名。名を知られることは相手に存在自体を掴まれてしまうことである。
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( ‥)相手の真の名を知る、名を奪われる
それによって制御する、制御される
古典的に広くみられる呪法ですね
(‥ )だが結局のところ、名前というのは
単なるカテゴリーに関連づけられた
発音でしかないのだ。
∧∧
( ‥)ようするにあなた方の脳神経の中で
起きている便宜的な情報処理ですよ
( ‥)人間は自分の認識の通りに外部が
実在していると思っている。
だから名前で制御できると思うのだな
しかし、いかにそう思っていても
外部と認識は別物だ。
だが、人間は脳神経という枠組みから離れることができない。認識したがゆえに理解したと思い、ゆえに制御できると思い込んでいる。だから呪法が成立すると考える。だが、外部は外部、認識は認識。呪法それ自体には効果がない。
∧∧
( ‥)あなたは誰ですか?
すると答えて曰く、
I am I
(‥ )主語である私は目的語として私を
成立させることができる。
この答えはつまり、私なるものは
お前達、人の認識の枠外に
ある、そういうことだよね?
かつては便宜的な呼び名があったという。しかしその名もすでに失われて、もう誰も知らない。