自己紹介

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2014年11月23日日曜日

図書館物語

 
 ∧∧
(‥ )やぎ座=>
\‐  みずがめ座=>
    うお座=>
    これで十二星座はすべて
    そろったと
 
  (‥ )都市部で秋の星座を
      しかも小さなデジカメで
      撮影するのは
      無茶があるよなあ
      とはいえあれだ
      このっくらいの画像の方が
      都市部では現実なんだよね
 
 というか、秋の星座は非常に空気が良くないと都市部では見ることすらできない。画像を撮影したのも実は夏の夜更けである。非常に空気が良くて、空が暗くて、なおかつ月が無いような夜。そうでないと以上を見ることすらできない。
 
 さて
 
 図書館へいってチェックをする。例えばギリシャ神話に曰く、ヘラクレスはネメアという地方で化け獅子を退治したという。それは巨大な人食いライオンで強靭な肉体をそなえていた。
 
 ∧∧
(‥ )洞窟にひそんでいたから
\‐  ホラアナライオンの
    生き残りだ
    とかまことしやかに
    言われたりする奴だね
 
  (‥ )実際には普通の
      ライオンなんだろうけどな
 
 ホラアナライオンPanthera spelaeaは、一般的には現在のライオンPanthera leoの亜種とされる化石種だが、実際には別種で良いらしい。いわゆる氷河期に栄えた大型肉食獣で、人類の拡大と共に数を減らし、1万年前には絶滅している。紀元前のギリシャにいたライオンがホラアナライオンだなんて考える必要はないし、そもそも証拠も根拠も無い。多分、ヘラクレスが倒したものの正体は現在のライオンの亜種、Panthera leo persica。歴史時代にはギリシャからインドまで分布し、18〜19世紀でも中東やインドに残っていたライオンである。しかしいまや絶滅寸前、インドの一部にわずかな数が残るのみ。
 
 ∧∧
(‥ )ヘラクレスさんは
\‐  ネメアの獅子を倒して
    それを鎧にしたって
    話があるのだね
 
  (‥ )ところがアポロドーロスの
      ギリシア神話だと
      そうじゃないんだな
      まずキタイローンの獅子を
      殺して
      それを兜にするのだ
 
 つまりヘラクレスは2頭のライオンを倒している。つまり理屈の上では、ネメアのライオンを倒した時、ヘラクレスはキタイローンのライオンの毛皮と頭蓋の兜をまとっていてもおかしくない。
 
 しかし、神話には色々なバージョンがある。ヘラクレスがネメアの獅子しか殺していないし、ネメアの獅子の皮を鎧にしたバージョンがあるのか? 
 
 そういえば図書館に詳しいギリシャ神話の本があったよな、ふと思い出して図書館で探して確認した。
 
 記述からするとそういうバージョンがどうもあるらしい。というか、そのバージョンしか書いていなかった。
 
 ∧∧
(‥ )でも参考文献は煩雑だから
\‐   割愛すると訳者さんが...
 
  (‥ )こういうことをやっては
      欲しくないんだけどね
      まあ、良しとするか
 
 そのバージョンがあると分かれば良い。文献と原典には、原著に当たれば良いだろう。
 
 ああ、それにしても図書館というのは色々な人が来るものだ。
 
 例えば数年前に時々見たおっさん。
 
 コピーをしていると、こちらをじっと見て、釣り銭を忘れないか観察しているおっさんがいる。このおっさんが釣り銭の出口を指でさぐるのを見たし、ロッカーを使いもしないのにきょろきょろと見渡すのも見た。多分、使用後に返却される100円玉、それが取り忘れられて残っていないか探していたんだろう。あのおっさんはそれっきりだ。
 
 それでも色々な連中がいる。例えば何か飴をかじっているじじいがいる。
 
 これが、静かな図書館ではびっくりするくらい鬱陶しく響くのだ。カチカチコチコチうるさい。
 
 あるいは、昨日見たじいさん。通りすがりにふと眼を落とした時、自分の眼に飛び込んできた本のページの文字は

 
 ”女性の性感帯”
 
 じいさんが、それを震える指で読んでいる。
 
 そしてあるばあさんは、他人が近くを通ると眼をきょろきょろさせながら、びくっと体を震わせ、背中を丸める。どうも対人恐怖症か、あるいは心を病んでしまっているらしい。
 
 自分が歩いた時もそうだったし。
 
 通り過ぎてから、そうだ、あの本を探せば分かるのではないか? そう思って...
 
 ∧∧
( ‥)そう思ってあなたが
    近くで身をひるがえしたら
    すごい勢いで
    荷物をひっつかんで
    走っていっちゃったよね
 
  ( ‥)怖かったのだねえ
    ‐□ 病んでるよなあ
 
 だがしかし、なによりも一番、うわあ、と思ったのは、図書館で小説を読むじいさんであった。
 
 ∧∧
( ‥)まあ読んじゃいけないわけじゃ
    ないんだけど
 
  (‥ )しかし思うわけさ
      ”良い歳なのに
      このじいさん
      図書館にまで来て
      嘘を読んでるよ!”
      
 
 あるいはムック本を読んでいるじいさん。
 
 ああいうのを見て思うに、若者は活字離れだの、読んでも頭の悪そうなラノベばかりだの、どうしてそんな非難ができようか?
 
 遺伝子が同じである限り、人間の能力が世代ごとに大きく変わるわけがない。若者の能力と自分の能力は体力と経験値という変数はあれど、基礎は同等と考えるべきだ。若者が愚かだというのなら、自分たちの世代も、それ以上の世代も同様に愚かであろう。そしてラノベが駄目なら他のいかなる小説も全部駄目だ。そもそもその全てが作り話で嘘なのだから、同等以外の何物でもない。区別する必要など一体どこにあろう?
 
 
 ∧∧
(‥ )やっぱ大人向けに偽装した
\‐  子供向けの本を書くべきだと
 
  (‥ )僕らの知能と能力は
      小学生並み
      それを大前提とすることは
      確かに正しいのだ
 
 図書館にいけばそれがよく分かる。我々はまるで子供だ。だが子供もそうであるように、大人にはプライドが必要なのだ。

 なれば大人のプライドを満足させる子供の本を書くが道理。

 一体、大人というものに対して、他に何を期待できようか? 一体大人に、大人の何を期待しえようか? 
 
 
 ところで
 
  ( ‥)話を戻すとさ
    ‐□ 俺はやぎ座と
      みずがめ座と
      うお座に対する
      ギリシャ神話の解釈が
      どうにも気に入らん
 
 ∧∧
( ‥)変身に失敗しただの
    美少年をはべらせたいから
    ゼウスがさらっただの
    そういうとってつけたような
    話になっているからね
 
 水の地下世界にすまうヤギ魚、水をもたらす偉大なる者、天の耕作地の脇に横たわる魚たち、これらがなぜそんな適当な話に解釈されてしまったのか?
 
 ∧∧
(‥ )ポリスのギリシャ人は
\‐  どっちかというと
    商業の人だったからとか?
 
  (‥ )農耕の重要な要素を
      理解できなかったとか
      そんなことあるのかな?
 
 あまり安易に考えるわけにもいくまいが、どうにも納得できぬ。
 
 

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