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2009年10月26日月曜日

ダーウィンと集団遺伝学

 
 先日は神奈川県立川崎図書館でダーウィンの話をすることになったのだけども。

 ∧∧
( ‥)工業暗化の説明はあれで十分でしたかね?

     (‥ )産業革命、ばい煙、黒いガの増大、選択圧、
         これらは一応は話したけどねえ。

 ”工業暗化はダーウィンのアイデアを支持すると誤解されてきた間違った例だ、という誤解”が広がっているからそこんところは気をつけてね、という話は余計だったかもしれない。
*ちなみにこれは根深い誤解で、以前、「パリティ」で”あれが誤解であったように”、という引用がされていた。


 今度、こういう機会があるとしたら工業暗化などをもう少し具体的に説明することにしよう。

     ( ‥)基礎の部分はついついはしょっちゃうんだよね。
 ∧∧
( ‥)皆さんがみんな、十分に知っているとは限りませんし

 あと、しくじったのは集団遺伝学の説明で、創始者効果と浮動の話をごっちゃにしちゃったことで。

 ∧∧
( ‥)しっかりしてくださいよ

     (;— —)はいはい

 でもそれ以上にしくじったなあ、と思ったのは、ネコの毛皮の話をしたんだから中立遺伝とダーウィンの考えをもう少し軸にした話せばよかったなーと。

 ∧∧
( ‥)ネコの毛皮の多型は中立というよりは
    人間の好みが一様でないからだと
    思いますけどね。

     (‥ )まあ、それでも原種のリビアヤマネコよりは
         えらいこっちゃになっているわけだから。

 ともあれ、もう少し発展出来る話ではなかったか? ウォレスとダーウィンの性淘汰をめぐる議論もそうだったけど(クローニン曰く、この点に関するウォレスの説明は全然駄目です、のくだりに相当)、むしろ考えるべきは

 ∧∧
( ‥)淘汰がゆるむと形質がばらける。そこから必然的に
    導き出されたらしいダーウィンの理屈の展開ですね。

     (‥ )彼のパンジェネシス仮説を見ると、もしかしたら
         確率的な浮動で形質が固定するという理解まで
         あともう一歩だったんじゃないかと思えたけども。

 ダーウィンが退化の説明においては用不用説の残滓を残したのも以上もろもろのせいじゃないかと思えるし、集団遺伝学的な理解にどうやって近づいたのか、反対にいえばなぜたどり着けなかったのか。

 ∧∧
( ‥)それが課題だと。

     ( ‥)「ダーウィン種の起源を読む」ではとても処理できないから
       -□  その部分は全部棚上げってことにしたんだが。

 さてさて


 

    

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