自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年11月14日金曜日
オタク啓蒙計画などというのはあり得ない
無駄なことを命をかけてやるからオタクなのです。
∧∧
(‥ )だがしかし
\‐ ”無駄なことなのだから
合理的な理由もないし
即物的な原因もないのだ”
そう言えるのかというと
そうではない
むしろ逆である
(‥ )そもそもオタクもマニアも
本当のオタクはどこへ
いったのだ??
そう嘆くのがその証拠
もしも本当に無駄なことをしているだけだったら、自分の仲間を探す必要はないし、自分を認める人を見つける必要はないし、自分のマニア道を誇示する必要も無い。
∧∧
( ‥)だがそうではない
つまりオタクには
仲間が必要だし
自分を認めて欲しいし
自分をほめて欲しいし
自分が一番になりたい
そういうことである
( ‥)行動こそ無駄ではあるが
‐□ その理由と原因は
徹底的に合理的で
即物的だ
まあやむを得まいな
人間とはそういうものだ
だが、どうも思うに、マニアやオタクを自称している人自身が、しばしばこれを忘れてしまうものらしい。
あるいはこういえば良いのだろうか?
オタクというものは、自分たち自身の行動が地位とか名誉とか子孫を残す欲望そのものに支配されていること、タンパク質で作られた肉体の欲望そのものに支配されていること、それを自覚していないのだと。
∧∧
(‥ )なんというのですかね
\‐ 考え方が理念的というか
観念的とでも言うのか
なんですかね
(‥ )彼らが無視する事柄
あるいは
無自覚でいる事柄
それは
地位とか名誉とか
子孫を残すとか
そういう動作だが
これは進化と生存競争
淘汰で作られたものだ
つまり結果的には
肉体的なものなのだ
だからこう言えば良い?
オタクやマニアは肉体から切り離された精神、つまり魂の存在を信じていると。
∧∧
( ‥)でも
次々に情報発信することで
マニアを啓蒙し
オタクを磨き上げ
そうして素晴らしい消費者層を
作るのだ
そう言っていたライターさんは
オカルトが大嫌いで
SFが大好きで
宗教とか神とか魂の存在を
否定していたけどね
(‥ )さて口ではそういうが
実際はどうかな?
人類はこれまで何種類もいたが、宗教を信じるのは我々ホモ・サピエンスの顕著な特徴だ。
そしてオタクもまたホモ・サピエンスである。
なればだ
その手の上っ面な意見、つまり、俺は宗教など信じない、そういうカマトトぶった意見を鵜呑みにするわけにはいかぬ。
実際、彼は人間の心と記憶を電脳世界に移植できると考えていた。これは昔からあるアイデアであるし、人間の行動を電子的に模倣できるのなら、確かに原理的には自分と同じように考えるコピーを機械で再現できるだろう。
興味深いことに、これは非常に人の心に響くアイデアでもあるらしい。
最近も見たのである。遠い未来、人類は幾つかの種族に分かれているが、ひとつの種族は、自分の情報をコンピューターとネットの世界に移して、事実上、不死になった人類という設定
∧∧
(‥ )でも実際にはそんなことは
\‐ できないと
(‥ )可能ではあるんだろうな
問題はそれをしたら
人間はもはや
人間ではいられない
そこだよね
人間は例えば化学物質で心が影響を受ける。例えばアルコールで酩酊する。あるいはそもそも体内で作られる化学物質で行動が変る。考え方も変る。
思春期には思春期の行動と心がそれで決定されるし、あまりのストレスでおかしくなると鬱病とかになる。
人間の心は内臓など、諸器官からの作用と要請で作られている。人間の体はこのタンパク質を維持するように設定されている。つまり、心は肉体の影であり、ひいては物体が織りなす影でしかない。
∧∧
( ‥)電子の世界で人の心を
再現することは可能
でも物質から
切り離された以上
その心は模造している
だけでしかない
電子の世界で動作するには
なんの必然性もない
(‥ )タンパク質の世界では
タンパク質を
どう集めるのか?
それに応じて回路が
作られているのだ
対するに
電子の世界では電気や
メモリーを
どう集めるのか?
その要請に応じなければ
ならないわけだ
つまるところ、電子の世界でタンパク質世界のためのプログラムを走らせる。これはまったくの無駄で極めて不経済であろう。不経済である以上、それは淘汰されて消えることになる。それゆえ、残るのは人間のコピーから淘汰、進化した、なんかよく分からないものだ。それは人間の子孫ではあるが、人間ではない。電子世界の要請に従って形成された心である。必然、人間の心などもはや持っていないだろう。
∧∧
(‥ )フィギア集めや
\‐ アニメ鑑賞に該当することを
やってはいるのでしょうけどね
(‥ )ただ集めるものは
フィギアではないし
鑑賞するのもアニメでは
ないだろうな
何を集めるのかは知らない。電子の世界で生き抜くために適合した”野性的なプログラム”を模造したものを集めているのかもしれないし、それを見て喜ぶのかもしれない。
∧∧
( ‥)どっちみち
タンパク質の肉体から
金属とそれに維持された
ネットの体に移ったら
現在の心は破壊され
まるで違うものになる
趣味も欲望も
異なるものになる
(‥ )だが先のオタクな彼は
そうは考えなかった
いや他の人もそうなのだ
例えばの話
電脳世界に再現された
バーチャル空間で
現世の楽しみを無限に
謳歌出来ると考えたわけよ
これは、自分の心がタンパク質から金属に移し替えられても変化が起こらないという主張にほからない。端的に言えば肉体と精神が分離しているという主張だし、要するに魂の実在を前提にしているのだ。
つまり彼は根拠も無いまま自分のオタク魂の実在を信じたのである。口先でいくら神など存在しない、非科学的だと言い放っても、所詮はホモ・サピエンス。根拠も無い事柄を疑問を抱くこと無く信仰する。これはまさに我々種族の特徴であり宗教。
∧∧
(‥ )彼はオタクであった
\‐ 彼は我こそオタクの王者である
そう主張した
そして彼は自分の魂は
肉体から分離されても
変貌しないと前提した
(‥ )これはさ
言い換えるとさ
俺がオタクになったのは
肉体の要求や
地位や名誉ではなく
純粋に魂の要請に
従ったのみである
そういう主張なんだよな
ではそういう人の言う、オタクの啓蒙とはなんだろうか?
それは、
俺の熱い魂を語れば、お前たちはそれを必ず分かってくれる。
今のお前たちはいやしい肉体の要求に屈しているだけだ。だが高貴な魂がつむぐ言葉を聞かせ続ければお前たちは必ず変る。
オタクとは純粋な魂だけになった存在なのであるから
こういう主張ではなかったか?
∧∧
( ‥)だが実際にはそうではない
オタクもマニアも
単純に肉体的な
あるいは社会的な欲望で
動いているだけにすぎない
(‥ )だとすると結果はすでに
明らかなのだよね
情報を発信し続ける。
知識を普及させる。
こうして啓蒙し、そうして物を知っている人を増やし、ついには尊き魂を持つ真のオタクたちの王道楽土を築き上げよう。
こういった目論みと計画はすべてうまくいかない。
オタク啓蒙計画などというものはありえない。
そして、この失敗は宗教を信じる特異な猿、ホモ・サピエンスらしい拘泥と失態ではなかったか?
魂の存在を信じ、電子世界への自由を渇望しながら、ホモ・サピエンスとしての限界からは抜けられなかった。これは滑稽な話ではなかったか?
これはhilihiliのhilihili: オタクやマニアという言葉はただのごまかしであったの続き
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