったようにしか見えないのである。
 
 ∧∧
(‥ )アメリカ軍による占領も
\‐  レイプ被害とかは
    比較的少なかった
    0ではないけども
 
  (‥ )0ではない
      しかし
      ソ連に占領されたら
      全員、レイプよ
      三日間の略奪ですよ
 
 それを考慮すると、今時の戦中世代にとって、戦争は負けた方が特だったように感じているのだろう。少なくとも、彼らがそう考えてもおかしくない。例えそれが運でしかないとしても。
 
 彼らにとって戦争というと徴兵だ。
 
 戦後というとギブミー・チョコレートだ。
 
 もうこのことで彼らの戦争観がだいたい把握できる。
 
 ∧∧
( ‥)お上が勝手に決めた戦争で
    損をして
    戦争に負けたら得をした
    そういう世界観だと?
 
  (‥ )それ以外のなんだと
      言うのだ?
 
 
 国際政治や力学など一般大衆には理解できない。メディアの発達も悪いのである。それに対して国家は大きい。海の向こうのことなど人々に理解できるはずもない。
 
 ∧∧
(‥ )一方、日本の指導者は
\‐  むしろアメリカに
    降伏することを選んだ
 
  (‥ )やっこさんたちは
      分かっていたんだろ?
 
 分かっていたはずだ。次に来るのは米ソの対立だと。その狭間にある日本やドイツを彼らが抹殺できるわけがない。
 
 つまりどちらに降伏してどちらにつくのかが問題になる。
 
 ∧∧
( ‥)でも?
    大衆は降伏したら
    チョコもらえたー
    としか思えなかったと?
 
  ( ‥)まあだからね
    ‐/ 戦中世代の世界観で
       今の世界を
       論じて欲しくはないよね
       それはいびつな
       成功体験だよ
 
 
 戦中世代だけではない。反戦運動をした世代がソ連邦を理想郷だと信じていたこと。そしてこのご時世に及んでもなお、同じ世界観で彼らが戦争反対、安保闘争をする。これがいかに倒錯的であるかは、以上を踏まえれば分かることであろう。
 

2015年7月15日水曜日

ぬめめんとした顔

 
 hilihiliのhilihili: 海岸の夜空と波と酔っぱらいとベンケイガニの続き
 
 星を見て、波に洗われ、ひーひー言いながら海から帰ってくれば、探査機NEW HORIZONSの冥王星接近は終わっていた。データは順次地球に送信されるそうで。
 
 ∧∧
(‥ )これ自体は最接近の直前
\‐  76万8000キロで
    撮影した画像ですか...
 
=>New Horizons Spacecraft Displays Pluto’s Big Heart | NASA
 
  (‥ )冥王星の♡マークって
      1600キロあるのか
      でけーな
 
 多分、太陽系最大の♡マークなんだろう。もちろんやはり接近すればあまりきれいな♡ではなかったわけだけど。
 
 ∧∧
(‥ )それにしてもなんでしょうね
\‐  このいかにも
    溶けかかったような姿は
 
  (‥ )遠いからそう見えるのか
      それとも
      冥王星は一時
      かなりな部分が
      溶けたことがある説が
      正しいのか...
      どうなのだろうね?
 
 
 *冥王星がそれなりに溶けたことがある:冥王星の衛星カロン(シャロン)は捕獲されたか、衝突で出来た天体らしいので、軌道が現在の形に落ち着くまでの過程で熱エネルギーが生じる。それゆえ、冥王星やカロンの内部は溶けたかもしれない、という考え。
 
 ∧∧
(‥ )新鮮なクレーターもあるけど
\‐  ぬめめんとした天体だねえ
 
  (‥ )海王星の衛星トリトンには
      凍った湖らしきものが
      あったけども
      冥王星にもそういう
      ものがあるのかな?
 
トリトンの凍りついた湖はこちら=>https://www.google.co.jp/search?q=triton++freezing+lake&biw=1051&bih=833&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAYQ_AUoAWoVChMIzuCfkZHcxgI…

 

海岸の夜空と波と酔っぱらいとベンケイガニ

 
 昨晩、14日は空がここらにしてはきれいなので、急遽、海へいって星を見ることに。
 
 空はきれいだ。しかし、波が大きい。
 
   月は新月に近づいて
   そろそろ大潮ですし
   風も強いし
 ∧∧
(‥ )
 ‐( ‥)なんかここ
   ‐// 水没するんじゃ
    ⊥   ねえかな?
 
 そう思っていたら波だ。いつもの場所に波が届いたのは初めてだ。
 
 退いたのだが、そこにも波、さらに退いても波。望遠鏡は足が濡れただけだが、こっちは色々と海水に浸かってしまうはめに。
 
   あまりよく
   観察できなかったね
 ∧∧
( ‥)
 ‐( ‥)ばたばたしてたからな
      まあ、それでも
      球状星団M4が
      きれいだったな
      ちかちかしてた
 
 M75、M2、M30、その他色々と見事。いて座の新星はすっかり暗くなっていてよく分からず。以前から懸案の変光星、みずがめ座CY星は、星を確認するも自分の望遠鏡ではやはりぎりぎり見える明るさなので、変光の確認はできず。星自体は分かったのだから、また今度確認してみよう。
 
 *2018.08.12追記 みずがめ座CY星=>http://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili/keitou/qa/cy-aquarii.html

 
 くじら座のミラは多分6等ぐらいに思えたけども、すでに朝。夏至から一月後の今は夜があまりにも短い。
 
 足がずぶぬれになるわ、酔っぱらいが波打ち際で奇声を上げて半ば倒れるように水に浸かってはしゃいでいて、あのデブ死ぬんじゃねーか? 俺は助けられんぞ、球状星団を探しながら悪態をついてばかりの夜だったが、まあ、後にはつながる経験だろう。
 
 *一応、書いておくと死人は出ていない。思うのだが、水辺で泥酔した友達を置いて、みんなで少し離れた場所で遊ぶのは危険だよね。
 
 朝焼けの海岸、そして多分、ベンケイガニ
 
 











 
 ∧∧
(‥ )アカテガニさんじゃなく?
\‐
 
  (‥ )んー? よく分からん
      ともあれ鮮やかだよね
 
 
 
 

2015年7月14日火曜日

極めて論理的な発想であるがゆえに破滅は不可避

 
 ∧∧
(‥ )...EU首脳とギリシャが
\‐  会合して
    ギリシャに三回目となる
    融資を行なうことに
 
  (‥ )これで財政破綻
      ユーロ離脱
      銀行システム崩壊を
      回避できると
      一応はギリシャの勝ち
      ってことなのかな?
 
 対ギリシャ強硬派のドイツと、フランスやイタリアなどの間に、やや軋轢、あるいは見解の不一致が生じたとも伝えられている。
 
 ∧∧
(‥ )ギリシャ危機による
\‐  ユーロ安を利用して
    ドイツは良いように
    しこたま儲けたじゃんよ
    と言われてますよね
    ギリシャは
    財政緊縮して金を返せ!
    とドイツが言ったところで
    ギリシャの銀行は閉鎖中
    金がないんじゃ返せませんし
    融資は当然ですか
 
  (‥ )一方ギリシャは
     ナチスだ賠償しろだ
     難民を送って
     ベルリンをISISの
     テロの餌食にするぞとか
     カメノス国防相の
     すばらしい放言やら
     恫喝やらをするわけで
     ドイツもギリシャも
     しこりが残ったよなあ

 
 
 このたびの緊縮財政と融資受け入れも、ギリシャはドイツによって収容所に入れられた! (緊縮財政的な意味で)と表現する向きもあるらしい。
 
 ∧∧
(‥ )人間は生物だから感情的だし
\‐  それもさることながら
    有象無象の個体がそれぞれの
    利益や立場で放言するから
    必ず収拾が
    つかなくなりますよね
    わずかなぶれが
    巨大な差異へと拡大して
    事態はカオティックになる
 
  (‥ )人間は金や食い物に
      支配されているから
      金や食料生産に制御される
      この原則は正しい
      だけどその動態は
      まったく非論理的だよ
 
 それを考えると、ギリシャの破綻とEU大混乱はあくまで引き延ばされたに過ぎぬ。

 そして中国経済の株価操作も...
 
 ∧∧
( ‥)制御なんかできるはずがない
 
 ( ‥)株価が際限なく下がるなら
   ‐/ 売買できないように
      してしまえ
      買う事しかできない
      状態に市場を固定した上で
      国家が買い支えてしまおう
      ああいう発想は
      極めて論理的だよな
      ある意味
      マルクス主義的だよね
      なんだかんだ言って
      やっぱ中国は共産国か
 
 共産主義とは結局のところ論理至上主義者の帝国だ。そしてマルクス主義や左翼からすれば、資本主義は狂った無制御な仕組みなのである。それを考えれば、市場を固定して売れないようにして、一方的に国家が株を買い支えるというのは極めて発想が良い。
 
 ∧∧
(‥ )ただ人間の動態は論理では
\‐  制御できないというだけの
    話でね
 
 (‥ )人間を論理で
     制御しきれるというのは
     ”自分の論理体系が
     人類と宇宙を内包している”
     という主張だからな
     そんな考えが
     うまくいくわけがない
     俺のプログラムにバグは無い
     と同じですよ
 
 中国から話を戻せばギリシャ危機も似たようなものかもしれぬ。ドイツ人は論理的だと良く言われるけども、本当にそうだというのなら、これまた破滅がまったなし。論理の先にあるのは必然の壊滅だ。ロジカルシンキングは自殺の道具にしかならん。
 
 ∧∧
( ‥)もうなにもかも
    はちゃめちゃです
 
  ( ‥)だがまだみんながそこまで
    ‐/ 感じているわけでは
       ないね
       後少し時間があるか...
 
 さて、その時間、どのぐらいだ? 1ヶ月か? 半年か? それとも3年か?
 

  
 
 

2015年7月13日月曜日

金の価格に異常は無い模様

 
 株が下落するのなら売買を停止する。
 
 買うのは良いが売るのは駄目だ。
 
 ”悪質とみなした空売り”は取り締まる。
 
 ∧∧
(‥ )公金をつぎ込んで
\‐  無理矢理の買い支え
    ということですか
 
  (‥ )まあそんなところ
      だろうね
 
 こんなことをしたら、いくら名目上は下落が止まっても、中国の相場と株式は、もはや信用されまい。
 
 それにしてもこれは、回り回って、通貨である人民元の価値が下落するということでもあるまいか?
 
 こう言う時、人はどうする?
 
 ∧∧
( ‥)通貨が信用できないなら
    金に換えますかね?
 
  ( ‥)でもネットで見ると
    ‐/ 2015年
       7月15日現在
       金に対する
       人民元の価値は
       特に変わっていない
       みたいだな
 
 
 グラム当たり、232〜231中国人民元で横ばいのままらしい。
 
 ∧∧
(‥ )まだそこまで
\‐  信用不安が広がっていない
    ということですかね?
 
  (‥ )あるいは中国の人は
      今、これから何が
      起ころうとしているのか
      良くわかっていない
      のかもしれないな
 
 
 
 

そろそろゲームの始まりです

 
 ∧∧
(‥ )そういえば中国は
\‐  株が暴落して
    それを阻止するために
    1200社
    あるいは1400社の
    株の売買禁止
    大口の株主による
    株売却の禁止を
    打ち出したのだよね
 
  (‥ )もうね
      信用とか約束とか
      ルールとか
      宇宙の彼方ですよ
      めちゃくちゃですね
 
 
 ネットの例えに曰く、スーパーマリオで言えば、穴に落ちるのをスタートボタンで止めた状態であると。
 
 ∧∧
( ‥)またなんとも適切な
 
  ( ‥)マリオの落下を
    ‐/ 止めている間に
       下の穴を塞ごうと
       中国指導部は今
       必死なんだろうな
 
 
 とはいえ、穴というのは底なしであるし、そんな禁止事項でどうこうなるものでもないし、そんな禁止事項を何もしないで見ているだけの人々でもないだろう。
 
 いよいよとなったら、意図的に共産革命を引き起こすかもしれないし、しかし、意図的な計画は必ず制御できなくなる。
 
 ∧∧
(‥ )もう世界中めちゃくちゃ
\‐  ですよね
    EUはギリシャ爆弾
    ウクライナでは紛争
    シリアではISISと戦争
    中国はスタートボタンで
    共産革命前夜
    アメリカはリーマンで
    ミドルクラスが壊滅
    日本も超高齢化社会
 
  (‥ )東京オリッピックが
      開催される5年後
      2020年
      世界はどうなって
      いるのだろうなあ
 
 ∧∧
( ‥)そしてあなたは
    どーなっているのでしょうか?
 
  ( ‥)さて面白くなって
    ‐/ まいりました
 
 
 5年後、自分はなすすべもなく死んでいるのか、それとも生き延びているのか?
 
 さあ、皆さん、そろそろゲームの始まりです。
      

 

そりゃ責任は建築家にあるでしょ プロなんだから

 
 ∧∧
(‥ )新国立競技場
\‐  2500億を越える
    予算の件で延々と
    もめているみたいですね
 
  
  (‥ )まあデザインした人間と
      それを審査した人間の
      責任だよね
 
 ∧∧
(‥ )俺に責任はないって
\‐  審査に参加した建築家とかが
    言っているとか...
 
 
  (‥ )そんな言い訳が
      まかり通るわけないだろ?
 
 デザインが予算を決める。予算がデザインを決める。

 ではデザインそのものを誰が決めるか? それは政治家か? 官僚か?

 そんなわけがない。彼らは政治の仕事と事務手続きを行なう人間たちである。デザインの判断など出来るわけがない。どうデザインするとどのぐらい金がかかるのかとか、政治家にも官僚にも判断できない。
 
 それが出来るのは建築家たちだ。
 
 なぜ、他の誰でもなく、彼らが選ばれ、招聘されたのかというと、彼らがその道のプロであるからだ。
 
 選ばれ、招聘を受け、それに応じたその瞬間から、全責任は彼らのものである。それ以外にありえない。

 
 ∧∧
( ‥)そうである以上は
 
  (‥ )建築家たちが
      俺知らないなんて
      言えるわけないだろ?
      そんなことは
      言うこと自体が罪だよ
      もし言ったのなら
      僕ちゃん素人です
      分かりませんぷーと
      言っているのと
      同じだからな
      もう二度と図面を
      引けないように自分の指を
      へし折るべきだね
  

 あるいはせめて言うのであれば、こうすれば変更は最小限で枠内に収まります。どうでしょうか? そういう対案をもってこなければいけない。それがプロというものだ。
 
 お前ら、俺の才能を見やがれ! どうだ、ひよっ子ども そう言えなければならない。
 
 俺、知らない、なんて本当に言ったというのなら、それは素人以下である。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えるとなんだかなー
\‐  ですかね
 
  (‥ )君子危うきに近寄らずって
      言うだろう?
      こういう責任を
      負わなければいけない
      立場を有頂天に
      受けるもんじゃないさね
 
 でも多分、そもそもいけないのは
 
 ∧∧
(‥ )デザインがねなんというかね
\‐  ちょっと微妙なんですよね
 
  (‥ )言い換えれば
      予算をオーバーしても
      これなら作ってもいいかな
      皆にそう思わせる
      デザインを作れなかった
      その時点で
      負けたってことかもな
 
 後は、まあ日本の土建屋とゼネコン業に予算がちゃんと還元されることを望むのみ。
 
 
 *追記
 
 ∧∧
(‥ )予算の計算はそれこそ
\‐  ゼネコンの仕事なんだ!
    という意見もある
    みたいですが
 
  (‥ )行き着く先は同じよ
      結局は
      建築家の予測能力が
      まるで馬鹿だったという
      ことになるだろ?
  
 しかも、自分たちの見積もりが現実に対して数倍の誤差を生み出すことを自覚していなかったことになる。
 
 ∧∧
(‥ )自覚していたら
\‐  我々建築家の見積もりには
    数倍の誤差があるから
    現実の予算算出には
    ゼネコンさんの計算が
    まずは必要です
    判断はそれでと
    皆に申し述べるであろう
 
  (‥ )しかしそれが無い
      見積もりもできず
      自覚もしない
      だとしたら一体全体
      何のプロなんだ?
      という話だよな
      お前らは金勘定を
      したことが無いのか?
      とか
      お前たちは大失敗して
      責任を感じたり
      これではいかんと
      思った経験がないのか?
      という話になる
      分かりませんでしたでは
      話にならん
 
 もしかしたら建築家という人々は、デザインだけをして、後は予算なんか知らねーと金だけもらって逃げていた、寄生虫のような存在ではないのか? という疑惑にもつながろう。

 これは、建築家という連中はこれまでの公共事業も、実は私物化していたのではないか? という疑義にもなる。

 こんな疑惑を持たれるようなことをすること、それ自体が罪。
 
 つまり、いかなる言い訳も通用しない。全責任は建築家にある。
 
   
      
      

2015年7月12日日曜日

規模がでかい民主制では全員が文句ばっかり言いよる

 
 hilihiliのhilihili: やつらの皮を剥ぎ、太鼓をつくれの続き
 
 民主制とは全員兵士という主義主張。政治的権利を主張するのなら兵役を果たす必要がある。
 
 ゆえに民主主義において平和的な文化人など存在しえない。例えば、
 
 愚かな大衆では政治家にいいように利用される
 
 貴族たちは馬鹿な愚民共は真っ先に突撃してくれれば良いと考えているのだ!
 
 こういうお利口さんな主張をする文化人は、民主制においてありえない。
 
 なぜなら、そもそも、一緒に戦線に立たないお前は何者だ! と皆から罵倒され、リンチされる世界、それが民主主義だからだ。

 相互監視とリンチで成り立った恐怖の監視社会。これが民主主義というものだ。
 
 民主制とは極端な軍国主義である。この世界に言論の自由と権利の自由はあるが、果てしない義務への隷属があり、ゆえに言論の自由は自主的に制限され、これに反すると民主的に毒人参を飲まされ、自害を強制される。言論の自由とはそういうものだ。
 
 ∧∧
(‥ )でも一般的にはそうは
\‐   思われていませんよと
 
  (‥ )日本人は民主化を
      上から押しつけられたから
      自主性がないからだ
      ...とか説明することも
      可能だけども

 
 
 実際は、もっと話は単純で、
 
 ∧∧
( ‥)社会が巨大であるから
    だろうと
 
  ( ‥)日本人は歴史的経緯で
    ‐/ 民主主義の精神が
       うんぬんなんて説明
       これは精神論だからな
       そして
       精神論は説明になって
       いないのだ

 
 理由はもっと即物的なんだろう。考えてみれば人口が10万とか100万を越えたら、もうお互いがまったく無関係な個人の集まりになってしまう。土地も広いから、その先を想像することも把握することもできなくなってしまう。国際政治なんて理解のしようがない。国家の果たすべき責務は日常からまったく解離する。
 
 ∧∧
(‥ )確かに村のなかでは
\‐  あの家の息子は
    兵役を拒否したとか
    そういう相互監視が
    効いてくるだろうけど
 
  (‥ )義務に関する
      相互監視だけじゃ
      駄目なんだよ
 
 例えば会社の同僚は地域の顔見知りでもあり、戦う場所は数十キロ先の隣国(今でいうとほぼ県境)。全員が隊列を組んで鎧を着て槍を持ち、整列する。そういう世界であったら、民主制は今の社会のそれより、はるかに強烈な印象を持つだろう。
 
 ∧∧
( ‥)そういう社会だと
    民主主義は兵役とワンセットだ
    この実感は
    非常に明瞭でしょうね
 
  (‥ )こういう社会において
      ”特権階級が愚民化政策を
      押し進めていて
      奴らは愚かな大衆が
      真っ先に突撃してくれれば
      良いと思っている”
      なんて意見が出てくるわけ
      ないよね
 
 そうではなく、戦列に立たないとは何事だ。突撃しない貴族は殺せ! となるだろう。狭い世界なのである。逃げ場などないし、愚民化政策もありえない
 
 ∧∧
(‥ )でも社会の規模が大きくなったら
\‐  そういう実感は全部
    希薄になっていくよね
 
  (‥ )ローマ帝国だって
      国民皆兵だったのは
      初期だけで
      兵役は忌避され
      兵士は食い詰めた貧乏人で
      構成され
      軍隊はプロ化し
      大国になったら国防の
      意味が人々に理解されなく
      なって
      必死で国家を
      守っているのに
      文化人から
      文句ばかり言われていた
      みたいだしな
      日本も世界の先進国も
      どこも同じなのだろうな


 
 *そもそも人間の賢さには限界があるのだから、人間はすべからく愚民である。そうである以上、愚民化政策などという言葉自体が愚かなのだとも言える。

 確かに教養を与えないことで一部の人間、あるいは民族を丸ごと、ごく単純な労働しかできない愚民にすることで支配する、というのはありえる。その意味で愚民化政策は存在しうる。
 
 だが、愚民化政策という言葉の裏に、教育すれば政治に関しても適切な意見を持つ正しい民主制市民が出来るという考えがあるとすれば、それは間違いだ。教育すれば適切な市民が出来るというのなら、トンデモ医療もトンデモ健康法もトンデモ美食生活も存在しないはずだが、現実はそうではない。
 
 
 

やつらの皮を剥ぎ、太鼓をつくれ

 
 ∧∧
(‥ )安保法案が通ると
\‐  徴兵制がくるぞー!
    という煽り文句
 
  (‥ )民主国家なら本来
      国民皆兵
      徴兵制は
      当たり前のはず
      なんだけどね
 
 例えばギリシャの哲学者ソクラテスは母国アテナイとスパルタが覇権を争ったペロポネソス戦争に従軍している。デリウムの戦いでは敗北して潰走するアテナイ軍のしんがりにおり、逃げつつもなお、敵に対処したとプラトンに讃えられている。全員が兵士であるは民主制の根幹ぞ。
 
 ∧∧
( ‥)フランス革命の時は
    国王に非礼を働く
    政府が気に入らずに
    サボタージュする貴族に
    対して
    市民兵大動員
    大量突撃
    王国軍を一方的に蹂躙
    みたいな例もありますか
 
  ( ‥)そもそも日本の歴史だって
    ‐/ 軍人貴族の武士の反乱を
       まがいなりにも
       市民軍というか
       農民軍で押さえ込んで
       明治になるわけだよな
 
 本来、民主主義は国民皆兵、徴兵制、全員が兵士であり凶暴な軍事国家。これこそがデモクラシー。民主制とは血に飢えた殺戮兵器とみなすべし。
 
 ∧∧
(‥ )...のはずなんだけども
\‐  まるで徴兵制が反民主制の
    ような扱いですかね?
    なにゆえですかね?
 
  (‥ )日本は外国の圧力に
      危機感を抱いた
      上の階級が自ら
      民主制と徴兵制を
      導入したせいなのかな?
      そのせいで
      兵役が本来民主制の
      根幹なのだという意識が
      ひどく欠けているのかな?
 
 だもんだから、上流階級たちは国民に愚民化政策をしき、愚かな国民が真っ先に戦場へいってくれれば良いと思っているのだ、そういう頭でっかちな揶揄がまかり通ったりするのであろうか?
 
 ∧∧
( ‥)本来の民主制なら
    率先して真っ先に戦場へ
    いかないような人間をこそ
    皆が裏切り者とののしり
    リンチするでしょう
 
  (‥ )...のはずなのに
      お上は下々を愚民政策で
      戦場へ送ろうとしている
      こういう陰謀論が
      まかり通るのはなぜだ?
      水戸黄門の見過ぎかな?
 
 貴族は俺たちを良い様に使おうとしている、ではなく、
 
 俺たちと同じ戦列に立たない貴族はその顔の皮を剥げ! 剥いだ背中で太鼓を作れ、皮と手足の旗を掲げて突撃だ!
 
 とならねばならぬ。

 そうならないところが、日本が非民主的である証拠と言うべきか。
 
 ∧∧
(‥ )でもまああれですよね
\‐  民主主義も終わりかかって
    いますからね
 
  (‥ )今時、徴兵制と
      言われてもな
      一体全体何をするのだよ
      という話だからな
      プロの軍人の世界で
      徴兵制が必要ない
      だったら民主制が
      存続する必然性も
      無いからな
 
 徴兵制が来るぞ、と脅すよりも、
 
 徴兵制の必要性がないのだから、民主制はもう終わりだよねー
 
 そう考えるべきはずなのだが、どうも世の中、そうは思わないようである。
 
 
 
 

 

2015年7月11日土曜日

奥ゆかしい表現を

 
 ∧∧
(‥ )軍艦島の世界遺産への
\‐  登録に際し
    朝鮮人の強制徴用と
    受け取られる単語が
    使用された
    これは現実的ではないし
    韓国などに
    政治的に利用される
    こんな墓穴を掘る
    外交をする外務省は
    勉強しかできない
    バカ無能集団だという
    評価が広まってますね
 
  (‥ )国内向けには
      玉虫色の表現で
      問題ないかもだけど
      国際的な英語で
      発信する時は
      お抱えイギリス人を
      雇った方が良いのかもな
 
 
 ∧∧
( ‥)イギリス英語は底意地が
    悪いから?
 
  (‥ )あの英語は表現が
      奥ゆかしいのですよ
      日本語を訳すなら
      イギリス英語でしょ
 
 
 確かに世の中には、翻訳する時に文章を直訳してしまう馬鹿がごろごろいるんである。それを防止したくば安全策を取るべきだろう。
 
 ∧∧
(‥ )直訳が当たり前なんだ!
\‐  と怒る人が山のように
    いるだろうけどね
 
  (‥ )だからイギリス英語だべ
      あいつら誠意を込めた
      弔文で
      ばーかばーか死ね死ね
      ぺっぺっ、みたいなこと
      言いよるからな
 
 
 

2015年7月10日 西空の金星と木星

 
 何日も降り続いた雨はようやく上がり、昨日、10日はひさしぶりの晴れ間であった。
 

 










 
そして夕方には西空に金星と木星が並ぶ。左の明るいのが金星。右のやや暗いのが木星。画面左上に見えるのは、多分、しし座の一等星レグルス。日付は変わってしまったのだけどもアップしておこう。
 
 
 ∧∧
(‥ )この後、雲がかかったり
\‐  したから
    いて座の新星は見れなかったね
 
  (‥ )梅雨時だからなあ
      なかなかこの季節は
      星の観察が難しい
 
 




2015年7月10日金曜日

合理主義とは非合理の極みである

 
 ∧∧
( ‥)ぶっちゃけた話
 
  ( ‥)物事を合理的に考える
    ‐/ これは典型的な馬鹿の
       発想でな
 
 合理的に考えると、これは駄目だ、こうでなければいけない、そういう考えにいたる。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれだとただの
\‐  現実否定になってしまう
 
  (‥ )合理主義者は現実を
      否定し批判して
      ドヤ顔するけど
      それゆえに現実の操作に
      失敗する
      合理主義者が文句ばかりの
      口先人間になるのは
      これが原因だろ?
 
 
 これを典型的な馬鹿と言わずして、なんという?
 
 ∧∧
(‥ )発想が合理的であること自体は
\‐  問題ないんだけどね
 
  (‥ )というか
      合理であるかどうかは
      どうでも良いことだと
      言うべきだろうなあ
 
 
 重要なのは現実を説明できるモデルを考えだせるかどうかにかかっている。現実を説明できるモデルがないと天気予報ができないように、モデルが適切でないと現実を操作できなくなる。これでは合理も非合理も関係ない。
 
 ∧∧
( ‥)合理主義だから現実の
    改良をめざすのに
    適切なモデルがないから
    現実を操作できず
    現実を否定することしか
    できなくなってしまう
 
  ( ‥)合理主義者の演説を聞くと
    ‐/ 言っていることは
       正しいように
       聞こえるのに
       なんか変だな? と
       感じるのは
       そのせいだろうな

 

 端的にいうと合理的な意見は聞くに値しない。
 
 合理的であれば良いのだ、というのがそもそも誤謬なのだ。何かが合理的であるということと、モデルが現実を説明できるかどうかはまったくの別物である。別物なのに二つを混同するから動作が破綻する。
 
 
 ∧∧
(‥ )世界を変えたければ
\‐  自分を変えろってやつですかね
 
  (‥ )こう言われると
      合理主義者は怒るだろ?
      なぜって自分の合理性と
      現実を説明するモデルとを
      混同しているからだ
      モデルが適切でないと
      操作できないでしょ? と
      言われているのに
      区別できないから自分の
      動機を否定されていると
      勘違いしてしまう

 
 
 世界を変えたければ自分を変えろ。そういう言い訳がまかり通るから世界がこんな世界のままなのだ。合理主義者って奴らはいつもすねた口調でそう言う。
 
 だがそこにすでに誤謬がある。彼は世界を説明する適切なモデルをもたない。彼が持つのは彼だけが信じる合理性という粗末なモデルである。合理主義者に出来るのは世界を非合理に呪うことだけだ。
 
 ∧∧
(‥ )合理主義というわりには
\‐  行動が非合理だと?
 
 (‥ )合理性にこだわること自体が
     非合理の極みってことだろ?
 
 
 そもそも合理性は理にかなうということだけども、理が正しいかどうかについて、理は保証を与えてくれない。これが正しいという思い込みがあるだけである。合理性は合理性の合理性自体を保証してくれない。そんなものにこだわる時点で、非合理の極みであること明らかである。
 
 ようするになんのこっちゃない、合理主義者というのは狂人だ。
 
 しかもこの狂気、なにがいけないって、つまらないことにある。
 
 
 ∧∧
( ‥)そりゃ合理的ですからね
   
  (‥ )真面目っていうのは
      罪なんよ
 
 
 
 

平均値の世界において努力は実在しない

 
 
 他人より仕事を早く終わらせると仕事を押しつけられる。
 
 ∧∧
(‥ )それは損だから他人が
\‐  仕事を終えるまで待つ
 
  (‥ )そうなるとだらだら
      残業して
      全員で一斉に帰る
      という行動が最善になる
 
 ∧∧
(‥ )でもそんな非効率的な
\‐  ことをしていたら
    会社は駄目になって
    しまうだろう
 
  (‥ )だとしたらあれだな
      全員がさぼっても
      効率が最大になるように
      するしかないなあ
 
 つまり、賃金を払ってはいけないし、休日を与えてもいけない。当たり前だ。全員がさぼっているのだから。そうしないと効率が最大になりえない。
 
 ∧∧
( ‥)それがブラック企業ですか
 
  ( ‥)そういう力学が
    ‐/ 働いている可能性も
       あるなあ
       もちろん別の力学が
       働いている場合も
       あるだろう
       単に人件費を圧縮する
       だけでもあれらは
       発生する
 
 ともあれ、この問題を打開するとしたら、仕事を早く終えたものにそれ以上の仕事を与えてはいけないし、仕事を出来る人間に無償で物事を頼んではいけない。必ず数万、10万単位で報酬を与えるべきである。
 
 ∧∧
(‥ )それをしない限り
\‐  ブラック企業は無くならないし
    無駄な残業もなくならない?
 
  (‥ )多分ね
      ただしこれはあくまで
      以上の前提に沿った場合に
      起こりうることで
      この前提なりモデルなりが
      正しいのかどうかは
      未知数であるな
 
 
 だが、他人よりも何かが出来るというのを皆に明かしてしまうこと、これが非常に危険であることは確実だ。

 そんなことをしたが最後、タダでやってくれよと能無しどもが、ぞろぞろわんさか集まってくる。

 連中は支払いをしないで他人を使いつぶす気まんまんである。一般人の多くは収入と支出とか、そういうことをまったく計算しない世界にすんでいる。家計簿だって、中途半端な存在でしかない。家計簿には収入はあっても、その収入のための投資や原価や必要経費が計上されていない。
 
 これゆえ、一般人はわずかな収入でさえも、それを得るには大変な投資が必要であるということを全然理解できない。だからいかに悪気がなかろうが、行動それ自体は寄生虫と同じになるのだ。寄生虫は駆除されねばならない。
 
 ∧∧
(‥ )仕事ができる人に
\‐  ちゃんと報酬を...ですね
    これを常識として
    固定する必要がある
 
  (‥ )というかだな
      人に頼み事をして
      報酬を支払わない人間には
      制裁を加えるという
      リンチシステムを
      導入するべきだろうな

 
 道徳の本質は相互監視と集団報復システムにある。報酬を支払わない人間には何をしても良い、そういう常識を蔓延させるべきだろう。
 
 言い換えればこういう仕組みがこれまでなかったことがむしろ不思議である。
 
 ∧∧
( ‥)なんで人に頼み事をする時
    お金を払わないでも良いでしょ
    という仕組みになって
    いるのでしょうね?
 
  (‥ )親しき仲にも礼儀あり
      とは言うのだがな
      それなのに
      なんでだろうね?
      日本は馬鹿でも
      頑張ったふりをすると
      賃金があがるという時代が
      1世代以上続いたけど
      そういうのはこれに関して
      悪い影響を与えていたり
      するのかな?
 
 その通り、と断言するのは容易であるが、実際のところはよく分からない。
 
 ∧∧
(‥ )
\‐   あなたは頑張る人を
     まったく評価しないよね
 
  (‥ )いつもの話よ
      頑張ることを金科玉条に
      していた奴の働きぶりは
      俺と変わらなかったのでな
      それにだ
      そもそも人間の労働力は
      そのほとんどが
      原理的に平均値だろ?
 
 平均値の世界において、頑張ったとか努力したとか、そんなたわ言、どうでも良いのである。そんなものは実在しないのと同じだ。
 
 
 

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