自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2012年4月30日月曜日
石炭紀の靴跡
取引先に電話したら誰も出ない。
∧∧
(‥ )今日は振替休日みたいですね
\–
(‥ )あらら
まあ、これ幸いと仕事をしつつ、気晴らしにネットをあちこち見て回って、「三葉虫をふんづけた靴跡の化石」という動画を見つける。どうも日本のバラエティー番組のものらしい。日本人の俳優が出てきて、へー、へー、とわざとらしく驚きの声を上げていた(本人は大真面目の可能性もあるけど)。
∧∧
( ‥)検索したら、なんかこれ、
\– 石炭紀のものだっていう
ふれこみみたいですね
=>*
(‥ )昔、子供向けの本で読んだ
やつだな、懐かしい。
*昔は、いや、今も一般の人々にとって科学とオカルトと宗教は曖昧模糊としている。どれも世界の不思議と神秘という意味合いでひとくくりなのかもしれないし、驚きは楽しめればそれで良いのだってことでもあるのだろう。健全と言えば、それは健全だ。
ものの方はというと、子供時代にはさっぱりよく分からなかったが、1968年、アメリカのユタ州で化石採集をしていたウィリアム・メージャーさんが岩石を割ったところ、靴跡としか思えないものと、それにつぶされたと思わしき三葉虫が出てきた、時代は石炭紀、というお話なのだそうな。
∧∧
( ‥)今見ると、どうですか?
( ‥)そうねえ、
–□
岩は本のように割れた=>* とか書いているサイトがあることや(それは静かな海底で堆積した頁岩とかそういうのだよね?)、岩石のきめが非常に細かいように見えることからすると
∧∧
( ‥)沿岸から離れた海底で
堆積したものですよね?
(‥ )海岸や河口周辺は砂だ。
泥と言ってもここまで
細かくない。
さて、問題。これが靴跡だとした場合、この人はどこを歩いていたの?
∧∧
( ‥)海底を歩いていたか、
有明海みたいな場所
なんじゃないですかね
( ‥)さて、問題。その人は
そんな場所で”歩ける”の?
ずぼっ、ごぼごぼ、というのがオチじゃね?
∧∧
(‥ )三葉虫を踏んづけている、
\– というのもみそですよね
(‥ )踏みつけられた三葉虫は
どうしてつぶれてないの?
三葉虫は結晶質の殻を持つ、硬い生き物だ。しかし二枚貝だって踏めば割れるように、こんなちっちゃな三葉虫が踏まれたら、ねえ、割れるよね。
∧∧
( ‥)下が柔らかい泥だったので
割れなかったのです、と
言われても。
(‥ )それなら死なずに
どっかいっちゃうんじゃね?
脱皮した殻なら、と考えたところで、三葉虫の殻は脱皮するとばらばらになる。こんな形では残らない。
∧∧
(‥ )それにしても、ずいぶん
\– きれいな靴跡ですよねえ
(‥ )泥に靴をつっこんで
引き抜いた時、こんな
形にはならないよな。
ひきしまった粘土か、砂浜じゃあるまいし。海底にそんな場所があるか? 砂浜だったらもっと粗い砂だよね? 海水浴にいった時にちゃんと足下を見たか?
∧∧
( ‥)今みると、なんか底が
\– 知れちゃいますよね
(‥ )大人になるって
こういうことかもね
たぶん、堆積環境とか自然とか知らないままに作っちゃったのだろう。無惨だとしか思えない。
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