オレ様理論。こんなものは世の中に満ちている。本屋にいけばそんなことはすぐ分かる。もちろん、そんな理論のほとんどすべて、一切合切が結局、ゴミで始まり、そしてゴミくずで終わるわけだけども。
オレ様理論。これをオレ様鳥進化論というごく狭いジャンルに限定してもいくらだってある。bcf理論だってそうだし、そもそもハイルマンがそうだったし、教授だってそうだ。ポールの魅力的なアイデアもそうだし、ちょっと鳥の進化に興味のある連中だったら多かれ少なかれ考えるもんだ。内容は色々。教科書にほとんど近いものから、どうにもならないゴミまで色々あるのはただの現実。
ともあれ、こういったオレ様鳥進化論には共通する欠点が幾つかあって、例えば
∧∧
( ‥)データのチョイスが恣意的?
(‥ )平たくいっちまえばそうだな。
ようするに使える膨大なデータのうち、ごくごく少数しか使っていない。この原因は教科書を読まないとか論文を見ないとか、あるいは科学って何? という問題意識の欠如もあるんだけども、実のところ最大の原因は
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( ‥)観察力の欠如ですか
( ‥)本や論文を読めばかなり是正できる
-□ はずなんだけどねえ。
研究者ってのは元来、すぐれた連中を選抜し、訓練したいわば叩き上げのエリート集団なんだよね。それが1世紀以上かけてきたデータの蓄積は冗談みたいなものがあるわけで、それを利用しないでどうするんだか。
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( ‥)言い換えればそれをどう扱うかですね
(‥ )”しゃぶりつくしてしまった”と言われくらい使い切った
そういう分野もあるけども、鳥の進化ではまだまだ。
例えばウネンラギアと始祖鳥とシノルニソサウルスの坐骨を見て、何とも思わないわけ? と個人的には思う。坐骨って骨だけでも相当なデータがあるわけで、恣意的にデータを使っていると、坐骨一個で足下を覆されかねない。これに恥骨、腸骨、尾椎、前関節突起、後関節突起、以下うんぬんと続くわけだから、そりゃあねえ、戦況は圧倒的に不利になるでしょうよ。
( ‥)ダーウィン曰く、ひとつの特徴に頼った体系は
必ず挫折するのだ。
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( ‥)無視したデータに破壊されると。
でっ思った。オレ様鳥進化論を考えている人と話すと、どうしてその形質が重要なんですか!! と喰ってかかってくるやつがいる。
なにいっとるんだこいつは? データを重み付けなしで一番整合性がとれる状態を再現した時に結果的にこれが残りましたと言っているだろうに、と違和感を持っていたのだけども。
(‥ )あれってこうだな。自分が恣意的にデータを発見したから
相手も恣意的に発見したと思っているんじゃなかろうか?
∧∧
( ‥)はあ、そんなもんですかね?
データを総合的に解析して、一番適切なグラフを発見する。そういう科学の手続きを踏まないということは、手段不明な方法でデータを処理したことを示す。それはおそらく直感的に一部のデータだけをチョイスしたことを示すが、それは結果的に”過剰な重み付け”になっている。
自分が過剰な重み付けをしているから、だから相手も過剰な重み付けをしている。
そう解釈しているんじゃなかろうか。