時々、聞かれるこんな質問。
研究者でもないのに、どうして研究者の業績を紹介できるのですか?
答えは簡単。
研究者の評価基準を把握すればいい。
∧∧
( ‥)それは研究者がどういう解析手段を持っているのか、
そもそもその解析手段の正当性は何なのか、それを
把握するということですね。
(‥ )まーね
例えば、
草野球で成績を上げたオレ様プロがオレ様に打たせろとまさに宴もたけなわの球場に出向いたところ、門前払いを喰った。見ている観客は大笑い。ヤジは飛ぶわ、ものまで投げつけられる。そこでオレ様プロは言いました。なんでもお前らはプロ選手でもないのにオレ様の実力を計れるのだ!!
∧∧
( ‥)まー、簡単ですよね。成績を見れば一目瞭然。
(‥ )投げる、打つ、守る。これらの数値をざっくりとでもいい
把握していればちょっとした観客ならおよその評価ができる。
むろん、以上の事例ではオレ様プロの言い分にもやや理がある。評価される前に門前払いを喰らわせられたから。とはいえ、これもまた常識である程度は判断できる。
∧∧
( ‥)もしもプロ級の実力者なら高校時代とかにすでに頭角を
しめして既に既知のものになっているはずだ。
(‥ )年齢をいって体力が落ちていく過程で
いきなり出てきたって事例はまあ、聞いたことが無いしね。
当事者でなくても評価はできる。プロ野球なら試合がテストになる。だから数値があればおよそのことは分かる。
しかしこのことは逆にいうとこういうことでもある。
∧∧
( ‥)研究者の判断基準や解析手段の手段そのものの正当性。
それらを把握しないと物書きは破滅ですよね。
(‥ )さらにいうとそれらの使用法そのものの
妥当性が個々の論文で違うから
”具体的にどのように使用されたのか”
それを把握しなければいかん。
これがやっかい。例えばの話、始祖鳥は鳥でなくて恐竜だという論文。どう見てもデータの使い方が確信犯。個人的にはへーこんな手できましたかーーって面白がって読んでいたけども、やはり研究者の中にはちょっとばかし顔をしかめる人もいる(当たり前)。
∧∧
( ‥)でもあれをまま真に受けた報道がありましたよね。
(‥ )別にいいんだよ。新聞とかはまんま報道したけども
何気にこーゆーことだよーーって言っている
研究者のコメントも引用していたじゃないか。
問題があるとすれば”革新的な研究がなされた、なんと始祖鳥は鳥ではなかったのである!!!”と何をどう真に受けたのかセンセーショナルに(しかも分かりもしないで)書き立てることで。
∧∧
( ‥)まあ、あの事例に関してはそういうのは
なかったですね。
(‥ )なかったのは良いことさ。
とっまあ、個人的に思うに解析手段もさることながら、個々の論文でどう使用されたのか、が実は大問題で。
( ‥)実はそういうのがあっちゃこっちゃに
-□ あるんだよなあ。
∧∧
( ‥)そういうのは気をつけないといけませんねえ。
さる研究者が本の中で曰く、確かに既存の理論は壊れた、だからといってもっと前に駄目になった理論を復活させてこれでもいいじゃないかと論文を書く研究者がいるが、しかしこれは問題のすり替えではないか?? (どちらかというと物理系)
∧∧
( ‥)ジャンルごとの論文と研究の歴史を把握しないと
おいそれと評価はできませんねえ。
(‥ )これが容易ではないんだわさ。