監修の人と打ち合わせ。
「一応、確認しますけど、君は分類階級とか使う気はないですよね?」
「あ、ええ、そんなつもりはないですけど」
∧∧
( ‥)いまや分類階級は矛盾や混乱、
根本的なコンフリクトを抱えて
いますからね
( ‥)現代の生物だけ、それも自分の専門の
-□ 生物だけ、をやっている人はどうだか
知らんけども、総合的に見れば
どうにもならんからなあ。
*分類階級:住所を、国、県、市、町、丁目、番地、といった、大小入れ子、包含関係がある区分けで指定するように、生物を分類する時に使う階級的な区分けのこと。しかし真面目に各生物分野の区分けを総合すると全然整合しない。県の中に国がきてしまうどころか、丁目の下に国どころか連邦が入ってくる、そんな状況。
∧∧
(‥ )でっ、次回の(発刊は来年夏の予定)本
\- では分類階級は当然使いませんと
(‥ )でもしかし、説明は必要かもね
もっとも、生物の本で分類階級を説明する、というのは、実のところ本に興味のある人に十進法分類を教えるようなもので。
∧∧
( ‥)本を書きたい、本を作る仕事をしたい
その駆け出しになる本にいきなり
十進法分類がくどくど載っていたら
場違い。そういう感じになりませんか?
( ‥)だから1ページぐらいで終わらせる
-□ 予定。新種記載も含めると2ページ
ってとこかな。
まあ、なんだ、弱ったことにこの世界には理解には分類ありきだという人もいるので、ちょっと困る。
(‥ )そういうのって、図書館の本をきっちり
絶対整理整頓しているけども、別々に
分類されている同じ作者の本の相互関係
についてはなーんにも理解していない
そういう状況なんだけどもな
∧∧
(‥ )同じ作者の書いた小説とエッセイは
\- もう別物で、関係性や背後にある共通点、
作家の抱えていた問題や関心、それらも
全部無視すると。
分類は結局、認識と知識の整理整頓なので、そこには生物の背景にある系統を理解するとか、理解それ自体を検証するとか、そういう自然科学に必須な要素がまるでない。端的にいうと、その分類体系の妥当性をあなたはどんな値と尺度で示すの? するにしてもその尺度の妥当性はなに? それを科学の俎上に乗せられるわけ? 論文書いて受理してもらえる? という問いにどう答えるのか、という問題。