自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年11月3日月曜日
掴みはオッケーだが飲み過ぎ注意
生命の歴史が教えるのはその99.9パーセントの種が滅びているということ。これは生き残りのサクセスストーリーとしての進化論とは異なる認識です。
これは例えばの話、最後は全員が引退するのだから野球選手の年俸は実力を反映していない、と言うに等しい。
野球の歴史が教えるのは選手の99.9パーセントが引退したということ。これは選手としての生き残りとサクセスストーリーという、一般的に信じられている野球観とは異なる現実です。と言うようなものである。
∧∧
(‥ )つまりあからさまに間違いだと
\‐
(‥ )だがこれは
本の抜粋とつかみ
キャッチコピーだ
掴みとしてはオッケーだな
よく出来てる
∧∧
( ‥)あなたはこれを
支持するの?
( ‥)まさか
‐□ 効果的な売り方と
商品の性能は別物だでな
例えば「がんは切らなくても直る!」「がんは医者に行く必要はない!」というタイトルの本は、掴みはオッケーであるし、非常に効果的だ。販売戦略として非常に良い。ベストに入る。
∧∧
(‥ )でも内容は
\‐ 間違っているどころか
殺人的だよね
というか殺しとるがな
(‥ )まあそういうことだ
売り文句と内容の性能は
関係ない
内容が悪い? いやあ、そもそも、客が望むものを売っただけなのだ。
金を出したのは誰か?
それは客である。
望んだのは誰か?
それは客なのだ。
∧∧
(‥ )需要があるんだよね
\‐
(‥ )”なぜ失敗したのか?
それはユーザーが
望まないものを
提供したからだ!”
そういう
言い様があるだろ?
ユーザーとやらが望むものを売るのはビジネスの基本である。これは当たり前だ。それからすれば以上のようなものを売るのも当然である。これはビジネスなのだ。もちろん、客からすれば金だけでなく、自分の人生も命も支払うはめになるが。だがしかし、これがビジネスであることに変わりはない。
買ったものに対価を支払うのは当然。
∧∧
( ‥)冒頭の本の話に戻ると
世の中の人は
競争にうんざりして
いるのですかね
( ‥)少なくとも
‐□ キャッチコピーとしては
それをほのめかす内容だな
みんな休みたいのだ
希望を持ちたいのだ
それを考えると掴みはオッケーである。
∧∧
( ‥)でも現実はそうじゃないでしょ
果てしない競争と
殺し合いが続くだけでしょ
(‥ )相田みつを...だったっけ?
スローガンを
”良いじゃない
人間だもの”
でしめくるる人がいたろ
∧∧
( ‥)あれがスローガンかよ
( ‥)あなたはそれで良いじゃない
‐□ これはスローガンだろ?
普通のスローガンと違って
鼓舞するわけでなく
どっちかというと
自己肯定系というか
お客を承認する系だがな
あれをものっすごく嫌う人もいるが、あれを喜ぶ人もいる。
だが多分、根っこは同じなのだ。
走らねばならぬときに、いいよ、今のままで良いじゃない、と言われたら、そりゃあ怒る人もいるだろう。
∧∧
( ‥)反対に
疲れ果てている人は
あれを読んで
ほっと一息をつくのだと
(‥ )でもみんな走るのを
止めたりしないだろ?
ああいうものを
真に受ける奴は
そうはいないよな
確かに、いることはいるのだ。
だがほとんどの場合、そうはしない。
皆知っているのだ。この世界はそういうことを許される場所ではないと。
冒頭のようなキャッチコピー、この世界の本質は生存競争ではない、運だ、という言葉に心を揺さぶられた人も、頭のどこかでは分かっているのである。この世界は競争と殺し合いが果てしなく続く実力本位で無味乾燥で容赦ない場所であると。運はあるが、それは大概、悪い目であると。逃げ場などどこにもないのだと。
そもそも、逃げ場がないから美しい言葉に手を伸ばしているだけなのだと。
∧∧
(‥ )一服の清涼剤ですか
\‐
(‥ )まあ、あまり
飲み過ぎない方が
良いだろうな
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