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2011年12月16日金曜日

カール大帝巡遊記

 西ローマ帝国崩壊から中世西欧の成立に目を通す。8世紀後半、さすがに威光は衰えたとはいえ、いまだにローマ帝国(東ローマ帝国)の影響力が届く西欧世界、そこの地域的な大国たるフランク王国はカール大帝。ものの本によると...
 
 ∧∧
(‥ )カール大帝は徴税するために
 □-  王領内を巡遊しなければならなかった
 
     (‥ )...なにその原始国家ぶり
 
 なんだこの野蛮人。ちゃんと徴税のシステム作っておけよ、と思わず考えてしまうけども。
 
 ∧∧
( ‥)実際はしょうがなかったみたいですね
  -□ 風土が悪くて作物の生産性は低く、
    地味もすぐに消耗してしまう。
    連作できないから耕作地は点々と
    移動するし、これでは村を作れないと
 
     (‥ )村がないんじゃ、
         村に徴税をまかせたり
         できないものなあ。
 
 おかげで自分でひょっこり出向かなければいけない有様に。どうりで、フランク王国もあっというまに消えちまうわけだわさ。
 
 ∧∧
( ‥)西欧世界って緯度で考えれば
    北海道以北ですからね。
 
    ( ‥)世に言う12世紀ルネサンスだって
      -□ 中世温暖期で気候が穏やかだった
        時の話だしね。西欧人が気候問題に
        神経質になるわけだよ。
 
 *12世紀ルネサンス:12世紀に盛んになった、イスラーム世界と東ローマ帝国に伝承されていたギリシャ科学や哲学を翻訳、吸収しようとした運動のこと。
 
 ∧∧
(‥ )つまるところ、8世紀のこんな
 □-  原始的な段階から農業技術を向上させ
    温暖期ということもあって、12世紀以後、
    ようやくまっとうな国になる、そんな
    イメージですかね?
 
    (‥ )でっ、その後、小氷期がおとずれて
        世界征服に乗り出すと。
        分かりやすい話だよね。
 
 技術がないと生産が上がらないし、ちょーっと気候が悪化すると国を作れないような状況に陥ってしまう悪い環境。ようやく豊かになりかけたところで気候の致命的な悪化。そりゃあ外部へ進出するよなあ。
 
 ∧∧
( ‥)あなたのメモリーによると、中学校の
  -□ 先生がこう言っていますね「西欧人は
    海外で骨を埋める覚悟がありますが、
    日本人にはそれがなかったのです」
 
    (‥ )当時は、へー、だったけども
        今にして思えばさ、
 
 そうか、そうか、お前らそんなに母国に帰るのがいやか。
 
 そういう受け取り方をしてしまう。
 
 ∧∧
(‥ )そういえばドリトル先生でも
 □-  ありましたよね、南国の島から
    巨大巻貝の殻に入れてもらって
    イギリスに帰ってきた先生たち
    一行が、母国の気候に
    げんなりする場面。
 
    (‥ )あれ? これがイギリスだっけ?
        カタツムリのやつ、間違えた
        のじゃね? とか疑ったり
        するのよな。
 
 *カタツムリ、というのはSnailの直訳だったのかもしれない。日本語でカタツムリと巻貝は別物だけども、英語ではどっちもSnail。海にカタツムリはいないので、巻貝が正しかろう。
 
 そして考えてみれば、当時の西欧はまさに小氷期の最後の方で、非常に厳しい状況であった。
 
 ところで、しかし、ここで疑問が生じる。
 
 ∧∧
( ‥)フランク王国以前、ローマ帝国が
    健在だった時、徴税はどうやって
    いたのですかね?
 
    ( ‥)それを調べねばなるまいか
      -□ 本筋と関係ないんだがなあ。
 
 

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