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2011年12月31日土曜日

歌って踊れる独裁者

 歌って踊れる独裁者
 
 ∧∧
( ‥)...激しく迷惑ですね
 
    ( ‥)飽きられたら終わりだな
 
 ∧∧
( ‥)でも考えてみたら独裁者の演説って
    コンサートみたいなものですよね?
 
    (‥ )ポーズや身振りも大事でなあ。
        歌って踊れるは独裁の本質か?
 
 ∧∧
( ‥)でもいつまでも人気最前線では
    いられませんよね?
 
    ( ‥)だから旬をすぎると
        弾圧行為に走るのかね?
 
 後輩をいじめて潰そうとする更年期障害入ったようなスターみたいな?
 
 ∧∧
(‥ )でもずーっと根強い人気の
\-  アイドルとかロックスター
   とかいるのですよねえ?
 
    (‥ )あの人がいないとなんか
       物足りないね、あの人が
       いるのがなんか当たり前だよね
       と皆が思えるくらい、
       地道にながーく活動を
       継続してだな
 
 だがしかし、チャウシェスクとかスターリンは長かったけどもそれはもう悲惨な末路。
 
 ∧∧
(‥ )嫌われないようにね
\-
    (‥ )嫌われるぐらいはいいけども
       「あいつがいなければもっと
        オレたち楽できね?」と
        思われたら終わりよね。
 
 ∧∧
( ‥)取りあえず、みんなが
  -□ やりたくないめんどくさーい
    ことをすればいいってこと
    でしょうか?
 
    (‥ )あいつ死んだら、
       めんどくせーよな
       と思わせたら勝ちかね?
 
 

それはあったか?

 *の続き
 
  
   ( ‥)文献を読んでいたら、
     -□ ローマ帝国後期の
       職業の世襲と固定化は
       事実上、なかった、という
       解説にでくわした
 ∧∧
( ‥)ほほー
 
 というか、パン職人とか、世襲義務はあるけども、世襲を強制するような仕組みはなかった、という内容(ようするにパン屋の息子がパン屋を継ぐのは自然に起きる、ということか?)
 
 ∧∧
(‥ )一応、農奴制というか、零落した
 □-  農民が土地に縛り付けられた
    コロナート制はあった、という
    解釈はオッケーみたいですけども。
 
    (‥ )農村、農民の置かれた状況は
       農民個人の間でも、帝国全体でも
       それは一律ではない、というのは
       これまで読んだ文献にもあったから
       ようするにあれね、農民が農奴状態に
       なるっていうのは、限定はあるけど
       理解としてそれなりに
       オッケーということみたいね。
 
 ∧∧
( ‥)でもどうなんでしょうね?
    衰退し、滅びゆく国家が
    低賃金労働者を必要として
    人々に義務の履行を強制する。
    あなたとしてはそのモデルに
    なるのではないかと考えたの
    でしょう?
 
     ( ‥)いや、今でも考えてるよ
       -□ もう少し、色々と調べて
         みようじゃないか。
 
 続き=>*
        

2011年12月30日金曜日

誰も君を認めてくれない

 ∧∧
( ‥)?
 
   ( ‥)出版界が本を読め!!と
     -□ 言ったり、教科書に難解無意味な
       小説を掲載させたりするのって
       あれは恨みだと思うのよね
 ∧∧
( ‥)ただの経済活動でしょ?
 
   (‥ )まあ、人間、ざっくばらんに言うと
       カロリーで行動するのだけどさ。
 
 *体を維持するために必要な食事、あるいはそれを示す何らかの数値(例えば金)で動く、という意味。
 
 でも思うのである。人間、もっと心の充実、というよりは社会的ステータスを誇示するためにも行動するよなあ、と。
 
   (‥ )さもなければ「小説を読んでると
   -    頭がよくなる」とか、あんな
        霊感商法みたいなこと
        言わないと思わないかね?
 ∧∧
( ‥)単純に霊感商法じゃないですかね?
 
 まあ、確かに霊感商法の一種かもしれない。新聞を読むと頭が良くなる、活字を見ると頭に良い、本を読むと賢くなる、読書は知的活動、よくもまあ、あんな恥知らずで悪質な売り方が出来るもんだ。
 
 
   ( ‥)でも思うのだ、あれなあ、
      「オレを認めてくれ」という
       叫びも混ざっているのでは
       ないかとね。
 ∧∧
( ‥)僕に社会的ステータスを
    よこしてくれ!! という
    叫びだと? どうでしょうね。
 
 オレは知的だ、オレは知的だ、オレは知的だ

 しかしこれって、
 
 だから認めろ、だから認めろ、だから認めろ
 
 ではないかと
 
 ∧∧
( ‥)あなたはそう、常々、疑っていると。
 
    (‥ )実際、文化や知的とは
       自分のコンディションというより
       社会的ステータスに関する
       言及じゃねえ?
 
 言及しているからには、望みはそれじゃねえの?
 
 ∧∧
(‥ )そうだと仮定して、
\-  では、恨みとはいかに?
 
    (‥ )手に入れられなかったか
        奪われつつあるか、
        あるいは両方に見えるんよ。
 ∧∧
( ‥)奪われつつねえ
 
    (‥ )ネットと電子書籍を見て、
        嫌悪と恐怖にがたがた震えて
        いるだろう? 
 
 ああ、だが悲し。誰も君を認めてはくれない。あるいはこう言えばより正確? 小説だの新聞だの文学だの、みんな君が望むほどには評価してはくれない。それが現実。現実を認めないと、前に進めぬよ?
 
 
 

あきらめをもって死者の鐘を打ち鳴らす

 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)低賃金労働者を何らかの
    形で確保せねばならず
    国家の機能を維持するためには
    職務放棄を許さない、と。
 
    (‥ )職業の固定、零落した農民を
       耕作する土地とワンセットに
       して売買する(移動の自由がない)
       農奴制の始まり、これがローマ帝国
       の後期に起こったことだそうだが。
       *現在把握中
 
 *ローマ帝国後期、ここでは3世紀末のディオクレティアヌス帝あたりで確立されたドミナートゥス体制(ようするに専制君主制)のこと。もっとも、3世紀を後期と言っても、確かに西ローマ帝国はまもなく5世紀末に滅びるが、ローマ帝国自体は東ローマ帝国(あるいはビザンティン帝国)として1453年5月29日まで存続した。
 
 ∧∧
(‥ )これはあなた方の未来を
\-   暗示するひとつの事例に
    なるんでしょうか?
 
    (‥ )分からん。まあ、そうやって
        煽って書くのはライターの
        やり口だ、というのは先にも
        述べたことだけども
 
 ライターの技術ウンヌンと関係なく、大事なのは、「社会を動かす力がおおまかに言って共通しているから同じような結果を招くだろう」と確からしさをもって言えるか、予言できるか、ということが問題になる。だがしかし、
 
 ∧∧
( ‥)でも平たく言うとこれって
    あれでしょ? 単純につぶれかけの
    会社の話ですよね。
 
   (‥ )会社も経営が傾くと
      リストラしたり、賃金を押さえたり
      外国人労働者を雇ったり、外注に
      出したり、労働時間を長くしたり
      似たようなことをするしね。
 
 それを考えるとだ、これ、国家、会社、集団の普遍的な末路なんじゃないの? ということでもある。
 
 ∧∧
(‥ )ようするに、これからの国家は国民の
\-  負担を増大させ、賃金は低く、税金は
    重く、義務の履行をせまり、それを
     強制させる、ということですね。
 
    (‥ )日本も欧米も、中国も他の
        国々も多かれ少なかれ
        そういう運命を
        辿りそうじゃねえ?
 
 考えてみれば、植民地を作ったり、第三世界に極貧と低賃金労働を押し付けたりして稼いだあぶく銭でこれまでの栄華を極めていたのであった。今までの生活がおかしかったのだと言える。
 
 事実、全地球的に見れば、むしろ不公平は是正されている。これはつまり、トウモロコシや米、小麦を普通に主食にすれば、全人類が一応生活できるよ、という話の延長でもある。ようするに、肉を食わなければいいということでもあるし、わざわざ穀物で家畜を養ってそれを食べるな、生活水準を落とせ、ということでもあるし、デブが格差是正デモをすれば、どれだけ言い訳しようがそれは所詮のところ茶番だ、ということでもある。
 
 ∧∧
( ‥)でも、皆さん、耐えられると
    思います?
 
    (‥ )耐えられるだろう。
        もっとひどい状況でも
        人間は生きてきたからね。
 
 いやあ、だって、今の若者すでにそうなってないか? 無駄に金のかかることをしない、安くても楽しいコンテンツをネットで楽しむってのはもう明らかにそうだろ(というか、そういうのが人間本来の娯楽であった。無駄に金をかけるテレビの方がむしろおかしいし、あんなもの、所詮は時代のあだ花だったのだと言える)。
 
 むしろ問題は
 
 ∧∧
(‥ )不公平、ですか
\-
    (‥ )日本の場合、一番役に立たない
        老人が一番金を持っていて、
        既得権益にきゅうきゅうと
        しがみついて、
        しかも貯蓄するだけで
        消費しない。これでは
        若者たちは耐え難いだろうな。
 
 ∧∧
( ‥)言い換えてしまうと
    昨今の選挙や政権交代、
    事業仕分けの茶番も増税案も
 
    (‥ )一応、そういうことの
        反応なんだろうな。
        遅々として進まないし、
        右往左往するだけで、
        とても効果的とも賢いとも
        思えない茶番だが
 
 ∧∧
(‥ )...なんかつまらない結論ですよね
\-
   (‥ )ああ、考えてみれば、もうみんな
      未来がどうなって、問題は何で、
      どこをどうしなくちゃいけないのか
      薄々分かっているのだよね。
 
 ようするに僕らは現在、川下りの真っ最中で、先に何があるのかもおおよそ分かっている。ほとんどの客はあきらめて、うおーっ!!(棒読み) と言っているのだが、ただ、船頭と一部の客がなにやら喚き立てて必死に上流へ戻ろうと無駄にばちゃばちゃこいで水をはね飛ばして、皆のひんしゅくを買っているという状態で
 
 ∧∧
( ‥)あがかずに死ねと。
    もう、突き落としちゃいますか?
 
   (‥ )こうなるとあれかな、
    □-  死者の鐘を打ち鳴らすのが
       物書きとしての仕事ってことに
       なるのかな
 
 あるいはこう。老人こそ、未履行な義務と責務を果たすべき。しかし、これも単純に当たり前なことなのであった。おそらく相続税という形で義務と責務が取り立てられるのだろうが、結果的とはいえ、欲深いことだ。
 
 
 
 ところでふと思ったのだが、日本、アメリカ、中国は、むしろこういう体制の方が良くも悪くも合っている気がするのだけども、どうだろう?
 
 *ただし、続きを参照のこと=>*
 

2011年12月29日木曜日

長い短い

 ∧∧
( ‥)?
 
   ( ‥)分かりやすい文章を書くのは
     -□ 結構なんだ。問題は
       「分かりやすい内容にしか
       ならない時」かもしれない。
 ∧∧
( ‥)論文が短いって良いことでしょう?
    結果がはっきり出た、ということ
    ですからね
 
   (‥ )確かに、結論が不明瞭なので
       説明したら長くなりましたって
       論文もあるからな。それって
       読んでて困ることあるよね。
 
 論文やレポートは長ければいいってものじゃないし、長くする必要もない。ましてや冗長なものは最悪。

 ただ、分かりやすい内容ではなく、「分かりやすく書けてしまう」とはいかなることか。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、ケースバイケースですけどね
 
   ( ‥)ただ、そういう事例の中には
     -□ たいした内容じゃない、とか
       単なる記載、あるいは報告って
       場合もあるのよな
 
 来た、見た、勝った、そういう場合は自動的、必然的に短くなる。
 
 ∧∧
(‥ )反対に、長く書いていると、
\-   情報が多くなる。だから結果的に
    実り多くなる、読者によっては
    実り多く感じるってことも
    あるはずですけどね
 
   (‥ )そして、その内容に畏怖を覚える時
       それに夢中になってしまうのだ。
 
 ∧∧
( ‥)しかしですよ、それは過大評価であると
    疑義を差し挟むこともできるでしょう
 
   ( ‥)まあ、読み始めたばかりだ
     -□ 読み進めて結論をまとめよう
 
 
 
 

異形の影

 ∧∧
( ‥)つまり?
 
   ( ‥)そうねえ、マルクス主義者ってのは
     -□ 科学を科学的なものだと勘違いした
       お馬鹿さんたちって感じかな。
 
 ∧∧
( ‥)ケプラーは調べていてどうですか?
 
   ( ‥)現状、読んだ限りでは頭が
     -□ いかれてるね。ぶっちぎりで
       おかしい人だね。
       イスラーム教徒なら
       マジュヌーンと呼ぶのじゃないかな
 
 だけども丁寧だし、非常に頭が良い、という印象。
 
 ∧∧
( ‥)ガリレオは?
 
   ( ‥)現状、読んだ限りでは冴えてはいるが
     -□ なんか雑なんだよなあ。
 
 もしかしたら、彼も科学を科学的なものだと思い込んでいたのかもしれない。冴えてはいるし、むしろ彼こそ現代科学からイメージされる科学者なんだけども、時々、ひどく雑になる。分かりやすい文章を書いたというのも、実は功罪あるかもしれないし、ガリレオを調べた人が「うーーんんんん.....」と渋い顔をしだすのも、それが原因かもしれない(分かりやすい文章を書いたばっかりに、伝説が実体以上に膨らんでしまったので、調べ始めると彼について失望させられやすい、という意味)。
 
 ∧∧
( ‥)ようするに
 
    ( ‥)科学は科学的なものじゃない。
      -□ あるいはこう言えばいい?
 
 科学と科学的は意味がまるで違う。科学はアイドルの実体。それに対して、”科学的”はファンが勝手に作り上げた実体とかけ離れたくだらない偶像。実際の科学には科学的を標榜するマルクス主義者や、あるいはそれと反対に、なんでも相対化させたがる人たち、彼ら双方には思いもつかない、得体の知れない、いかれた部分が組み込まれている。
 
 ∧∧
( ‥)マルクス主義者や相対化させたがる
    人たちにもいかれた部分があります
    けどもね
 
    (‥ )いや、そういうのとはなにか
        かけ離れたもっと得体の知れない
        ものって感じ。
 
 論理的に正しい、とか、霊感だとか、人々を幸せにしよう、とか、正義をひろめよう、とか、そういうガキっぽいものではない。

 何かもっとおかしくて人智を越えるような異形の影。
 
 
 

それはきっと報われない仕事です

 危険な廃棄物が地下に埋蔵されていることを、未来の子孫たちに警告するため、徹底的に、ありとあらゆる耐久性のある媒体を用いて警告し、アピールする。
 
 ∧∧
(‥ )どう思います?
\-
    (‥ )そこまでアピールするからには
        なにか金目のものに違いない!!
        と思って一生懸命掘るんじゃね?
 
 ∧∧
( ‥)トラップでも仕掛けましょうか?
\-
    (‥ )もーっと熱心に掘るだろ。
 
 ∧∧
(‥ )さりとて、対策しないわけにも
\-   いかないんでしょうね
 
    (‥ )まあ、それが仕事だからなあ。
 
 例えば放射性廃棄物の埋蔵には、隕石衝突による掘削の可能性まで、一応、考慮したりする。仕事ってのはそういうものだが、仕事はえてして誤解される。みんな、自分の欲望や希望で他人の仕事を勝手に曲解するし、その方が楽だ。なんといっても楽には勝てぬ。
 
 ∧∧
( ‥)それが理解ですか
 
    (‥ )残念ながら、これが理解だ。
 
 
 
 

2011年12月28日水曜日

周りを見回す

 ∧∧
( ‥)つまり?
 
    ( ‥)少なくとも日本の若者が
        リスクをとらない、というのは
        まったくの事実だと思う。
 
 ∧∧
(‥ )そういえば日本でだけ若者の
\-   凶悪犯罪の発生率が減っていくのは
     先進国でも異例であるし、
     これは安定した社会なので
     リスクを避けるからだ、という
     説明がありましたね。
 
    (‥ )というかその説明の延長で
        考えているわけよ。
 
 ∧∧
( ‥)あなたは以前、戦乱続く国から
    来た人に話しかけられた日本の
    若者が、ビジネスチャンスがあるという
    誘いを、「自分にはこういう人生設計
    がある」という説明で拒否した
    話を取り上げました。
 
    (‥ )好奇心ぐらい示しても
        良かろうってことでね→*
 
 戦乱続く国の人からすれば、人生設計というのは理解不可能だそうだ。そりゃあそうだろう。

 ∧∧
(‥ )でも、ひるがえれば安定的な
\-   社会では当然な選択肢でしょうね
 
    (‥ )好奇心ぐらい示しても良かろう、
        だけども、その選択肢も
        当然である。
 
 ∧∧
( ‥)あなたとしては、冒険しない若者を
    責める気はございませんと?
 
    (‥ )現実を責めてもしょうがない。
        責める人にとっては
        「なぜこの選択肢をとらない??」
        なんだろうけどね
 
 なぜこの選択肢をとらない? とは、この選択肢の良さが分からないなんて、みんな馬鹿だ、ということでもある。
 
 ∧∧
( ‥)言い換えるとあれですよ
    みんな馬鹿だは、馬鹿の動態も
    説明できないお前はもっと
    馬鹿だ、になると。
 
    (‥ )馬鹿とはいわんが、小利口だ、
       そう評価されるなのかもよ
       少なくとも、なぜ分からない?
       と責めたら、皆は
       「お前こそなぜ俺たちの苦しみが
       分からない??!!」
       と怒るだろう。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、考えてもしょうがないことですし
    実行したい人だけ実行すればいいじゃない
    ってとこでしょうかね。
 
    ( ‥)案ずるより産むが易し、というのは
      -□ そういうことなのだろうな。
 
 馬鹿でも小利口でも賢かろうがなんだろうが、なんでもやれば良いし、成功すれば成果は得られる、しなければ得られない、それだけの話。頭の出来や不出来はあまり関係ない。

 ∧∧
( ‥)あなたとしてはどうします?
 
    (‥ )そうだなあ、今の道を邁進するけども
        周りを見回すぐらいはしても
        良いだろうねえ。
 
 未来の行き着く先は大局的には単純だ。日本どころか、世界の経済は停滞し、人類に長く苦しい衰亡の時が訪れる。というかずっと前からそうだったのだと言える。文明と豪語している僕らの世界は、古代の植物プランクトンが作った遺産を食いつぶしているだけだし、代替エネルギー源は事実上、核分裂と核融合しかなく、それらの技術は(単純にウランを燃やすだけならともかく)確立されていない。自然の植生をすべて人間とその食べ物へと変換する壮大な試みは、環境を破壊しつくしてしまうし、垂れ流されたCO2と刈り取られたアルベドの変化が地球にどういう影響をもたらすのかも分からない。増大する人口、人の移動、放棄された耕作地、必要な支出、我らの行き着く先が破滅的でカオティックな要素に翻弄されるのは明らかだ。追いつめられた人間は弱者を切り捨て、我らに重い義務を負わせるだろう。単純にいうと物価は高く、賃金は安く、自由は制限され、税金は重くなり、社会は攻撃的で冷酷で窮屈な場所になる。
 
 ∧∧
( ‥)でも、それは50年単位の話。
    もっと至近の短い期間の
    細かいところは
    分かりませんからね。
 
    (‥ )そういう時にだ、道を探すには
        周りを見回す余裕が
        大事ってことさね。
 
 
 

未来トレンド、それは強制

 ∧∧
( ‥)みなの愚痴を聞かされた、と
    申しますか
 
    (‥ )みなが持っている危機感を
        めいめいにしゃべっていた、
        それが全部同じ内容だったと
        いうべきか。
 
 日本の経済には未来がない
 
 ∧∧
(‥ )というか、必須から一番
\-   遠い立場の業種の方々
     ばかりでしたから。
      それはそうでしょうね
 
    (‥ )未来がない、というのは彼らに
        とってはまぎれもない事実
         だろうなあ。
 
 ようするに衣食住以外の、必須でない製品、商品、コンテンツは経済が悪くなると真っ先に大打撃をくらう。経済が良くなっても、そういう業界は回復が最後であるし、くらって経済が不調ならそのまま復活しない。事実、復活していない。
 
 ∧∧
( ‥)お金持ちの老人は金を使わない
    一番お金を使うはずの若者は
    お金がない。そう、皆さんが
    言っていました。今や
    皆が把握している事実でしょう
 
    ( ‥)それが分かっているから
      -□ 彼らは日本脱出を考える。
        言い換えると、
        それが分かっていても、
        日本の社会に対しては
        何もできない
        どうにもならない
        無力なのだよね。
 
 若者には権力がない。若者よ立ち上がれと言っている老人はする気がない。若者よお金を使え、そう愚痴だけこぼす金持ちは若者に金を渡す気がない。若者はする気がないと批判する人たちも、生き残る気と計画があるのは良いが、世の中を是正する気はないし、そもそもそんなことは、その気があっても出来ない。
 
 ∧∧
( ‥)まさに八方塞がりで、
    増税しかないでしょうねえ
 
    (‥ )金を使わないのなら
        強制的に徴収するしか
        なくなるからな。
 
 無駄だらけな世界は崩壊するし、崩壊しなければ変われないし、崩壊したくないのなら、無駄を抱えながら強制的に執行するしかない。
 
 ∧∧
( ‥)なんか後期ローマ帝国
    みたいですね
 
    ( ‥)というか、それを読んだから
      -□ こう感じるのかな?
 
 人口の減少、国土拡大の限界、防戦一方の戦況、軍事費はひたすら増大し、奴隷(低賃金労働者)の供給はじょじょに減り、労働者を確保するために自由を奪い、法律によって土地にしばりつける農奴制が成立し、それのみならず、それぞれの職業を世襲にして社会を固定し、どうにかこうにか帝国を機能するひとつの機械としてなんとか維持する。
 
 ∧∧
(‥ )でも実際には、そんな単純な
\-   ものでもないのですよね。
     帝国の東西で変化も対策も
     ずいぶん違っていて、
     異なる機構へ変貌しますから
 
  (‥ )東ローマ帝国なんか、帝国の衰亡と
     イスラームの侵入で地主が没落したので
     武具を自分でそろえられる富農を徴募、
     集めた農兵の軍団をもう一度作って、
     10〜11世紀に大国として
     帰ってくるのよな。
 
 市民軍なのか国民軍なのか農兵軍団なのか、何と言うのかしらんけども、似たような仕組みを持っていた後期ローマ共和制からかぞえれば、リセットが効いて、ほぼ1000年ぶりに社会が一新されたということなのか。あるいは既得権益にしがみつく人々をリセットして社会に活気を取り戻すには、場合によっては1000年かかるということなのか。
 
 ∧∧
( ‥)...まあこんな浮世離れした
   論説とかじゃ何の役にも
   たたないのですけどもね。
   分析も理解も粗すぎです
 
    ( ‥)というか、聞きかじった歴史を
      -□ 現在の危機に適当にあてはめて
        煽った文章を売るのは、頭が
        ぱっぱらぱーなライターや
        文化人や知識人が良くやる
        常套手段なのだけども
 
 でもそれでもふと思う。老人は既得権益を手放さない。一度できた社会の仕組みは、そう簡単には是正できない。それでも社会には低賃金労働者が必要だし、その一方ではインフラを維持する必要経費ってものがどうしてもある。
 
 ∧∧
( ‥)つまり、集団を維持するために
    役割を強制する国家が求められる
    ようになる、そういうことに
    なりますかね?
 
    (‥ )これからの世界における
        国家のトレンドは
        そういうことになるのかな?
 
 
 続く=>*
 
 および次を参照=>*
 
 さらにこちら=>*
 

2011年12月25日日曜日

いずれなりや?

 ∧∧
( ‥)まあ、昨晩は知り合いの方々と
    ずーっとお酒を飲んで
    始発で朝帰りですか
 
    ( ‥)本日は機械のトラブル解消の
      -□ ために必要なものを買って...
        クリスマスに何をやっている
        のかねえ。
 
 電車の吊り広告で、「これが国際競争をしないですむ業種だ!!」、まあおよそこんなキャッチコピーが目に入る。
 
 ∧∧
( ‥)終わってる感ぷんぷんですね
 
    (‥ )国際競争しないですむなんて
        特殊か、あるいはじり貧な
        産業っぽいしなあ。
 
 無理か、先がなさそうか、そのどれかっぽい。

 ∧∧
(‥ )公務員がうらやましい、という
\-  声もあるみたいですね。
 
    (‥ )公務員に対する批判は、
        無駄と不正をなくせ、と
        うらやましいという妬みが
        ごちゃ混ぜになっているから
        何のどれを語っているのかが
        問題なんだろうけどもね。
 
 不正の糾弾は問題ない。愚痴を聞くのもやぶさかではない。ああ、しかし、うらやましいと言っても人生はやり直しができぬので、やれる範囲でやれることをやって、わずかでもいい、未来へと至る進路変更を試みよ。
 
 ∧∧
( ‥)でも一度、就職すると
  -□ そういうこと、できない
    かもですよ。
 
    (‥ )日本の特質なのかどうかは
        知らないけども、一度、
        就職すると、人生の路線変更が
        できないか、できないと
        思われているってこと
        なんだろうな。
 
 しかし、それでは単なるあきらめである、と言った人もいる。ではさて、我ら個人個人、各々の立場はそれぞれいずれなりや?
 
 

2011年12月24日土曜日

呪われし職業

 ∧∧
( ‥)状況は?
 
    ( ‥)....まあ、なんとなく見通しが
      -/ ついてきた、というべきかなあ
 
 プトレマイオス、コペルニクス、ケプラー、ああ、エカント点とはつまりそういう...。
 
 ∧∧
(‥ )ガリレオさんの立ち位置は
\-  どうなんでしょうねえ?
 
    (‥ )あの人、立ち位置がちょっと
        微妙なんだよな。
        業績の幾つかは先行者が
        すでにいたからね。
 
 一方ではガリレオ裁判の理由が微妙に意味不明。というか、当時の神学者は理解十分に見えて、実は理解の根幹が粗雑だったのじゃないか? と疑念に思いつつ、まあ、もう少し調べてみよう。

 
 ∧∧
( ‥)それにしてもどう思います?
 
    ( ‥)いつも思うけども、リサーチってのは
      -□ 困ったもんだな。地図を持たず、
        作りながら進むみたいなもんでね
 
 見通しが聞くわけでもない。「こんな場所だったよ」という、てきとーなうわさ話を頼りに見知らぬ土地を動くようなもの。そして、そのうわさ話は大概、あてにならない。
 
 ∧∧
( ‥)霧の中、近辺で一番高いところを
    目指してください。
 
    ( ‥)高いところへいけ、と言うのなら
        それ自体は簡単なんだ。
 
 霧の中を上へ上へと移動すれば良い。
 
 ∧∧
( ‥)問題はそこが最高点なのかって
    ことですよ。
 
    (‥ )尾根に登った。尾根がたまたま
        下り坂になった。それだけを
        手がかりにするとそこが
        ”最高点”だってことになる。
 
 自分の歩いた範囲内では最高点かもしれないが、実際には最高点でもなんでもない。いわゆる局地的な解にはまって動けなくなる、というやつ。
 
 ∧∧
( ‥)霧が晴れたらびっくり仰天
 
    ( ‥)目の前に山々がそびえていたり
        するわけさ。
 
 そういう意味では、問題はむしろ霧がかかっていることではなく。
 
 ∧∧
( ‥)むしろ霧が晴れないことの方が
    問題でしょうね。
 
    (‥ )地図を作りながら進むしかない。
        だから重要なのは、いかに
        地図を作るかなのだよね。
 
 トンデモ君やオレ様理論屋がまずいのは、そもそも地図の作り方を全然知らん、あるいは最高点を見つけることに夢中で、標高の測り方や位置の確定の仕方、地図の重要性に興味がないということで。
 
 ∧∧
( ‥)オレ様のいるところこそ
    最高点だと大声で自己申告。
 
    (‥ )ああ、そこの尾根、素人が
        良くはまるんだわ、と言っても
        地図の見方も作り方も知らんから
        何を言われているのか理解
        できんのよ。
 
 まあ、こういう時は常識的に考えよう。
 
 誰もいない場所で、えっ? オレがゴールに一番?? やった! やった! やったぴょん!! と確信できるとしたら、その時点で、かなりいかれている。
 
 ちょっとはお前、不安を覚えろ、地図ぐらい買え(教科書は地図に該当する)。よく見回せ。周りになにもねえじゃねえか。
 
 
 ∧∧
( ‥)局地的な解から脱出するには、
    あるいは自分の見つけた最高点より
    良いものがないか探すには
 
     (‥ )霧だらけで見通しが効かない以上
         ランダムにあちこちいってみる
         しかないんよな。
 
 しかし、ここでも落とし穴がある。
 
 ∧∧
( ‥)この場合の問題は、ライターは
    データをかき集めて”記事を書く”
    という点ですよ。
 
     (‥ )記事を作る、つまり
         現在の状況を把握することを
         地図作りに例えるとだよ、
         ランダムにあちこちの標高を
         測って、全体の地形を
         把握することに
         該当するのだが。
 
 標高の測り方を知らないか、計器が狂っているかしたらどうする?
 
 ∧∧
( ‥)当然、現状と全然違う
    地形図を作るでしょうね
 
     ( ‥)弱ったことになあ、
       -□ 一般人に受ける形式に
         地形図を勝手に描いちゃう
         のがうまいやつ、いるんだ。
 
 以前も書いたことだけど、知っているライターの本で、「文系の人から分かりやすい進化の本」と評されたものがあった。
 
 ∧∧
( ‥)読んだらびっくり
 
   ( ‥)今西錦司はグールドの先駆者だ
     -□ 集団遺伝学は断続平衡説を支持する
       急激な進化は自然淘汰説に
       合わないから、これはきっと
       ホメオボックス遺伝子に
       何か起きているに違いない。
 
 ああ、この人はメンデル遺伝も知らないんだ、と納得した。

 *生物の遺伝は比喩的にいうと混ざることのない、いわば粒子の集合。さらに劣性、優性があるから、そこにあるのに隠れて発現しないものもある。ようするに大量の様々なボールがあると思うと良い。自然淘汰はふるいに該当するので、ざーっとふるいにかければ一気にボールの(遺伝子の)構成が変わる。急激な進化(2年とかで変わる)が理解できないとしたら、それはメンデル遺伝を全然理解していない証拠。

 *断続平衡説と集団遺伝学の区別がついていないのもありがちな誤解。断続平衡説を支持する人で、本当に断続平衡説を知っている人を個人的には見たことがない。大概、集団遺伝学とごちゃまぜにしている。
 
 ∧∧
( ‥)ひるがえるに、先のような把握は
    学会の動向、ようするに
    現実の地形とは一致して
    いませんよねえ。
 
     (‥ )でも、これが”分かりやすい”
         なんだよね。
 
 分かりやすい、というのは、収集したデータに基づいて現実の地形を推論することではない。皆が心に思い描いている心理的な地形に合わせてデータを恣意的に解釈することである。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、それが良い
    ライターですか
 
     ( ‥)こういうことあるからさ
       -□ サイエンスライターって
         肩書き大嫌いなんだよ。
 
 ∧∧
( ‥)でも、他に言い様がないでしょ?
 
     (‥ )この職業、呪われとる。
 
 
 
 

僕らは糸くず

 ∧∧
( ‥)僕らは無数の遺伝子の複合体です
 
    ( ‥)血縁という編み目を通じて、
        祖先から色々な遺伝子を
        受け継ぎ、それを子孫に渡す
 
 もし、遺伝子の祖先子孫関係を視認できる生物がいたら、僕らは無数の線がごちゃごちゃと集まって絡み合い、祖先と子孫とつながり合った、糸くずで編まれたネットの結節点に見えるんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)個体ってなんだろなーって
    話でもありますよね。
 
    (‥ )ぶっちゃけた話、個体ってのは
        便宜的な概念で実体じゃ
        ないんだろうけどね。
 
 *ここでいっているのは結節点が個体に該当するが、どっからどこまでが結節点よ? と問われたら、便宜的〜〜、としか答えられない、という意味。
 
 人には思い出があり、他人から受け取った言葉や知識や方針を取捨選択している
 
 ∧∧
( ‥)心も知識も糸くずで、網の結節点
    というわけですかね?
 
    ( ‥)そういう点では個人どころか
        自分の心さえも便宜的な概念
        でしかないかもしれないな。
 
 *これはようするに、心とか思いとか、そんなもの実在しないだろ? ということでもある。正直な話、心があるかないか、そんなことどうでも良い話ではあるのだけども、ここではこれについて論じない。
 
 ∧∧
( ‥)つまりですよ、あなたの仕事はです
 
    (‥ )前に言ったように、いわば
        現金輸送車のドライバーなのだ
        
 誰かに届ける、”その届けるもの”にこそ価値がある。届ける人に価値があるわけではない。知識を届けるとはこういうことである。人間に価値があるわけではないし、価値ある人間などに用はない。
 
 ∧∧
( ‥)本とはそういうものだと。
 
    ( ‥)まあ、気持ちは分かるよ?
      -□ 紙媒体は電子媒体より耐久性が
        あるからな。紙を破壊して
        わざわざ電子媒体にされたら
        えーっ?? それじゃあ
        情報が保存されないじゃん
        とは思うよな
 
 まあ、別にそれだけじゃないんでしょうけどね。*紙媒体も出版社が自転車操業状態に陥っているからすぐに絶版になっちゃうじゃんよ?? という問題はここでは省く。
 
 ∧∧
( ‥)でもさ、耐久性って言い出したら
    きりないですよね
 
    (‥ )知識を伝える耐久性ある
        理想的な媒体って言ったら、
        焼かれた粘土版と金属のコイン
        岩石に刻まれた文字だからねえ
 
 継承者もないまま何世紀も何千年も前に滅び去った文明を復活させたのは、それらの媒体だった。
 
 ∧∧
( ‥)でも、これからは電子の時代でしょ?
    紙媒体は消滅しないとしても
    減少し、ネットでは猛烈な速度で
    情報の更新と摩耗が進み、
    皆の中に残るのは物語ですらなくて、
    物語の断片では?
 
    (‥ )古代ギリシャやローマの哲学者達
        ちょっとマイナーな人だと
        本も業績も容赦なく散逸してしまい、
        いまや引用などで断片的に、
        しかも二次的な手がかりでしか
        知られていないみたいにね。
 
 ∧∧
( ‥)それでも良きものは断片だけでも
    人々の間に残るでしょうか?
 
    ( ‥)残るだろうけども
      -□ 人間の、消費者の心理に
        適合したものだけが
        残るだろうなあ。
 
 *人間という記録媒体にうまくのっかりやすいものだけが断片的に記録され、コピーにコピーを重ねて心という糸くずを媒介に離合集散するだろう、という意味。
 
 ∧∧
( ‥)tumblrとかで何度も何度も
    見るフレーズや画像とか
    そうでしょうね
 
    (‥ )あれが小説と本の最終形態って
        ことなんだろうな。
        
 
 人の心に適合した断片だけが、客観的な性能とかとは別にひたすら心に感染を繰り返し、離合集散しながら進化を進め、変貌していくだろうという過程。まるで遺伝子からおぼろに立ち上がり、断片のまま断片であることを放棄し、自立できぬままに自立して、命ないままに命あるかのように行動するウイルスのようなイメージ。
 
 実際、tumblrなどで切り出された言葉や文字、場面や画像は、それ自体で元の意味を自律している場合もあるが、本来の意味とはかけ離れたものになっているものもある。さながら自律をやめて自立した状態。
 
 ∧∧
( ‥)あなたはどうします?
 
    ( ‥)適合した子孫が欲しいのだ
      -□ 可能な限りしかるべき本を
        生産し、感染者を増大させる
 
 科学ジャーナリズムはまったく何も出来ない。事実、なにも成果を残せなかった。50年間、何も出来なかった。次の50年も失敗するだろう。
 
 ∧∧
( ‥)つまり既存の仮説からすれば
    あなたのやることも、
    その効果は0ですよ。
 
    (‥ )だが、誤差は必ず生じる。
 
 ミリ単位まで測れる十分有用な物差しでも、ミリ以下の誤差は生じるし、そこは測れない。仮説には推し量れない余地がこの世界には当然ある。
 
 ∧∧
( ‥)誤差にすべてを賭けるしか無いと
 
    ( ‥)そう言う意味では一般的な人間、
      -□ 普通の仮説が想定している
        人間というカテゴリーに該当する
        人々に用はないのだ。
        科学はそれらに感染できない
        からな。
 
 言い換えればこうだ。どれだけ犠牲者が出てもかまわぬ。誤差という名の成果が出れば良い。そうであれば本は人間という糸くずに知識を感染させる媒介者として存続するだろう。
 
 ∧∧
( ‥)可能な限り情報を発信し
 
    (‥ )最後に毒物をばらまこう。
 

 いずれ時がくる。立ち残っているものこそ適切な知識に感染した適合者。本というものは、こういうものだ。本はこれである限り、その効果をまっとうできる。人間にとって本などどうでも良いように、本にとって人間などどうでも良い。
 
 

2011年12月23日金曜日

本物語

   ( ‥)開かぬなら、壊してしまえ
     -゜ 容器ごと。
 
 ∧∧
( ‥)あなた、よくやるよね。
 
 中身に用があるんだ、がわは知らねえ。
 
 
   (‥ )敵を殺すにはまず味方から
 ∧∧
( ‥)革命屋さんがよくやるよね
 
 人間いらねえ、大粛清

 
    ( ‥)本のためなら人命無視
 ∧∧
( ‥)図書館本来の役割だよね
 
 少なくとも、適切で有用な技術とその知識は人命より重い。
 
    (‥ )あるいはこう言えば良い。
        人命100人をとるか、
        101人の人間を
         養える技術をとるか
 ∧∧
( ‥)単純にビジネスの話ですね
 
 本を焼くものは人を焼くようになるという
 
    (‥ )おほっ!! すると人を焼けば
        本を焼くようになるってか?
        人を見捨てれば本を見捨てる
        ようになるってか?
 ∧∧
( ‥)それは理屈がおかしい
 
 年をとると死ぬが、死者が全員、年寄りなわけではない
 
    ( ‥)そういや、墓掃除のバイトの時、
        古い墓石には子供の死者が
        比較的多かった記憶があるなー
 ∧∧
( ‥)技術と医学の進歩とその成果ですね
 
 本はその内部にある情報に価値がある。本そのものには何の価値もない。
 
 ∧∧
( ‥)伝承せよと。
 
    (‥ )採算が合う限り、人命を消耗してさえ
        問題ない。
 
 これはビジネスの話である。
 
 

知らない人の偉大な業績

 ∧∧
( ‥)どう?
 
   ( ‥)ナスィール・アッ・ディーン・
     -□ アッ・トゥースィー
       この人は知らなかったなあ
 
 キリスト暦13世紀のイスラム天文学者、いわゆるイルハン国(モンゴル帝国のイラン領とでも言えばよいか)の人物。天文学史では有名、かつ画期的な人物のひとり。
 
 ∧∧
(‥ )でも、この人の天文体系らしい図は
\-   科学雑誌で見たことありません?
 
   (‥ )というか手持ちの本で、この人の
       簡単な解説があったよ。
       読んでいたのに念頭から
       はずれていたのだね。
 
 例のあれ。知ってることしか書いてない本だ、そう思って、新しい知識を身につけてから読み直すと、知らなかった事柄や今なら分かる内容、著者の文章の意味や記述のより正しい解釈がごろごろ出てくるというやつ。
 
 ∧∧
( ‥)結局、分かった、というのは
    読んで「この本の内容は
    こういう内容だろう」と提案された
    暫定的な仮説ですからね。
 
    (‥ )知識や解釈や情報を
        バージョンアップして
        新しい仮説を手にした上で
        それらを見直すと、
        以前の理解がポンコツだって
        分かる、そういうことよね。
 
 *これは見方を変えれば、ネットやamazonとかで見る「トンデモ書評」も、書いているご本人は大真面目だし、”理解”して書いているということでもある(言い換えると、理解や確信には何の意味もないということでもある)。
 
 ∧∧
( ‥)ところで、なんでナスィールさんは
    アラムート城にいたんですかね?
 
    (‥ )さあ? なにやってたのかね?
 
 アラムート城、いわゆる暗殺教団の本拠地。数々の政敵を倒してきたが、モンゴル軍にはかなわなかった。
 
 
 

2011年12月22日木曜日

すでにその世界である

 ∧∧
( ‥)世の中、間違っている
    と言うよりも
 
    (‥ )間違っているのが
        世の中だ。

 というよりも、こう言えばどう?
 
 ∧∧
( ‥)私のプランは世の中を記述することが
    出来ず、必然的にプランの失敗を
    招いたのです
 
    ( ‥)記述できない自分を
        愚かというのか、
        自分の願いを拒否する
        世の中を否定するのか
 
 こうすれば良いのに、なぜみんなはそうしない?? 世の中は間違っている 
 
 このようなよくある言い様とは、ようするに、
 
 ∧∧
( ‥)世の中の動態を記述するのに
    失敗したのみならず、自分の
    理論の不完全さを是正しないまま
    恨みを語っているのです。
 
    ( ‥)間違っているのが世の中だ。
        こちらの場合、世の中の動態を
        直視してはいるが、
        そこにはまだ価値判断が
        混ざっている。
 
 良い、悪いは、動きや変化の記述とは関係ない。それは不要なパーツだ。エンジンは道徳で動くわけではない。道徳で太陽が動き、細胞が分裂するわけでもない。
 
 ∧∧
( ‥)むしろ
 
    (‥ )今の世の中はすべての勢力や
        人々の願いの力が均衡した
        すでにあるべき姿なのだ、
        とも言える
 
 ∧∧
( ‥)そう考えた時に
    あなたはなんと?
 
    ( ‥)そうね、科学ジャーナリズムで
        あるからには啓蒙活動するべし
        これは青臭い考えだよね。
 
 そこには私たちが努力すれば世界は変わる、変えられる、という前提がある。
 
 ∧∧
( ‥)実際にはそうではなくて
 
    (‥ )すでにそれは行われ、
        その結果が
        この世界だと思えばよろし。
 
 同じことを考えた人間は自分たち以外に山のようにいたはずだろ? なのになんで変わっていないのだと思う。
 
 ∧∧
( ‥)全員、失敗した、と
    言いますかね
 
    (‥ )科学を啓蒙すれば
        皆が分かってくれる。
        その前提がそもそもの
        間違いだってことさ。
 
 努力が足りないのではない。すでに皆が試して失敗した世界、それが僕らのいる場所だ。君のいきたかった場所に、今、君はいる。夢の扉を開けると、そこにあるのは皆の抱いた夢の末路、残骸だけだ。

 残骸しかないここを、あるべき場所ではないと思うなかれ、夢が残骸に成り果てた場だからこそ、ここはあるべき場所である。
 
 
 
 

歓喜の門

 
 ∧∧
( ‥)ようするにあなたの仕事は
 
    (‥ )夢と希望の破壊
        諦観の販売だ
 
 さあ、輝かしき希望の世界よさようなら。そしてようこそ、あきらめの世界へ。皆様のご来着を心の底から歓喜をもって歓迎しよう。
 
 

あきらめの世界が忍びよる

 
 世界をこのプランで変えられると思った
 
 ∧∧
( ‥)だが挫折した、と。
 
    ( ‥)挫折したか、そもそも
        しなかったかだ。

 ∧∧
( ‥)だから世界を変えるために
    言葉をつむぐ仕事を始めたと
 
    ( ‥)言葉をつむいで世界を変えた奴は
        まあいない。
 
 いてもわずかだ。ほとんどは有象無象。事実、君らは変えていないだろう? 変えた、と思っても、それは、あれもだめ、これもだめ、オレだけが良い、なぜ分からないと叫び続けて衰亡させただけだ。
 
 ∧∧
( ‥)挫折して、でもあきらめきれず
    しかし成果は上がらない。
 
   (‥ )知識人、マスコミ、ライター、文化人
       なんでもいいけど、挫折した
       ゴミ屑の集まりさね。
 
 ∧∧
( ‥)それでも言葉をつむぎますか
 
    ( ‥)挫折した計画でも仮説でも
        ひとつだけ有効利用する
        方法がある。
 
 計画や仮説が正しいことにして、答えありきに取材内容をそれに合わせれば....

 ∧∧
( ‥)良い?
 
    (‥ )いや、楽なだけだよ。
        意味などない。
        性能も示していない。
        それでも売れるけどね。
 
 言葉を売った、大企業に入った、あるいは成功した。生活は保証された。革命は空っぽな夢に成り果てた。それでもなお、そんなゴミ屑でも役に立つ。君らが生きていくには役に立つし、事実、それを売っている。
 
 ∧∧
( ‥)安易
 
    ( ‥)便利ではあるな、どんな時でも
        どんな状況でも記事は簡単に
        書ける。〆切りは守られ、
        文字数は満足し、
        後は誤字脱字に
        注意すれば良い。
 
 ∧∧
( ‥)それはもう、科学とか検証とか
    妥当性とか、正しさとかでは
    ないですね。
 
    (‥ )言葉を売るってのは所詮は
        そんなもんさ。
        経験から乖離しているのだ
 
 言葉は心の表現だ、仮説の提案だ。だから現実と照らし合わせないと意味は持ちえない。言葉それ自体に意味があるなんてたわ言だ。

 周りを見てご覧。そんなものだけだろう?
 
 夢を語っても、それはもうただの逃げだ。だがお前達はそれを売って肥えたのだ。君はぼろくずに成り果てた夢の有効利用を確かに発見した。
 
 ∧∧
( ‥)無惨
 
    (‥ )夢ってのは所詮は
        そんなもんさ。
 
 まだ、革命家を気取っているのかね? 鏡を見てご覧。無駄に太った肉体がいまにも崩れ落ちそうじゃないか。ほほはたるみ、どんよりとした目が見返しているだけだ。

 だがまもなくそれも終わる。さあ、泣いてつぶやきながら滅びろ。
 
 その死体を切り刻んで売ってやろう。
 
 

2011年12月21日水曜日

ゲーム

 野蛮人になって文明国ローマをひゃっはーと略奪しよー!!
 
  
    (‥ )そういうゲームって
        ないのかね?
 ∧∧
( ‥)さあ?
 
 ずいぶん昔、友人の家で試しにドラゴンクエストをやった時、思ったものである
 
 
    ( ‥)このヒゲの王様ぶち殺して
      -/ 王権を奪取した方が良くねえ?
 ∧∧
( ‥)貴族や衛兵が黙ってないでしょう。
 
 つまり、まず仲間をつのり、王様に契約を持ちかけ、信任を得て力を蓄え、王様の目が疑惑の色に染まり始めたころに
 
    ( ‥)ひゃっはー!!
 ∧∧
( ‥)略奪だー!!
 
 劫略、劫略
 
 海を渡り、穀倉地帯を占拠し、造船所を手に入れて艦隊を建造、地中海を我が物とし、好きな時、好きなだけの軍勢を好きな場所へ送り込み
 
    (‥ )征服!! 征服!!
        ローマを劫略!!
        皇族を略奪!!
        帝国艦隊を殲滅!!
 ∧∧
( ‥)覇王ガイゼリックに君もなろう
 
 
 

覇王ガイゼリック

 ∧∧
( ‥)ガイゼリック。5世紀にローマを
    荒らしたバンダル族の王様ですね
 
     ( ‥)本によってスペルが違うの
       -□ だよね。帝国外の民だから
         表記のない、音写だけの
         スペルだからなのかね?
 
 Geiseric だったり Genseric だったり色々だ。
 
 ともあれ
 
 ∧∧
(‥ )西ローマを荒らして、スペインの
\-   ジブラルタル海峡を越えて
     アフリカに渡り、カルタゴを
     制圧して王国を建国すると。
 
    (‥ )でっ、そこからいきなり
        海軍を作っちゃうのよな。
 
 ローマ当局がその情報をつかんだ時にはすでに艦隊は出港した後、シシリー島に上陸して占領、さらにはローマ市を攻略、略奪してしまう。
 
 ∧∧
( ‥)でっ、そこで前々よりの謎
    というわけですか。
 
    ( ‥)ガイゼリックは海軍を作れたのに
      -□ なぜハンニバルは作れなかった
        のか?
 
 ∧∧
( ‥)両者の間には7世紀の差が
    あるわけですけども
    地理的には同じ状況なの
    ですよね。
 
    (‥ )ローマが弱体化していたからか
        彼が必要な軍勢をそなえていた
        からなのか、制海権さえ掌握
        していたらしいけども、
        これはどういうことかね?
 
 
 ガイゼリックは造船所と造船技師を手に入れたという、しかしハンニバルのカルタゴだって本来は海洋国家のはずだ。
 
 ちなみに、ガイゼリックはいまだに大国である東ローマが差し向けた大艦隊さえも撃ち破っている。
 
 

2011年12月20日火曜日

人生がおしくなってきた

 
    ( ‥)年をとったせいかさ、
      -□ 無駄なことに時間をかけたく
        ないのよね
 ∧∧
( ‥)もう、人生が長くないからですか?
 
 
    (‥ )一分一秒がおしくなる。
 ∧∧
(‥ )今日のあなたはだらだらしてましたけどね
\-
 
 まあ、疲れているのはしょうがない。そういう時は休むに限る。寒いので布団の中で本を読んでいたら寝てしまった。
 
 ∧∧
( ‥)ともあれ、つまらねーだろーなー
    と思うものは残りの人生から
    はぶいてしまうのだと。
 
    ( ‥)若い頃はなあ、アピールの必要性が
        あるから、あちこち顔を出すもの
        だろうけども、もう、年のせいか
        時間を金に換算して損得を
        考えてしまうのよね。
 
 ∧∧
( ‥)1時間の付き合いなら、消費した1時間分の
    何らかの利益が欲しいのだと。
 
    (‥ )人生それ自体が消費され、
        残り少なくなり、
        自分の残された時間は
        自分の中では貴重になり、
        時間を使っていかに儲けるか
        そればかりだな。
 
 自営業者の集まりのはずなのだけども、どーも有意義そうでないので断る。そんな1日であった。
 
 ∧∧
(‥ )自営業者なら、もっとガツガツ
\-   してそうなものなのですけどね。
 
    (‥ )なんか意外と、ぽーっとしてる人
        いるのよな、なんでだろうね?
 
 ああ、あと、ネタ切れっぽい人は困るのよ。
 
 ∧∧
( ‥)ネタ切れねえ
 
    ( ‥)本を読まない、調べない、どこかへ
      -□ いかない、新しいことをしない
        ネタ切れの原因ってそれだろ?
        有意義じゃないよな。
 
 ネタ切れした人は自分の話をし始めるしかないが、これがつまらない。というか、パーソナルな話は普遍の話でないので、必然的に普遍の価値を持っておらず他人には使えない。ようするに裏打ちのないオレ様通貨みたいなものだ。そんなものを口からみんなでダラダラ発行されて、ばらまかれても困る。

 ∧∧
( ‥)まあ、この書き込み自体、あなたの
    話ですけども。
 
    (‥ )ネタの話は次のカキコで
        しようじゃないか。
 
 取りあえず、仕事である。
 
    
        

2011年12月19日月曜日

近代歴史がうざい

 歴史が近代に入ると途端に本の記述が、ブルジョワ、とか、反動、とか、プロレタリアート、とか、うざいし、うるせえ。
 
 ∧∧
( ‥)..まあ、その、マルクスさんの理論に
    そって物事を解釈しよう、という
    ブームがですね、かつてありまして。
 
    ( ‥)知ってるかい? 仮説はたとえそれが
      -□ 間違っていたとしても役立つ側面が
        ある。
 
 これを聞くと、役立っているから良いではないか、では留まらず、役立っているから正しいのではないだろうか? あまつさえ、いや、むしろ正しいに違いない、とか無邪気に言い出す連中がいる。
 
 ∧∧
( ‥)でも実際には
 
    (‥ )役立っているからといって正しいとは
        限らないし、そんな保証はどこにも
        ありはせんということよ。
 
 プトレマオスのアルマゲスト(和訳版)に目を通す。円と等速運動の組み合わせで天体の運行を説明するモデルは、当然、天体の運行を把握することに役立つが、結果的に正しくない。
 
 

本筋の脇にある謎

 ∧∧
( ‥)でっ? どう?
 
   ( ‥)そうね、ローマ軍は象も
     -□ 使ったけども、最後は
       レギオンの融通性で
       ファランクスに勝った
       そういうことみたいだ
 
 
 今はどうだか知らないけども、昔の戦争では兵士が横に並ぶような形で陣形を組み戦った。
 
 ∧∧
( ‥)自分から見て
  -□■ 左翼と右翼
 
   (‥ )ローマ VS マケドニアは
       共に自分の右翼が相手の
       左翼を押すという状況に
       なったのだけども。

 押していたローマ軍右翼の指揮官の一人が、あ? これチャンスじゃね? と気がついて、戦闘中のレギオンから歩兵中隊20個を率いて丘を駆け上がり、マケドニア軍右翼(ローマ軍左翼と交戦中のファランクス)の背後をついた。という案配。

 かくて、アレキサンダーの征服を支えた、栄光のファランクスはローマのレギオンに破れた。
 
 ∧∧
( ‥)確かに、ファランクスって
    そういうことも、それに対する
    対応もできなさそうな
    軍団ですよね
 
   (‥ )一応、敵に応じて
       陣の向きを変えて
       対応するように
       訓練はされていた
       そうなんだけど、
       なんていうかね
       自走砲に近いのよな。
       それに陣形を分離できる
       構造あるいは隊列じゃ
       ないしね。
 
 
 ∧∧
(‥ )それにしても、調べれば色々な
\-  謎が出てくるものですね。
 
   (‥ )第一次ポエニ戦争で
       ローマに敗北した
       カルタゴが
       どうして海軍力を
       再建できなかったのか?
       とかね。
 
 船の建造に必要な木材の供給地を喪失したのかと思って調べたけども、どうもそうではないらしい。当時の海戦はしばしば白兵戦だったから、陸軍国家ローマ軍の兵士をのせた船にはかなわないということかもしれないけども、なぜ海軍を再建できなかったのか、よく分からない。

 ともあれ、結果としてカルタゴのハンニバルは母国の海軍の援助も補給も受けることができず、ローマを追いつめるものの、敗北に終わる長く苦しい戦いをしいられることになった、というのが例えばマハンの見解。
 
 ∧∧
( ‥)謎だらけですが、取りあえず
    前に進みましょう。
 
    ( ‥)本筋はこれじゃない
      -□ からなあ
 
 
 別に戦争の本を書いているわけでも、人文歴史の本を書いているわけでもないので。
 
 ∧∧
( ‥)でも重要であると
 
    (‥ )人間の歴史は結局は
        戦いの歴史
        食べ物と資源の確保の
        歴史なんでね。
        無視はできないな。
 
 
 
 *2013.06.17追記:2年半後に続く=>hilihiliのhilihili: やはりレギオン
 
 

2011年12月18日日曜日

世界が愚痴で沈む

 先日、商品の買い付けにつき合った。その後、即売会における商品の売れ行きを聞いたところ。
 
 ∧∧
(‥ )マニアックで良いものが売れない
\-   良くても高いと買わない
    見た目がきれいで
    派手で分かりやすいものが売れる。
    ようするにそういう結果ですね
 
    (‥ )...まるで子供だな。
 
 いや、好きなものを買うためになんとかお金を工面しようとか、どれが良いのか、良いの基準は何かとか、そういうことを下調べもしなければ、知ろうともしない、そんな意味では子供以下だとも言える。
 
 ∧∧
( ‥)安値も安いというよりは
    もはや値崩れと呼ぶに
    ふさわしい状況です
 
    (‥ )原価、輸送費、手間賃、
        それを考えたらとても
        じゃないけど採算が合うとは
        言いがたいしな。
 
 おまけに売れたのは見た目は派手だけども、珍しくもなんともないものだったので。
 
 ∧∧
( ‥)お客の品物を見る目が落ちてきている
    良く聞かされる愚痴が実感できましたか。
 
    (‥ )まあ、その、ねえ。認めざるを
        えないよねえ。
 
 端から見ていると、それ買うかあ?? という状況なので。さすがにちょっと頭を抱える。
 
 反対にだ、例えばの話、売り物にならない屑ものを大量に安く仕入れる。それを一見するとおしゃれに見せる、それをタイムセールで”大安売り”する。
 
    ( ‥)すると”売れる”のだよなあ
      -゜ 屑ものだけに安く仕入れているから
         そこそこの売り上げで利益は
         出てくる。
 ∧∧
( ‥)それでも厳しいらしいですよね。
    ”良いもの”を馬鹿正直に売ろうと
    している人たちに至っては
    昨今の状況は壊滅的でしょう。
 
 消費者が良いものを見分けられないと、業者は悪いものばかりもってくるようになる。悪いものを安値で買って、得したわ、とお客はぬか喜びし、業者は物を見る目がない客を軽蔑するようになる。
 
 ∧∧
( ‥)でも、どうにもならないでしょうね
    ある意味、どちらの反応も当たり前だし
    必然ですよ。
 
    ( ‥)ライターも同じだよな。
      -□ 嘘やでまかせを書いた方が
        皆が理解した気になって
        満足して買ってくれるしなあ
 
 当然、やっぱり客を軽蔑するようになる。たとえ質の悪い内容を書いていると自覚しているライターでさえ、消費者を強烈に憎んでいる場合があるし、それは行間からうかがえる。まあ、当たり前と言えば当たり前だ。
 
 それにこんなこともある。真面目に仕事しても売れず、手抜きをしたら売れ始め、しかしそうなるといわゆる理系な人間から「お前はトンデモか??」と突っ込まれる。その時、当人はそれはもう怒り狂う。なぜか? 
 
 ∧∧
( ‥)なぜかというに
 
   (‥ )少なくともご本人からすれば、
      がんばった時に手助けしてくれず
      世間の愚かさという現実に妥協したら
      攻撃してくるように見えるわけよ
      援助もしてくれないのに口だけ出す
      嫌みな姑か何かのように感じる
      みたいなのよな。
 
 もちろん、こうした憎悪はかなり的外れでありうる。黙っていたからといって購入していないわけではない(ようするに購入し続けていたのに、作者が突然路線変更してとまどっている客もいるだろう、ということ)。しかし、作り手側には客の顔は実は見えていない。客は自分を個体だと認識しているが、作り手側からすれば客は便宜的なカテゴリーでしかなくて、実在ではない。
 
 そうだ、売り手は、自分の品物を買う人も、それを批判する人も、共に憎むようになる場合がある。
 
 ∧∧
( ‥)どうしたものでしょうねえ
 
    (‥ )売るだけなら先のような手がある
       そういう時でも馬鹿な消費者と
       軽蔑せずに、からっと売れば良い。
       だが、質を維持したいのなら、
       質の良いものを買ってくれる客が
       小さい以上、自分の身の丈
       それ自体を縮小するしかない
 
 ああ、だがしかし、身の丈の縮小というのは多くの人にとって、特に会社を持っている人にとって致命的なのだ。
 
 かくて、世界は愚痴だらけに成り果てた。
 
 
 
 

あっという間の世界

 先日、中国にいった時、現地の人が曰く、「今の子供は幸せだ」
 
 ∧∧
( ‥)その人は30ぐらいでしたけど
 
   (‥ )開放経済が始まったのは
       10代に入ろうとした
       時なのよな。
 
 そうだ、確かに今の中国の子供達は幸せであるに違いない。上の世代は厳しい環境にいたせいだろう、体の造りが非常に頑強できれいで、かなり一律だ。一方、子供は日本などのように体型が崩れ始めている。豊かになった証拠だ。
 
 そして我が身をふりかえる。本当に小さかった子供の頃、外国製品は日本のものよりなんでも良い、そう思っていた。しかし大人が言うには

 ∧∧
( ‥)昔はそうだったけども
    今では日本製品の方が
    良いのだ、良くなってきたのだ
    そう、彼らが言うのです
 
   ( ‥)そうこうしているうちに
     -□ アメリカでジャパンバッシングが
       始まり、日本製品の破壊とかが
       起きるようになった。
 
 GMとかは政治的な圧力で日本企業に対して勝とうとしているけども、自分を改善することを怠っている。そんな批判も聞こえてきた。日本の経済はじょじょに確実に成長して、子供の頃に遊んだ廃工場は取り壊され、あるいはその更地に新しい会社が出来た。大学時代にバブルは絶頂を迎えて、しかしその後、日本経済は長い低迷に入る。
 
 ∧∧
(‥ )賃金を上げて、人件費が高くなれば
 □-  競争力を失う、当然の結果ですし
    さりとて新しい産業を大規模に
    発明することもできなかった。
 
    (‥ )メディアや知識人やライターは
        失われた10年とか、空虚な
        煽り文句を売ればいいけども、
        実体経済はそうはいかないのよね
 
 ウォール街がしていることをギャンブルだとマスコミや知識人が批判するのは根本的に狂ってる。あんたたちが売っている言葉は株よりも空虚で実体がない。
 
 ∧∧
( ‥)そうこうしているうちに
    中国や韓国などが追い上げてくる
    わけですよ。
 
    ( ‥)およそ、40年、いや、30年か
      -□ あっという間だったな。
 
 ∧∧
( ‥)中国もあっという間、でしょうか?
 
    (‥ )格差があって人口も巨大だから
        安い労働力をまだまだ自給でき
        そうだけども、当然、限界は
        むかえるのよな。日本と同様
        そんな極端に先の話じゃない。
 
 たぶん、僕らの世代で結果が出るだろう。
 
 ∧∧
( ‥)ひるがえるに、このあっという間の
    世界で、どう生き延びるかですね
 
    ( ‥)日本と同様、GMも象徴的なんだ
      -□ 自らを改善できていないと
        批判されてから、つぶれるまで
        20年ばかりかかっている。
 
 ∧∧
( ‥)是正もできず、改善もできず、
    それでも死ぬまでそれだけかかるのだと。
 
    (‥ )猶予はあるってことだね。
        だが時の進行は確実で
        避けようがないという
        ことでもあるな。
 
 運命にぶれはあるが、しかしおおまかな流れは確定的でもある。避けようがない世界で、オレには関係ないと現時点で吸える甘い汁を楽しむだけ楽しんで破滅するか、あるいは次の選択肢は何か?と次々に探しまわり未来を見つけるか、さて、老人諸君。未来は残り少なく、自分は現状維持で逃げ切れると思っている死に損ないの諸君。君らならどうするね?
 
 
 

2011年12月16日金曜日

伝説者たち

 ラムネ菓子を食べたくなって、コンビニにいったらアンパンマンのラムネ菓子しか売ってねえ。
 
  
   ( ‥)ドキンちゃんたちを
       ばりばりぼりぼり
       がりがりごりごり
       あははははははははー
 ∧∧
( ‥)どうした?
 
 
   (‥ )愛しのショクパンマン様と一緒に
       ばりばりごりごり
 ∧∧
( ‥)少し落ち着け。
 
 ああ、そうね、プラトンはSF作家だと思うな。悪い意味で。
 
 
   (‥ )そしてディオゲネスに
       「プラトンくーん、イデアが
       見えないよー(超意訳)」と
       おちょくられるわけよ
 ∧∧
(‥ )まあ、ディオゲネスって人も
\-   大概な人ですけどね。
 
 *衆人環視のもと、マスタベーションしながら、ああ、これと同様にこするだけでお腹がふくれればいーのになー、と言った男(出典は「ギリシャ哲学者列伝」)
 
 

カール大帝巡遊記

 西ローマ帝国崩壊から中世西欧の成立に目を通す。8世紀後半、さすがに威光は衰えたとはいえ、いまだにローマ帝国(東ローマ帝国)の影響力が届く西欧世界、そこの地域的な大国たるフランク王国はカール大帝。ものの本によると...
 
 ∧∧
(‥ )カール大帝は徴税するために
 □-  王領内を巡遊しなければならなかった
 
     (‥ )...なにその原始国家ぶり
 
 なんだこの野蛮人。ちゃんと徴税のシステム作っておけよ、と思わず考えてしまうけども。
 
 ∧∧
( ‥)実際はしょうがなかったみたいですね
  -□ 風土が悪くて作物の生産性は低く、
    地味もすぐに消耗してしまう。
    連作できないから耕作地は点々と
    移動するし、これでは村を作れないと
 
     (‥ )村がないんじゃ、
         村に徴税をまかせたり
         できないものなあ。
 
 おかげで自分でひょっこり出向かなければいけない有様に。どうりで、フランク王国もあっというまに消えちまうわけだわさ。
 
 ∧∧
( ‥)西欧世界って緯度で考えれば
    北海道以北ですからね。
 
    ( ‥)世に言う12世紀ルネサンスだって
      -□ 中世温暖期で気候が穏やかだった
        時の話だしね。西欧人が気候問題に
        神経質になるわけだよ。
 
 *12世紀ルネサンス:12世紀に盛んになった、イスラーム世界と東ローマ帝国に伝承されていたギリシャ科学や哲学を翻訳、吸収しようとした運動のこと。
 
 ∧∧
(‥ )つまるところ、8世紀のこんな
 □-  原始的な段階から農業技術を向上させ
    温暖期ということもあって、12世紀以後、
    ようやくまっとうな国になる、そんな
    イメージですかね?
 
    (‥ )でっ、その後、小氷期がおとずれて
        世界征服に乗り出すと。
        分かりやすい話だよね。
 
 技術がないと生産が上がらないし、ちょーっと気候が悪化すると国を作れないような状況に陥ってしまう悪い環境。ようやく豊かになりかけたところで気候の致命的な悪化。そりゃあ外部へ進出するよなあ。
 
 ∧∧
( ‥)あなたのメモリーによると、中学校の
  -□ 先生がこう言っていますね「西欧人は
    海外で骨を埋める覚悟がありますが、
    日本人にはそれがなかったのです」
 
    (‥ )当時は、へー、だったけども
        今にして思えばさ、
 
 そうか、そうか、お前らそんなに母国に帰るのがいやか。
 
 そういう受け取り方をしてしまう。
 
 ∧∧
(‥ )そういえばドリトル先生でも
 □-  ありましたよね、南国の島から
    巨大巻貝の殻に入れてもらって
    イギリスに帰ってきた先生たち
    一行が、母国の気候に
    げんなりする場面。
 
    (‥ )あれ? これがイギリスだっけ?
        カタツムリのやつ、間違えた
        のじゃね? とか疑ったり
        するのよな。
 
 *カタツムリ、というのはSnailの直訳だったのかもしれない。日本語でカタツムリと巻貝は別物だけども、英語ではどっちもSnail。海にカタツムリはいないので、巻貝が正しかろう。
 
 そして考えてみれば、当時の西欧はまさに小氷期の最後の方で、非常に厳しい状況であった。
 
 ところで、しかし、ここで疑問が生じる。
 
 ∧∧
( ‥)フランク王国以前、ローマ帝国が
    健在だった時、徴税はどうやって
    いたのですかね?
 
    ( ‥)それを調べねばなるまいか
      -□ 本筋と関係ないんだがなあ。
 
 

2011年12月15日木曜日

レギオン VS ファランクス

 *の続き
 
 ∧∧
( ‥)どう?
 
    ( ‥)そうねえ、資料をぱっと
      -□ 見た限りでは、ポエニ戦争
        あたりからローマ軍は
        職業化、専門化が進んだ
        みたいなのよね。
 
 そしてどうも、ローマ軍のレギオンとギリシャ軍のファランクス、どっちも歩兵による密集方陣と言えばそうなのだけども、両者を比べた場合
 
 ∧∧
(‥ )レギオンの方が強かった
\-   みたいです。というか
    事実としてマケドニアの
    ファランクスはレギオンに
    敗北してますね
 
    (‥ )ファランクスよりもレギオンの
        方が融通がきく動きや行動を
        とれたみたいなのよな。
        自在な動きに翻弄されて
        陣形を崩されたのかね?
 
 ローマ軍の兵役は25年、なんだそれ? というくらい長いことも、聞けばローマ軍は兵士を雇うにあたって読み書きの能力も考慮したということも、訓練の違いも、両者の差を生み出したということか。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、もう少し調べないと
    全容は理解しかねますが
 
    ( ‥)ローマ軍は何世紀も存続したから
      -□ 時代ごとに性質や能力、あり方も
        変えているはずだからね。
 
 
 ちなみにローマ人はギリシャ人と違って実利に重きを置いたせいか、彼ら自身は科学や数学に貢献するようなものを、なにも生み出さなかったと言われている。
 
 

霜と流星群

 双子座流星群。
 
 ∧∧ とっ、言うわけで
( ‥)
 -( ‥)やってきました公園の広場
 
 さすがに寒い。もはや夜半をとっくに過ぎて、ベンチには霜が降りている。

 1時間あまりねばって10個以上見ることができた。この時間、双子座は天頂高く上がり、輻射点が上にあるせいか、短く明るく流れる流星が幾つも。
 
 1つ、大きいのが流れた。角度にして20度以上あったろうか? 月をかすめて、明るく、緑色に光りながらかすかな航跡を残して消えた。

 ∧∧
( ‥)20度というと
 
    (‥ )腕をのばした時に見える
    ゜   指を広げた手の幅ぐらいかな
 
 流星群は別に今日で終わるわけではないので、気長に、星空を見ることそれ自体を楽しみに、ぼんやり、のんびり、暖かくして見よう。
 
 ∧∧
( ‥)星のように遠くのものを見ると、
    目がよくなるといいますよね
 
     (‥ )確かに、望遠鏡で星を
         のぞいていた時、
         左目だけ視力が2.0に
         なったのよね。
 
 

2011年12月14日水曜日

ローマ軍とギリシャ軍

 ∧∧
( ‥)謎、というと
 
   ( ‥)ものの本では古代ギリシャ都市国家は
     -□ 戦争のプロフェッショナル化と共に
       衰亡の道を歩むように読めるのよ
 
 ようするに戦士気質で集団を組んで真っ正面からがんがんぶち当たるような凶暴な戦いをする市民軍、がより組織化された軍隊と傭兵、プロの将軍と兵士たちの出現で敗北し、通用しなくなり、色あせていく、というイメージ(例えばの話、単独で支援のないままの重装歩兵は散兵などにやられるし、事実、やられて古典的な戦争が通用しなくなった)。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、そのひとつの頂点が
    アレキサンダー大王なんでしょう
    けどね
 
   (‥ )問題はだ、ローマ軍の位置づけなのよ。
 
 ローマも市民軍だけども、ギリシャなんぞより白兵戦においてはるかに凶暴であったという(話を聞いていると理解に苦しむ戦い方をする)。だけども所詮は市民軍。それは厳密な意味ではプロではないよね?
 
 ∧∧
( ‥)しかし結局、そのローマにギリシャも
    アレキサンダーの後継者達も
    呑み込まれる運命なんですよね
 
   ( ‥)ローマは征服地が拡大すると
     -□ 市民が没落する。それと共に
       軍が弱体化する。
       そこで組織改革したら、
       ローマ軍は将軍達の
       私兵集団になって、カエサルや
       アウグストゥスの時まで
       1世紀近く内乱状態に
       陥るのだけども。
 
 つまりこの時のローマ軍がついにプロの領域に至ったのか? それとも周辺諸国の軍隊がアレクサンダーのような頂点から劣化していたのか。
 
 ∧∧
( ‥)あるいは前提がおかしいのか
 
   (‥ )あるいはプロと伝統ある軍隊でも
       アマチュアの寄せ集めに負けるし
       征服される場合があるという
       だけの話なのか?
 
 よく、というかさっぱり分からない。
 
 
       

哲学とろくでもない社会

 
    ( ‥)アイザック・アシモフだったっけ?
        古代ギリシャに生まれたかったな
        そうすれば哲学三昧だったのに
        といった人に対して...
 ∧∧
( ‥)いや、僕はいやだね。どうして?と
    尋ねられると。
 
 だって自分は多分、奴隷にされているだろうから。
 
    (‥ )アシモフが言ったかどうかうろ覚え
        なんだが。
 ∧∧
( ‥)実際にいってみたらろくでもない
    社会じゃないのか? そういう
    懸念と指摘はまったく
    正しいでしょうね。
 
 一方、後のヘレニズム時代、プトレマイオス王朝のアレキサンドリアにいた科学者というか哲学者達は国王の庇護のもとにいた、いわば国王のしもべでもあった。
 
 ∧∧
(‥ )なんかホメロスを批判して
\-   追放されたり、エジプト特有の
     近親婚を批判、あるいは揶揄して
     国王の不興を買い、粛正された
     人もいるみたいですね
 
    (‥ )でも古代ギリシャよりも圧倒的に
        技術も数学レベルもテクニックも
        上だったのだよね。
 
 もっとも国は共産主義もまっさおなげろげろな統制経済であったようだし、奴隷もいたのは事実であった(しかし一方ではアレクサンドリアは国際都市で、インド人や仏教徒もやってくるし、国軍は少なくとも当初は現在の傭兵部隊みたいなもんなので、あちこちの犯罪者や逃亡奴隷上がりの者がいたともいう)。
 
 ∧∧
( ‥)哲学とか知識や技術の進歩とか、
    なんなのでしょうねえ
 
    ( ‥)分からんねえ。
 
 ただ、そんなこんなを2000年以上も先にいる現在から振り返ると
 
 ∧∧
( ‥)プラトンさんのことをどう?
 
    (‥ )小さくまとまりすぎじゃねーか?
 
 
 

プラトンと数学と奴隷制

 
 本を読む、
 
 プラトンが古代ギリシャ数学の発展に貢献した、という意見があるそうな。
 
 ∧∧
(‥ )という意見を「そう解釈することは
 □-  可能だけれども、それを支持する
    資料は存在しない」と評した
    本ですね、これは。
 
    (‥ )資料ってのはいかようにでも
        解釈することは可能だからね。
 
 しかし、ある解釈に資料を当てはめることができることと、その資料がその解釈を支持するのかはまったく別の話だ。
 
    ( ‥)この化石は私の鳥進化論に
      -゜ ぴったりと当てはまります
 ∧∧
( ‥)それは飛行動物ですが、鳥でもないし、
    鳥に近縁な動物ですらありません。
 
 *注:これはオレ様鳥進化論者がまじでやった誤謬。このことは、オレの解釈に当てはまる、では意味は無く、データが何を示すか? ひいてはデータが何を示しているかをちゃんと発見できる解析手段こそ大事だ、ということを示している。
 
 それにしても
 
 プラトンかあ
 
 ∧∧
( ‥)あなたが持つ、彼のイメージって
    どんな?
 
    (‥ )一言で言うと、痛い人、だね。
 
 師匠が民主主義によって殺されて、ああ、民主主義では駄目だ、訓練された哲学者によるエリート政治をしなければいけない....と
 
    ( ‥)クラスで1人、学校で数人ぐらい
        こういうやついるよなって感じ 
 ∧∧
( ‥)この場合のあなたのイメージは
    理想は発見できるが、民衆の動態という
    現実を記述できなかった人、という
    ものですね。
 
 大衆は馬鹿だ。こうすればいいのに、という発言は、つまるところ、「ようするにそれを言うお前さんは、馬鹿な大衆の動態を把握することもコントロールすることもできない大馬鹿さんじゃないか」、ということである。
 
 ∧∧
( ‥)反対にプラトンは数学から
    影響を受けているであろうと
 
    (‥ )まあ、最低限あれよね、現実世界の背景に
        完全な本質、イデアが隠れているという
        発想は、存在しうる個々の三角を
        測ることなく、すべての三角形で一律に
       「内角の和は180度であると証明する」
        という、古代ギリシャで発達した
        発想と似たものは感じるよね。
 
 ∧∧
(‥ )いまのところ言ってしまえば
 □-  古代ギリシャは奴隷に雑務を全部やらせて
    市民と称する特権階級が好き放題に
    思弁を張り合っているというイメージ
    でしょうかねえ。
 
    (‥ )そういう土壌から良くも悪くも
        浮世離れした数学の証明と
        哲学が誕生してくる、それが
        古代ギリシャの特質っぽいよな。
 
 ∧∧
( ‥)そして、できもしない、できもしなかった
    理想政治と理想国家を語ると?
 
    (‥ )まさしく現実世界の動態を記述できぬ
        ままに、この世界の向こうに本質が
        あるという発想。これは単純に
        現実への挫折であるとしか
        思えない。
 
 まあ、おいおい把握していくさ。
 
 

2011年12月13日火曜日

部隊な人々とその他の何か

 尊い、尊さ、あるいは反対にやっていはいけない、これをしてはいけない。
 
 ∧∧
( ‥)推奨と禁止ですね
 
    ( ‥)やりたくない、と、
        やってしまう、
        そういうことだよね。
 
 ∧∧
( ‥)労働は尊いものですか?
 
    (‥ )推奨する。つまり
        やりたくはないが、
        やらざるをえない
        ものである。
 
 ∧∧
( ‥)なぜかと申しますと
 
    ( ‥)平たく言えば自分は部隊に
        所属していて、戦争状態だと
        思えば分かりやすくね?
 
 逃げたい、でも逃げたら陣形は総崩れになり部隊は瓦解し、大勢が死ぬだろう。ようするに自分も駄目になる、少なくともその可能性が高まるということでもあるし、帰るべき部隊が無くなれば君はどうする?
 
 ∧∧
( ‥)そういう時、色々な言葉で
    皆を鼓舞しなければ陣形は
     保てないでしょうね。
 
    (‥ )労働は尊いものだ、
        勤労はすばらしいことだ。
        これらの言い様も結局は
        そういうことだろうなあ。
 
 全員、いやいやなのだ。そりゃそうだよな。
 
 ∧∧
( ‥)戦争状態というのは言い過ぎにしても
    比喩的には部隊に所属して
    戦っている状態であると。
 
    ( ‥)過労死する人間が出るのも
        就職できたオレ勝ち組という
        言葉が社畜という安易な侮蔑と
        ワンセットなのもそういう
        ことなのだろうなあ。
 
 ∧∧
( ‥)部隊の戦死者、部隊の信奉者
    部隊に入れなかった人々の
    怒りや妬み、ですかね。
 
    (‥ )部隊、というよりは
        部族かもねえ。
 
 戦略の歴史を読んでいたりすると、軍隊の部隊ってのは、もう部族だそうである。部族に所属し、部族を誇りに思い、内部の社会的ステータスを上げることに価値があり、部族を離れてもなお、心はそこから離れられない。
 
 ∧∧
( ‥)会社も過労死も、社畜と揶揄される
    ほどに働くのもそれと同様で
    あると。
 
    ( ‥)人は誰でも自分の価値観の奴隷で
        あるとも言える。
        己の肉体と神経パターンからは
        逃れられないからな。
 
 ∧∧
(‥ )会社のために身を犠牲にする
\-   非人間性は部族的かも
    しれませんね。
 
    (‥ )それに対する非難は2つのものが
        混ざっているように見える。
 
:部隊としての不合理さ、非効率性の指摘
:部隊に所属できなかった者の優越感と妬み
 
 ∧∧
( ‥)分離して考えるべきと
 
    ( ‥)見返りがあるのなら、人間は
        自分の命をかけることも
        いとわないものよ。
 
 問題は命をかけるに値するような組織や上司や物事か? という疑義。
 
 ∧∧
(‥ )無駄なサービス残業や老害、という
\-  言い様はそれの反映でしょう。
 
    (‥ )それに対して社畜って揶揄はあまり
        感心できんのよな。
 
 人間、社会性動物である以上、どこかしら何らかの部隊に所属するのが当然だ。自分一人で部隊かあるいはそれに近似なものを作り、こなせる人間は、そうはいないし、事実、とても少ない。
 
 ∧∧
( ‥)それにも関わらず社畜と揶揄するとは
   これいかに?
 
    (‥ )自虐でなければ安全圏から
        言っているのは明らかだ
        子供なのかもしれないし
        就職していないのかもしれない
        巨大組織でぬくぬくしている
        マスコミ人間かもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)あなたにとって会社人間、部隊の
    人々ってどう?
 
    ( ‥)こっちが吸血鬼なら彼らは
        太陽だよ。
 
 近づくとそのまぶしさに体が焼けて、灰になってしまう。
 
 

2011年12月12日月曜日

聖像論争

 イコン(Icon:元はeikon)、つまり聖像。つまりイエスやマリアを描いた図像(ネットなどで使われるアイコンという用語の語源でもある)。
 
 かつて東ローマ帝国ではイコンを崇拝するのは是か非かで論争が起き、聖像崇拝賛成派が弾圧された歴史がある。また、これはイスラームの影響であるとも言う。
 
 ∧∧
(‥ )なんでイスラームがキリスト教に
\-   いちゃもんつけるの? という
     言及が観測されました。
 
    (‥ )..いや、そりゃ意見するの
        当たり前じゃね?
 
 イスラームからすればイエスはあまたいる預言者の一人であり、ムハンマドの前に現れた人であり、キリスト教もアダムやモーゼから連綿と続く一神教のひとつであり、不完全であるという位置づけではあるが、自らの仲間に他ならない。
 
 ∧∧
( ‥)預言者の信徒が聖像に祈りを
    捧げていたら、それに連なる
    ムスリムたちがなんと思い、
    なんと言うか?
 
    (‥ )まあ、普通に、
       「それ偶像崇拝じゃね?」
        と突っ込みをいれるよね。
 
 キリスト教徒がムスリムを仲間や同胞と見なすか? といったらはなはだ疑問だが(事実、虐殺している)、それでもこの突っ込みに対して言い訳するのは難しそうである。
 
 うん、難しそうだよね、全然関係ない第三者の立場から見て、それって一神教なの? 普通に偶像崇拝じゃね? とやはり疑問に思うし

 というかまだ見たことはないけども聖像崇拝を正当化する神学の文献は山ほどあるそうだ。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、言葉が多いってのはね
    そもそもね
 
    (‥ )そうしないと正当化できなかった
        のじゃないですか? という
        疑問をもつわいな。
 
 モーゼの十戒を引き合いに出すまでもなく。
 
 
 *一応、フォローしておくと、突っ込まれないように、色々と細々とした注意事項はあるそうだ。あるそうではあるが、、、

それは議論じゃない。ただの値段交渉でしょ?

 ∧∧
( ‥)ようするに
 
    ( ‥)これこれの事例がある。それを説明
        するためにこれこれな仮説を考えた
 
 いや、これなる事例はあなたの言うこれこれな仮説では説明できない、次のように補正するか、あるいはこちらの仮説を使うべき。
 
 ∧∧
( ‥)いや、それでは説明がつかない事例なになにが
    ある。むしろこのように補正するか、あるいは
    今のままで使うべき。
 
    (‥ )どの仮説が説明として妥当か?
        それをどう検証するのか?
        そうしないと妥当な仮説の発見は
        出来ないよね。
 
 いや、違います。僕はこう思います。分かりません。私はこう考えます。これは議論ではない。むしろ交渉だ。良い仮説を発見する気が皆無じゃないか。
 
 ∧∧
(‥ )異なる意見を戦わせているのですけどね
\-
    (‥ )ようするに自分の思いを
        いかに相手に高く売りつけ
        相手の言い値をいかに安く
        買いたたくかしている
        だけじゃねえか?
 
 これは仮説の吟味ではなく、むしろビジネスだろう。
 
 ∧∧
( ‥)議論とやらのイニシアチブをとろうという
    争いと見るべきではないですかね?
 
    (‥ )つまりそれは議論ではないって
       ことだよ。
 
 ようするに自分の社会的誇示、あるいは値段交渉と見るべき。議論と称するクジャクの群れである。なんとまあ、これで議論していると自称するのだからずいぶん劣化したものじゃないか。
 
 

矛盾なき演繹遊園地に客がこない

 「アルマゲスト」の古代ギリシャ語版(らしい本)を発注。
 
 ∧∧
( ‥)本当にその本でいいの?
    本の題名がAlmagestでもないし、
    本来の題名でもないですよね?
 
    ( ‥)なんかこんなことばっかやって
      -/ いるよなあ。
 
 時々、とんでもない本が届くことがある(*例:動物の資料になると思って取り寄せたら詩集だった、とか、子供向けの絵本(これはまだ役に立った)とか)。
 
 ∧∧
(‥ )それにしても天文対話にアルマゲスト、
\-   天球回転論にアリストテレスですか
 
    (‥ )もう、どんな本を書こうとして
        いるのか分かるよね。
 
 さて
 
 定義しよう、定義された明白なものを論理的に積み上げよう。こうしてできた体系は矛盾無く、そして真理である。
 
 ∧∧
( ‥)あからさまな間違いです
 
    (‥ )すべての星はチーズで出来ている
        月は星である。ゆえに月はチーズで
        できている。この文章に矛盾はないし
        論理的に問題ない。
 
 論理は本来、現実について何も語ってくれない。観察しないと論理が導いた答えが正しいかどうかは分からない。
 
 ∧∧
( ‥)でも古代ギリシャから始まり、
   長い歴史の中で、論理だけで壮大な
   体系を築こうとした人は
   星の数ほどいるです。
 
   ( ‥)哲学者や神学者ってのが本来はそういう
       人たちなんだよな。現実によるテスト
       ということを一部の”無粋な人”が始めて
       科学者が誕生し、彼らは彼らを
       置いてけぼりにしたわけなんだが。
 
 昔、ゴジラ映画のここが科学的におかしい、もっと物理学を大事にして欲しいと言った人がいた。
 
 ∧∧
( ‥)ゴジラ映画に物理学ですか
 
   (‥ )ゴジラがのしのし歩いている時点で、
       物理学もへったくれもないけどな
 
 ∧∧
( ‥)ここで大事なのはむしろ
   
   ( ‥)心理学だよね。
 
 例えばの話、外国の人がゴジラ映画を東京を舞台にして撮ったとする、そこで逃げ惑う人が
 
 ∧∧
( ‥)芸者と忍者と侍だったら
    どうなるでしょう
 
   (‥ )それは極端にしても、見ている時に
       ふとしたはずみで醒めちゃうことって
       あるからね。
 
 でもそれも、時代考証や場面考証というよりは
 
 ∧∧
( ‥)心理学でしょうね。
 
   ( ‥)まだ子供の時、風の谷のナウシカの
       絵コンテ見てたら、着水した飛行機の
       翼の上をおっちゃんたちが、
       姫さまーって駆け寄っていく場面で
       「飛行機が傾かないこの不思議さ」
       と走り書きがあったのよな、確か。
 
 ∧∧
( ‥)漫画やアニメ、ドラマや映画や小説は
    全部、小さな嘘の積み重ねですよ。
 
   (‥ )それで夢、というか物語を見せる、
       というか魅せるのよな。物理学が
       うんぬんとかじゃないんよ。
 
 大事なのは心理学、というか学問の心理学じゃなくて、あくまでも客の心を大雑把につかむ嘘。
 
 ∧∧
( ‥)大雑把にね
 
   (‥ )客の全員はつかめないからね
       人間はすべて同一の反応をする
       ように系統的に調整された
       実験用のマウスじゃないのよ。
 
 *実験用のマウスはばらばらな反応をしては困るので、それぞれの系統ごとに、均一の遺伝型を持つように調整されている(それでもぶれは必ず出る)。
 
 ∧∧
(‥ )ゴジラ映画が物理的におかしい
\-   ですか
 
   (‥ )SFを好きな人の話を聞いていると
       少なくとも一部には演繹的に
       世界を構築すればすばらしいものが
       出来ると思っている人が
       いるっぽいのよな。
 
 ∧∧
( ‥)フィクションって心理的なものでしょ?
 
   (‥ )だから衰退しちゃったんじゃない?
 
 どうもそういうお堅い、あるいは現実離れした、あるいはフィクション離れしたことを主張しているうちに、ホラーやサスペンスやファンタジー、あるいはライトノベルなどに食われたっぽい。
 
 ∧∧
(‥ )そういえばSFの定義について
\-  議論している人がいましたよね
 
   (‥ )分類学の種問題と同じで答え
       出ないし、定義したところで
       なんの成果もでないだろうな。
 
 というか定義しなくても別に困らないだろう。
 
 ∧∧
( ‥)種問題でも、種を定義して分類学自体を
    矛盾ない公理系にしちゃおうとしている人が
    いたみたいですよねえ。
 
   (‥ )分類学が操作や認識のためにあるのなら
       そんなものなんの意味もないし、
       分類学の目的ですらないよね。
 
 種の概念を普遍的に定義できなくても別に誰も困らない。
 
 ∧∧
( ‥)それに矛盾のない系を作ると
    言われましても。
 
   (‥ )それ、自然科学じゃないよな、という
       突っ込みで終わりよね。

 そう言う意味で、昔、思った。
 
 SFは科学であるべきで、定義されて、なおかつ矛盾のない体系であるべきだ、というのは
 第1にフィクションのあり方として間違っている。あるいは現実的ではない
 第2に、定義されて無矛盾だというのは科学ではない
 第3に、そもそもSFは科学ではない
 
 ∧∧
(‥ )宇宙人とかが出てきて、またーり
\-  してれば良いのですよ。
 
    (‥ )みんなが楽しむお話って
        そういうことだものな。
 
 実際、スターウォーズがSFかどうかは知らないが、相対性理論、ガン無視だ。
 
 矛盾のない演繹遊園地を作っても、閑古鳥がカッコーと鳴くのが現実。
       

2011年12月11日日曜日

主人公

 ∧∧
( ‥)?
 
    ( ‥)そうねえ、例えばの話
 
 私だ、ハクだ。顔無しのせいで通信が破壊された。私の指示に従え。奴は塔の最上階にいる。姿を見せたところを仕留めろ。砲弾から信管を抜け! 千に傷ひとつつけるな!!
 
    (‥ )...という主人公にするわけには
       いかんのよ。
 ∧∧
( ‥)そらあそうでしょうよ。
 
 言い換えると
 
 ∧∧
( ‥)それって主人公が積極的な
    良い人を演じている限り、
    周囲は無茶苦茶な連中でも
    オッケーということでは?
 
    (‥ )事実そうなってね?
 
 

 

あたって砕け散れ

 
 あたって砕け散れ と言った奴がいた。
  
 ∧∧
(‥ )今頃、何してるでしょうね
\-
    (‥ )あたらぬまま
        砕け散ったとこまでは
        覚えてるんだが
 
 
 

まあね、士気は下がるよね

   ( ‥)僕らの未来はね、過労死しか
       ないんだよ。
 ∧∧
( ‥)まあ、そうでしょうね
 
 
   (‥ )もはや否定もフォローも
       しないか。
 ∧∧
( ‥)人間同士の闘争、行き着く先は
    どちらかが折れるまで過労死限界
    チキンレースの勝利か、あるいは
    敗北による奴隷化だけでしょう。
 
 そうなのだ。社畜なんて、本物の奴隷に比べれば冗談だよ。会社+労働力ってことで売られたりしないだろう? (奴隷制の農場経営では土地+奴隷で売られるし、そもそも転居の自由はないし、法的な自由人でさえ、責務があまりに重労で逃げ出そうとすると、自由人の責務を果たさせるため、と国家が奴隷にする場合があった)
 
   ( ‥)もし、閉鎖された世界が
       あれば、そこでひたすら出来レース
       するだけなんだけどね。
       ははっ、まるで1984年だな。
 ∧∧
(‥ )あなた方が鎖国とか江戸時代とか
\-   ノスタルジックに顧みるのは
     そのせいなんでしょうけどね。
 
   (‥ )もちろん、そんな逃げ場は
       この地球にはもうどこにも
       ないのだ。
 ∧∧
( ‥)敵は障壁になる海も防衛も
    突破できるテクノロジーを
    発達させていたのです。
 
 かくて、我らの未来は過労死か奴隷化の二者択一とあいなった。
 
 ∧∧
( ‥)問題は名誉ある死を
    遂げられるかどうか
    ですか?
 
    (‥ )名誉ある死もそうだけども
        死んだ時に見返りがあるか
        どうかなんだよ。
 
 例えばの話、誰かが過労死したとする。残された家族と過労死した本人に対し、”奴ら”はなにをした?
 
 ∧∧
( ‥)会社と社会はそれに名誉と
    実利を与えたか?
 
    ( ‥)戦死がやむを得ない状況でもだ
        奴らのために死ぬ気にはなれん

 さあ、諸君、上司や政治家の顔を思い出そう。右だ左だ、人権だなんだの関係ねえ。彼らのために死ねるか? いや、彼らのためでなく、あくまで大義のために死んだとしよう、しかしその時、奴らはどんな顔をしてどんな仕打ちをすると思う?
 
 ∧∧
( ‥)士気、上がらないですよねえ
 
    (‥ )まったくもって
        上がらんね。
 
 

実はぐだぐだ

 24:00を過ぎる
 
 ∧∧ あっ、月が影から出てきました
( ‥)
 -( ‥)赤く暗かった月に明かりが
     ともったようだね。
 
 完全に地球の影に隠れた時、月は赤く、暗くなる。
 
 ∧∧
( ‥)地球の大気を通して
    通過してきた赤い光で
    月が照らされているの
    でしたっけ?
 
    (‥ )皆既月食、月から見れば
        地球による皆既日食だ。
 
 月の大地に立てば、星が散りばめられたる真空の黒々とした大空に、大気を示す赤い線に縁取られた真っ黒な円(地球)がかかっているのだろう。
 
 夜の町を歩くと、あちこちで人が空を見上げていた。
 
 ∧∧
(‥ )月では、その時、
    きっと大地が夕焼け色に
    染まるのでしょうね。
 
    (‥ )言い換えるとあれだな、
        月から見える地球とその影を
        縁取る赤い線は、地球で起きている
        すべての朝焼けとすべての夕焼けの
        赤だってことだね。
 
 さて
 
 古代ギリシャを見て思うに、
 
    ( ‥)人間、少なくとも一部の人間は
        とにかく論理的に考えることに
        非常にとらわれている。これは
        おそらく...
 ∧∧
( ‥)あなたがた人間はそういう思考をする
    生物だ、あるいは神経の回路が
    そう出来ているってことかも
    しれませんね。
 
 論理的に考える。これはぜひとも必要なことであるけども、当然のことながら、論理的に矛盾がない=現実世界においてそれが正しい、ではない。
 
 ∧∧
( ‥)観測しないと理論の正しさは
    分からない。
 
    (‥ )より正確にいうと、観測しても
        その検証が意味を持つには
        データから仮説を導く過程が
        正しくないといけない。
 
 *データから仮説を導いた方法論を持っている、ということは、その方法論は新しいデータが既存の仮説を支持するかどうかを判断することにも使える、そういうことでもある(これまでのデータからある方法論で仮説を導いたのだから、新しいデータから導かれた仮説がこれまでの仮説と合致するかどうかは、その方法論で分かる、という意味)。
 
 *ということは、つまるところ、新しいデータで仮説を検証するには、データから仮説を導く過程と方法論、そのものが妥当でないとどうにもならない、ということになる(この点で公認されているやり方は例えば最小二乗法とか最節約法などがある。反対に「オレ様の直感、オレ様の考えが正しい」という方法論では検証などできないか、データを恣意的に解釈して検証を自称しても誰も採用してくれない、ということ)
 
 ∧∧
(‥ )でも、おかしなもので演繹に
\-   拘泥する人は検証や経験を
    無視したり、最小二乗法や最節約法を
    軽視するのです。
 
    (‥ )実は彼らからすればおかしく
        ないんだ。経験で物事を検証
        するのは論理でも演繹でもない
        から。最小二乗法も最節約法も
        論理では正当化できないだろうな
 ∧∧
( ‥)でも実際はあれでしょ? 反証例が
    ただのひとつでも見つかったら
    論理の前提は破壊されるわけでしょ?
    白いカラスが見つかったら、すべての
    カラスが黒いという前提は壊れる
    わけですし、それが普通に起こるのが
    この現実世界ですよ。論理的な
    知識体系の破壊は容易です。
 
    (‥ )でも大部分のカラスは黒いから
        問題ないっていうだろうな。
 ∧∧
( ‥)...それは演繹ではなくて
   むしろ帰納じゃないですかね?
 
    (‥ )うん、だから論理、論理って言う人の
        大部分は実のところぐだぐだなんだ。
 
 一般的に私たちが日常会話で使う、あるいはトンデモさん、オレ様理論屋が得意げにひけらかす証明だの論証だの、検証だの、げろげろなしろものでしかない。
 
 

2011年12月10日土曜日

非日常と演繹

 21:43 
 
 ∧∧ 月食が始まりました
( ‥)
 -( ‥)欠けてきたね。
 
 さて

 「数学の文化史」モリス・クライン 河出書房新書にちょろっと目を通す
 
 ∧∧
( ‥)古代ギリシャ人たちは
  -□ 論理と抽象化で普遍の
    数学や証明を確立する一方で、
 
    (‥ )演繹にこだわって、帰納などの
     □-  非演繹的な論証形式やそれで
        導かれた公式などを放棄した
        まあ、そういったことが
        書かれている。
 
 ああ、確かに古代ギリシャ人ってそういうところあるよなあ。
 
 ∧∧
(‥ )手作業を軽蔑していたから
 □-  そういう作業は全部奴隷に
    やらせると。
 
    (‥ )おおまかにいうと、
        古代ギリシャの民主制って
        今の民主主義と違って
        むしろ軍人貴族制なのかもね。
 
 日本でいうと、武士以外は全部奴隷で、武士の世界は民主制で運用されている感じ? 
 
 ∧∧
( ‥)古代ギリシャでは三平方の定理が
    証明されている一方で、
    三角形の面積の出し方を
    発明したのは古典ギリシャ以後、
    アレクサンドリアの人々だったって
    本当ですかね??
 
    (‥ )なんかにわかには信じがたい
        話だけどね
 
 しかし、手作業などの実務は全部奴隷にやらせて、思うがまま抽象的な思考の世界に閉じこもっていたのなら、その結果は当然か?
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると抽象化、それによる
 □-  普遍化、たとえば三角形すべてに
    普遍的な証明を与えるような、
    大きな業績を上げた人々では
    あるけども、ちょっと痛い人たち
    なのかもしれません。
 
    (‥ )というかなあ、人間の、特に
        自分が頭良いと思っている連中って
        なんていうの? やたらと
        演繹思考に走らないかね?
 
 というか演繹ごっこ思考、というべきか。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、論理的に正しいのです、と
    大きく見栄を切っているわりには
    言っていることの論理や定義が
    穴だらけってありがち
    ですけどもね。
 
    ( ‥)その一番洗練された形が
      -□ 古代ギリシャだってこと
        なのかいな。
 
 ∧∧
( ‥)たぶん、論につまづきのある
    意見は周囲にぼこられて潰された
    でしょうから。
 
    (‥ )古代ギリシャでも
        偉大な哲学者、数学者って
        言われる人々の影に、
        オレ様理論家や
        トンデモさんたちが
        山のようにいたんだろうな
 
 おそらく、ぼこぼこに論破されてちきしょーちきしょーと泣きながら無様に死んでいったのだろう。
 
 それにしても、古代ギリシャ、見ようによっては病んでるよな、この社会。
 
 22:10 月はさらに欠けて3分の1以上が地球の影の中である。
 
 
 
 
 

危機的なエピソード

 
 神奈川では降り続いていた雨が止み、夜空は澄んで底冷えとなった。深夜の13:00に丘の上を走る道路までいくと低くカノープスが見えた。
 
 ∧∧ 赤く見えますね
( ‥)
 -( ‥)ひさしぶりにきれいに
     見えたなあ。
 
 南の星座の星なので、オリオンやシリウスが空高く上がる時間でも、関東ではほとんど地平線ぎりぎり、低いので夕焼けと同じ原理で赤く暗く見える。東北以北では見るのは困難か見えない。日本では南極老人星、酒飲みで赤いとされ、七福神の寿老人でもある縁起の良い星だ。
   
 さて
 
 そういえば先日、町へ出たついでに本屋で立ち読みしたら、宇宙物理とかに関係する著者が他の分野の研究者と話をしたら、「ああ、そういうごまかしに使われる単語はこっちにもあってね、例えば進化っていう単語はごまかしに使われるよね」、およそそういう内容の事柄を言われたそうな。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、ごまかしには
    使えるかもですね
 
   (‥ )身近な動植物のあり方や
       遺伝子頻度の変化、その過程
       やパターンから進化という
       結論を導き出すことはできる。
 
 いまでは系統解析の手段があるから、データさえそろっていれば個々の系統の進化の具体的な過程を推論し、それをテストで検証することもできる。おかげでちょっとした科学雑誌ならそういう論文を見るのが普通だし、その気になれば過去の生物が持っていた遺伝子を系統解析から復活させて、そこから遺伝子がコードしている酵素を作り、その活性を調べることすら可能だ。
 
 *何度も書いたことだけども、例えばどこぞの掲示板であるような、「オレ様が思うに鳥はこう進化したに違いない」とか、「恐竜はこう進化したに違いない」とか、「人間はこう進化したのだ」という論証や仮説がまったく駄目で、かつまた研究者の理論とまるで相容れないのはこのせい。ようするにデータから一番妥当な仮説を発見し、それを検証する過程はすでに系統学という形で確立されている。そうである以上、系統解析を経ないそれらの思いつきは非科学、あるいはトンデモの域を出ない。トンデモの域を出るには論証が理路整然としているかどうかではなく(そんなもの無限大に存在するので)、論証の形式や過程そのものがいかに妥当であるか、あるいは検証可能かどうかを論証しなければいけない。言い換えると、僕には分からないとかぐだぐだ言わんと系統学の教科書を読め、ということでもある。実際、学校時代に先生、もっと僕でも分かるように教えてください、僕ちゃんでも分かる教科書はありませんか? なんて君はいったのかね?
 
 ∧∧
( ‥)問題はですよ、系統の変遷は
   理解できるのだけども
 
    (‥ )具体的にどんな選択圧が
        かかったのか? そこが
        分からないか、論証が
        困難だってことだよね。
 
 うーんんんん? ここまで考えてふと思った、というか気づいた。
 
    ( ‥)断続平衡説ってさ、論証が困難だ
        そういう空白地帯に入り込んだ
        仮説だとも言えるよな?
 ∧∧
( ‥)断続平衡現象それ自体は
   見えるのですけどね。
 
 断続平衡。ようするにしばらく変わらないでいた系統が、ある日突然、急激に異なる姿へと進化し始めて、あるいはAからBへ移行して、その状態からまた動かなくなる、ということ。これ自体は確かにある、ことなのだけども、断続平衡”説”の提案者であるグールドたちは、進化というものはそもそもこういうもので、その機構を説明する理屈を提案した(色々と突っ込みどころがあって、今では顧みられてはいない)。
 
 ∧∧
( ‥)色々と問題を抱えた理論だけども
    そのひとつの要点はですよ
 
    (‥ )急激に変わるっていうけどもさ、
       それ、本当に変わっているの?という
       根本的な問題でね。
 
 よりちゃんというとこう。急激に変わる、変わるから意味(因果関係)があるっていうけどもさ、それ、本当に淘汰の作用なのか? 単なる遺伝子の確率的な浮動とどう区別するのよ? という問題(というか致命的な突っ込みである)。
 
 ∧∧
( ‥)進化しているのは事実だけども
    その進化に意味(この場合は
    淘汰による因果関係)が
    あると、論証もしないままに
    進化という言葉が都合良く
    使われてしまった例かも
    しれませんね。
 
    ( ‥)断続平衡説って科学史的には
      -□ 思ったよりも面白い事例だった
        のかもしれんなあ。
 
 ともあれ、である。冒頭のエピソード自体はたぶん、こんな話ではなくて、単純に現代の進化学の成果を知らない人の発言かもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)あなた自身は冒頭のエピソードを
    どう考えます?
 
    ( ‥)以前も述べたことだけどもやはりあれだ
 
 生物学が分類学から誕生したのに対して、ダーウィンは地学の斉一説と畜産の育種学からやってきた。そこから産まれたのが進化学と集団遺伝学だった。そのことを考えると、進化学は生物学とみなすべきではないと思うし、残念だけども生物学は所詮は進化学にはなれないのではないのか?
 
 ∧∧
( ‥)無念?
 
    (‥ )うん、なんかすごく無念。
 
 これ、古生物学にもあてはまると思う。
 
 ∧∧
(‥ )古生物の系統解析は
\-  いっぱいあるのですけどね
 
   (‥ )示準化石も見た、系統解析もした
       ダーウィンと進化学に古生物学は
       確かに大きな功績をした。
       だけどもグールドは
       系統解析を否定して
       断続平衡説を述べて
       集団遺伝学と対立した。
       彼は法王とも呼ばれた。
       これ、すごく危機的なエピソード
       だと思わんかね?
 
 最低限、これは旧世代の有様と世代の断絶を示していると思う。冒頭のエピソードもそういうことかもしれない。
 
 
 

2011年12月9日金曜日

見通しが甘かった

 
   (‥ )いやさ、昔は皆が無駄に真面目で
       おかげでこっちは手を抜いて、
       「真面目にやってくださーい」
       とか言う声をうるせえって
       突き放してたのよ。それが最近、
       だんだん周囲が、人生あきらめた、
       とか言い始めたわけさ。このままじゃ
       おいちゃんが真面目に働かなくちゃ
       いけなくなるじゃんよ、なにこれ??
 ∧∧
( ‥)...いや、当然だと思いますよ?
 
 
   
   ( ‥)学校時代はあれだな、みんな周囲の目や
       先生がいたからいい子ぶりしてたんだな
       こういう無駄に真面目な連中がいる限り
       一生ただ乗りだとか思っていたのが
       甘かったのか。
 ∧∧
( ‥)自業自得ですよ。
    まあ、人生、そうはうまくいきませんって
 
 

人間は確かに怠け者なのだけども、それでは意味なし

 
 できない、しない、そのことの言い訳がいかにも理路整然とわしゃわしゃ出てくる状況を考えるに、
 
 ∧∧
( ‥)ようするに
 
   ( ‥)できなくても生活できる
     -□ しなくても死なない、
       そういうことよね
 
 ∧∧
( ‥)つまるところ
 
   (‥ )まだ崖っぷちではないねえ。
 
 愚痴を聞くのはやぶさかではないが、だがしかし、まだ余裕があるのは良く分かった。
 
 ∧∧
(‥ )理論や仮説、説明は本来、
\-   言い訳であるよりも現実を
     記述できる理論であることが
      望まれますけどもね。
 
   (‥ )現実を説明できる理論は
       無数にある。だから”説明できる”
       だけに注目するとただの言い訳に
       なってしまう場合がある。
       それでは状況の打開、脱出には
       つながらない
 
 *現実を説明する、という特徴だけでは”脱出経路を示すことができる現実的な理論”と、ただの言い訳、あるいは単なる逃げの区別がつかない。ようするに識別できない、という意味。
 
 ∧∧
( ‥)そういえばあなたのメモリーによると
  -□ 仕事ができない、積極的に営業しない
    言い訳として「人間は本来怠け者
    なんですよ」そう言った人が
    いましたね。
 
    (‥ )言わんとすることは正しいのだけどさ
       お前とはつきあえん、と思ったよな。
       一緒に仕事なんかできんよ。
 
 *人間はジャングルで暮らしていたサルから進化したから、本来、必死で仕事をするような動物ではないし、自宅暮らしの自分は親に過保護に、過干渉に育てられたから無理なものは無理だ、という説明。確かに狩猟採集民よりも工業化社会の労働者、あるいは会社員の方が実働時間は概して長いらしいので、およそ多分、説明としては正しい。ただ、”なぜに工業化社会が人類本来のあり方よりも長時間労働を要求するようになったのか”、という説明をしていないために、現状打開にはまるで無意味な説明でもある(端的に言うと、いくらいってもお前は工業化社会の人間だろ? 狩猟採集民じゃねえよな?? というか狩猟採集民はお前よりもっと真面目だよな? ということ)。
 
 ∧∧
( ‥)つまり自分が積極的でない理由を
    祖先的な特徴に注目することで
    説明はしているのだけども
 
    (‥ )それがなぜ今の社会では
        受け入れられないのか、を
        説明できていないのよな。
 
 過去の一時期を説明するのはいいけども、今が説明できないと、今を生き抜けぬ。自分を説明できても、社会は自分ではない。社会が力と力の均衡で成り立つのなら、個人を押しつぶす人間の力を説明できないと、自分は生き抜けぬ。
 
 それができない理論では意味がないし、これから先をどう生きるのか? についてまったく答えてくれないし、指針を示せない。ようするに役に立たない。事実、役に立ってねえ。
 
 ∧∧
(‥ )彼、今頃、なにをしているでしょうねえ...
\- 
    (‥ )最後に見た時は引きこもって
        ゲームしてたけどね。
 
 まあ、45ぐらいのはずなので、さすがにまだ死んではいないと思うが、あんなことをしていては時間の問題でもあろう。
 
 ∧∧
( ‥)しかしまさかあなたが
    こんなことを言う大人に
    なってしまうとはねえ
 
  ( ‥)他人に全部やらせて一番なまけて
      一番好き勝手にやってクラスの
      手伝いもせずに本ばかり読んで
      皆から苦虫かみつぶされていたのに
      どうしてこーなった??
 
 

不妊生物

 年を取ると自分の好きな本しか読まなくなる。
 
 ∧∧
( ‥)...最初っから好きな本しか
   読んでないのじゃないすかね?
 
   (‥ )”好きな本を主に”から
       好きで自分が読みやすい、
       理解しやすいと”思っている”
       本をより積極的に選択する
       ようになるっていうの?
 
 慣れる、理解できるようになる(と少なくとも本人が思っている)というのは
 
 ∧∧
( ‥)同じ場所をぐるぐる回っている
    ようなものであると。
 
   ( ‥)勝って知ったる楽しい我が家
       良く言えばそうだけども
       悪く言うと知った気に
       なっているだけだとも
       言えるよね。
 
 ∧∧
( ‥)エキスパートになるってやつ?
 
   (‥ )なるのは勝手なんだがなあ
       それが実際のところどの程度、
       つぶしが効くのか、という
       点では保証の限りではない
 
 その会社の、あるいはその部署の、あるいはその人のこれまでの人生で効果的だ(と少なくとも本人は思い込んでいる)というだけの話だ。
 
 ∧∧
( ‥)その時間、その期間、その部署、
    場所、人から離れてなお
    それは効果的なのか。
 
   ( ‥)人間は試行錯誤から成功した結果、
     -□ 特定の行動が強化され、次も
       その行動で成功する。そうして
       行動が固定される。ハトと僕らは
       なんら変わらないわけだけども。
 
 ああ、しかしこれはようするに老年(40以上)になると、分かった気になれる本ばかりに手をのばし、分かった気になることのできない本には手を伸ばさない、ということではないか? あるいは仮に伸ばしても、固定された頭では別世界の本がもはや理解も把握も出来なくなっているということではないのか? 
 
 ∧∧
( ‥)ようするに
 
   (‥ )40以上は確かに購買力がある
       しかし自らを特定の行動に固定し
       プログラムした人がだよ、
       新しい知識、新しい理解に
       手をのばすわけない
       そういうことなのだ
 
 ただただひたすらに自分を気持ち良くさせてくれるもの、満足させてくれるものをただただ求めるだけではないのか?
 
 ∧∧
( ‥)全員ではないですけどもね
 
    ( ‥)全員でないにしても、
        この仮説が近似だったら
        それでもうほとんど終わりって
        ことになるさね。
 
 ∧∧
( ‥)あなたは近似からもれる誤差にこそ
    用があるのでしょう?
 
    (‥ )しかり、普通の人間などいらない。
 
 事実、私たちは普通の人間にあこがれもしないし、評価もしない。人間の9割は人間の9割をゴミくずだと思っている、奇妙ではあるがおそらくこれが近似。
 
 ∧∧
( ‥)でも、誤差は必ず出現するでしょう?
   何を悩む必要がありますかね?
 
    ( ‥)そうだな、じゃあこう言えばいい?
 
 自らの人生を固定させた大人や老人達を甘やかす仕事はいらない。
 
 ∧∧
( ‥)切りますか
 
    (‥ )ああ、もう最大で30年あまりしか
        時間が残っていない。余計なことを
        するには人生を消費しすぎたよ
 
 大人を甘やかしても、彼らからは誤差さえ産まれない。まるで不毛で不妊の生物だ。僕らは経験で固定され、効率的ではあるがまるで動く死体のように成り果てた。しかし死体は歩くべきではない。このような状況は死をまきちらすことで是正せねばならぬ。さもなくば次の生が産まれてこないだろう。
 
 
 

2011年12月8日木曜日

確かに断言した方が良かったろう

 奴隷制についても調べる。
 
   ( ‥)ローマ帝国は農場を奴隷労働で
     -□ まかなったから、だから奴隷
       獲得のための戦争をしたのだ、
       そう言われることがあるけども
 ∧∧
( ‥)本当ですかね?
 
 いや、そんな自転車操業みたいなことするの? と疑問に思うと、自転車操業だったから膨張が限界に達すると衰亡したのだ、という解釈を見つけたり。
 
 ∧∧
( ‥)本当ですかね?
 
   (‥ )正直わからん。だから
    □-  調べるのだが。
 
 ∧∧
( ‥)なんというか仕事の関係上、
    あっちこっちへ話題が飛びますねえ
 
   ( ‥)なぜこんなことになっているのやら。
       いや、今の仕事の性質上、
       本題からははずれるけども、
       これは必然のリサーチなの
       だけどもね。
 
 奴隷制についての本を読んでいると、ちょいと古いせいかマルクスが引用されていたりする。ようするに原始的な社会から奴隷制をへて封建制、資本主義になって社会主義が到来するのだ以下ウンヌン、という理論に基づいた奴隷制の論評、というわけ。
 
 例えばの話、マルクス主義のおかげで歴史を科学的に扱えるようになったのだ、と無駄に鼻息が荒い。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、仮説や理論がないと
\-   方針が定まらないから、たとえ
    結果的に間違っていたにしても
    理論は取りあえずあった方が
    いいのですけどね
 
    (‥ )そういう点ではマルクス主義は
        科学、ではあるのだけどな
 
 もっともその場合、科学であることは正しいことを意味するわけではない(というか科学はもともとそういう意味合いを持つものではない)
 
 だけども、どうもこの手の人は”科学”という単語を、”論理的で物事を正確に扱える正しい真理で、間違いないものなのである”、という意味合いで使うので、正直、ものすごくたちが悪い。
 
 ∧∧
( ‥)間違っているかもしれないけども
    取りあえずこの方針でいきましょ
    とかじゃないのですよね。
 
   (‥ )まあ、労働条件を改善して
       世直しをしよう、そのために
       皆を説得しようとする時にだ、
       「取りあえずこれで」とかは
       言いにくいよな。
 
 自信たっぷりに断言した方が良かったのだろうなあ、だけども、断言すると誤りを認められなくなり、改善もできなくなる。それは破滅的だ。
 
 

鬱ブログ

 マルクス・アウレリウス皇帝による「自省録」
 
 
   (‥ )これってさ、今風に言えば
    □-  「マルクス皇帝の鬱ブログ」
        だよね?
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ
  -□
 
 
 

西の田舎者

 資料に目を通していたところ

 ∧∧
(‥ )西欧が十字軍を結成しイスラム世界に
 □-  攻め込んだ時、教会も君主たちも
    イスラームが一神教であることを
    知らなかったと
 
   (‥ )はあ?
 
 なんだそれ? 何この野蛮人? 頭膿んでるのか?
 
 ∧∧
( ‥)現代日本人でもヒンズー教と
    イスラームの区別ができない
    人がいますけどね。
 
   ( ‥)一般大衆の無関心と
     -□ 権力者や知識階級の無知蒙昧は
       同列に語れることじゃないぞ。
 
 ∧∧
( ‥)日本の政治家でもいそうですけどね
 
   (‥ )民主国家の政治家はそれでも
       良いのだよ。失政、落選、
       解答探索に知性を必要としない
       政治決定、それが民主主義さね
 
 民主世界の政治家は、本質的には人間である必要はない、適当な政策を書いて転がすサイコロでも、データを列挙した行列でも別にかまわない。提示された政策が失政した場合、それは選挙によって排除される。こうして妥当な政策を探索するこの過程に、知性が介在する必然性は本来ない。
 
 ∧∧
( ‥)でも独裁制や君主制では
    そうはいかないと
 
   ( ‥)西欧キリスト教社会が
     -□ とてつもないど田舎だ
       そういうことなんだろう
       けども
 
 さすがに文献でチェックしないと、にわかには信じがたいくらい、ひどい話である。
 
 ∧∧
( ‥)でも納得はするのだと
 
   (‥ )現代以前の西欧キリスト教社会が
       持っていたあの極端な残虐性は
       無知蒙昧、閉鎖性、独善性、
       狂信と後進性からきていると
       するなら納得はいくよなあ。
 
 一部文献には、ローマ帝国が東西に分裂し、さらに西ローマが崩壊した後、西欧世界には侵入した異民族の戦士気質が混ざり、さらに侵入してくる新たな異民族を迎撃するためにローマ教会が聖戦を強調するようになった。それが西欧キリスト教社会、ひいては西欧世界のキリスト教が異様に血なまぐさい存在になった理由であるという。
 
 ∧∧
( ‥)東方に残った東ローマはそうは
  -□ ならなかったという
    話のようですが。
 
    (‥ )”ブルガリア人殺し”のバシレイオス2世
        とかいるけども、戦争を是とすることは
        教会もしなかった、そういうこと
        らしいのだが、確認せねばなるまいな
 
 無抵抗に処刑されたイエス。剣をとるものは皆、剣で滅びるという言葉を残す宗教が、かたや血みどろの存在になり、かたやそうはならなかったとしたら、それは頭を抱える話でもある。
 
 
 
 

無駄な努力の前の便利は卑怯

 15〜16世紀に生きた西欧の騎士バヤールは、捕虜の石弓兵(ようするにボーガン/弩を持ちいる兵士)を、兵士のあり方として卑怯で臆病、そんな理由で処刑した。そういう話がある(「戦略の歴史」 372ページ)。
 
 ∧∧
( ‥)訓練も鍛錬も腕力もないまま
    戦士達を殺すとは何事か、
    そういうことですよね。
 
   ( ‥)人間は自分の努力が無駄である
     -□ ことを思い知らされるテクノロジー
       や技術を前にすると狼狽し
       あわてふためくのよね。
 
 じいさん、そんな無駄なことしてないで、こうすれば合理化できるよ、と言うと、卑怯だ!! ずるい!! とヒステリックに叫ぶのは、それは彼が人間だから。そういうことでもある。
 
 おおっ、便利だ!! へへっ、これでどんなことしようかなー、とは意外に考えない。というか、それまでに慣れてしまって、色々なことを忘れてこだわり、そうして可能性を捨てる。
 
 ∧∧
( ‥)困ったことですね。
 
    (‥ )えらいこっちゃなんだよ
        これ、死ななきゃ直らないし、
        死なないと前へ進まない
        そういうことなのよね。
 
 かくて、我らの道は遠く、歩みはのろい
 

2011年12月7日水曜日

知恵の実を食ったが所詮はサルだった

 図書館に簡単な神学の本があったので目を通してみた。
 
 ∧∧
(‥ )ダーウィンは生存競争に世界を
 □-  放り込んだけども、スペンサーの
    おかげで進化論はよりすばらしく
    肯定的になった、まあそういう
    内容ですね。
 
    (‥ )...ああ、駄目だな。
 
 古生物学者がやたらにこだわった定向進化も、グールドが一生懸命に(個体間の闘争を骨抜きにしようと)主張した断続平衡説も、マルクス主義者の発展するんだという考えもスペンサーも
 
 ∧∧
( ‥)あなたたち人間は、こういう
    ”方向性を発見して”、
    ”生物の内的な向上の原動力”とか
    ”集団のなんか”とか、抽象的な概念で
    説明するのが好きですよねえ
 
    (‥ )そんなものは説明じゃねえよ
        というか、役立つ説明じゃないな
        それにしても、マルクス主義者と
        キリスト教徒なんていう、
        概して敵対的な異なる
        信仰者でも同じものに
        飛びつくのだからなあ。
 
 これはもう我々サルの認識の限界、あるいは人間の脳の構造に潜んでいる何かだとしか思えない。
 
 ∧∧
(‥ )それにしても、これが現代神学
 □-  なんですか?
 
    (‥ )そうだとしたらがっかりだよね。
 
 倫理的、社会的な失礼と非礼を承知の上だけども、時々、思うのである。現代の神学者たちってあれなのか? 聖トマス・アクィナスの知的な子孫であるはずなのに、堕落しきって知的に劣った存在になってしまったのか? 見るべきものがまったくの皆無。なんと嘆かわしい。かつてその限りを尽くした先人達に恥ずかしいと思わないのかね。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、結論はもっと調べてから
   言うべきですよ。神学と自称する
   トンデモさんかもしれません。
 
    ( ‥)13〜14世紀のスコラ哲学者たちは
      -□ ガリレオ、デカルト、コペルニクスに
        先行したというが、事実なら
        実にすばらしい。調べねばなるまい
 
 知恵の実を食ったことが罪だと前提するにしても、やるべきことはやるべし。
 
 
 

お客様は実験動物です

 ∧∧
(‥ )たまには消費者の知性をくすぐる
\-  商品をつくってあげましょう、という
    ご意見です。
 
    (‥ )まるで実験動物扱いだな。
 
 

2011年12月6日火曜日

人生は化学反応でしょう

 ああ、つまりようするに。

 考えることをやめてしまったら、自分や自分達のような人間がこの宇宙に産まれてきたことに、いったいどんな目的や意味があるというのか?
 
 ∧∧
( ‥)とっ、彼はのたまって
    いたのだと。
 
    ( ‥)どうりで集団遺伝学も
        自然淘汰説も理解できない
        わけだよ。
 
 どうりで、メンデル遺伝を忘れ、今西進化論や断続平衡説に飛びついたりウイルス進化論に肯定的になるわけだ。
 
 ∧∧
( ‥)人生同様、進化も科学にも、
    目的も意味もなし
 
    (‥ )我々は化学反応なのだ。
        化学反応に意味も目的も
        ありはしない。
 
 人間は試験管の中の化学反応となんら変わらない。そんなこと分かっているはずだろう? だのにほら、意思と思考の話になったとたんに自分と己の人生に目的と意味があると思い込み、前を見据えているつもりで足下がおろそかになって奇跡を待望し、そのあげくにトンデモになりはてる。
 
 いやはやなんたる無様。
 
 

すっからかんの人生に虚飾の充実を

 ∧∧
(‥ )なんで問題提起で終わっちゃうの
\-   でしょうねえ?
 
    (‥ )そりゃあ、楽だもの。
        提起すればいいだけだからな。
 
 ∧∧
( ‥)楽ですまして良いのですか?
\-
    ( ‥)「大変だー!!」と騒げば
      -□  その方が売れるだろ?
         問題提起ってのはそういう
         ものよ。馬鹿でもできるぞ
 
 
 ∧∧
( ‥)問題解決を提示しては?
 
    (‥ )大変だー、が売れなくなるべ
 
 
 ∧∧
( ‥)大変だー、だからこうしよー
    と言ってみては?
 
    (‥ )それ、詐欺っぽくね?
 
 
 ∧∧
( ‥)大変なので適切な案を
    考えました。
 
    (‥ )めんどくさいし、責任問題に
        なるよな。
 
 ∧∧
( ‥)最低ですね
 
    (‥ )現実が最低なのだ。
       オレのせいじゃねえ。
 
 メディアを責めなさるな。いくら組織でも、還元すればそれは単なる個体の有象無象。そんなもの、所詮は責任をとりたくない、集団の中にいるただの普通の一個人だ。なにひとつできやしないのは当然。やれるというのならやってみればいい。いや、できないのだ。なぜならすでに試して、全員、敗北したからだ。

 ∧∧
( ‥)後ろを振り返れば
 
    ( ‥)敗北と後悔だらけさね
      -□ 人生ってろくなもんじゃ
        ねえよなあ。
 
 まあ、せいぜい問題提起ごときでがんばった振りして、そして充実感をかせごうではないかー 
 
 すっからかんの人生にせめて虚飾の充実を。
 
 
 
   

夢の国にいた人、いった人

 むだに飯を食う。
 
 ∧∧
( ‥)壊れかかってますね。
 
    ( ‥)やばいな、しばらく
      -□ ゆっくりしよう。
 
 ふと、思い出した。もう15年以上前、たぶん、16年前だと思う。ソ連が崩壊し、中央アジアが独立して、そこから来た人(日本語と英語分かる)と幾人かで話をしたことがある。
 
 ∧∧
(‥ )よく亡命する人がいてね、はっはっ
 □-   という、もはや過去になった思い出話を
     言うその人に対してあなたは
     こう言ったのです
 
   (‥ )ああ、でも日本からソ連に亡命した、
      (痛い)人がいましたよねえ、と
       なにげにいったのよね。
 
 相手は、はっ? 何の冗談だい? って顔をしていて、そこで別の人がいったのである。日本ではね、一部の知識人やジャーナリストがソ連はパラダイスだと宣伝していてね、
 
 ∧∧
( ‥)それであなたも言ったのですよ
    「それを真に受けていっちゃった」
    とね。
 
   ( ‥)その人な、しばし沈黙して
       なんとも言えない表情を
       していたよ。
 
 苦虫をかみつぶしているとも、憮然としているとも、はあ? 訳分からない?? とも、言い様のない表情だった。
 

 ∧∧
( ‥)そりゃそうでしょうね。
 
    (‥ )日本だとな、私は
        マルクス主義が正しいと
        平気で言えるけども、
        そんなこと絶対言えない国や
        地域や人々がいるのよ。
 
 ∧∧
( ‥)国や地域や歴史や人々に
    色々なおぞましいことが
    刻まれていますから。
 
    ( ‥)あまりうかつには
      -□ 立ち入ることはできないよね
 
 言い換えると、たとえその国の正当イデオロギーとされているものであっても、部外者がうかつに口に出せないこともある、そういうことだ。
 
 ∧∧
( ‥)被害がね、しゃれにならない
    レベルなのでね。
 
    (‥ )そう言う場合、批判どころか
        すばらしいと言うことすら
         暴力的なのだ。
 
 
 だが知識人は、すばらしい!! と平気で言う。というか言い過ぎだ。
 
 

ムカデ

 ムカデ
 
   ( ‥)ムカデってどうして上へ
     -□ 登りたがるかなあ
 ∧∧
( ‥)さあ?
 
 自分が抱えられる程度の箸を登り始めたのにはびびったが、体を波うつようにくねらせながら移動するという動作の制約か、箸を抱え込んだとたんに移動が圧倒的に遅くなり、さほど恐れる必要はなかった。
 
 

2011年12月5日月曜日

飽和はしません

 ある場所へいく、そこで宣伝して説明会を開く。
 
    ( ‥)そうして効能がないものを
        高値で売りつけて逃げる。
 ∧∧
( ‥)まあ、そういう商法はありますね。
 
 ネットであろうが、本であろうがこれは同様に行える。人間の関心はすべての方角にあるわけではない。自分が検索したキーワードの隣に、自分が手を伸ばした本の隣に想像もつかない世界があり、そこには独自の詐欺と偽情報がある。
 
 ∧∧
( ‥)でも、これを言い換えると?
 
    (‥ )正しい情報発信を何度しても
        効果は大して得られない。
        そういうことでもあるな。
 
 偽情報を与え続けることができるのは、人間がそれぞれクラスターに分かれていて、情報が飽和しないから。

 正しい情報を何度与えても効果がさっぱりなのは、人間がクラスターに分かれていて、情報が飽和しないから。

 ∧∧
( ‥)絶望的ですね。
 
    ( ‥)だからさ、啓蒙活動にだね
      -□ 過剰な期待を抱いても
        しょうがないわけだよ。
 
 考えるな、丸暗記せよ、淘汰されろ、そして古い情報に汚染された旧世代は黙って死ね。それだけで効果は必死の啓蒙とほぼ同等、あるいは推論するにおそらく近似。
 
 
 
 

2011年12月4日日曜日

何を買いますか?

   ( ‥)そういえばさ、ずーいぶん前
       だけども、有名なニュース
       キャスターが「山の手の通勤電車
       の中は夏になるとこーんな
       汗だくになるんですよね、まるで
       家畜を輸送する貨物のようで」
       とかいっててなあ。
 ∧∧
( ‥)ああ、そういえばそんなこと
    ありましたね。
 
 当時はテレビ全盛期であって、その時、あの連中であったやっこさんの給料を考えると、格差格差とか、社畜社畜とか、さもサラリーマンの味方のような顔をしながら言葉を売りつけるあの言い様は、デモをバルコニーから見下ろしているウォール街の金持ちよりもはるかにたちが悪い。
 
 ∧∧
( ‥)まあねえ
 
    ( ‥)金融の中心地にいる人なんか
        膨大なリスク背負ってるし
        ガンガンに働くものな。
 
 ∧∧
( ‥)社畜だニートだと言いましてもね
 
    (‥ )まあ、どっちもある意味では
        リスクっていうかね
        不安はあるのよ。
 
 過酷だが、この場がいつまでもってくれるか分からない。ただ、経験を積めば場が壊れてもなんとかなるかもしれない。
 
 快適だが、それは所詮のところ単なる檻。しかも確実に間もなく電源が落ちる。外に出たら冬の寒さに凍え死ぬ。
 
 ∧∧
( ‥)どっちがいいかと言いますと
 
    ( ‥)経験積んだ方がいいよなあ
      -□ 経験があればつぶしが
        効くのでな。
 
 もともと人は自然の中で消耗して生きて死んでいた。今でも寿命を縮めるほどに働いて、しかしその労働の対価によって縮めた以上に寿命を伸ばしてみせた、それが僕らとその社会。
 
 ∧∧
( ‥)命で命を買ったのですよ。
    まさに高度なビジネスです。
 
    (‥ )何事にも対価が必要なのだ。
 
 さあ、命を削って対価を得るべし。それで君なら何を買う?
 
 
       

極めて順調

 幼稚園の時のことを、ふと、思い出した。将来なりたいもの、というお題で紙を渡されて、自分が書いたものは

 ∧∧
( ‥)「平凡な会社員」、でした
 
    ( ‥)なりたいものもないし、
      -□ なるだろうものを書いた
        のだ。そうなるはずだ、
        そう思っていたからな。
 
 先生は「夢がない」と言ったが、それは選択肢の否定というよりは、「いや、そうではなく、なりたいものを書いて欲しいの、というか、それがお題なのよ」そういう意味合いであったと思う。
 
 ∧∧
( ‥)でも、なりたいものがないんじゃ
    しょうがないですよね。
 
    ( ‥)昔、科学がこれだけ進んでいるのに
        なぜ楽にならないのか? そう
        尋ねた人がいた。
 
 いやまあ、答えは簡単なのだ。競争での敗北を恐怖して編み出した技の幾つか、そのひとつに科学があった。科学を生み出すのは競争であり、競争がある限り、科学はそれを生み出した親と共にいつまでもあなたがたの近くにいるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)そればかりか、
    状況はエスカレートする
    ばかりですよ。
 
    ( ‥)現在の門をくぐり、未来へ
        至ろうとするすべての人よ、
        一切の希望を捨てよ。
         我らの未来は過労死なり
 

 力の均衡は結局は答えを収束させて、どれも似たようなものへと変える。

 会社員になれなくても、会社勤めの苦しみが分からなくても、結局は似たような消耗戦を展開するはめになるは、これ必定。
 
 ∧∧
( ‥)社畜だ、なんだと揶揄を言っても
    結局どこへいっても過労死と
    表裏一体レースなのであると。
 
    (‥ )この流れはとまらない
        力の均衡が生み出す現象は
        停止させるすべがない。
 
 そうだ、世界も自分も望ましくない、しかし他にやりようのないコースを進行している。すべては極めて順調だ。
 
 

並行宇宙の奇跡

 *の前半部分の続き。
 
 
 ∧∧
( ‥)なに?
 
   ( ‥)もしもエラガバルが才能と
       実力があるけど、女装が趣味な
       美少年だったらどうなって
       いたんだろうな。
 
会議の後で、どー見ても女の子だよな、という陛下が元老院議員のおっさんたちを接待して、こう調整しましょーよー、とか説得してくるん。

 ∧∧
( ‥)元老院の貴族さんたちが、やっべ、
    最近、陛下がマジでかわいいと思えてきた..
    とか言うのですかね?
 
   (‥ )ローマ男子は全員軍人、質実剛健!!
       なんとふらちなとツンツンな親衛隊長が
       ある時、突然デレたりとかな。
 
 もし、そんな世界でどういうわけかすべてがうまく回転してしまい、衰亡というあらゆるエントロピーの壁をローマが力づくで突破して復活したら、多分、人類の歴史に不動の地位というか汚点というか、なんじゃこりゃになったのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)このお話は腐女子向けですかね?
    男性向けですかね?
 
    (‥ )さあ?
 
 
 

逃げてもあきらめても、好奇心ぐらいあっても良かろう

 ローマ帝国皇帝に関する軽い読み物に目を通す。
 
 エラガバルス帝。五賢帝時代を終え、あからさまに衰亡の時代に突入し、内乱による権力闘争の後、軍人セウェルスが創始した王朝が統治する3世紀前半のローマ。しかしそれもまた不安定であり、猜疑心の固まりで虐殺者であったカラカラ帝が暗殺され、14歳で即位した皇帝。それがエラガバルス。在位は218〜222年。4年の統治だった(本によっては表記がエラガバル。個人的にはエラガバルで覚えていた)。
 
 ∧∧
(‥ )女の子も好きだけど男好きで
\-  女装趣味があって、夜な夜なかつらを
    かぶっては居酒屋で女として商売に
    はげみ、売春宿にいっては娼婦を
    追い払い、自ら娼婦としてふるまい
    ”男”と結婚し、浮気現場を平気で
    見せつけ、相手に自分を殴る許可さえ
    与えていた。
 
     (‥ )...なんじゃそりゃ。
 
 世の中ずいぶん色々な趣味がある、例えばもんぺマニアの存在を知った時には、はあ? と思ったものだ。だからそれは重々承知しているつもりだったけども。何このプレイ? 特殊すぎて理解できない。
 
 ∧∧
( ‥)性的に非常に乱れた人であったとは
  -□ 聞きかじっていましたけどね。
    予想のはるかに斜め上と
    申しますか。
    ネロさんとカリギュラさんが
    普通の方々に見えるレベル。
 
    ( ‥)ここまでぶっとびな話だと
      -□ もはや捏造とかじゃねえよな
        相手を貶めるために
        こんなストーリーを考える
        人類はそうはいないよね??
 
 まあよい、まあよい、そのうち文献で確認するさ。
       
 さて
 
 日本はインターナショナルになるべき
 
 ∧∧
( ‥)正論、というか他の選択肢は
    ないでしょう。
 
     ( ‥)若者よ海外へ出ろ、そう言う
       -□ 人は多いのだ。
 
 もちろん、当然、当たり前だけども反論はある。
 
 ∧∧
(‥ )僕ら若者はそういう訓練を受けていないし
\-   そんなことが出来るのは一部の奴だけだ
     例えばそういう反論ですね。
 
    (‥ )まあどっちも正しいのよな
 
 ∧∧
( ‥)出来る、やる気のある若者は海外へ
    チャレンジしてください。というか
    その方が良いです。
 
    (‥ )でも僕は、出来ない若者です
 
 ∧∧
( ‥)矛盾はないですね。
 
    ( ‥)結局、主語次第なんだよな
      -□
 
 ∧∧
( ‥)主語は、特に集合名詞は
    集合のどの部分のことを言っているのか
    それがしばしば省略されますからね。
 
    (‥ )集合名詞の厳密、適切な指定は
        文脈から推論するべきことだ
        そういうこっちゃろう。
 
 ひどく意地悪な言い方をするとこうである。
 
 出来てやる気のある若者は外へ出るべきだろうね
 僕にはそれが出来ません
 いや、お前に言ってないし。つか、自分で自分が該当しないって分かってるじゃんよ。なぜ発言する。
 僕が出来ないのは事実だし、事実を述べるのは悪くないし、愚痴りたくもなるんだよ。

 ∧∧
(‥ )愚痴りたくはなるでしょうね
\-
    (‥ )愚痴は当然だな。
        でもあきらめるのは...
 
 ∧∧
( ‥)あきらめちゃ駄目ですかね?
 
    (‥ )あるいはこう言えばいい?
 
 その国の人が夜明けの電気街でグッズか製品、景品目当てに並ぶ日本の若者に好奇心を抱いた。話をしてみると英語もそこそこできるし、頭もそれなりに良い(ただ、聞きかじった知識で分かった気になっているように見えたという)。そこで言ったそうだ、「うちの国にくれば? ビジネスのチャンスがあるよ?」それに対し、彼は「なんで危ないところへいかなきゃいけないんですか?」というような答えを返したそうだ。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃあ...彼の国は非常に
    危険ですよ。
 
    (‥ )それは当然だな。
 
 ただ、好奇心ぐらい持ってもばちは当たるまい。
 
 

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