自己紹介

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2014年6月30日月曜日

ボール蹴る場所ないじゃんよ

 
 ∧∧
(‥ )そういえばワールドカップ
\‐  日本は負けちゃったのだよね
 
  (‥ )なんかそうみたいだな
 
 ある日、googleのロゴはワールドカップ仕様になり、なんとなくネットをぶらぶらするだけで、こうすれば勝てたはずだ、という計画の提案や分析に出くわす。こうしてテレビを持っていなくても、イベントの発生やその結末を否が応でも知らされることになる。
 
 ∧∧
( ‥)負けてしまった後で
    計画、提案ですか
 
  ( ‥)計画で勝とうとする時点で
    ‐□ そうとう
      分が悪いのだけどね
 
 こうすれば大丈夫。この手の計画がうまくいかないこと、あるいはそう言った時点で状況がすでに危機的であること、これは誰もが〆切間際に感じることだ。

 ∧∧
(‥ )戦いは数と体力と
\‐  蓄積である
 
  (‥ )数と体力と蓄積において
      勝った者が勝つ
      これが道理だとすれば
      計画で勝つというのは
      分が悪い証拠
      これもまた道理だろうな
 
 ∧∧
( ‥)日本のサッカーは
    これからですかね
 
  ( ‥)一番重要なのは
    ‐□ 数だろうね
      蓄積は時間が
      体力は若さが
      解決してくれるからね
 
 それを考えると、子供たちがサッカーをする場所が一体どれだけ、どこにあるのか? 問題はむしろここなんだろう。

 
 
 

別の鏡が必要だ

 
 「銀河英雄伝説」という大ヒットした小説がある
 
 当初存在した銀河連邦は途中で独裁者が出現し、銀河帝国となった。これに反旗を翻した共和主義者たちが建国した自由惑星連合と帝国の戦争、帝国における王朝の交代、新王朝の開祖による連合の征服と銀河統一で終わる物語。
 
 ∧∧
(‥ )この小説の中に非常に
\‐  奇妙な設定が出てくると
 
  (‥ )まあ、小説は物語のための
      ご都合主義だからな
      それ自体は当然なんだが
      面白い部分でね
 
 銀河連邦を帝国に変えた独裁者が、劣悪な遺伝子を排除する法律を制定した、そういう歴史がこの小説では描かれる。
 
 ∧∧
( ‥)いわゆる優生学だね
    優秀な遺伝子を残し
    有害な遺伝子を持つものを
    排除しよう
    そのために断種や安楽死まで
    含めた手段を用いるという
 
  ( ‥)まあ、人間の品種改良だね
    ‐□ 
 
 これ真面目に論ずると、非常にちんちくりんな設定なんである。
 
 ∧∧
( ‥)なんでかというと
    遺伝学の見地からすれば
    ”劣悪な遺伝子”を排除したって
    何の意味も無いよ
    ということがすでに
    明らかになっている

 
  (‥ )例えば”劣悪な遺伝子”
      とは一体何か?
      という問題だな
 
 これは定義の問題に限らない。遺伝子は生物が持つ特徴なり行動なりを司るが、別にひとつの遺伝子がひとつの特徴を司っているわけではない。
 
 ∧∧
(‥ )有害とされる遺伝子が
\‐  他の必要な特徴を
    支配している可能性
 
  (‥ )そういうのを
      切り捨てたらどうなるか?
      何が起こるか分からない
      あるいは反対に
      ”優秀な遺伝子”だけを
      集めたら一体どうなって
      しまうのか
      これも何が起こるか
      分からない
 
 有害なものを切り捨てているつもりで必要な箇所も切り捨てているかもしれない。あるいは優秀なものを集めているつもりで、状況がむしろ悪化することもある。
 
 あるいはこう
 
 ∧∧
( ‥)以上を無視して
    主観的に”有害な遺伝子”を
    排除するとしましょうか
 
  (‥ )どうやってするの?
      という話になるのだよね
 
 例えば血液型で考えてみよう。血液型は赤血球の表面にある物質の違いで分けられる。A型、B型がそれぞれAタイプの糖鎖、Bタイプの糖鎖を持つのに対して、O型はそもそもその部位を持たない。つまりオーというよりはむしろゼロである。
 
 ∧∧
(‥ )だから遺伝子型AAの人と
\‐  遺伝子型OOの人が結婚すると
    産まれる子供の遺伝型はAO
    となる
 
  (‥ )タイプAの糖鎖を作る
      遺伝子がある以上
      子供の血液型は必然
      A型になる
 
 つまり、この場合、Oの遺伝子はA型に覆い隠されることになる。これは相手がB型でも同様だ。
 
 さて、ここで仮にO型の血液型にだけ致命的な効果を与える架空の病気がご都合主義的に発生したとする
 
 ∧∧
( ‥)O型の人がばたばたと死ぬ
    でもO型の遺伝子は
    そのまま残るのだよね
 
  (‥ )AOやBOの形で残るのだ
 
 もちろん、AOやBOの人同士が結婚すればO型の血液型が生まれてくるし、以上の架空の病気によって死ぬことになろう。しかし、そうしてO型の遺伝子が減れば減るほど、O型が産まれる確率は減る。
 
 ∧∧
(‥ )つまり覆い隠された遺伝子は
\‐  最初は急激に減るが
    減れば減るほど
    減りの速度が遅くなる
 
  (‥ )つまりだ、有害な遺伝子を
      排除するって鼻息荒く
      息巻いたって
      そんなこと
      出来る訳ないじゃん
      ということになるんだよな
 
 そしてさらにこれを踏まえれば、理解は核心へと及ぶ事になる。
 
 以上のように、遺伝子には覆い隠されて潜在化しているものがある。そもそも”有害な遺伝子”とされるものも、たまたまペアになったから表立って見えるようになっただけなのだ。だとしたら、”有害な遺伝子”とやらは数こそ少ないが必ずあるものだ、ということになる。
 
 ∧∧
( ‥)そして人間は個体として見た時、
    何かを司る遺伝子を
    大量に持っている
 
  (‥ )ひとつの遺伝子に
      限って言えば
      個人が有害な遺伝子を
      潜在的に保有している
      確率は低いのだ
      だが、人間はそもそも
      大量の遺伝子を持っている
      だとしたら
      1個人が持つ
      複数の遺伝子の中に
      有害なものがある可能性は
      非常に高くなる
 
 実際、死産などが、潜在化していた”有害な遺伝子”が発現した効果であると考えた場合
 
 ∧∧
(‥ )計算してみると
\‐  人間は誰しも何かしら
    有害な遺伝子を持っている
    これが明らかとなった
 
  (‥ )優生学は、これで
      ぽしゃったんだよな
 
 定義も分からん、意味も分からん、効果は予測不可能、技術的に無理、そもそも劣悪な遺伝子を排除するって言ったら、あなたも私も僕ら全員該当者でしょ、全員持っているんだから
 
 これでは優生学が成り立たないのは当たり前。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  冒頭で紹介した小説において
    未来世界である銀河帝国で
    優生学が猛威をふるうってのは
    ナンセンスなのですよね
 
  (‥ )まあ、ナチスがやった
      障害を持つ乳幼児の
      組織的な安楽死
      あれをパロディ化したもの
      なんだろうな
 
 非常に意地悪な言い方をすれば、優生学にとどめをさしたのは人権意識ではなく、遺伝学と現実だったと言える。それでも人権意識というものに効果があるとすれば、以上のような理屈が分からなくても、無意味なことをあらかじめ禁止出来ることにあるのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)間違ったり、説明能力がない
    そんな仮説であっても
    役立つことはある
 
  ( ‥)ましてや小説だからね
    ‐□ 独裁者はこんな恐ろしい
      ことをしますよ
      それを漫画的に描ければ
      それで充分なわけだよ
      民主主義と権利を
      手放してはいけないよ
      そう主張できれば
      ナンセンスでもなんでも
      設定としてはありだろうな

 
 とはいえ、ここで気がついてしまうことがある
 
 現実世界においては以上のようにして優生学はすたれたが、これ、実は非常に奇妙なことなのだ。
 
 なぜって、優生学的に子供たちを処分する時、そこにあった大義名分のひとつが、障害者を養う経費を節約できる、というものだったからだ。
 
 ∧∧
( ‥)つまり、全員が有害遺伝子を
    持つ事が分かっても
    経費節約こそが本当の
    動機であるのなら
    安楽死を続けるはずだと
 
  (‥ )少なくともだ
      経費削減が本当の目的なら
      全員が有害遺伝子を持つ
      と分かったところで
      躊躇はしないよね
 
 これ、むしろこういうことを示していないか?
 
 経費削減など口実にすぎなかったと。
 
 本当はこうだったのではないか?
 
 自分の気に入らないものを抹殺したい、それだけであったと
 
 ∧∧
(‥ )確かに当然のことなんだよね
\‐  優生学は人間自身の品種改良
    人間自身のペット化
    なのだからね
 
  (‥ )そうであれば当然
      気に食わないを殺し
      お気に入りを
      残す事になる
      単純に言えば理想主義者
      なんだよな
 
 もっともらしい理屈はこねるが、実際には、気に入らないものを殺したい、ただそれだけではなかったか?
 
 そしてこうなると、これはもはや品種改良ですらない。
 
 優生学を信奉した人々が、”あなたの言う気に入らないものって、理屈の上ではあなた自身も該当するよ? どうするの?”という遺伝学の指摘にひるんでしまったとは、そういうことではなかったか。
 
 ∧∧
( ‥)理想主義者は
    自分にとっていやなものを
    殺したいだけである
    
  ( ‥)いかれた潔癖性だとも
    ‐□ 言えるよな
      ピーマンが嫌いだから
      ピーマン農家は
      皆殺しにすべし
      そう主張するような
      ものだからね
 
 考えてみれば、理想主義者というのはどいつもこいつもそうであった。
 
 そして、それはすでに指摘されていることでもあった。
 
 例えば、エロ漫画を規制しようとする人々は、なぜ実際に被害にあっている小さな子供たちや事実上の人身売買を規制しようとしないのか?
 
 それはまたすでに感づかれていることでもあった。
 
 エロ漫画は規制するのに、女の子を泥酔させてレイプすることはなぜ黙認されるのか?
 
 ∧∧
( ‥)エロ漫画は気に入らないから
    殺したい
    女の子をレイプするのは
    合法だから問題ない
    規制派の人々が持つ
    そういう世界観が
    あからさまであると
 
  (‥ )すでに分かっている
      ことではあった
      だがこの認識をまず
      開始点としなければ
      ならない
 
 =>hilihiliのhilihili: これが理解のスタート地点でしょう
 

理想主義者は殺したいから殺すだけである
理想主義者にとってエロ漫画は汚らわしいから殺したいだけである
理想主義者にとって子供の人権が教育が、というのは口実にすぎない
殺すために口実があるのだ 口実があるから殺すのではない
そもそも理想というものはそういうものだ
殺したいから殺す それこそが理想である
 
 ∧∧
(‥ )優生学主義者たちは
\‐  自分たち自身が
    殺したい相手であることを
    遺伝学に思い知らされて
    経費削減とかいう口実を
    放り出して逃げ出した
 
  (‥ )鏡で自分自身を
      見せつけられて
      奴らは逃げ出したのだ
      考えてみればさ
      エロ漫画の規制派にも
      同じ攻撃をしかけた人が
      すでにいるんだよね
 
 エロ漫画規制派の議員が女の子を買ってセックス三昧であった。これはいかなることか?
 
 この攻撃と指摘は正しい。問題はである。彼ら理想主義者にとっては、買春もレイプも恥ではなかったし、合法だったという点だ。
 
 ∧∧
( ‥)買春とかレイプとか
    さらには人身売買でさえも
    エロ漫画規制派にとって
    ダメージにならないと
 
  ( ‥)子供を殺したナチスと
    ‐□ 違って
      彼らには別の鏡を
      見せないと駄目だって
      ことだろうな
 
 彼ら自身が本当にいやがるその姿を見せてやらないと駄目だ、そういうことだろう。
 
 そして、彼らが本当に嫌がる自分自身の醜い姿とは、果たしてなんだろうか? それこそが問題となる。
 
 
 
 
    

2014年6月29日日曜日

せいぜい文法思考と呼ぶべき

 
 論理というのは大雑把にいえば大前提から答えを導きだすことだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも論理自体は
    大前提の正しさについて
    語ることはできない
 
  (‥ )つまり論理というのは
      文法のようなもの
      なんだよな
      論理が結論の是非には
      沈黙するように
      文法もまた
      内容の是非は語らない
      事実、正しい文法でも
      嘘をつくことが出来るのだ

 
 つまりこうである。ロジカルシンキングとは文法思考であると。
 
 ∧∧
(‥ )文法思考というと
\‐  とたんにへたれた感じに
 
  (‥ )まあ、役立つことは
      役立つのだ
      文法がはちゃめちゃな
      説明をされると
      困るからね
 
 役立つことは役立つし、必要であることは間違いない。
 
 しかし、文法思考がビジネスの鍵です、と誇らし気に宣言されると、あなた何か勘違いしていませんか? そう尋ねたくなるものだ。
 
 ∧∧
( ‥)論理はあまり役に立たない
 
  ( ‥)最近、面白いなと
    ‐□ 思ったのがね
      ”虚数は存在しないけど
      役立つから使われている”
      そういう言動を何回か
      見た事だよな

 
 虚数。それは二乗するとマイナスになる数として想定された。数には正負があるが、同じ符号の数を掛け合わせるとかならず正の数になる。それを考えると二乗するとマイナスになる数とはまさにイマージナリ・ナンバー(imaginary number)。幻想の数でしかない。
 
 ∧∧
(‥ )実際、数学の歴史において
\‐  虚数は長い間
    存在しない架空の数
    だったのだよね
 
  (‥ )ところがガウスを含めて
      気づいた人が
      現れるのだよな
 
 正負の数は直線上にある

-1......0......1

1に−1を掛けると−1になる

−1に−1を掛けると1になる
 
つまりマイナスの数をかけた時、その数は、数の直線、つまり実数の直線上における位置が180度入れ替わる。
 
 ということは
 
 ∧∧
( ‥)ということは
    二乗倍、つまり
    2回掛けると
    マイナスになる虚数とは
    実数に対して90度の位置に
    あるはずだ
 
  (‥ )つまり実数を
      直線で表した時
      それに対して直角で
      なおかつ0を通る直線上に
      虚数は存在する
      一回掛けると90度旋回
      2回掛けると累積で
      180度旋回する
 

  |
  |
__0__
  |
  |
 
 つまりこういうことである。実数が横棒なら虚数はここで描かれた縦の直線上に存在する
 
 だとすると虚数と実数よりなる複素数は
 
 ∧∧
( ‥)実数と虚数が作る
    このいわば平面上の
    ベクトルである
    こうして虚数も複素数も
    存在する数であることが
    明らかとなった
 
  ( ‥)これが明らかとなったのは
    ‐□ 19世紀だった
      わけだけども
 
 今でもこれを知らない人がいて、今でも”虚数はその名の通り虚構の数であり、存在しないのだ”、そう信じ込んでいる人がいる。
 
 これ自体は、まあ、ダーウィンの進化論は間違っている、と思い込んでいる人たちが今でも大勢いることと同じなんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でもここでむしろ注目
    したいことはですよ
 
  (‥ )この論証の発端って
      明らかに論理的な
      ものじゃないよな?
 
 そもそも虚数はまず発明されて、それから実在が示されたのだ。これは要するに、虚数の発見もその論証も論理で導かれたものではない。そういうことだろう。
 
 というか、論理と演繹からなんでも導けるというのなら虚数は最初から論理的な帰結として出現しないといけないはずだ。
 
 ∧∧
(‥ )でも論理は文法でしかない
\‐  そう考えるのなら
    虚数が理路整然と
    出現しないのも
    存在の論証が発明より
    後だったことも
    うなづけますよね
 
  (‥ )論理を過剰に信奉して
      ロジカルシンキングなんて
      無駄に外来語を使って
      箔をつけるのがいかんのよ
      文法思考って、
      もっとしょもない呼び方を
      するべきだよね
 
 義務教育で習った事すら導出できない。それがご大層なロジカルシンキングやら論理や演繹というものの正体だ。
 
 あるいは意地悪な言い方をするとあれだろうか? 義務教育の内容すら把握できない人間が背伸びして手に入れたものがロジカルシンキングであると。しかし、そんなもの、会社内部の地位や能力の誇示には役立つかもしれないが、義務教育の内容にすら届かないのである。
 
 ∧∧
(‥ )社会は学校とは違う
\‐  そういう反論が出てきそう
    ですけどもね
 
  (‥ )そういうところが
      チンピラだって
      言うのだよ
      会社には会社の戦いがある
      それが義務教育以下でも
      必要であれば
      私は躊躇無くそれを使う
      最初からそう言えば良い
 
 これはhilihiliのhilihili: 真理を論理的に追求するとは、必然、中高生以下のトンデモの続き
 
 


2014年6月28日土曜日

真理を論理的に追求するとは、必然、中高生以下のトンデモ

 
 ∧∧
(‥ )トンデモとかニセ科学
\‐  インチキ医療に引っかかる人は
    統計を理解しないと
 
  (‥ )すばらしい
      多分、論理的に物を
      考えているのだろうな

 
 *論理では因果関係を論証できないどころか、原因を指し示すことすらできない。一方、因果関係の推論には統計とか確率の話が必要だ。ということは、トンデモさんたちは論理的に物を考えているんじゃねーの? という意味
 
 ∧∧
( ‥)論理的に考えれば
    真理に至る
    プラトンさん以来の
    伝統的な考えだよね
 
  ( ‥)2000年以上前の
    ‐□ プラトンがなぜ今も
      偉大なのか?
      それは論理的に物事を
      考えて到達できる限界が
      あのあたりだからだろうね
 
 みんな教科書を読めばいいのに、それをしないで一生懸命に自分の脳で考えて、そうして走った先にプラトンがいるから、すげー、と感嘆する、そんなところではなかろうか?
 
 見上げた努力ではあるが、まったくゴミかすだ。
 
 プラトンが数学こそ真理に至る道と主張した事を考慮して、さらに意地悪な言い方をするのならば、彼ら古代ギリシャ哲学者たちの限界はユークリッドであったと言える。そしてユークリッドの原論には0もマイナスも虚数も無いから二次方程式を不完全にしか解けない。
 
 ∧∧
( ‥)0や虚数やマイナスは
    論理的な思考で
    出てくるものだっただろうか?
 
  ( ‥)おそらく否、だろうな
    ‐□
 
 もしも論理と演繹で0やマイナスや虚数が出てくると言うのなら、ではなぜ古代ギリシャ数学はそれらを生み出せなかったのか? それを問う事になるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )確率って概念も
\‐  新しいものだよね
 
  (‥ )古代ギリシャでも
      運という考えがあるけどね
      近代以降のようなものでは
      ないよなあ
 
 これはひどく浮世離れした話に聞こえるが、意外と深刻な話ではないかと思う。
 
 :この世界には論理的に物事を考えれば真理に近づけると思っている人が昔から連綿といる
 
 :しかし、論理は因果関係を扱えない
 
 :だとしたら、統計的に有意でないインチキ医療やトンデモ科学にそうした人々がひっかかるのは必然である
 
 ∧∧
( ‥)真理を追求する人は
    論理的に考えるがゆえに
    インチキ科学にひっかかる?
 
  (‥ )まあ、そういうことだと
      思うけどもな
      実際、連中は
      無駄に頑固で意固地だろ?
 
 これは実に面白いことだ。
 
 しかし忘れてはならぬ。ユークリッドの原論では二次方程式さえも完全に解けないし、分度器を作ることすらできないということ。古代ギリシャは結局、0もマイナスも虚数も生み出せなかったこと。その意味において古代の哲学者たちは現在の中高生にさえも劣ること。ロジカルシンキングなど、愚劣で先のない、とっくに見捨てられた袋小路であること。これらを忘れてはならぬ。
 
 ∧∧
( ‥)そして今でも
    阿呆みたいなインチキ医療に
    ひっかかって
    これを真理と信奉する
    人々がいること
 
  (‥ )実に素晴らしい
      すべてが整合的ではないか
 
 論理的に真理を追求しようとするのだもの、そりゃあ中高生でも分かるよな馬鹿理論にたやすく引っかかるのは当然。
 
 

これが理解のスタート地点でしょう

 
 女子大生を酒と薬で泥酔させて同意の無いセックスをするのは許されるのに、エロ漫画が規制されるのはおかしいではないか。
 
 hilihiliのhilihili: そのレイプは犯罪ではなく、そして排除は確率の問題でもないの続き
 
 ∧∧
(‥ )という声があるけども
\‐
 
  (‥ )いや、先日、
      新宿コマ劇場前で起きた
      泥酔女子大生から
      得るべきことは
      そういうことでなくてだな
 
 ここから明らかなのは
 
:女の子を泥酔させて同意のないセックスに及ぶのは合法である
:エロ漫画は排除すべき違法存在である
 
 ∧∧
( ‥)社会は以上の二点に基づいて
    動作しているのである、と
 
  ( ‥)つまりまずこの事実認識が
    ‐□ 最初にあるべきなのだ
 
 
 女の子を泥酔させて犯すのは合法である、という主張は何事だ! と怒る人もいるだろうが、これは良い悪いの問題ではない。現実は事実としてそのように振る舞っているではないか、というだけの話。
 
 道徳や倫理に基づいて現実から眼をそらすのは正義感の強い人間にありがちな動作であるが、それは本末転倒と言うのだ。
 
 ∧∧
(‥ )もちろん、同意無しで
\‐  女性とセックスするのが
    絶えず合法であるわけでは
    ないですよね
 
  (‥ )女の子の自宅に侵入して
      レイプした犯人や
      小学生の女の子を
      犯しまくった
      犯人に対しては
      普通に、
      ”人権とか忘れて
      そいつ殺そーぜ”
      という話になるからな

 
 思うにやはり、現在ある人間関係の外からいきなり襲いかかる存在は、抹殺の対象となる、そういうことだろう。
 
 ∧∧
( ‥)被害の確率は非常に低いけど
    クマやサメが駆除の対象に
    なるようにね
 
  ( ‥)反対に、閉じた人間関係の
    ‐□ 内部で起こる事柄は
      自己責任ということに
      されがちだ
      そもそもそれ以前に
      他の人間関係の内部で
      起こる出来事は
      自分とは関係ないからな
 
 大学のサークルとコンパの内部でレイプが生じようが、なんだろうが、それはその内部の話で”しか”ない。そうである以上、サークルの外にいる人間たちからすれば危険や恐怖を共有出来ない、とも言える。
 
 そもそも、サークル(閉じた環)なのだから、そんな内輪の出来事なんか外部の人間からすれば知ったこっちゃないのは当然だ。
 
 実際、”女の子を泥酔させてレイプするのが認められて、エロ漫画は規制されるって、これはどういうことよ? おかしくね?”という表現自体がそれを物語っている。
 
 ∧∧
( ‥)”こういうレイプは見逃されて
    エロ漫画が規制対象になる”
    この疑問が共有されている


  (‥ )今回の事件において
      サークルの外にいる
      人間からすれば
      問題として共有できる
      部分はここだけだ
      とも言える
 
 もちろん、ここで話は戻る。
 
 この事件で明らかになったことは、サークル内部でレイプすることは合法であるが、エロ漫画は違法である、世間はそう考えている。そういうことであり、これは道徳だの倫理だの権利だの人権だのの問題ではなく、単なる事実である。

 ここが重要。
 
 ∧∧
(‥ )そしてやはり危機感とは
\‐  可能性の問題ではない
 
  (‥ )自分が巻き込まれるか
      どうか?
      問題になるのはそれだけだ
      そういうことだね
      確率の高い低いではない
 
 だからつまり、
 
 エロ漫画を読んでいる人間が性犯罪を犯す可能性ってほとんど無いでしょ?
 
 という反論は意味をなさないだろう、ということは分かる。
 
 ∧∧
( ‥)見方を変えれば
    エロ漫画の規制派は
    可能性とか確率とか
    因果関係の論証とか抜きに
    単に危険だ、という思いだけで
    行動しているだけだと
 
  (‥ )確率と関係ない排除
      これは
      因果関係の論証に
      基づいたものではない
      ことを示している
 
 因果関係の論証とは確率に基づいている。逆に言えば、その想いが確率と無縁の想いである場合、それは因果関係の話ではない、ということになる。
 
 つまり、エロ漫画の規制に理由はあっても、根拠は存在しないということになる。
 
 ∧∧
( ‥)規制派に根拠はない
 
  ( ‥)原理的にありえない
    ‐□ まず確実だな
 
 つまり、エロ漫画の規制派に根拠を示せ、と言っても無駄だということになる。そもそも彼らには根拠という概念が原理的に存在しないのだ。彼らはただ単に動作しているだけだ、それは以上のことから明らかだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもエロ漫画の規制とは
\‐  非常に危険であろうと
 
  (‥ )規制というのは
      理想状態を示す
      そういうことだね
 
 理想状態を示すとは、”理想状態で物事がうまく動くはずだ”、そういう信念なり、思いなり、予定なり、あるいは計画なり見通しがある、ということを示している。
 
 ∧∧
( ‥)つまりこれ、
    俺のプログラムにバグはない
    と言うようなものである
 
  (‥ )エロ漫画を規制しようと
      する一方で
      クールジャパンとか
      ほざきはじめるだろ?
      奇麗な部品だけで物事を
      構成すれば
      良いものだけが
      生産されるはずである
      こういう
      頭でっかちな発想は
      俺のプログラムに
      バグは無いと同一だよね


 ∧∧
(‥ )もちろん、こんなこと
\‐   うまくいくわけがない
 
  (‥ )理想的に誤謬無く動く計画
      そんなもの
      理論的にありえないからな
      うまくいかないどころか
      大事故が起こるだろう
      そこが問題なのだ
      この手の連中は自信満々に
      ありないことを
      始めるからね
 
 考えてみれば、歴史とは”俺のプログラムにバグはない”と本気で言いはじめるような、そういう頭でっかち達が惨劇を生み出してきた歴史でもあった(*例:マルクス主義)。
 
 ∧∧
( ‥)そして彼らには
    根拠はなく
    因果関係もない
 
  ( ‥)旧コマ劇場前に女子大生が
    ‐□ ごろごろという事件は
      いわばそういう人々を
      理解して把握する
      スタート地点であるね
 
つまり、女の子を泥酔させてレイプするのは世間的には合法であること、エロ漫画は犠牲者の有無や確率と関係なく違法であること、これを世界を理解する際の基礎としなければならぬ。
 
 
 
 ....ちなみに
 
 ∧∧
(‥ )レイプってその多くは
\‐  知人、友人、親族間で
    起こるのだよね
 
  (‥ )この事実もまた
      以上の基礎を
      確かなものとするのだ
 
 泣き寝入りの結果だろうが、なんだろうが、それが表沙汰にならないのは、そうしたレイプが”認識論的には合法”であるとされていることの証拠だ。また、そうでないと困る連中が非常に多いことも示唆している。そしてそれは一体全体誰なのか? それはこういう時にこそ口をつぐんだ連中ではないのか? そういうことも暗示している。
 
 またこういう文化から見れば、やはりエロ漫画は汚らわしい害悪であるということになろう。正しいのはレイプすることだからである。つまりエロ漫画を見てするオナニーはレイプに比べるとダサいものであり、取り締まるべき犯罪行為なのである。
 
 
 
 


 

2014年6月27日金曜日

大いなるファンタジア

 
 新宿旧コマ劇場の前で日本女子大の生徒が複数、ぶっ倒れていて、話題になった事件
 
 =>hilihiliのhilihili: そのレイプは犯罪ではなく、そして排除は確率の問題でもないの続き
 
 
 ∧∧
(‥ )女の子がばたばたと倒れ
\‐  昏睡しているのに
    警察は何をしているのか?
    という意見
 
  (‥ )いや、行き倒れの
      酔っぱらいなんか
      いちいち相手にして
      いられないんだろ
 
 旧コマ劇場というと、首都圏の中心部分で歌舞伎町の裏だ。色々なトラブルがある。
 
 ∧∧
( ‥)あなたもあそこから
    1キロぐらい離れた場所で
    知り合いと言い合いになった
    ことあるよね
 
  (‥ )それはトラブルとは違うが
      まあ、事例として
      取り扱ってみよう
      彼はうるせーやつでなあ
      実行力も能力も
      体力もないくせに
      ぐだぐだ下らん理想を
      べらべらしゃべる男でな

 
 言い合いをしていると通りかかった警官が、「あっ、お友達同士ですよね? あんまり長くやらないでくださいね」と言われた。
 
 ∧∧
(‥ )そりゃあ皆さん
\‐  暇じゃないからね
 
  (‥ )あそこの警官の本気は
      それから半年後ぐらいに
      見た事あるのよ
 
 帰る途中、大久保の駅で警官に囲まれている男を見た。白いシャツ、外出するにはあまりにも素っ気ない格好の、しかも眼がいってしまった長身の男。それを警官10名近くが取り囲んでいるのである。そこは歩道だったが、背後の道ばたには停車したワゴン車があり車道側には抜けられぬ。さらに逃げられぬよう、男の左右と前に警官が、ぴったりとくっつき、そのさらに周りを、隙間のないように警官たちがぎしっと詰めて、一分の隙もない。 
 
 なんだおらー 
 
 ああっ? なんだごらあ
 
 男も折れていないが、警官も折れる訳が無い。
 
 おおー、これが彼らが対処すべき事案か。やる時はやるのだ。当たり前だが。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  旧コマ劇場の前で
    酔っぱらいがゴロゴロではね
 
  (‥ )正直、どうでもいいこと
      だよな
 
 大学の隠蔽体質というのも、まあ昔からだ。
 
 例えば自分が学生だった20年あまり前、どうも話からすると学生同士のじゃれ合いから致命的な事故が起きて、一生、障害が残るような事例が起きた。そう聞いたことがある。
 
 ∧∧
( ‥)どこで起きたのかも
    分からないけども
    教官から聞いた話でしたよね
 
  (‥ )耳の内部をやられたのだ
      三半規管を壊した
      というのだな
      致命的だよね
 
 これが新聞沙汰になったという話は聞いていない。
 
 自分で見聞きした話だけではなく、こういう例は他にもある。20年あまり前まで、こうした隠蔽は普通だったようだ。
 
 ∧∧
(‥ )そもそもあなたが小学生の時は
\‐  ナイフで鉛筆削りが推奨されて
    いたんだけど
    喧嘩でナイフを使って
    同級生の背中をばっさり
    切った人がいたんでしょ?
 
  (‥ )先生がな、
      こんな馬鹿なことをした
      生徒がいるけども
      こんな馬鹿な話は
      お父さんたちにしては
      いけませんと
      釘をさしてだな
 
 少なくとも、これも新聞沙汰にはなっていなかったはずだ。もちろん、新聞社と話をつけている可能性もある。というか、多分、そうだろう。みんなでにぎりつぶしたのだ。
 
 高校の時も別の学校で、いじめられていた生徒がナイフを使って暴れた、という事件があったらしいが、これも話だけで終わっている。
 
 ∧∧
( ‥)今は、ネットがあるから
    隠蔽しにくいよね
 
  ( ‥)昔はおおらかな時代でな
    ‐□
 
 まあ、あれだ、年寄りの言う、昔は良かった、という話は、当人がぼけかかっているだけなのだ。
 
 昔はおおらかな時代だった。これ自体は事実だが、老人の言う”昔は良かった”は現実とは違う。それはただのファンタジーである。
 

 
     

そのレイプは犯罪ではなく、そして排除は確率の問題でもない

 
 ∧∧
(‥ )明治大学の男子学生と
\‐  日本女子大のコンパ
    新宿旧コマ劇場前で
    泥酔による
    女の子の集団昏倒
    
 
  (‥ )女の子に酒だけでなく
      薬を一服盛って
      レイプするのが
      目的だったんだろ?
      という
      解釈をされてるけども
      まあ、そんなだろうな
 
 少なくとも、言い訳するのは難しかろう。
 
 
 ∧∧
(‥ )一方、
\‐  現実の一服盛りレイプ事件が
    犯罪にならず
    架空のエロ漫画が犯罪になる
    これはなぜか?
    そういう問題提起
 
  (‥ )法的にはどうだか知らんが
      世間的には
      女の子を昏睡させて
      レイプするのは合法で
      エロ漫画を
      読んだり描いたりするのは
      犯罪である
      そう認識されてるって
      ことだろうね
 
 そもそも法律というのは世間の認識や要請に基づいて作られるものである。事実、エロ漫画の表現規制をしよう、というのは、”これは犯罪である”という認識が先であることを示す。
 
 言い換えると、コンパで女の子を泥酔させて相手の合意無しにセックスに持ち込むのは世間的には合法と認識されている。そういうことだ。
 
 *こう言うと怒り狂って反論する人もいるだろうが、これは、現実がそのように振る舞っている、ということで、ただの事実だ。単なる事実から眼をそらしてはいけない。
 
 ∧∧
( ‥)エロ漫画絡みの犯罪なんて
    可能性は低いのに
    なぜ目くじらを立てるのか?
    そういう意見、見解
 
  ( ‥)話は逆だろ?
    ‐□ ここから分かるのは
      世間が問題にするのは
      確率の部分ではない
      そういうことだよね
 
 例えば以前、統合失調症なりなんなり、いわゆる精神障害の人々を危険視するのは止めろ。そういう人が犯罪を犯す確率は低い。むしろ健常者の方が危険ではないか、という主張が
 
 ∧∧
( ‥)あなたはどう思います?
 
  (‥ )思うにだな
      この手の弁護は
      非常に危険なんだよね
 
 以上のような弁護は、人々の白眼視が確率に基づいている場合に有効だ。
 
 だが、そうでないならどうなる?
 
 実際、犯罪と殺人は身内、顔見知り同士である場合が非常に多い。
 
 ∧∧
(‥ )そもそも人間関係が
\‐  あるから
    対立して殺人にまで至る
    わけだからね
 
  (‥ )言い換えるとだ
      自分と関係のない
      人間関係の中で起きた
      犯罪は
      自分と関係がない
      そういうことになるの
      だよね
      当たり前だがな

 つまりこの文脈において、普通の人間の方が犯罪発生率が高い、という統計を気にする人間はいないということになる。自分と関係ないからだ。

 これをさらに言い換えるとこうなる。
 
 自分が持つ人間関係の中で問題が生じるのは、望ましいことではないが対処可能だ。しかし自分と関係のない人がいきなり自分に襲ってくるのは困る。なぜなら予想できないので対処不可能だからだ。だからこそ、人間関係が築けない人間は危険だ。排除すべきである。
 
 人々がこのような発想に立って行動している場合、先に述べた、犯罪発生率が低い、というのは何の意味もなくなる。というかむしろさらに白眼視される根拠になるだろう。
 
 皆が言っているのは、身内の殺し合いは自己責任である、ということだ。
 
 しかし身内の外からくる突然の暴力には対処し切れない。そういうことでもある
 
 ゆえにそういう予測不可能、かつ危険な存在はあらかじめ排除してしまおう。

 それが皆の主張だとしたら、確率が低いから安全です、には何の意味もない。
 
 ∧∧
(‥ )人々がこのように考えていると
\‐  仮定した場合
    犯罪発生率が低い
    と主張するのは
    むしろ危険であると
 
  (‥ )犯罪発生率が低いとは
      人間関係が築けないから
      人間関係が原因で起こる
      犯罪はしないけど
      人間関係と
      無関係の犯罪をするよ
      そういう主張に
      聞こえてしまうからな

 つまりこれでは、自分は人間関係の外からやってくるトラブル。排除されるべき異分子であると告白したのも同然になってしまう。
 
 ∧∧
( ‥)それと同様の理由で
    エロ漫画やロリ漫画や
    レイプ漫画を読んでいる人が
    犯罪を起こす事例は少ない
    と反論しても
    皆が投げかける
    白い眼が無くなる事は
    ないだろうと
 
  (‥ )一方、現実世界では
      レイプ目的で
      女の子を泥酔させた
      と思われる事例が
      不問にふされるわけだ
 
 実際、あれを見て、女が馬鹿だwww と言う人だっていることからすれば、やはり、”閉じた人間関係内部で起きる事柄に対して無関係の他人は笑うだけである”、ということがうかがえる。つまり、危険視されていないのだ。
 
 ∧∧
(‥ )それこそ、サークル内部の
\‐  ことだからね
    他の人にとっては
    無関係だよね
 
  (‥ )反対に、この犯罪者は
      これほどまでに非常識で
      鬼畜です、とばれたら
      無関係のはずの人々が
      今度は全員で
      襲いかかってくるだろ?
      そういう危険人物が
      自分たちの内部に
      侵入するのは許さない
      殺してしまえ、という
      反応だよな
 
 考えてみればクマの駆除もサメの駆除も同様である。クマやサメに殺される人間なんて確率的にはほとんど無いけども、それにも関わらず、熱心に執拗に、確実に殺されるのだ。
 
 これも排除は確率の問題でないこと、人間関係の外部から襲ってくる、未知の存在を恐怖して起きた反応だとすると分かりやすい。そもそも世の中の物語における敵というのがこういう存在ではなかったか? エヴァンゲリオンだって最後にして最大の敵は同じ人類であったが、それ以前の圧倒的な畏怖は訳が分からん使徒という敵であった。確かに最大の被害は身内がもたらすものである。しかし恐怖自体は別の存在にこそ感じるのだ。これは現代の物語に限らない、古今東西、人間が最も恐怖する存在はどの物語でも同じである。
 
 ∧∧
( ‥)どの敵も人間関係の外から
    突如、理不尽に
    襲来するものである
    人はそこに恐怖を感じる
    確率的にも犠牲の数でも
    少ないのに
    それをこそ恐怖する
 
  ( ‥)ロリコンもそれで
    ‐□ 嫌われるのだと思うよ
      子供という家族の中で
      一番脆弱な部分を狙って
      侵入してくる
      わけだからね

 
 ただ、二次元ロリと三次元ロリを同じにして良いのかどうかは分からない。
 
 ∧∧
(‥ )漫画とかは遠くの人を
\‐  見ている状態だから
    眼や顔を大きく描く
    それゆえにキャラは
    しばしば幼い外見を示す
    ロリっぽくなるのは
    ある意味、必然
 
  (‥ )そういう表現で神経が
      励起するようになった
      二次元ロリの愛好者と
      三次元のロリコンとは
      別物になっているかも
      しれないからな
 
 もっとも以前、へたくそなロリイラストを描いている素人が、中学生以上の肌は駄目です。張りがありませんと書き込んでいるのを見て、これは駄目かもしれない、そう思ったことはあるが。
 
 ∧∧
( ‥)あるいは修行が足りないとか?
 
  ( ‥)世の中、未熟者の方が
    ‐□ 多いでな
      霊山とか修験地に
      開眼したと称する
      頭のおかしな連中が
      勝手に集まるような
      ものかもね
 
 そういえば、そういう修験をしていると自称しているやからが起こしたレイプ殺人事件とかもあったよね。
 
 ∧∧
(‥ )そういう未熟者を
\‐  排除するべき?
 
  (‥ )排除とは基準で人を
      選別することだ
      そして基準は
      複雑な事例を
      複雑なまま扱えないから
      混沌を秩序に変えてしまう
      物事をつまらなくする
      だけだよね
 
 それを考えると、犯罪を犯したものを公開処刑するぐらいが妥当。


 
    
    

2014年6月26日木曜日

微分で求めた成功体験という直線は変貌する現実から当然乖離する



 ∧∧
( ‥)ようするに
 
  (‥ )つまりこういうことだろ?
















 ∧∧
(‥ )人間は過去の成功体験に
\‐  基づいて状況を
    解決しようとする
 
  (‥ )問題はだ
      成功体験は変らんのだが
      現実は変化してしまう
      ここだよね
      当たり前の話なんだけどね

 
 人間はある時点において問題を解決した成功体験、それにとらわれる。
 
 これは微分のようなものなんだろう。曲線もごく短い範囲で見れば直線である。人間の成功体験は曲線のごく一部を切り取ったもの。過去の成功体験を思い出すとはその延長、つまり曲線に接する接線のようなものなのだろう。ごく短い時間で考えれば現実の変化は無視できる。何もかもを接線の延長として、杓子定規に考えるのはおかしなことではない。
 
 ∧∧
( ‥)実際、過去の延長でうまくいく
    しかし
    延長すればするほど
    現実との乖離が激しくなる
    やがてうまくいかなくなる
 
  ( ‥)こんなこと
    ‐□ 当たり前の話なんだがな
      是正が出来ないのだ
 
 過去の経験で手にした仮説が、もはや役立たずになっているのに、それを放棄出来ない。
 
 ∧∧
(‥ )乖離がじょじょに進行する
\‐  だんだんうまくいかなくなる
    だから
    余計に捨てられないとか?
 
  (‥ )まあ、それもあるけど
      そもそも歳をとって
      面倒くさくなるのが
      一番大きな問題だと
      思うけどもね
 
 現実との乖離がますます激しくなっていくのに、言い訳ばかりで隙間を埋めて自分も仮説も理解も是正できない。
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  ( ‥)人間は年齢を重ねると
    ‐□ トンデモになる
      そういうことだろうな
 
 
   

普通が豊かとは異常なり

 
 普通というのは平均ということで、それは優秀とは呼ばない。
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  (‥ )普通の人間が
      豊かに生活できる
      それを約束されている
      それ自体が異常だって
      ことだ
 
 条件がそれを可能にしたが、条件が崩れればそれは不可能となる。
 
 ∧∧
(‥ )普通の人間では
\‐  豊かになれない時代
 
  (‥ )それが平常運転だって
      ことだろうな
 
 
 

2014年6月25日水曜日

独裁者は大変なんだろう

 
 フセイン大統領は勇ましいことを言っていたけども、イラク戦争が始まるとあっという間に雲隠れして、そうして捕まった。確かに本人が言っていたように彼は最後まで戦ったけども、それは裁判でのことだった。
 
 ∧∧
( ‥)かっこわる と
 
  ( ‥)そういう話は
    ‐□ イラク戦争どころか
      その前の湾岸戦争の時にも
      話題にしたことだけど
 
 とはいえ、考えてみれば独裁者からすれば、国民のために格好よく死ぬ義理なんかないのである。確かに口では勇ましいことを言っても、それはアイドルが、私、彼氏なんていません♡ と言うようなものだ。それに、そもそも独裁者からすれば国民は自分の財産でしかない。命あっての物種。自分の財産を守るために死ぬ奴なんかいない。
 
 ∧∧
( ‥)それに最高指導者も
    人間ですから
    死ぬのはいやですからね
 
  (‥ )それもさることながら
      あの人たちの
      立場からすれば
      すごく怖いはずなんだよな

 
 民主主義国家だと、最高指導者が暗殺されることはあっても、代わりがいくらでもいる。民主制の指導者は替えが効くのだ。
 
 ∧∧
(‥ )民主制の最高指導者の命は
\‐  独裁制の指導者よりも
    安いのだ
    そう言う事もできるね
 
  (‥ )反対に独裁制だと
      独裁者一人を殺せば
      殺した側は勝利者に
      なれるのだよな
 
 独裁制における最高指導者の命は誰よりも高い。この事実は喜ばしい話でもなんでもない。たった一人殺されたら独裁制は終わりだ。攻撃側はそれを分かっているし、独裁者もそれを分かっているはずだ。というか他の誰よりも分かっているのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃあ殺される側
    だからね
 
  ( ‥)独裁制の最大の弱点かもね
    ‐□ たった一人殺されたら
      終わってしまうし
      殺される側である独裁者は
      全員から向けられる
      ”殺すぞ”という視線を
      意識しながら決断を
      しなければいけない
 
 これは想像するに恐ろしいまでのプレッシャーではなかろうか? とんでもない緊張を強いられることになるし、とにかく防御のことを考えざるをえなくなる。
 
 ∧∧
(‥ )独裁制はあまり冒険には
\‐  踏み込まない
    そういうことですかね?
 
  (‥ )何をもって冒険とするか
      例えば周辺諸国の反発を
      押し切って
      経済制裁も無視して
      国民が餓死することも
      いとわずに核武装する
      それは冒険であるけども
      地位を守りたいという
      視点からすると
      冒険どころか
      単に切実な防御だよね
 
 つまり、冒険かどうか? そういう大雑把な価値観で見るよりも、みんなから殺されるかもしれない、死にたくない、生き残るにはどうすれば良いのか? そういう緊張感で独裁者は選択肢を選ぶ、そう考えた方が理解しやすいのかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)日本や先進諸国
    あるいは民主制の世界観で
    独裁制を評価したり
    予測したりしては
    いけないだろうと
 
  ( ‥)人間は置かれた立場が
    ‐□ 違うと
      行動も考えもまったく
      変ってしまうからね
      それは考慮しないと
      いけないよね
 
 それに、独裁制って言っても色々あるんだろう。例えばスターリンを殺せばソ連が倒れたか、と言えばどうもそうではなさそうである。確かに、いくら稀代の独裁者といっても、スターリンは集団指導体制のトップであった。そうであれば、独裁者が殺されても権力は存続される。
 
 あるいは、王朝の場合だと王様を殺しても王子が生きていれば国家は存続できる。勢力拡大中のオスマントルコ帝国はチムールと激突した時、君主バヤジット1世は敗北、捕虜となるが、イエニチェリ軍団は王子を守って撤退したのではなかったか? そしてオスマントルコ帝国はもう一度再興されることになる。
 
 ∧∧
(‥ )フセインさんの権力は
\‐   王朝としては
     存続できなかったよね
     息子さんが
     ゲリラ戦士になって
     反米勢力の中核になる
     わけでもなかった
 
  (‥ )直接的には負けて
      国土が米軍に
      占領されたからだけど
      独裁制といっても
      条件によって色々なのな
 

 これはhilihiliのhilihili: まあ、お互い何もしないのが上策ですかの続き
 
 
 

2014年6月24日火曜日

まあ、お互い何もしないのが上策ですか

 
 ∧∧
(‥ )日本が核武装しても
\‐   中国との撃ち合いで負ける
     だから日本の核武装は
     無駄である
     そういう意見が
     ありますね
 
  (‥ )あーでも
      どうなんだろうね
 
 ごく単純に考えて、東京、名古屋、大阪、福岡が核兵器で破壊され、一方、中国の大都市も同数破壊されたとする。
 
 ∧∧
( ‥)日本は大混乱でしょうね
 
  (‥ )中国も大混乱だろうな
      だが中国の場合
      大混乱だけですむのか?
      という問題がね
      あると思えるけどね
 
 天安門事件。学生たちが集まり、市民も集まって暴徒化まであとわずか。あの状況は深刻ではあるが核兵器の使用に比べればなんてことはない事件だろう。しかし、あの時でさえ最高指導者が隠れたり、どうも人民解放軍同士で不穏な動きがあったりしたとか言うのだから...
 
 ∧∧
(‥ )核兵器の応酬で
\‐  北京、上海、杭州とかが
    破壊されたら
    中国の分裂は
    あっという間ですか
 
  (‥ )最低限、向こうの指導者は
      その可能性を考えて
      というか
      そういう状況に陥った時
      自分は何を掴むのか
      それを考えて
      意思を決定し
      行動すると思うけどなあ

 
 相互監視で身動き出来ない日本なら、後のことを考えて行動しないといけない。混乱が収まってから、「お前、あの時こんなことしたよな?」 と詰問されたあげくにリンチされたらたまったものじゃないからだ。
 
 後からリンチされる恐怖があるからこそ、混乱の中でも統制が効く。相互監視によって混乱状態が収束すると予測出来るから、混乱程度ですむとも言える。
 
 一方、そんな日本と違ってあちらは”自由の国”である。自由の国である以上、事が起こった時に、自分はどさくさまぎれに何を掴むのか? それを考えなければいかんだろう。何が起こるのか予測できない以上、それしか手の取りようがない。
 
 ∧∧
( ‥)同じ国、同じ社会である
    そう想定すると
    単純に日本が撃ち負ける
    けどね
 
  ( ‥)同じ国でも社会でもない
    ‐□ そういう現実を考えると
      お互いが取れる手は
      ひとつしかないように
      思えるけどな
 
 つまり、お互いに何もできない。そして時間が経過すると中国は分裂へと至る。
 
 ∧∧
( ‥)お互い何もしないのが上策
 
  (‥ )中国だって国が
      分裂したぐらいで
      今の権力者たちが
      何もかも台無しになる
      というわけじゃ
      ないだろうからな
 
 例えば、分裂して失脚するぐらいなら戦争で統制だ。そう考えるかというと、そうでもないだろう。分裂すれば、そりゃあ今の人の中には失脚する者もいる。そうであるから統制のためならなんでもしようとする人もいるのだろう。
 
 しかし、分裂ぐらいで全員が消え去ってしまうような、そんな、やわな人たちでもないだろう。そもそも先が予想できないから良くも悪くも前向きになるのだ。もちろん、こういう前向きは日本からすれば無法である。しかし無法であるからこそ強い。その自信と打算があれば、むしろ混乱を望む人、想定する人もいるはずだ。それを考えると、あちらも何かする必要はないと言える。時を待てばあちらもそれなりに掴めるものがあるからだ。
 
 
 ∧∧
(‥ )問題は一部の真面目な人
\‐  ですかねえ
 
  (‥ )信念がある孤独な人間は
      危険だからな
      全体の流れを無視して
      勝手なことをするからね
 
 
 *そういえば攻殻機動隊の原作だと、中国が沖縄に核攻撃を行って、沖縄は消滅してしまったという設定だ。あれも現場の暴走があったらしく、中国側では部隊の全員処刑が行われたのだ。しかも日本国は日本国で、一部の官僚と政治家が核攻撃の可能性を知っていたけどもスパイのことを考えて情報を握りつぶした、という裏話が露呈するのである。
 
 ∧∧
( ‥)意外と笑えない冗談
 
  (‥ )そこまで極端では
      ないにしても
      信念とやる気のある奴が
      危険であることに
      変わりはないだろうな
 

      

2014年6月23日月曜日

自称、技術立国

 
 ∧∧
(‥ )東京五輪に必要な労働者
\‐  国内になり手がいないから
    外国の人で補おうって
    話があるんだね
 
  (‥ )ロボットを操縦して
      建築するという
      技術を開発できなかった
      日本の敗北です
 
  
 自称、技術立国
 
 
 
 
 

民主主義の精神なんてものはくそだ お前さんラリってるだろ?

 
 ∧∧
(‥ )民主主義の精神..
\‐
 
  (‥ )愚劣極まる考えだな
      そもそも
      精神なんてものは
      この世に存在しない
      わけだからね
 
 化学、物理、物事を説明できる検証された理論。それを使うとあらゆるものが再現、操作できる。生物とてその例外ではなく、過去も、人の知性すらもその例外ではなくなった。神秘のベールをはぎとると、そこには精神なんてものはなく、あるのは果てしない原子の奔流とそれが生み出した脳と神経の活動のみ。
 
 ∧∧
( ‥)物事は即物的である
    ただひたすらに
    即物的である
 
  ( ‥)民主主義の精神だとさ
    ‐□ 酒も飲んでない
      真っ昼間から
      ラリってんじゃねーよ
  
 
 民主主義は戦争から生まれ、そしてプロの軍隊の出現と共に滅び去った。それから1800年後、銃という武器の発達で再び産まれたが、やがてまた歴史の闇に消えていくのだろう。
 
 戦争と共に生まれ、武器に育まれ、そして消えてゆく。それが民主主義とその歴史だった。条件が整えば生まれ、条件が崩壊すれば消える。考えてみれば当たり前である。条件が整えばシャボン玉はふくらんで虹色に光るが、条件が整わなければ膨らむことすら出来ない。同様に、条件が整えば生物は誕生し、進化する。しかし条件が崩れればすべてが死に絶える。生物ですらそうなのだ。生物の一種であり、さらにその人間が作った政体ごとき、それもまた物理的な制限の枠内の現象でしかない。いや、むしろそれ以下だ。人類も帝国すらも存続したのに民主主義は消えたことがあるのだから。
 
 世界の運行は物理的に決定されている。そこに精神なんてものが入る余地はない。いや、そもそも無いものが入る余地など最初からあるわけがないのだ。
 
 無いものは無い。それだけだ。
 
 ∧∧
(‥ )民主主義の精神
\‐
 
  (‥ )そんなものを信じて
      アテナイ市はローマに焼かれ
      ブルータスは無惨に死に
      アメリカはイラクを
      破壊しただけで
      せっかくの成果をすべて
      台無しにして
      国を傾けている
 
 現実を見れば明らかだ。民主主義の精神なんて与太話は酒を飲むか、麻薬でラリった時にでも言う事で、真面目な場面でいうことではない。
 
 それは企画会議で、物作りの精神、と言うのと同じようなもんだろう。
 
 実際、それをやってしまったから今、あの有様ではないか。
 
 ∧∧
( ‥)そんなあなたも
    精神に注目する時がある
 
  ( ‥)エロい絵ってさ
    ‐□ あれ、魂がないと
      やっぱ駄目なんだよな
      なんでだろうね?
 
 ∧∧
( ‥)合理的に言うとあれでしょ?
    ご本人の猛烈な執着と
    それにかきたてられた
    無数の試行錯誤で
    発見された
    神経を励起する
    絶妙な線、でしょ?
 
  (‥ )民主主義の精神なんぞは
      くそだ
      その精神とやらで一体全体
      どれだけの人を
      殺してきたか
      考えてみるがいい
 
 民主主義の精神など呪われてあれ。あれは血と悲鳴と奴隷のあえぎで汚れているではないか。
 
 だがしかしエロとは、あれは一体全体なんだ?
 
 ∧∧
(‥ )あなたはエロエロ〜な絵や
\‐  雰囲気を描くのがへただよね?
 
  (‥ )なんでかなー
      魂ないからかなあ?
 
 ああ、そういえばスクール水着、略してスク水にリビドーをかき立てられる人がいるという。誰もが同級生の体のラインを見た時に感じた青春の思い出が...
 
  ( ‥)うおー! だが
      俺には無理なんだ
      どうしても
      思い出してしまうのだ
      コケだよ
      炎天下、皆と並んで
      飛び込みを待つ時の
      熱せられたコケの臭い
      熱く湿ったあの臭い
      あれギンゴケだよな
      ギンゴケだよね?
      そしてスクール水着だ!
 
 ∧∧
(‥ )まあ、コンクリートの
\‐  目地とかに生えているのは
    ギンゴケですよね
    乾燥すると表面が
    白色の光沢を放つ奴
 
   (‥ )スクール水着!
       コケ!
       おれ、コケはあまり
       好きじゃないんだよね
       スク水萌えも無理だ
       俺の精神はどこへ
       いってしまったのだ??
       
 ∧∧
( ‥)コケ好きに怒られそうな
    言い様だな
 
 民主主義の精神など、鼻で笑ってしまえるしろものだ。自分たちの手が真っ赤に染まっていることに、今まさに老醜をさらしていることにお気づきでないおめでたい連中だ。
 
 だが、エロい絵には畏怖してしまう。あの魂は一体何者か?
 

 
 
      

考えるに物語は処刑の手続きであった

 
 物語とは、読者という傍聴人に処刑の理由を懇切丁寧に説明して、これから行う死刑の正当性を訴えなくてはならぬ。
 
 ∧∧
(‥ )悪漢を倒す物語は
\‐  死刑もなにも
    法的には全部違法でしょ?
 
  (‥ )まあ、水戸黄門も
      バットマンも違法だな
      あれは私刑だからね
 
 一応、公的な裁きの場へ引き渡す事になっているのだけども、そもそもあのような摘発自体が違法であるし、それ以上の踏み込みを行う場合もあるのは皆がよく知っている通りである。
 
 ∧∧
( ‥)それでもなお
    違法だろうがなんだろうが
    処刑の正当性、それ自体は
    観客に説明する必要が
    あるのだと
 
  ( ‥)彼はこんな悪いことを
    ‐□ しました
      ここまで性根が腐ってます
      慈悲をかけたけども
      後ろから襲いかかって
      きました

 だからもう殺していいですよね? これは不可抗力ですよ。
 
 アクション映画もバトル漫画も、死刑の正当性は観客にきちんと説明しなければならぬ。
 
 ∧∧
(‥ )めんどっちーけど
\‐  そうしないと駄目だと
 
  (‥ )現代の工業社会において
      物語は処刑の手続きを
      延々と説明する
      ものになっておる
      必要だけども
      難儀な事よ
  
 一方、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスは都市イーリオンを攻略した時、自分よりも先に市内に突入したテラモーンなる味方をまずぶち殺そうとしたのであった。
 
 ∧∧
( ‥)「何人も自分より優れていると
    思われることを欲せず」
    ですか
 
 「アポロドーロス ギリシャ神話」岩波文庫版 pp105
 
  ( ‥)自分より手柄を立てる奴が
    ‐□ 許せない
      そういう理由で
      殺そうとするのだからな
      昔の人は単純だよね
 
 もちろん、当時はそれが当たり前なのだ、とも言えるし、神話というものは本来、こういう単純で短い、簡潔な話の寄せ集めだから、こうした単刀直入な話の展開は当然なのだとも言える。
 
 しかし、今よりも古代世界の方が単純で、古代と比べれば現代社会とその物語がずいぶん面倒くさいものになっていることに変わりはないのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )まあ巨大な工業社会を
\‐  作り上げるというのは
    そういうことですからね
 
  (‥ )約束事ばっかり
      多くなっちまってな
      さりとてこんな理由で
      殺人が横行されても
      困るしねえ
      約束事が増えるのは
      当然であるからね
 
 ちなみに、やばい! と思ったテラモーンは、石をかき集め、何をしているのか?と尋ねるヘラクレスに、高貴なる勝利者ヘラクレスの祭壇を築くのだ、と答えることで難を逃れるのである。
 
 ∧∧
( ‥)それはそれで
    単純というか
    ヘラクレスさん
    素直で良かったね
 
  ( ‥)現代世界だと
    ‐□ この話の展開は
      ちょっとないよな
 
 多分、もっと面倒くさい話にしないといけない。
 
 
 

2014年6月22日日曜日

中二病がデフォルトだとすると勝負の鍵は経験値

 
  
   (‥ )政治家を見ると
       馬鹿だって
       思うだろう?
 
 ∧∧
( ‥)下品な野次を飛ばすわ
    知らないままに
    物事を断言したり
    あるいは思い込みで
    物事を語ったりしますね
 
 まあ、一般的にはそういう評価であるし、実際、思い当たる節があまりにも多い。若者を徴兵して鍛えよう、とか、漫画を規制すれば犯罪がうんぬんなんかもそうだ。あれらは統計とか因果関係とか予算とか、そういうまともな論拠がある話ではない、ただのトンデモな思い込みである。政治家というのはとかくこういう話が多い。彼らがしばしばマルチ商法だのインチキ医療だのと関係するのも、それは企業からの献金と癒着だけでは説明できないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )もともと頭の出来が
\‐   中二病レベルだろうと
 
  (‥ )物事を理解する枠組みが
      中二病程度の
      オカルト的な思い込み
      でしかない
      でもこれって
      政治家は普通の人間だって
      ことなんだよな
 
 オカルト的な思い込みが普通の人間のものである以上、この愚かさは与党も野党も本来は関係ない。
 
 関係ないはずなのではあるが、まあ、自民党は長年与党だったので注目が目立つ分、あらも目立つ。
 
 自民党はどうして馬鹿なんだろう? 民主党にやらせてみてはどうか?
 
 ∧∧
( ‥)その結果は
    言うのはなんですが
 
  (‥ )やらせてみたら
      民主党は
      もっと馬鹿だったのだ
 
 非常に好意的に言うと、民主党は自民党よりも賢そうなことを言うことはできた。そう言う事もできる。
 
 あるいはこう言うべきなのかもしれない。
 
 現場のことを何も知らないから理想論で大風呂敷を広げられたし、無意味な大風呂敷を広げられたから選挙という現場では民衆の票をかき集めることが出来たのだが
 
 ∧∧
( ‥)必然、
    政治の運営自体は
    知らないから
    当選してみると
    なにもできなかった
    むしろ失政
    期待は失望に変り
    政権交代は木っ端みじん
 
  ( ‥)反対に安倍っちなんかは
    ‐□ インテリには
      世襲だ、ボンボンだ
      と悪口を言われるし
      そういう理不尽な
      悪口を抜きにしても
      なんでワタミの会長を
      議員に推すの?
      美しい国って何だよ?
      とか色々突っ込みどころが
      あるんだが
      でも、仕事は
      できているのだよね。
 
 ∧∧
(‥ )お父さんと一緒に
\‐  世界中を飛んで回ってた
    からね
 
  (‥ )お父さんから教えられた
      経験があるから
      勝負できている
      安倍なんて世襲の
      ボンボンじゃん
      そう笑っていた
      インテリからすれば
      許しがたい現実だろうな
 
 しかし、世襲のボンボンに賢い素人とやらが負ける。これは考えてみれば当たり前の話なんである。例えば、
 
 子供の頃から親の指導で野球をしてきて、親の七光りで球団に入った選手
 
 VS
 
 野球に詳しいだけで、実際にやった事の無い素人
 
 ∧∧
( ‥)どっちが勝つのかと言ったら
    まあ、親の七光りさん
    でしょうね
 
  ( ‥)逆に言うとさ
    ‐□ 世襲議員制が
      直接民主制に対して持つ
      優位性って
      これだけだとも
      言えるんだよね
      あるいはたったこれだけの
      優位性で世襲議員制が
      勝ってしまう
      そう言うべきなのかもな

 
 無視されがちなことではあるが、僕らが歴史で習ったこと、つまり、ペルシャ戦争、ギリシャの勝利と衰退、アレキサンダー大王による征服、ヘレニズム国家、そしてローマの台頭。これらは直接選挙制と国民皆兵が、世襲議員とプロの軍隊を備えた国家に敗北して置き換えられてしまった、そういう過程であった。
 
 この現象自体には色々な言い訳ができるはずだけども、結論はシンプルであるべきだろう。これは直接民主制よりも世襲議員制の方が有利であることを示している。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  民主党が自民党に敗北したのは
    道理である、と
 
  (‥ )政党って徒弟制度みたいな
      側面もあるみたいだよね
 
 例えば、ある人がかつて曰く、自民党に入るとなかなか上にはいけない、長い長い階級制度がありそこを這い上がっていく過程で、当初の理想はしぼみ、みんな死んだような顔になってしまう。
 
 ∧∧
( ‥)でも、おそらくは
    そういう過程で
    あれはやっちゃいけない
    こういう時には
    こうするべきだ
    そういう具体的なことを
    学んでいくのだと
 
  ( ‥)単に儀式を覚えただけ
    ‐□ だとも言えるのだけどね
      でもさ、
      政権を取った事がない
      民主党ではこれが
      学べないのだよね

 儀式を知らない人は結局、ゲームのルールを知らない素人と同じ。これでは世襲や徒弟に勝てる道理がない。
 
 これに勝てるとしたら、それは学校のように子供時代からすべての人々に開放されている物事に限るのだ
 
 ∧∧
( ‥)でも政治とかは
    そうじゃないからね

 
  (‥ )その代わりにこそ
      官僚制度が
      あるのだろうけどな
 
 さてもさても以上を考えるに
 
 ∧∧
(‥ )これってようするに
\‐   この世界では
     中二病程度の理解に
     経験を上乗せすれば
     勝ちってことですかね
 
  
  (‥ )人間の理解の基本とは
      中学生レベルの思い込み
      でしかない
      そうだとすると
      そこが全員の
      出発点になるからな
      つまりデフォルトという
      わけだ
 
 そこから経験、という差別化を上乗せして勝負する以上、絶対に埋められない溝が出来るのは必定。
 
 そもそもお馬鹿理解自体が人間の基礎なのだから、政治家が馬鹿である、と言っても、たとえその事実が正しくても、その指摘自体は意味がない。それは政治家は人間だと言っているにほぼ等しい。
 
 それにひるがって考えてみるに。世襲議員や金持ちのボンボンは、金持ちの家の子ではない自分よりも馬鹿で劣った存在である、これ自体が中二病的な、子供じみた発想ではなかったか?
 
 
 ∧∧
(‥ )一代目が成功して
\‐  二代目が駄目にするというのは
    よくある話なんですけどね
 
  (‥ )でもそれは単に
      組織の寿命が二世代
      60年程度である
      ということかもしれん

 
 組織の寿命が60年なら2代目、あるいは3代目で終わるのは当然だ。あるいは一代目の拡張、それ自体が破滅の原因である、という場合も考えられる。拡張した時には利益が出たけども、維持費が累積して赤字となって破滅する、そういう場合もありえよう。
 
 
 ∧∧
( ‥)金持ちの二代目は自分よりも
    劣っているはずだ
    これは因果関係不明の
    トンデモ理解でしかないと
 
  (‥ )少なくとも因果関係の
      論証が統計的に
      出来ているわけじゃ
      ないんだよな
  
 こんなもの、有害図書を見せると子供が殺人鬼になる、と言っているのと同じぐらいいい加減な思い込みでしかない。つまりこれ、批判している相手と同じなんである。
 
 ∧∧
( ‥)基礎が同じぐらい
    馬鹿だとすると
    後は経験値が勝負という
    ことになる
 
  ( ‥)だとするとな
    ‐□ 二代目のボンボンだから
      無能に違いない
      そう言っている時点で
      勝ちは望めない
      ということになるよね
 
 
 *ここではデフォルト(default)を不履行の意味ではなく、最近の使い方、”出荷時における標準的な設定”、というような意味合いで用いています。
 
      

2014年6月21日土曜日

考えることに逃げちゃいけないよなあ

 
 ∧∧
(‥ )考えるんだ!
\‐  という激励
 
  (‥ )いつも思うけどさ
      そう言う奴って
      授業の問題が
      分からなかった時
      何をしてたのだろうな?
 
 考えたのか?
 
 違うだろう? 問題集の答えを読んだり、参考書の解説を読んだんじゃねえのかい。
 
 ∧∧
( ‥)社会と学校は違う
    そう言うんじゃね?
 
  (‥ )確かに社会での問題は
      教科書には載っていない
      ことも多いからな
 
 だが、しかし、答えがそのままずばり載っていないことを良いことに、考えてばかりいないか?
 
 思い出すべし。考えたって無駄だということ、学生時代にさんざん学んであろうに。一体全体どうして社会人とやらになると自分の脳みそを使って考えるなどという愚劣極まりないことをするようになるのか
 
 ∧∧
( ‥)理解に苦しむ?
 
  (‥ )というか
      これは多分
      逃げだよね
 
 学生時代、考えることに逃げた奴は、それはもうひどい有様だったこと思い出す。素直に問題集の答えを見れば良いのに、俺様解決しようとしたあげくに、間違った答えを自信満々に書いてしまうのだ
 
 考えることに逃げてはいけない。
 
 だが、テストをはるか過去のものとした社会人は考えることにすぐ逃げ込む。そうして居心地の良い自分の世界でひざをかかえて夢と絶望と愚痴と挫折を語るのだ。
 
 

2014年6月20日金曜日

殺人鬼の合理性よりは中二病の方がまともではある

 
 ∧∧
( ‥)つまり人間が理解できる
    理論体系とは
 
  (‥ )中二病が精一杯だ
      そういうことよ
 
 *ここでは、中二病という言葉を、”僕が考えたこの呪文を唱えれば問題は解決できる”、これを本人はいたって真面目に信じ込んでいる、という程度の意味で使っています
 
 この意味において言えば、頑張れば道が開ける、とか、今の若者は駄目だ、とか、太陽エネルギーで問題は解決だ、とか、徴兵制をしけば若者は鍛えられるはずだ、とか、マルクス主義で平等な世界を実現するのだ、アメリカ型民主主義を施行すればイラクは良い国になる、日本を見なさい、これら全部、中二病。
 
 ∧∧
(‥ )でも間違った理論も
\‐  役に立つ
 
  (‥ )頑張れば道が開ける
      まあ、努力を傾注する
      言い訳にはなるよな
 
 今の若者は駄目だ、これもまあ、未熟な人間を評する言葉としては役に立つだろう。
 
 あるいは反対に、時代遅れになった自分の老醜をごまかすことには使えるだろう。
 
 太陽エネルギーで問題解決だ、というのも、まあ、今の原発をなんとかしよう、という程度の役割は果たせるだろう。もっともその先にあるのは新型原発なのかもしれないが
 
 あるいはマルクスだの徴兵制だのアメリカ型民主主義だの、戦争したり革命したりする時には役に立つ
 
 ∧∧
( ‥)もちろん、本気で
    信じ込んではいけない
 
  ( ‥)民主主義さいこー!
    ‐□ これは戦争するには
      良いのだけどな
      イラク戦争の結果は
      民主主義ではイラクを
      統治できませんでした
      もうだめです
      逃げます
      後は知りません
      内戦勃発ぎゃー!
      だったからね
 
 新しい局面には新しい中二病が必要だし、あるいは中二病な理解を本気で信じ込んではいけない、そういうことでもある。
 
 ∧∧
(‥ )人間が抱ける理解とは
\‐  中二病レベルが限界である
    そう言うのであれば
    以上のことを要約すると
    自分の理解を信じ込んでは
    駄目だって事だよね
 
  (‥ )理解はあくまでも
      道具でしかない
      状況に合った道具を
      その時、その時に
      使うしか無いのだね
 
 だがしかし、単純な話なのだが、人間、ひとつの道具を使い続けるとその道具しか使えなくなる。
 
 特に理解という道具は頭の内部で使うものなのだ。理解を使い続けると、脳それ自体が変形して、もはや他の理解が使えなくなる、そう言えば良いかもしれぬ。それが様々な不幸を招いている。今の若者が、というのが愚か者の愚痴でしかないように、あるいはイラク戦争の結果がいよいよ本格的な内戦に発展しているように。
 
 そして一方では、新しい中二病が、新しい理解が作られるのである。
 
 ∧∧
(‥ )今の中国人は
\‐  日本人に漢字を教えてくれた
    古代の人々でもないし
    その末裔でもない
    異民族の侵入と
    民族浄化で別の民族に
    なっている
    そういう言説もネットには
    ありますね
 
  (‥ )それほどの規模の
      征服が起こると
      征服者の文字や言語が
      普及して
      被征服者も征服者の
      文字や言語を
      使うようになるものだ
      それを考えると
      漢字を発明した人々は
      民族浄化されたのに
      漢字と漢語は
      残っているというのは 
      無理のある話だがな

 
 完全に根絶やしになっている、というのもおかしな話だ。現在の黒人に征服されたアフリカのピグミーやコイサンの人々は勢力は狭まったが点在しているし、一部では本来の言語を用いている。インド・ヨーロッパ語族であるアーリア系の人々に征服されたインドでも、ドラヴィダ系の人々や言語が残っているし、中世以降の大征服と大虐殺の結果であるオーストラリアと新世界でも状況は同じだ。抹殺された民族、部族がある一方で、先住民も彼らの言語も完全に消えたわけではない。
 
 それを考えると現代中国人は漢字を作った人々ではなく、その末裔でもない、というのは無茶苦茶な理論だろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも役に立つのだと?
 
  ( ‥)中二病的な理解とは
    ‐□ 役立てるためのものだ
      事実、ああいう言説が
      広く出てきたのは
      中国の反日デモ以来
      だからね
 
 中国の漢字を借用したとはいっても、それは所詮のところ別言語のアルファベットで自分たちの言語を表記したことでしかない。しかし、それが後ろめたいのか、言い訳が必要なのだ。かつて自分たちが学んだ先進国があのような野蛮を今、発揮するのは別物になっているからに違いない。古い中国には敬意を表するべきだが、今の中国は憎んで良し。動機は単純だろう。そして深刻でもある。
 
 ∧∧
( ‥)そのために発明された
    トンデモ中二病
    それが
    漢字を発明した
    古代中国人は
    民族浄化ですでに消えた説
 
  ( ‥)まあ、でもあれよね
    ‐□ 敵を憎む必要はない
      敵を憎む理論を
      作る必要もない
      彼は敵である
      それだけで戦って
      殺すには充分だ
      そう考えるよりは
      まともだろうな
 
 敵を殺すには敵であるだけで充分だ。もしそう考える人がいるのなら、それはきわめて合理的である反面、むしろ殺人鬼の発想だと言える。少なくとも今の社会ではそうだろう。それよりは、あの連中を憎むのには正当な理由があるのだ、そういう言い訳を考える方がまともではあるのだ。


 
 

2014年6月19日木曜日

疲れゆく日々

 
 ∧∧
( ‥)なんか最近
    元気無いね
 
  ( ‥)んーちょっと
    ‐□ 疲れてしまってね
 
 ∧∧
(‥ )でも仕事はしてるよね
\‐
 
  (‥ )比較的単純な絵だが
      色々と考えてるせいかな
      案外に疲れるよね
      1日1枚が精一杯
      なんだよなあ
 
 いつも描いている絵と毛色が違うと試行錯誤が必要だ。
 
 さてもさても参考になる本はないか? というわけで漫画「ボボボーボ・ボーボボ」を買って読んでみる。
 
 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
  ( ‥)ん、これはなかなか
    ‐□
 
 ∧∧
( ‥)でもなんかますます
    疲れてません?
 
  ( ‥)漫画ってさ
    ‐□ 速く読める代わりに
      単位時間あたり
      脳にかかる負担は
      普通の本とかと
      同じだよね

 *同じ時間で漫画10冊、小説一冊、論文1ページを読んだとする。これって脳にかかる負担は同じじゃねえの? という意味。
 
 **後、絵を見るのは疲れる。小説は、「窓際で朝、雀が鳴いていた」、と書けばそれで良いが、これが漫画や絵画であった場合、それがどんな窓なのか、大きさはどのぐらいか、部屋における配置や光の向きはどうなっているのか、雀の座標はどうなっているのか、それらを全部指定する必要がある。そういうことも踏まえて読めば、脳を酷使すること疑いない。
 
 ∧∧
(‥ )先々週は論文を読んで
\‐  ちょっとダウンしてたよね
 
  (‥ )35億年前の地層から
      見つかった世界最古の化石
      これ実は擬化石じゃね?
      という論文な
      なんか妙に読みにくい
      英語というか文章でね

 
 まあ、言ってる意味は分かる。ラン藻の化石っていうけど、これ分岐してるよね。しかも形にも大きさにも一定のパターンがないよね? これはチャートを構成する球形の結晶が成長してつながっていく時、その間に残された間隙じゃねえの? という内容だ。
 
 ∧∧
( ‥)そして読んだら
    疲れたと
 
  ( ‥)なんか今も
    ‐□ そんな感じ
       頭がぼーっとしとる
 
 ∧∧
(‥ )でも仕事は進行している
\‐  わけだよね
 
  (‥ )もしかしたら
      いつもより夢中になって
      いるのかもしれないけどね
      なんだろうね
      この感覚は
 
 
 

読まない本に付加価値を

 
  ( ‥)ネットで見た言葉で曰く
      本を客に読ませては
      いけない
      読まないで買われ
      ゴミ箱行きになる
      そういう本こそが売れる
      売れる本とは
      そうでなければならない
 
 ∧∧
( ‥)意味も無くなんとなく
    買う人が多いから売れるし
    意味も無くなんとなく
    買うから読まれぬまま
    捨てられることになる
    そんな感じですかね
 
 多分、そういうことなんだろう。
 
 学校のことを思い出すと授業と教科書以外に本を読む人間はクラスのごく一部だ。本を買う人間などというものはさらに希少である。本には需要があるが、本を読む人々がここまで割合として少ない以上、売り上げ自体はすぐに伸び悩んでしまう。
 
 ∧∧
( ‥)その伸び悩みを突破するには
    本を読まない人でも
    なんとなく手にしてしまう
    そういう本でないといけない
 
  (‥ )本を読まない人が本を買う
      これは矛盾なんだが
      言い換えればだ
      だからこそ
      読まぬままに捨てる
      そういうことだよね
 
 
 本を売るには読ませてはいけない
 
 これを応用すると
 
 音楽を売るには聞かせてはいけない
 
 ということにもなる
 
 ∧∧
( ‥)握手券商法?
 
  ( ‥)厳密に言うと
    ‐□ 違うのだけどね
 
 握手券をつけたCDの大量販売は「聞かせないから勝ちだ」、というものではなく、「聞くという必要以上に買う理由を付け加えた」というものだ。
 
 ∧∧
( ‥)冒頭の話と同じではない
 
  (‥ )でも、商売の本質を
      体現した売り方であるのは
      同様だろうね
 
 市場が求めている以上に物品の売り上げを伸ばすには、こういう方法しかないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )必要以上のCDを売るのは
\‐  資源の無駄だ、という
    非難もありますが
 
  (‥ )でも、売れたCDは
      最終的にそのすべてが
      ゴミとして廃棄される
      運命なんだよね
 
 だから大量に買って即廃棄でも、問題ないと言えば問題ない。
 
 多分、ここらにおける意見のいさかいはあれだ、漫画、絶望先生でネタにされたような日常の事柄。つまり結婚式の引き出物なり会社が配ったしょうもないカレンダーなりを、どう処理すれば良いのか、そういう話と同じなんだろう。
 
 品物は、もらった以上は祖末に扱えない。しかし必要無いものだ。
 
 さりとてすぐ捨てるのも忍びない。
 
 ∧∧
( ‥)それゆえに
    時間が経過してから捨てる
    あるいは
    形式的に使って
    一応、使ったのだからと
    捨てる事を正当化したりする

 
  ( ‥)心理的な問題なんだな
    ‐□ 最後に至る結果は
      同じだけど
      しかるべき過程と
      しかるべき儀式を
      行って廃棄する
      そういう儀式を
      経ないで廃棄するから
      皆が渋面を作るわけだ
 
 もちろん必要以上に大量に買った人にはこの儀式を省かざるをえない切迫した理由があるのだが、他人はそんなことに興味がないので、批判するのである。
 
 *この事例自体は不法投棄なんだが、これにも切迫した理由があったのだろう=>hilihiliのhilihili: 海辺の不法投棄
 
 ∧∧
( ‥)まあ、握手券目当て
    CD大量廃棄に関する
    いさかいや
    意見の衝突は
    心理なり儀式なりの
    問題だとしてですよ
 
  (‥ )読まれない本を
      本を読まない人に
      売りつける
      これをどう実現したら
      良いのか?
      ここが肝要だよなあ

 
 本を読まない人に、読まない本を売りつける
 
 ∧∧
(‥ )本とは関係ない付加価値を
\‐  つければ良い
    そういうことなの
    でしょうけどね
 
  (‥ )冒頭10ページが
      グラビアアイドルの
      水着写真になった新書とかな
    
 
 
 おかしな話と言えばおかしな話なのだが、未だに、グラアビアアイドル水着写真付き新書、というのは販売されたことが無いようである。
 
 
  ( ‥)そのうち誰かやるだろう
    ‐□ そう思っているのだけど
      誰もやらないのだよね
      なぜだろうね?
 
 ∧∧
( ‥)プライドが邪魔を
    するんじゃないですか?
 
 あるいは、水着写真付き新書とは、途方もない悪手であるのかもしれない。とはいえ、悪手であるにしても、その理由はまったく分からない。そもそもそれが悪手であると分かるのは、実行した時なのだ。水着写真付き新書が存在していない以上、これが悪手であるか否かの判断は空論であるとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )いずれにせよ
\‐   どうしようもない本でも
     売れればお金になるし
     お金があれば良い本が作れる
     ならば
     中身ないけど
     売れる本を作るというのは
     急務だよね
 
  (‥ )グラビア水着以外に
      本に付加価値をつける方法
      なんかあるかな?
 
 
 
 

2014年6月18日水曜日

やせ我慢とは真剣にするものだ

 
 
  (‥ )まあなんつーかだな
      例えばの話
      大人になって
      漫画だラノベだ
      読んでいますと
      そんなことを
      言う訳にはいかんのよ
 
 ∧∧
(‥ )そりゃあ大人には
\‐  社会的地位をかけた
    見栄張りが必要だからね
 
 漫画だのラノベだの、アイドルのゴシップ記事だのと、そんなことを眼を輝かして言うわけにはいかないので、全員、必死なのである。
 
 ∧∧
( ‥)だから? なんとか
    小難しい話をしようと?
 
  ( ‥)だけど頭の出来は
    ‐□ 変らないのでね
   
 これを考慮すれば、皆が無茶苦茶なことを言い出すのは当然だと言えよう。
 
 というか世の中のほとんどの言動、執筆、発言は、こういうけばい金メッキで飾られていると考えるべき。
 
  (‥ )政治家の発言から
      口説き文句まで
      全部これ
 
 ∧∧
( ‥)言い換えれば
    真剣だってことだね
 
 
 やせ我慢には理由がある。そして、やせ我慢とは必死でやるものだ。
 
 
 これはhilihiliのhilihili: 読書とは、頭脳は子供、誇りは大人の続きでもある
 
 
 
 

読書とは、頭脳は子供、誇りは大人

 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)そうねえ
    ‐□
 
 子供向きの本を書くと、馬鹿みたいな子供騙しの内容、という反応が返ってくる。
 
 ∧∧
( ‥)大人が絵本を読んで
    どうするのよ?
 
  (‥ )世の中にはこれが
      大人向けの本なのか
      子供向けの本なのか
      識別出来ない連中が
      うじゃうじゃいるんだよ
      間抜けな話だがな
 
 反対に、大学生程度向けの本を書くと
 
 ∧∧
(‥ )今度は理解ができません、と
\‐
 
  (‥ )そりゃあ、おれたちゃ
      もう大学生ではないのでね
 
 大学生だって、その時だけの短期記憶と暗記勝負、傾向と対策で受験を突破してきたのである。
 
 傾向と対策だ。
 
 それは能力の限界を示した言葉であり、必然、我々の平時における能力はそれをずっと下回ることになる。そうであろう?
 
 端的に言うとこうだ、大学生レベルの本を今や平時の能力しか持たない大人が読むこと、これは原理的に不可能。
 
 
 ∧∧
( ‥)受験と学生時代
    何度かのテストを
    切り抜ければ
    人はそれぞれ
    生きるのに必要な
    一芸のみを磨いていく
 
  ( ‥)僕らにはそれしか
    ‐□ できないのだよ
  
 これもまた傍証だ。僕らの能力が大学生よりも、その時代の自分自身からさえもはるかに劣っている証拠だ。能力があるのならもっと多方面に器用に生きたって良いはずなのだから。
 
 まあ、こう言うと烈火の如く怒り狂って反論する連中がいるのも確かではある。
 
 彼らは言う、我を見よ! 我が蔵書の山を見よ!と。
 
  だがしかし、まあなんだ、色々な例があるが、例えば理系の本に関して論じてみよう。グールドや今西錦司の本はそれなりに売れたし、それを多くの知識人や文化人、読書家が愛読し、推薦したが、所詮は間違っている。この痛ましい事態こそが結論でもある。
 
 つまり、読んでも、読めても、そんなことには意味がない、ということだ。
 
 読んでも、読めても、そんなものは能力の論証にはならん、ということだ。
 
 読んでも、読めても、理解しても、納得しても、説明できても、そんなものは何の保証にもならぬゴミかすである。
 
 これはすなわち、誰よりも本を読めると自負する人々の営み、読書家の読書というものが、所詮は自分の思い込みで物事を解釈しているだけの巨大なトンデモ幻想に過ぎぬということを示唆している。
 
 私たちは小学校の時から何も変化していないのではないのか? 少なくとも読解力とかそういう能力は、あの時に凍結されたままではないのか? そんな稚拙な能力のまま、騙し騙し、自分まで騙してここまで来たからこんな愚かしいことになっているのではないのか?
 
 
 ∧∧
( ‥)読書とは
    プライドだけは高いが
    読解力は小学生のまま
    誤読と思い込みを
    積み重ねた妄想でしかない
 
  ( ‥)つまりあれなんよな
    ‐□ 正しい本を書いて
      なおかつそれを
      人々に読ませるには
      内容は小学生向け
      しかし、言葉だけは
      小難しくして
      一見すると
      大人向けの本であるように
      偽装する
      そうすべきなのだな

 
 頭は子供、プライドは大人。そうだというのなら、そうしなければならぬ、そういうことなのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもあなたの仕事の予定は
\‐  2015年までは
    大学生向けの本か
    子供向けの本か
    そのどっちかしかないよね
 
  (‥ )やるとしたら
      2016年以後
      そういうことだよねえ
 
 とはいえ、そんな先の予定は何一つとしてたっていないのであった。
 
 しかし、これはテストであり、思案であり、計画とテストは未来への筋道を作り出す。
 
 ∧∧
( ‥)何もかもが五里霧中である時
    こんな計画でも
    無いよりましだと
 
  ( ‥)おれは他人の気持ちが
    ‐□ よく理解できないのでな
      なんでも良いから
      取りあえず把握の指針が
      欲しいのよね
 
      
 

2014年6月17日火曜日

人間の分散は努力という成功体験を生み出して人生を狂わすだろう

 
 ちょっと気を抜くと何もかもつまらなく感じてしまう
 
 ∧∧
(‥ )自分一人で面白いことを
\‐  作成するのは難しい
 
  
  (‥ )今日、興味をひかれたこと
      というと
      タンパク質が持つ構造の
      一様式
      ジンクフィンガーかな
 
 日付は変ってしまったが、本日はあまり仕事にならなかった。また起きたら調べ直そう。そもそも学生時代の知識に穴があるか、時代遅れになっているか、どれかなのだ。それでもなにも無い一日よりはましである。
 
 さて
 
 仮に人間の能力が平均から均等に分布していたとする
 
 例えばこんな風に
 
◻︎
◻︎
◻︎
◼︎
◻︎
◻︎
◻︎

 
 ∧∧
(‥ )この場合、努力すると
\‐  努力の分だけ
    人より抜きん出ることに
    なるよね
 
  (‥ )10の努力で10人を抜き
      20の努力でさらに
      10人を抜き、だな
 
 だが、実際のところ人間の能力は平均値に集中した分布を示す。
 
 例えばこんな風に
 
◻︎
◻︎
◻︎◻︎
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
◻︎◻︎
◻︎
◻︎
 
 ∧∧
( ‥)この分布の場合
    当初、努力はめざましい
    効果をもたらすことになる
 
  (‥ )例えばの話
      10の努力で
      1000人抜きだ
 
 だが、さらに10を上乗せして努力を行った時、抜ける人間は途端に10に減る、さらに10を上乗せしても、今度は1人抜くのが精一杯
 
 ∧∧
( ‥)多分そんなだろうと
 
  (‥ )さーて問題だ
      どっちの方がおかしな
      勘違いをすると思う?
 
 おそらく、後者の場合、つまり人間が平均値に非常に偏った分布をするという現実的なモデルの時にこそ、人はおかしな勘違いをして人生を詰むのではないだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)努力したら1000人抜き
    投資に対して大きすぎる
    この成果に眼がくらむと?
 
  (‥ )というか、
      おかしな全能観を
      持つようになるのでは
      ないかね?
 
 もちろん、結果は見えているのだ、この全能観は偏りが生み出した結果でしかないし、それを延長した未来予測は確実に外れる。その先にあるのは挫折だけだ。
 
 ∧∧
(‥ )努力によって大きな成果が
\‐  得られるはずである
    そういう初期の成功で
    刷り込まれた思い込みを
    抱いたまま人生が
    閉じていくと
 
  (‥ )おれの高校の先生はよ
      努力を熱心に
      言い立てていたけども
      おれがさ、いるような
      学校で教鞭取るような
      先生ではねえ
      駄目だよねえ
 
 努力すれば成果が得られるのだ、そう言い立てる先生が自分の目の前にいることの矛盾。あの時の何とも言えない気持ちは今でも時々思い出す。
 
 人間が平均値に異様に集中する。このような分布なり分散なりをする世界では、努力という成功体験が容易に産まれやすいように思われる。そして必然、その成功体験で人生を狂わせる連中が数多く出現することとなる。
 
 努力というのは、愚かで無様なことなのだ。必要ではあるが、あまり真面目な顔をして言う事ではないのだろう。
 
 

2014年6月16日月曜日

ソンブレロ銀河(位置だけ)

 
 M104のスケッチを追加=>Untitled Document
 
 ∧∧
(‥ )スケッチと言っても
\‐  星雲と周囲の星の配置を
    記録しただけだよね
 
  (‥ )M104
      いわゆる
      ソンブレロ銀河だが
 
 写真だとこう=>https://www.google.co.jp/search?q=sombrero+galaxy&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=QdCeU-KMNoz88QWrrwI&sqi=2&ved=0CAYQ_AUoAQ&biw=1070&bih=782
 
 *最近の詳細な写真だと、ソンブレロっぽさがむしろ失われるようである
 

 スケッチだとこう=>https://www.google.co.jp/search?q=sombrero+galaxy&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=QdCeU-KMNoz88QWrrwI&sqi=2&ved=0CAYQ_AUoAQ&biw=1070&bih=782#…
 
 ∧∧
( ‥)ところがあなたの
    スケッチだとこれだ
 












 
  ( ‥)当日はかすみが強くてね
    ‐□ そのせいもあって
      よく見えていないのだ
 
 多分、空の状態がもっと良かったら、より詳細を観察できたのだろう。
 
 とはいえ、当日はそうではなかった。それでもまだ、からす座が見えているし、ソンブレロ星雲がひょっとしたら見えるかもしれない。
 
 そう考えて星々をスケッチし、暗闇の中、ごそごそとコンパスで円を描き、視野と星の配置を確かめ、そうやって検討し、
 
 はて、このあたりにあるはずだが、ん? なにか見えるような見えないような...
 
 ∧∧
( ‥)心霊写真かよ
 
  ( ‥)まさにそうだが
    ‐□ 周囲の暗い星を
      スケッチして
      写真と照らし合わせれば
      どんぴしゃりだったわけよ
 
 そういうことから、ああ、この見えているのか見えていないのかよく分からないこれ、これがM104なのだ。そう確信できた。
 
 ∧∧
(‥ )写真みたいな
\‐  ソンブレロ銀河が見えると
    期待している人が
    望遠鏡でこれを見たら
    ぎゃー、だよね
  
  (‥ )失望して死ぬかもな
 
 
 ∧∧
( ‥)でも、あなたは嬉しかった
 
  ( ‥)子供の頃から
    ‐□ ずっと見たくてね
      小さな望遠鏡で
      探したのだけど
      どうしても
      見つからなかったのだ
 
 今から考えれば、空が明るすぎて見えていなかったのだろう。視野に入っても分からなかったのだ。
 
 ∧∧
(‥ )いくらスケッチ当日
\‐  夜の条件が悪かった
    とはいっても
    天の川は見れましたしね
 
  (‥ )言い換えると、
      天の川が見える
      その状況でも
      ソンブレロ銀河は
      見えるか見えないかだった
      それを考えれば
      自分が子供の頃
      これを探しても
      見つからなかったのは
      当然なのだよね

 
 子供の頃、本当に空が澄んだ時、ようやく、天の川があるっぽい? そう思える程度だった。ソンブレロ銀河を望遠鏡で見つけるなど無理な話だったのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも、もう位置は
    分かった
 
  (‥ )次はこの経験から
      より詳細を目指すのだ







90年代の絵が出てきた、そして体が痛む

 
 
 絵はうまいにこしたことはないが、うまい絵を描けばどうにかなると本気で信じているのなら間抜けだ。
 
 〆切時間内に、要望に答えた適切な絵を描くことが肝要。
 
 ぶっちゃけた話、絵なんてものは、読み飛ばせる程度のもので良いのである。
 
 ∧∧
( ‥)それを実現するには
    とにかく描くしかない
 
  ( ‥)描けばどうにかなるんだ
    ‐□ しかし、描かないと
      どうにもならん
 
 解を見つけるには手数が必要。
 
 ∧∧
( ‥)でも疲れちゃったのだよね
 
  ( ‥)漫画家ってさあ
    ‐□ あの人たち、
      体どうなってるの?
      いくら集団作業でも
      ああいう複雑な絵を
      連載するなんて
      常軌を逸してるだろ
      
 
 まあ、話が逆なんだろう。頑強な者だけが生き残って他は死んだ。多分、それだけのこと。
 
 ∧∧
(‥ )あなたは45だしね
\‐  
 
  (‥ )体のあちこちが痛え
      散歩にいったぐらいじゃ
      痛みもとれない
      むしろ
      走るべきだったのかなあ
      1日1枚描くと疲れる
      難儀な話よ
 
 しかも、まだ試行錯誤のテスト段階でこの有様。
 
 ∧∧
( ‥)でもテストでもなんでも
    とにかく描かなければ
    うまくもなれず
    完成することも
    要望に答えることも
    出来ない
 
  ( ‥)今日、掃除したら
    ‐□ えらい古いイラストが
      出てきてな
      今、描いているのと
      同じ系譜の絵なのだ
      これがだな
      悪くもないが
      良くもない出来でな
 
 古いものだ。ネット以前、多分、90年代のものだからデータ化してメールに添付、送信とかしていない。原稿を直接、編集部に郵送したものだ。それが返却された時のまま、部屋のすみで10年以上も転がっていたのだった。
 
 ∧∧
(‥ )この手のイラストは
\‐  20年近く
    描いていないよね
 
  (‥ )この時からこういうのを
      より発展させていればね
      もう少し楽だったのかな
      ともあれだ
      この
      良くも悪くもない
      なんかぱっとしない
      このレベルから
      スタートして
      4ヶ月以内に
      もう少しましなものに
      しよう
      そういう魂胆なわけよ


 ∧∧
( ‥)そのためには
    なおさら描かないとね
 
  ( ‥)この年でそれをやるの
    ‐□ ちょっと
      無茶っぽいのだけどねえ
 
 
 ∧∧
( ‥)他に選択肢がな〜い
 
  ( ‥)完成で100枚だから
    ‐□ 200枚、300枚は
      描かないと
      ものにならんだろうね

    
 
 それにしても今夜は梅雨だというのに月がきれいだった。
 
 ∧∧
(‥ )残念、スケッチしそびれたね
 
  (‥ )夏の月は低く
      朝は早い
      スケッチできる時間は
      限られているからな
      やるなら予定を立てて
      半日つぶす
      勢いじゃないと
      駄目だからね
      諦める時は諦めろだ
 
 というか、もはや夜が明けて青空である。
 
 
 
 

2014年6月15日日曜日

偶像崇拝と統治の現実

 
 ∧∧
(‥ )サウジアラビアからの
\‐  留学生さんが
    仏像を破壊した
    というニュース
 
  (‥ )イスラームにおいて
      偶像崇拝は禁止だから
      そういうことなのかな
 
 タリバンによるアフガニスタン、バーミヤン石窟と仏像の破壊は有名だ。
 
 ∧∧
( ‥)でもイスラームと
    ムスリムが無条件に
    仏像破壊
    あるいは仏教迫害を
    行うわけでは
    ないですよね
 
  ( ‥)イスラームからすると
    ‐□ 預言者ムハンマドの
      啓示が最後にして完全だが
      他の啓示も
      それに先行するものとして
      存在を認めているからね
 
 イエスの預言に従うキリスト教、さらにアブラハムやモーゼの預言に従うユダヤ教。そもそもアラブ民族はユダヤ教徒と同様、セム語族であってお互い似たようなものである。イエスもユダヤ人なりアラブ人なり、そういう人の一員だった。当然、イエスが金髪碧眼の北欧系の白人などというわけがない。そしてセム人は無数の預言者を生み出した。セムの人々はそういう文化を持つ人々だってことだし、イスラームはその中から誕生して、それらすべてを包含しようとしたのだとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )でもインドと仏教は
\‐  サンスクリット語だから
    ブッダさんはセムではなく
    インド・ヨーロッパ語族だよね
 
  (‥ )しかしイスラームが
      征服地を広げると
      ブッダも預言者の系譜に
      組み込まれたのだよな
 
 *この場合、仏教とその偶像と崇拝は、神からの啓示、預言者であるブッダの言葉をゆがめた結果である、ということになろう。実際、仏教において仏像が現れるのはアレクサンダーとギリシャ人による征服とガンダーラ美術が発端だ、というのなら事実としてそうだということになる。
 
 **確かに、仏像を拝んで良しとすることは、ブッダとその教えを骨抜きにする、という指摘は正しいのだろう。少なくとも、肝心なのは仏典であるという発想からするとそうなるはずだ。
 
 **無論、だからといって現在の仏教徒の心証を無視して仏像を破壊して良い、というわけでもない。
 
 
 ともあれ、少なくともアフガニスタンあたりのムスリムには、ブッダもまたムハンマドに先行する預言者である、このような理解があるのは確からしい。
 
 例えばタリバンに撃たれた少女の国連での演説はそういう世界観を踏まえたものではなかったか? という話は以前にしたネタ=>hilihiliのhilihili: 仏教徒もまた啓典の民

 
 しかし、すべてのイスラームとムスリムがこういう理解を持っているわけではないことも、まったくの事実
 
 ∧∧
( ‥)というか
    仏教徒も啓典の民であるとは
    仏教と接触した
    イスラーム東方における
    それも外縁の
    認識なり解釈だろうと
 
  ( ‥)ブッダも預言者である
    ‐□ この発想は
      アフガニスタンとか
      あの近辺に
      限られている可能性だな

 
 考えてみれば当然だと言える。アフガニスタンはインドを統治したムガール帝国発祥の地でもある。チムール帝国の再建ができぬと分かった帝国最後の皇帝バーブルはアフガニスタン、さらにはインドに攻め込んで新たな国を打ち立てた。それがムガール帝国。
 
 かつてモンゴル帝国が崩壊してゆく混乱から抜き出たチムールは、モンゴル皇室の女性と結婚することで正当性を得て、中央アジアにモンゴルの正当後継者である大帝国を築き上げた。その子孫であるバーブルの帝国がムガール、つまりモンゴルと号されたのは当然なんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でもかつてのモンゴル、
    トルコ人と違って
    いまやチムールも
    子孫のバーブルも
    イスラーム教徒である
 
  (‥ )バーブルは酒を飲んで
      戦に負けたりして
      いるんだけどな
      あの人の人生、
      なんか魅力的だよね
 
 *注:トルコ人はもともと中央アジアの民族で、漢語で言う突厥などがそれ。モンゴル人と同様、遊牧騎馬民族なのでイスラーム世界においては優秀な騎馬戦士として売買、重宝された過去がある。こうした奴隷兵士(マムルーク)が打ち立てた王朝や、征服者として建設した国家がマムルーク朝やセルジュク朝、オスマントルコ帝国であり、さらにはチムール帝国、ムガール帝国でもある。
 
 いずれにせよ中世以後、アフガニスタンからインドまで、ここに侵入したイスラーム教徒は仏教やヒンズー教を統治する必要があったわけで
 
 ∧∧
(‥ )ここらの人は
\‐  仏教徒も啓典の民であり
    ブッダもイエスと同様
    ムハンマドに先行する
    預言者であると解釈する
 
  (‥ )必要性に迫られたって
      ことなのだろうな
 
 
 だが、言い換えるとそういう統治の現実と直面しなかった地域のイスラーム教徒は以上のような発想を持たない、ということになる。
 
 ∧∧
( ‥)サウジアラビアの人は
    そういう現実に
    直面したことがないって
    ことですかね
 
  ( ‥)少なくとも
    ‐□ 直面したと考える
      理由はないよね
 
 あったとしたら、それはムハンマドの最終的な勝利で、アラブ人の偶像崇拝者を打ち倒した時が、多分、最後だろう。キリスト教との聖像崇拝論争も、むしろローマ帝国との対立で語られることだ。それは支配でもないし、統治でもないように思われる。それに、征服されたエジプトなどのキリスト教徒は、もともと三位一体ではなく、単性論者が多かったのではなかったか? そして初期の大征服が終われば、ローマはシリアよりも向こう側だ。アラビアからははるかに遠い。
 
 ∧∧
(‥ )つまり偶像が存在する世界
\‐  しかも、それが
    生活に組み込まれていて
    覆せない現実がある
    日本に留学することで
    そういう現実に
    初めて直面した
    そういうことなんですかね?
 
  (‥ )個人の資質もあるから
      そう簡単に
      一般化できることでは
      ないのだけどね
      どう見るべきなんだろうね

 
 現実と直面した時、人はどう反応するか試される、そういうことかもしれぬ。
 
 ∧∧
( ‥)異教徒に課す人頭税を
    原理主義的に復活させて
    結果的にムガール帝国を
    衰微させた
    アウラングゼーブさんとか
 
  (‥ )原理主義的に
      正しくても
      現実の統治に
      合っていない場合
      さてどうするか?
      理解力と法的な解釈、
      対応の見せ所よな
 
 

  

努力、友情、勝利とはなんたる謎か

 
 ギリシャ神話の英雄ペルセウスは王である祖父によって命を狙われた。お前の娘の子供、すなわちお前の孫にお前は殺されるという神託があったからだ。英雄ペルセウスはゼウスによってはらんだ子であるとも言う。
 
 ∧∧
(‥ )英雄はしばしば血縁の者から
\‐  命を狙われる
    英雄は本当の家庭ではなく
    継母や養父によって
    育てられる
    英雄は神や貴族の
    血を引いている
 
  (‥ )単純に解釈すれば
      あれだな
 
 私の居場所はここではない
 私の実力はこんなものではない
 私には特殊な能力がある
 私は由緒正しい者である
 
 ようするに今の自分は嫌だ、今のこの居場所は嫌だ、自分にはもっとすばらしい場所がふさわしい。良く言えば向上心、悪く言うと分をわきまえぬ高望み。こういう人々のあがきと渇望を実現する者、それこそが物語、それこそが英雄。それこそが神話。
 
 一方、漫画の王道は、努力、友情、勝利であると、人は言う。
 
 ∧∧
(‥ )でも実際のところ
\‐  漫画の主人公は
    どれも神話の王道を
    体現した内容なんだよね
 
  (‥ )漫画どころか
      映画も小説も全部そうよ
      この意味において
      スターウォーズだって
      典型的な神話だからな
 
 
 さてもさても考えるに、じゃあ、努力、友情、勝利って、ありゃ一体全体なんだ?
 
 ∧∧
( ‥)なんだと思います?
 
  (‥ )単純に話の展開を
      言っているだけに
      思えるけどもね
 
 冒険の旅路は動く歩道ではないので、頑張って歩いてね
 一人ではドラマどころか会話すら産まれないので、友達が必要です
 勝たないと困ります
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  英雄や神の血を引く主人公が
    苦労して、会話して、勝つ
    それだけの話で
    努力、友情、勝利との
    矛盾なんかどこにも無いと
 
  (‥ )英雄と神の血を引く
      主人公が
      冒険の果てにお姫様を
      手に入れる
      これに絶望する人が
      たまにいるけども
      不思議な話よ

 
 一体全体、なぜ、努力、友情、勝利が物語の基本であるなどと勘違いしたのか? 謎がここにある。
 
 
 
 

2014年6月14日土曜日

ホタルと不安定な夜空と


 
 6月に入り、ホタルの季節がやってきた













 
 ∧∧
(‥ )一応、撮影できたね
\‐ 
 
  (‥ )発光の色が
      緑強めで写っているけど
      まあ、こんなだよなあ
 
 ピントがどうも合わせにくいので、なんか、こんな感じ。
 
 間もなく夏至だ。太陽が一番高く上がる季節。しかし基本的にまだ空気や大地には冷えが残っており、夜は涼しくなるし、雨が降って天候不順だと寒くなる。
 
 日付はすでに変ったが、6月13日、梅雨であるから空は曇り、しかし本日は朝から晴天だった。
 
 ∧∧
(‥ )太陽が上がればみるみる
\‐  温度が上がって雲が出来て
    今度はにわかに強い雨
 
  (‥ )晴れたり、降ったり
      曇ったり
      せわしないことよ
      本を読もうと
      公園にいったら
      途中で雨宿りの
      はめになったしな
      
 
 夜になってホタルを見に行くと、大気はすんでいた。ほぼ満月の月は強烈に輝いているのが分かるが、雲に隠されている。ホタルを撮影しようと画策している最中は曇りの闇、そして昼に続いてまたもやにわか雨であり、それが止めば、今度は雨雲が月の光の前を駆け抜けていった。澄んだ空と流れる雨雲、強烈な月。なんとも不安定でコントラストの強い夜である。


















2014年6月13日金曜日

電子化はコンテンツ置換の問題、雑誌はコンテンツ争奪の問題

 
 そういえば、自分は以前、tumblrを初めて知った時、そのあまりの恐怖に衝撃を覚えて、雑誌編集者に話をしたことがあった。
 
 雑誌は、全てではないにしても、もはや食われるだけではないですかね?
 
 ∧∧
(‥ )その人は、
\‐  はー? たんぶらー?
    と言っていましたけども
 
  (‥ )その後、新しく雑誌を
      立ち上げたけども
      今はどうしてるのかな
 
 
 もちろん、雑誌はネットにただ食われるだけではないのだろう。そもそもネットを見ないで紙しか読まない人もいるのだから。紙を読む事がステータスだ、そう信じ込んでいる人もいるのだから。
 
 ∧∧
( ‥)それを保守主義とか
    ネットの集合知を
    考慮しない
    愚か者の行為と評する
    人もいますけども
 
  ( ‥)いやあ
    ‐□ 紙か電子か? それは
      議論の重要な部分では
      ありえない
      ゆえにそういう意見も
      的外れだよな
 
 紙に印刷しようが、電子にしようが、中身は同じなのだ。つまり、質に関する議論は実のところ紙とネットの違いではない。
 
 集合知とかいうのにしてもそうである。それは分母の話であって、紙とネットの違いではない。日本語のwikiよりも英語のwikiの方がかなり正しいけども、やはり絶望的な間違い、ちょっと知っている人間なら絶対にしない間違いが見つかるし、英語のネイティブであるにもかかわらず、引用した英語の文献を明らかに読んでいない例もある。
 
 これは分母と経験の話であって、紙とネットの違いではない。
 
 英語圏の方が分母が巨大である。編集部は依頼すべき相手を知っている。自主的に編集を行う人間はただの勘違い野郎かもしれない。単純にそれだけの話。
 
 集合知は紙とネットの問題でもないし、違いでもない。
 
 
 というか、思うにだ、紙と電子書籍を、フィルムとデジカメと同じ枠組みで考えることがそもそも間違いなのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)カメラの場合、
    コンテンツは外に
    あるんだよね
 
  (‥ )コンテンツを記録する機械
      それが置き換わっただけの
      話なんだよな
      これは実に容易なことよ
      機械を売るだけで良いの
      だからね
 
 
 だが、本はそういうわけにはいかない。コンテンツそのものを置き換えなければいけないからだ。
 
 ∧∧
(‥ )人によっては
\‐  そんなの簡単です、と
    言うのだけどね
 
  (‥ )簡単なものかよ
      電子化の手間
      うんぬん以前に
      再契約をしなければ
      いけないのだからな
      事務手続きにかかる
      時間も経費も
      馬鹿にならん
 
 しかも、人々が物色して満足できるほど巨大なコンテンツを作らねばならぬ。ショッピングモールを作るどころの騒ぎではない。もっと大事だ。経産省が東北支援とからめた緊急デジタル化による電子化書籍、その数6万5000冊でさえも、まったく足りないのだ。
 
 *最終的に8万冊を越えたらしいが、状況の劇的な改善は無理だろう。
 
 ∧∧
( ‥)電子書籍を軌道に乗せるには
    これからさらに10年
    20年かかりますかね
 
  (‥ )産まれたばかりの火山島に
      森と畑を作るには
      長い時間かかるもの
      そういうことよな

 
 以上を踏まえれば、紙と電子の議論はかなり混乱的だと言える。重要な要素を無視したり勘違いして、ずれた議論を行っているのは明らかだ。出版界が電子化を阻止する陰謀をたくらんでいる、という解釈もそのひとつだろう。それらは事務手続きのことを全然考えていない発想でしかない。社会人がそういうことを真顔で言うのなら、それは会社における立ち位置と経験を物語ることになるが、さて、そんな評価をされうることを、例えばあなたなら、自分なら良しとするか?
 
 ∧∧
(‥ )電子化でもうかる条件さえ
\‐  整えば出版界は
    雪崩をうつように
    動き出すでしょうしね
 
  (‥ )世の中は金よ
      だがしかし
      今は無理なんだよな
      なぜか?
      金がないからだ
      ある人、曰く
      海に入って
      ビッグウェーブを
      待っているけども
      まだこないとね
 
 まだ無理だ。だがいつか必ず来る。それを待っている。そのために今、こつこつと電子化が進行しているのだ。その時は必ずやってくる。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると
    ネットなど
    なにほどのこともない
 
  (‥ )とっ、思っていると
      足下をすくわれるのだな
 
 なんでかというと、以上の話は、コンテンツを電子化するのにあまりに手間がかかりすぎて、今はまだ条件が整わない、良くも悪くも時間的猶予があるという話だった。
 
 だが、しかし
 
 ∧∧
( ‥)雑誌のコンテンツは
    もうネットの中に
    あふれているんだよね
    みんなが作り、描き
    書き、抜粋し、
    連鎖する様々な変異
    そして無限の引用
    コンテンツが
    尽きることはない
 
  (‥ )紙と電子という
      上っ面を剥ぎ取ればだ
      出版界は安泰でも
      雑誌の総崩れという
      未来が占えてしまう
      わけだ

 出版界の電子化はコンテンツを電子化し、置き換えることが問題だ
 
 だが、雑誌の問題は、コンテンツが争奪されてしまう、ここにある。
 
 だとすると以上の二つは同列には扱えない。そうなれば、出版界が存続してもなお、雑誌の総崩れ自体はあり得ない話ではなくなる。
 
 さてさて、皆の衆、いかにしてこの難局を切り抜けようか?
 
 これは、hilihiliのhilihili: これは凶兆の続き
 
 
 
 

これは凶兆

 
 
 ∧∧
(‥ )なんかね
\‐  雑誌の執筆6ページで
    2万という事例もあり
    執筆業はもはや...
    という話が
 
  (‥ )んー....
 
 これを単純に200ページの本で考えると200÷6およそ33、これに×2万で..
 
 ∧∧
( ‥)200ページの雑誌を
    まるまる一人で書いたら
    もらえる原稿料は66万
    税金で一割を引かれると
    60万を切る感じだね
 
  ( ‥)これ自体は単行本を
    ‐□ 執筆した時と
      同じ支払いだと
      考えて良いね
 
 そういえば以前、ネットで「おれ、ラノベ作家だけど何か質問ある?」というスレがあって、
 
 ひとつの作品を出してもらえるお金は幾らぐらい?
 
 60〜50万だよ
 
 嘘つけ! お前は俺みたいにラノベ作家を目指す奴の夢を壊すために安く言っているんだ
 
 とまあ、おおむねこんなやり取りがあったけども。
 
 ∧∧
(‥ )残念、これが
\‐  ライター業の現実です
 
  (‥ )さらにここから
      生活費だけではない
      資料や取材、備品などの
      必要経費も捻出するのでな
      手取りはもっと低いと
      考えるべき
 
 一ヶ月で本を出せば額面60〜50万だが、実際にはそんなことは無理だ。本の制作にはどうしても3ヶ月ぐらいかかる。つまり60万÷3で、月収20万を切る。
 
 ∧∧
( ‥)そして週刊連載漫画や
    仕事の速いラノベ作家さんの
    仕事量を考えると
    この速度、
    3ヶ月に1冊の本が
    人の限界であると
 
  ( ‥)だから単純に考えると
    ‐□ 物書きや作家の年収は
      60万×4=240万
      あるいはそれ以下になるよ
      というのは
      基本的な話なんだが
 
 まあ、これ自体はただの現実だ。目新しい話でもなんでもない。単なる基礎である。
 
 この基礎を踏まえて冒頭の話に戻ると
 
 ∧∧
(‥ )冒頭の話における
\‐  窮状とは
    単行本を書いている
    作家からすれば
    当たり前の話である
 
  (‥ )ここで、努力信者なら
     なにを甘えているんだ!
     俺はもっと苦労しているぞ
     雑誌も単行本と
     同じ土俵に立つべきだ!
     と叫ぶところだが
     注目したいのは
     そこではないな

 
 つまり冒頭の嘆きをそのまま受け取ると、それは次のことを示しているように見える。
 
 それまで雑誌はそうではなかった
 
 だが今やそうではない
 
 
 ∧∧
( ‥)単純に解釈すれば
    これまで雑誌は単行本よりも
    圧倒的に売れていた
    だから潤沢な資金があった
    だから原稿料も高かった
    そういうことだよね
 
  ( ‥)だが、それが崩れた
    ‐□ 雑誌は潤沢な資金を失い
      単行本レベルにまで
      規模を縮小している
      そういうことに
      見えるよねえ
 
 一つの嘆きから業界全体を論ずるは、まるでコーヒー占いのごとく、コーヒーの残りから世界を論ずるがごとし。
 
 しかし、確かに確かに、雑誌は本の中では一番ネットと競合する場所であろうこともまた事実。だいたい、作家とかライター自身がblogを書いたり記事を書いたり、思いのたけをぶちまけたり、twitterでリアルタイムに発言する時代である。雑誌がネットに食われやすいのは当然。
 
 ∧∧
(‥ )何年か前から雑誌の
\‐  先行きに危機感を持つ人が
    いたけども
    いよいよ限界にきた
    という感じ
    なんですかね?
 
  (‥ )雑誌作成の予算が
      単行本レベルにまで
      縮小したとする
      この場合、
      おそらくこの支払いは
      本作りの限界に近い
      はずなんだよね
      実際、これでは
      生活ができないと
      言っているわけだからな
      
 
 ∧∧
( ‥)一方の雑誌は雑誌で
    経費削減で生き残りをはかり
    あちこちを削ったけども
    もう限界...そういう感じ
    ですかね
 
  ( ‥)だとしたら雑誌の廃刊
    ‐□ 消滅がいよいよ出てくる
      そういう感じかなあ
 
 もちろん、これまでも雑誌は次々に刊行され、次々に廃刊されてきたのである。だから廃刊自体は珍しいことではない。だが、この均衡が崩れるということはありうる。つまり雑誌の廃刊が創刊を上回る、という事態。

 もちろん、どんな業界にも複雑な側面がある。収入より支出が上回ったからといって、それが即、”赤字”になるとは限らない場合がある。だから事はそんな単純には進行しないはずだけども。
 
 ∧∧
( ‥)とはいえ、出版界
    いよいよ状況が悪化して
    きましたか
 
  (‥ )工夫して
      生き残りを模索する時点で
      相当な苦境だからな
 
 
 考えてみれば思い当たる節がある。ライター業をしていたがそれでは食っていけないので雑誌の編集(フリー)に転職した人や、会社を辞めた編集さんがフリーの編集として雑誌作りに携わる、そういう場面を幾つか見たことがある。
 
 ∧∧
( ‥)人が収入を考慮して
    生きる場所を探す以上
    選択肢が収束する場所こそ
    お金のある場所である
 
  (‥ )だから雑誌が良い場所で
      あったこと
      これはおそらく確かだ
 
 だが、どうもすでに過去形になっているらしい。海辺に広がる広々とした美しく豊かな農村地帯へ移住したのは良いが、水位が上がるとそこが水没し始めた、そんな感じだろうか。
 
 ∧∧
(‥ )他人事ではないよね
\‐  あなたも状況が良くなっては
    いないからね
 
  (‥ )これは凶兆
 
 
  
 

2014年6月12日木曜日

「この後すぐ!」は、おそらく死に値する罪

 
 まとめサイトの煽り文句は、テレビの「この後すぐ!」と同じだ。だのにネット民はテレビをあれほど唾棄するのに、まとめサイトの煽りはなぜ許容するのか??
 
 ∧∧
(‥ )という意見がね
\‐
 
  (‥ )許容してるかは
      知らんけども
      テレビの方が
      致命的かもな
 
 考えてみれば、テレビの「この後すぐ!」は、それを信用した時、視聴者は15分か、30分、あるいはそれ以上の時間を拘束される、という問題がある。
 
 ∧∧
( ‥)しかもその間、
    他の選択肢は
    選択出来なくなってしまう
 
  ( ‥)あったよな、
    ‐□ 人間は選択肢を奪われると
      こうすれば良かった
      という後悔の念を
      抱いてしまう、という説明
 
 これ自体は本来、選択肢の増大が不幸の感覚を生み出す、という現象を説明するためのもので、すなわち曰く
 
 選択肢を選ぶと結果に満足する一方、選ばなかった選択肢はどうであったろうか? という喪失感も産まれる。選択肢が多くなるに従って、選択して得た結果による満足度よりも、選択できなかった選択肢と後悔の方が多くなる。それゆえ、ある時点で後悔が満足を越えてしまう。ゆえに選択肢の多さは不幸の感覚につながる
 
 というものなのだが...
 
 ∧∧
(‥ )この考えを応用すると
\‐  テレビで「この後すぐ!」
    をやられて、
    じゃあもう少し見るか...
    という行動を
    視聴者が取った瞬間
    彼らには
    他の選択肢を奪われたという
    喪失感が産まれることになる
 
 
  (‥ )まとめサイトだと
      そういうことはないよね
      後で見ても良いし
      気を引かれた
      他の煽り文句を
      先行しても良い
 
 無論、まとめサイトだろうがネットだろうが、なんだよこれは、ということはあるわけで、喪失感が皆無というわけではないだろう。
 
 いや、つまりむしろ話は反対なのではないのか?
 
 ∧∧
( ‥)テレビの「この後すぐ!」が
    人々にもたらす苦痛
    これが異常に
    大きいのではないか?
 
  (‥ )他の選択肢を全部
      奪っちまうからなあ
 
 考えてみれば時間を奪われること。例えば人身事故、というか自殺で電車が止まった時、時間を奪われた時、皆のあの怒りようはただ事ではないのだ。あれを考えれば、この後すぐ!に皆が怒るのは当然だと言える。
 
 ∧∧
( ‥)あなたもこの前
    怒ったよね
 
  ( ‥)急遽相手のところへいく
    ‐□ 途中で人身事故があってな
      10分、240円程度の
      損失だったけども
      ぶちっと切れたよ
 
 とはいえ、以前見た礫死体を思い出すと怒りもさすがに渋面に変るのだ。多分、布団がすでに被せられていたが、血の気の失せた男か女かも分からない腕と広がる赤いシミ、向きがよく分からない体。電車の運動エネルギーの前で人体は無力で、激突時、特に音がするわけでもないらしく、野次馬もいない静かな夜だ。駅員と警察官だけが事後処理を素早く行うのみで誰もいない。怒って騒然としているのは現場ではなく、遠く離れた場所にいる私たち。当の本人はよく分からない物体になっているのである。
 
 ∧∧
(‥ )でもいやな言い方をすれば
\‐  人間一人の命が消えても
    あなたも皆も怒る
    つまり
    本人が死んでもなお
    人生の10分か15分か
    あるいは30分か
    それを奪われたことに
    みんなが怒るのだと

 
  (‥ )それを考えるとだな
      テレビがやる
      「この後すぐ!」は
      死に値する罪なのだと
      思うのだけどね
 
 この大罪を帳消しにする方法がひとつだけある。視聴者を待たせたことで奪ってしまった時間と選択肢。それを上回る驚きを提供すれば良いのだ。人々の喪失感は満足に満たされて、そればかりか溢れ出すだろう。
 
 ∧∧
( ‥)無理じゃね?
   そもそも、そういうネタが
   無いから引き延ばしを
   はかっているわけだよね?
 
  (‥ )テレビが置かれた状況って
      致命的だな

 
 
 
 

フセイン大統領よりも劣っていたのだよなあ

 
 ∧∧
( ‥)どうよ?
 
  ( ‥)おれはあれな
    ‐□ 衣装の把握が
      出来ていないのな
 
 不完全な把握はごまかしや密度の薄さにつながる。それは必ず目につくものになる。是正せなばならない。把握せねばならない。
 
 ∧∧
(‥ )衣装の把握
\‐  肉体の把握
    表情の把握
    そして有限の時間
 
  (‥ )才能がなくとも
      やらねばならぬ
      ことがある
      いつもの話よ
 
 さて
 
 hilihiliのhilihili: おっさんであるとは...悲しいかな罪なのだの続き

 
 より簡単に言ってしまうと

 アメリカの統治能力はフセイン大統領以下であった。

 それがイラク戦争で露呈したことであった。
 
 ∧∧
(‥ )それを言ったら
\‐  アメリカの人は激怒する
    でしょうねえ
 
  (‥ )だが事実なんだよなあ

 
 事実、イラクは内戦状態に陥った。あんなのテロ組織がやっていることだ、と言う事はできる。しかし、それを押さえていたのは大統領であり、それを押さえ切れなかったのはアメリカだった。
 
 ∧∧
( ‥)アメリカの人は
    アラブは野蛮なんだ
    と言い立てるかもね
 
  (‥ )それを統治していたのは
      フセイン大統領で
      統治出来なかったのは
      アメリカなんだよな
 
 人によっては言うのだろう。大統領は秘密警察を持ち、投獄と虐殺と拷問で圧政を...
 
 ∧∧
(‥ )アメリカ軍は収容所を作って
\‐   拷問もしたよね
 
  (‥ )やったねえ
      そして失敗したよねえ
      さらに国内の混乱で
      いっぱい死んだよねえ
 
 色々言い訳のしようがあるが、単純に言って、アメリカの統治能力はフセイン大統領よりも劣っていた。他に言い様がなかろう。
 
 *大統領の失脚後、シーア派の人々やクルドの人々が解放されたのだ、と言っても、国の体裁と安定という側面だけに注目すればそういうことになる。
 
 ∧∧
(‥ )イラクのように遅れた国は
\‐  民主主義なんか無理なんだ
    そう反論するかも
 
  (‥ )民主主義さえ押しつければ
      なにもかもうまくいく
      そういうバラ色の夢を
      言い立てたのは
      アメリカだったけどね
      EUとかが戦争に
      賛成しないから
      復興事業は米国企業が
      独占しちゃうもんね
      ばーかばーか
      というのりだったものな
      あの時のアメリカは
      のぼせ上がって脳神経が
      煮えていたよな

 
 遅れた国だから民主主義がうまく機能しないのだと言うのなら、そもそも戦争を始めなければ良かっただけの話。
 
 そして、現実は無情だ。軍隊自身はあれほど巨大な人数を動かしてきちんと運営できる能力を持つにも関わらず、大統領よりも統治能力が劣っていた、これは否定のしようがない。
 
 ∧∧
( ‥)そもそも民主化すれば
    すべてがうまくいく
    そういう理解が
    間違っていた
 
  ( ‥)イラク戦争は
    ‐□ アメリカが持つ世界観が
      根本から駄目だった
      それを暴露した
      出来事だと言えるよね
 
 すると、彼らの理解、例えば日本は右傾化している、とかそういうものも含めて、そうした理解の全てが間違っている。そういうことになるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもそうは思わない
\‐  中国の脅威に日本が
    対抗しようとすると
    日本が右傾化した
    軍国主義化した、と
    騒ぎ立てる
 
  (‥ )まあ、そう反応する原因は
      色々とあるんだろう
      けどもね
 
 昔、実際に戦争したよね
 原爆を落としちゃったので、日本がその仕返しをするかもしれない
 事実、中国も警告するではないか、日本はいつか絶対アメリカに牙を剥くぞ、復讐をするぞ、と
 安倍首相って、なんか精神論入っているから、そこはインテリからすればファシズムっぽく見えね? 
 以上、こういう情緒的な話を抜きにしても、遠交近攻という単純な原則がありまして
 
 
 ∧∧
( ‥)でも、以上もろもろを
    踏まえても最大の原因は
    アメリカが
    これまで抱えてきた世界観
    ”アメリカ以外の国防は
    悪いファシズムだ”
    この理解が
    現実世界においてもはや
    役に立たなくなっていること
    これが第一の原因かもしれない
 
  ( ‥)間違った仮説でも役に立つ
    ‐□ だがしかし
      役に立たない仮説は
      間違っている
      うんぬん以前の問題なのだ
 
 おかしなものである、イラク戦争で暴露されたのは、アメリカの世界観とその破綻、ではなかったか? これは日本人もかなり影響されている世界観のはずだけども、この世界観がもはや全く役に立たない局面に来ている事、それがあの戦争で暴露されたのではなかったか?
 
 ∧∧
(‥ )そのはずだけども
\‐   あいもかわらず
     昔ながらの世界観で
     日本が右傾化、右傾化
     と解釈するのだと
 
  (‥ )気持ちは分からんでも
      ないなあ
      日本において
      国防の重要性を
      訴えている人の中には
      実際に
      昔の軍国主義のままの人も
      いるからね
 
 実のところ時代錯誤なのはアメリカだけではないのだろう。アメリカと戦った当時の日本の世界観も、もはや役に立たないに違いない。今時、軍歌を唄って国旗を掲げ、銃剣連ねて行進したところで、私たちに出来ることなど何も無い。戦闘機やイージス艦を扱うどころか整備することもできない。掃除をすることが出来るかどうかも怪しいものだ。せいぜい自衛隊の邪魔をしないこと、必要経費を納税すること、これが出来るすべてではなかろうか。
 
 そしてこんなところに愛国的な高揚心などあろうはずがない。ここにあるのはただの事務作業である。
 
 ∧∧
( ‥)その意味では
    例えばの話
    石原元都知事さんも
    オバマ大統領も
    時代錯誤なのであろうと
 
  (‥ )この新しい状況で
      彼らはそれぞれ
      昔から使ってきた
      手持ちの理論を
      持ち出してきた
      それを通じてしか現代を
      解釈できない
      たとえ時代錯誤でも
      そうするしかないのだ
 
 確かにある程度は役に立つのである。徴兵制自体は時代錯誤でも、国防の重要性を申し述べる時には役に立つ。民主主義とファシズム、平和と戦争、善と悪という単純素朴な対立概念は決断に役に立つ。わずかではあるが役に立つのだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも実際にはどっちも
    もう駄目だろうと
 
   (‥ )どっちも激しく齟齬を
       きたしているからな
       非常に失礼な
       言い方をすれば
       これが老いなのだ
       徴兵制を申し述べようが
       ミドルクラスを救うため
       対決を忌避しようが
       どっちも
       時代遅れであることに
       変わりはないし
       そのことに
       気づいておらん
 
 イラク戦争は人によると愚かなブッシュjrが始めた大義無き戦争であり、失敗するのは当然であると思うらしい。
 
 ∧∧
(‥ )でもその人の心の中にある
\‐  アメリカ型民主主義万歳!
    ファシズムを許さぬ
    自由のための戦い万歳!!
    という歓呼の念は
    変らぬままだと
 
  (‥ )愚かなことだよ
      イラク戦争で
      露呈したのは
      戦争の失敗ではなく
      そういう想いそのもの
      つまり
      民主主義と統治の
      失敗なのだからね
 
 実際、戦争自体には勝っている。少なくとも国対国の戦い自体には勝っている。
 
 ∧∧
( ‥)だが統治には失敗した
    収容所も拷問もしたのに
    フセイン大統領よりも
    劣った統治しかできなかった
 
  (‥ )あれはさ
      民主主義の敗北
      民主主義とファシズム
      善と悪の戦い
      そういう価値観
      そうした世界観
      それらすべての
      敗北だよね
 
 気づくべきだったのだ。イラク戦争で何が瓦解してしまったのか。アメリカ的な価値観、解釈、民主主義こそが正しい到達点である、このすべてがぶち壊れてしまったこと、もう70年前のWW2の世界観なんかもはや役に立ちはしないということ。そんなものただのガラクタでしかないこと。これに気づくべきではなかったか。
 
 ∧∧
(‥ )でもそれに気づかないのが
\‐  老いなのだと
 
 (‥ )70、80は言うまでもなく
     今の40代、50代
     なんてことだろうな
     俺たちはもう死んでいたのだ
 
 なんてことだろう、とっくに死んでいたことに今ようやく気がつくとは。
 
 もはや我ら、時代遅れのモデル。
 
 

2014年6月11日水曜日

レベル低いと思ったら自分でちゃんとしたのを読まなきゃ嘘でしょ

 
 どんどん本のレベルが下がっていく。ラノベを見よ。どんどん読者の知的レベルが下がっていく。
 
 否
 
 ∧∧
( ‥)読者のレベルが
    下がったわけではない
 
  (‥ )そもそもまずあるのは
      売り上げの向上だ
      それには市場を
      開拓しなければならぬ
      肝要なのは
      本を読まない人にも
      本を読ませることよ
      ただ、この動作は
      無茶な要請でな...

 
 本を読まない人でも読める本
 
 これは存在自体が矛盾だ。水に近いカルピスを作るようなものである。もちろん、作ること自体は簡単だ。問題は、限りなく水に近づけることはできるが、限りなく水に近づくと、カルピスとしてのアイデンティティが失われてしまう。水に近づいたカルピスはカルピスではないのだ。それと同じように
 
 ∧∧
(‥ )無茶な要請を実行すると
\‐  本のアイデンティティが
    失われてしまう
 
  (‥ )だがそれでもなお
      実行しなければならんのだ
      そうでないと出版社に
      未来はないのだよ

 
 思い出すに、授業の合間と休み時間、あるいは放課後に本を読んでいる人間が一体どれだけいたか?
 
 せいぜい、1パーセントぐらいではないのか?
 
 出版社が売り上げを伸ばさんとする時、開拓すべきはこれ以外の人々であるのは明白。
 
 本を読まない人々が自発的に手に取るような本。それは可能な限り楽で魅力的なものでなければならない。
 
 ∧∧
( ‥)本としてのアイデンティティが
    崩壊するぎりぎりの本
    
  ( ‥)そういう売り上げが
    ‐□ あるからこそ
      もっと複雑な本を
      出す事に金を使える
      わけでね
 
 あれを否定することはできない。これは現実なのだ。そしてこれは、本のレベルが下がったわけではない。実は読者のレベルが下がっているわけでもない。それゆえにそんなことを騒ぐ必要もない。
 
 そもそも
 
 ∧∧
(‥ )レベル下がったとか言うなら
\‐  レベル高い本を読めよ
    そんな感じですかね
 
  (‥ )まあそうだね
      もっともこの場合の
      レベルが高い本って
      どんな本なのか
      よく分からんけどな

 例えば高尚な恋愛と言われても、それはネッシーやツチノコのようなものではないかと思われる。
 
 *それにそもそも水に近いカルピスは確かに問題だが、原液で飲むのもちょっと困るのだ。何事も適正であるべきで、暑い時に濃いカルピスを飲みたいか、というとそれは怪しいのである。氷が入った薄いカルピスにも需要があり、それがぴったりくる季節があるのだ。薄いと言って全否定するわけにはいかぬ。
  
 
 **ちなみにこんなことがある。本のために原稿を書くと、校正という作業がある。誤字脱字がないか探して手直しする作業だが、出版社だけでなく外部校正に出す場合もある。校正作業を専門にしている人にも校正してもらうのだ。つまり二重チェックである。
 
 だが、理系の本を校正したことがない人の場合、科学用語が分からないことがしばしばある。
 
 先日あったのが
 
 ∧∧
(‥ )同位体とは何ぞや?
\‐  という校正さんの
    走り書きがありましたね
 
  (‥ )同位体は一応、
      学校で習っているはず
      なんだけどね
 
 というか、一応、本文でも説明はしているのだ。元素の中には化学的性質は同じだが重さの違うものがある、と。
 
 ではそれ以上の説明を望むか?

 同位体の説明は....結局省いた。例えばやや詳しく書くと
 
 原子は原子核とそれをめぐる電子から構成されている。原子核には陽子と中性子が含まれている(水素は例外)。電子と陽子は電気的な釣り合いをとって数は同じである。中性子はプラスやマイナスといった電気は持たない。元素の化学的性質は電子が担っているので、電子の数が同じである原子は、化学的に同じ性質を示す。これが元素である。この場合、電子と電気的な釣り合いをとる以上、陽子も数は同じである。つまり同じ元素は電子の数が同じであり、陽子の数も同じである。しかし、電気的に中性である中性子の数はその限りではない。つまり同じ数の電子を持つ一方で、中性子の数が違う元素がありうる。これが同位体である。電子の数と配置が同じである以上、化学的な性質は同じだ。しかし中性子の数が違うのだから質量が...
 
 ∧∧
( ‥)こんな説明、
    余計分からなくなると
 
  ( ‥)だからやめたのさ
    ‐□ だいたい長いしな
 
 化学的性質は同じだが、元素には重いものと軽いものがある。それが分かれば話は十分なのだ。同位体のあり方から絶滅動物が何を食べたのかを知ることができる。書くべきはここから先の知見であって、同位体の説明ではない。

 ∧∧
(‥ )このように省略した
\‐  あなたの本をレベルが
    低いと言うことも
    可能だよね
 
  (‥ )それに対する答えは
      そう思った瞬間に
      教科書と論文を
      読まなきゃ駄目でしょ
      あんた何してるの? だな

 
 これは別に理系の本に限った話ではない。ラノベでも同じである。レベルが低いと言うのなら、だったら高いものを読めば良いではないか。実に簡単な話である。
 
 ∧∧
( ‥)文句を言うってことは
    それが出来なかった
    そういうことであると
 
  (‥ )そしてそれはだな
      感心出来る話では
      ないのだよね
 
 つまり、下ばかり見ていて、上を見ておらんということだ。前を向いているのかさえも怪しいものだ。そんなことを自分から大声で言う事はないではないか。
 
 
     

それはまるでパイナップルしか入っていない酢豚のよう

 
 今、深海魚がブーム
 
 ∧∧
(‥ )という話が
\‐
 
  (‥ )去年2013年に
      ダイオウイカの生態写真が
      公表されたことを
      受けたものなのだろうね
 
 ∧∧
( ‥)あなたは深海魚の本を
    書く事が多いから
    ビジネスチャンスだと
    思います?
 
  ( ‥)そうは思えないな
    ‐□ 深海魚を見たいって
      言っている人は
      写真がみたいだけだろ?
 
 しかし、写真が見れる深海魚は、ごく限られている。海底にいて機械が近づいても逃げない種族や、設置された餌に集まる種族、あるいは熱水噴出口などで確実に群集していることが分かっている種族、そういうものが写真に撮影される。
 
 *モントレーのような例外もあるが、あれはあくまでも例外だ。
 
 海洋探査が税金を使った事業である以上、確実に成果が得られるような生物群において調査が行われるのであって、だからそういう動物の画像があるのだ。
 
 ∧∧
(‥ )さらにいうと、生態ではなく
\‐   生理とか代謝に関して
    興味深い知見が得られる
    そういう種族に関して
    研究が行われるわけだよね
 
  (‥ )だからさ、
      画像がある深海生物は
      ごく一部のものだけ
      しかも海底温泉で群れる
      一部の生物とか以外では
      生態は研究されていないし
      ゆえに書く事も
      ないんだよね
 
 すごく大雑把に言うと、深海生物の画像が見たい、と言っても、画像のある生物については書く事がほとんどないのだ。そう思えば良い。
 
 ∧∧
( ‥)反対に画像の無い生物に
    関しては書く事が
    意外とあるのだと
 
  ( ‥)海水中を浮遊する
    ‐□ ワニトカゲギス類
      チョウチンアンコウ類は
      そういうものの
      筆頭だよね
      分類、系統、生態
      謎めいているが
      興味深い推論が色々と
      あるのだ
 
 だが、言い換えれば、これはこういうことでもある。
 
 深海生物の画像にこだわる限り、大部分の深海生物は紹介することもできない。
 
 だからこうなる。深海生物ブームといっても、それは所詮のところ、画像が見たいという、いわばにわかの要望でしかない。
 
 *大体、水中できれいな映像が撮影できる、と思っている時点で何も分かっちゃいないのだ。女の子はすっぴんの方が可愛いよ、と言う男に対して女の子が感じるような違和感に近いかもしれない。
 
 それを踏まえればである
 
 ∧∧
( ‥)つまりあなたにとって
    深海生物ブームというのは
 
  (‥ )今、酢豚が流行ってます
      そうは言うけど
      その酢豚、具が全部
      パイナップルだよね?
      というか
      それ本当に酢豚なの?
      そういう違和感しか
      感じないのよね
 
 理解できないし、意味が分からないし、魅力的だとも思えない。
 
 さてもさてもそれを考えると、よく批判されるが、AKB商法とは偉大なものではないか。
 
 ∧∧
( ‥)握手券目当てに
    CDを大量に買うだけで
    あれは音楽ではない
    そう批判する人もいます
    けどもね
 
  ( ‥)だが売っているではないか
 
 ちゃんと消費者の心を掴んでいるではないか。
 
 もちろん反論もあろう。消費者の心といっても、それは一部のものではないか、と。
 
 だがしかし、そういう一部でも良い、大量にお金を出してくれる人を抽出して、しかも軌道に乗せることに成功した、これは驚くべきことなのである。
 
 ∧∧
( ‥)あなたはあれを
    まぶしく感じるのだと
 
  (‥ )深海魚ブームと聞いた時
      それって
      パイナップルだらけの
      酢豚だろ?
      おいらはそう感じて
      渋い眼で見るしかないのだ
      だが、世の中には
      そういう尻込みを
      一足飛びに飛び越える人が
      いるわけだよ
      飛び越えるだけではない
      商売を軌道に
      乗せてしまうのだ
      それをすげーと思うのは
      当然ではないかね?
 
 
 皆の望みをかなえるために、他の誰もがしなかったことを飛び越えてみせる。それは確かに驚くべきことではなかったか?
 
 こんな話をすると、自分はもっと本当のことを知りたい、そう考えるお客を目当てにすれば良いではないか、という意見も出てくるけども。
 
 ∧∧
( ‥)無駄だと
 
  ( ‥)スティーブン.J.グールドは
    ‐□ 売れた
      サイエンスライターで
      あった
 
 もちろん、グールドの本職は古生物学者である。しかし”サイエンスライター”という揶揄がなされたことから分かるように、彼が書いたことはめちゃくちゃだったのだ。断続平衡説、社会生物学批判、劇的なカンブリア爆発、全部間違っている。
 
 ∧∧
(‥ )でも売れたんだよね
\‐
 
  (‥ )あれを見た時に
      分かった
      グールドを読んで
      俺は進化論を理解した!
      そう思っている人々を見て
      分かったのだよ
      ああ、これは駄目だと
      知りたいと願う人に
      あるいは読書家に
      本を売るのは
      まったく無意味なのだと
      そのことが分かったのだよ
 
 
 つまるところ、本当ことを知りたい、と思う人は、仮説の妥当性を判断することが出来ていない。考えてみれば当たり前である、本当ことを知りたい=仮説の妥当性を適切に判断できる、ではないのだから。
 
 知りたいから読んだ、読んだ内容を信じた、それだけなのだ。
 
 確かに確かに、読書という作業は、自分の理解が妥当なのかどうかを検証する作業ではない。端的に言うと、読書などという行為は愚劣の極みなのである。読んでいるだけで調べちゃいないのだ。
 
 つまり、本当のことを知りたいという人に本当のことを書くという選択肢は自動的に駄目だ。確かなことを書いても、それはそもそも望まれていないのだから。
 
 ∧∧
(‥ )じゃあ、後はもう
\‐  好き勝手にやるしかないね
 
  (‥ )うむ、そういうことだな
 
 
 パイナップルだらけの酢豚が望まれている時に、生のパイナップルを丸ごと出す自由は、確かにある。そして強弁できるのだ、あなたが望んでいたパイナップルは今ここにあるではありませんか、と。
 
 
 
 

心というものは平気で嘘をつくので信用できない

 
 看板持ちのバイトは効率が悪すぎる
 
 今から2年前のこの話=>hilihiliのhilihili: 看板持ち
 
 ∧∧
( ‥)時給1200円でも
    駄目だろうと
 
  (‥ )おいらがやったのは
      1000円だったかな?
      でもそこから
      200円上がって
      1日8時間
      1600円の賃上げでも
      食費が補填できる
      ぐらいだからね
 
 看板持ちが外でするバイトである以上、外食で休むことになるから食費が高い。これはたとえカップラーメンをコンビニで買って食べても問題は同じだ。カップラーメンは値段に対して量も得られるカロリーも少なすぎる。支出に対して収入が少なすぎる。赤字だ。
 
 ∧∧
(‥ )あなたの看板持ちの記憶は
\‐  どれも寒い記憶だね
 
  (‥ )寒いから余計に
     そう思うのかもしれないな
     寒い時に動かぬままにいる
     これは猛烈な消耗でね
     まったく得した気分に
     ならないのだよね
     実際、金がどんどん
     出て行ったからな
     赤字だ赤字

 
 もしかしたら、季節が良かったらここまで悪いイメージは抱かなかった可能性もある。例えば天候の良い5月だったらどうか? 夏が終わって涼しくなった秋ならどうか?
 
 ∧∧
( ‥)焼け石に水じゃね?
 
  ( ‥)世間では看板持ちの
    ‐□ みじめさがよく
      言い立てられるけども
      もしも時給が良かったら
      見ている奴はともかく
      やっている奴はそうは
      思わないはずなんだよね
 
 つまり、みんな無意識のうちに計算しているのだ。得た金と消耗したカロリーを考えている。体が計算していると言って良いのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)つまり看板持ちのバイトが
    語るみじめさは
    表向きは境遇の悲惨だが
    実際にはカロリー計算による
    赤字の告発であるのだと
 
  (‥ )カロリー上、
      充分な黒字なら
      みじめとか言わずに
      別の問題点を...
      例えば
      退屈だとか
      そういうことを
      言い立てるだろ
 
 実際、そういうバイト自体は存在するらしい。つまり、時給は良いが、あまりに退屈なので辞めたと。そしてこの愚痴には、みじめだから辞めた、という表現は見当たらないのだ。
 
 やはりあれだ、この見解から解釈すると、看板持ちのバイトが語る”みじめさ”、例えば、分譲マンションの看板を持つ自分に会場への道を尋ねる夫婦がまぶしく見えた、というのは割り引いて考える必要がある。
 
 
 ∧∧
(‥ )案内を見て
\‐  分譲マンションを買いにきた
    夫婦まぶしいのではなくて
    今、この場の時給が
    足りないことを
    嘆いているのだと?
 
  (‥ )消耗に対して
      これでは赤字だ!
      という体の絶叫を
      心が勘違いしている
      そういう可能性だな
 
 他人の成功した人生とバイトである自分の境遇、この強烈な対比を見て心が嘆く、そういうことも当然あろう。確かに確かに、思い出したくもないが、そういうことばかり嘆いて、そんな愚痴ばかり聞かせる馬鹿が、かつての仕事仲間にいたことを思い出す。
 
 だがしかし、実際にはこうではないのか?
 
 損耗が激しすぎる この時給では破滅だ、なんとかしろ!
 
 という体と脳の警告を、心が、「つまり人生の失敗と惨めさですね? ああ、つらい おれの人生はどうしてこう...」 と勝手な翻訳をしているのではないのか?
 
 ∧∧
(‥ )まあ、その翻訳でも
\‐  おおむね正しいのですけどね
 
  (‥ )いや、間違いだね
      なにがいけないって
      肝心の金の話
      時給の話
      収入と支出の話が
      塗りつぶされてしまって
      いるではないか
 
 実際、看板持ちをなげく人々の話をもう一度、よーく聞き直してみよう。文章中のどの表現も、どの言葉も、全部、時給が足りない、という話に着地するのではないだろうか?
 
 思うに、どうも心って奴は無駄にロマンチストであるらしい。収入と支出、時給と金の話を、人生だの、惨めだの、そういう壮大かつ抽象的な単語でごまかしてしまう。
 
 ∧∧
( ‥)問題の最重要点を
    はぐらかしているのだと
 
  (‥ )看板持ちの問題点は
      たったひとつ
      安すぎる
      それだけだよ
 
 みじめって言葉は、ごまかしにしからない。そしてこれは、心は常に嘘をつくということでもあるのだろう。端的に言ってしまえば心というものは信用できたものではないということだ。奴らは平気で嘘をつく。
 

 
 

2014年6月10日火曜日

孤立した鋼の信念は訳分からん結果を招くんじゃね

 
 中国のように広く、人の移動が距離でも数でも大規模に可能な地域では、出会いはしばしば一期一会。騙して逃げることもできるし、騙されて逃げられる場合もある。
 
 ∧∧
(‥ )おそらく、それゆえに
\‐  中国の人は”今”を取る
    戦略なり戦術なり
    行動なりを採用せざるを
    えなくなる
 
  (‥ )現在のような
      科学技術のある世界では
      致命的な弱点でもあるな
      科学は継続しないと
      発展どころか維持もできん
      行き着く先は敗北だ
 
 
 もちろん、いつ金を産むか分からない物事を削減してすべてを台無しにするのは、日本だって同じだろ? とも思える。実際、事業仕分けとはそういうものであった。今夜の夕飯をすき焼きにすることと引き換えに子供の授業料を使い込んだようなものなのだから。
 
 だがしかし、こうも考えられる。日本でさえこうなのだから、これをほんの少しだけ、”もっと今を楽しもうよ”という方向性を強めたらどうなるか?
 
 ∧∧
( ‥)多分、致命的だと
 
  (‥ )想像するにやばいよな
      今でさえこうなのだ
      今より傾向を強めたら
      もう駄目だろう
 
 それを考えると、ほんのわずかな違いで状況が劇的に悪化すること、あるいは反対に改善することがありうる、というのはなんとなく予測できる。
 
 ∧∧
(‥ )中国の人は今しかない
\‐   少なくともその方向性が
     日本人より顕著だ
     それは中国の人は
     組織的な行動とかが
     苦手ということでもある
 
  (‥ )言い換えれば日本人の
      組織力というのは
      互いの監視を恐れた
      疑心暗鬼であり
      それゆえの道徳性だ
      ということなんだが
 
 まあ、これ自体は当然だと言える。そもそも道徳というものが相互監視と疑心暗鬼と、裏切り者の発見と排除、報復から成り立っているものなのだから。つまり、明日がない世界では、人は個人主義になれるが、明日がある世界では相手の報復を考慮する必要がある。必然、行動は道徳的にならざるをえない。
 
 ∧∧
( ‥)見方を変えれば
    中国の人には
    こういう公共性が希薄だし
    反対に言えば
    それでもなお道徳的で
    あろうとすれば
    それは個人の信念で
    あろうと
 
  ( ‥)それも尋常でない
    ‐□ 強烈な信念だね
      天安門事件の時
      戦車に立ちふさがった
      一人の人物がいたけども
      あれはそういうもの
      なのかもしれないな
 
 日本の道徳が相互監視と疑心暗鬼でしかないというのなら、中国のそれは独りよがりの盲信でしかないとも言えるし、日本のそれが集団の適切な規律であるのなら、中国のそれは群衆の中でも声を上げる、鋼の信念だということにもなるのだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でも、それって
\‐  集団から孤立しているから
    ものすごく危険なことでも
    あるんだよね
 
  (‥ )なんか先日、
      自衛隊機に中国軍機が
      異常接近した事件も
      これはパイロットの
      独断ではないか
      という話がある
      みたいだよね
 
 
 ∧∧
( ‥)やっぱ、日中開戦が
    起こるとしたら
    日米はおろか
    中国当局も予期しない
    訳分からん
    孤立した事件がきっかけ
    という感じですかね
 
  ( ‥)孤独な信念は
    ‐□ 孤立しているだけに
      どこを向くのか
      分からんからなあ
 
 だとしたら、結果も明白なんだろう。
 
 感受性の強い人は日本の規律の実態が、相互監視とリンチに基づくものだと知って絶望の声を上げるが、実際には、それこそが道徳と倫理の正体なのだ。その手の人は感受性が強い以前にうぶすぎるのである。世間に絶望する前に、自分の頭に絶望するべきだろう。反対に中国の様々な人が見せる鋼の信念を見た時、私たちは感嘆するが、それは諸刃の剣でもある。イレギュラーな要素はすばらしい反面、あまりにも危険だ。
 
 
     
 

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