サイエンスに載ったラミドゥス猿人の骨格。へーーー、きれいだねえ。足の骨なんか萌え萌えだ。まあそんなことはともかくとして、二足歩行をする古代人類というか我々につながる系譜の古代種、
こんな発見を前にして自称、在野の研究者、サイコなDr.北村(仮称)が次のようにいったとする。
ラミドゥスが直立で二足歩行をしたって? そんなことはないっぺや。歴史の教科書をちゃんと読んだことあっか? 人間は最初は前屈みだったずら。テナガザルがへこへこ歩くとこから始まったずら。ラミドゥスもきっと前屈みに違いねえ。復元を間違えたか、さもなきゃ時代を間違えたずら(*つまり彼はラミドゥスがもっと新しい時代のものである、という解釈をしている)
さて。Dr.北村の言っていることは妥当だろうか?
∧∧
( ‥)それは”人類の直立二足歩行は歩き始めてじょじょに獲得された”
そういう仮説に基づいている解釈ですよね?
ちっとも妥当じゃないですね。
(‥ )だが、Dr.北村は次にこういうのだ。
初期の人類が直立二足歩行をしていたと考えている人も、そういう仮説に基づいて見ているだけだっぺや。つまり、どっちも同じ立場なはずだ。
∧∧
( ‥)まあ、言っていることの半分は正しいですね
(‥ )まあそうねえ、半分は正しいねえ。
人間が仮説を通して現象を解釈しているということに関しては正しい。
∧∧
( ‥)でも、残りは妥当じゃないですね。
(‥ )そうねえ、サイコな研究者、Dr.北村(仮称)の主張は
まっとうな研究者からは無視されるだろうなあ。
つまりようするに手元に仮説がある、現実を説明できる仮説である、仮説を通して解釈している、それだけでは妥当な仮説と妥当でない仮説は識別できない。ではどこで識別するのだろう?
∧∧
( ‥)それは裏を返せば研究者は識別する能力なり基準なりを
持っているということですね。
(‥ )それを適切に説明できるようにならないと
僕らは科学者の思考やロジックを理解できないし、
彼らの主張の正当性や妥当性を判断できないわけさ。
さてさて諸君、どう識別するね? そして識別それ自体の正当性と妥当性はどう示せばいいだろう?
さて
それはそれとしても、まだ読んでないけども、ラミドゥス猿人の論文はどうも二足歩行の起源や排卵の不明瞭化、犬歯の小型化を性淘汰で説明する論文でもあるらしい。なるほど、そうですか。
∧∧
( ‥)人間の言語能力も性淘汰で出来たのでは?という
仮説もあるみたいですよね。
( ‥)昨今の知見も当然として、
-□ ダーウィンの本もまた読み直さなくては。
150年たったとしても、結局は元ネタあの人だしね。「人間の進化と性淘汰」は著者、訳者その他の注釈、脚注、解説も含めて一回読んだだけで理解しきれるものではないだでなあ。
∧∧
( ‥)それにしてもダーウィンの性淘汰を理解してから
まだ30年ぐらいしかたっていないんでしょ?
(‥ )逆にいうと現在の研究者(集団)は
たいしたもんだとも言えるな。
30年でダーウィンを凌駕する力があったんだから。