以前、見た光景、トンビとカラスがバトル中。トンビは大きいが、カラスの方が旋回能力があるので通常、空中戦ではカラス優勢なるものの、今回はトンビとカラス、互角。しかしそこへさらに1羽のカラスと、どういうわけか周囲を根城にしているオオタカが参戦。3種族、4羽、三つ巴の大乱戦に
( ‥)悲しみのなーいー
自由な空へー
翼ーはためーかーせー♪
∧∧
( ‥)うーそーだー!!
均衡状態のなか、戦いは散会。
アーサー・ケストラーの「真昼の暗黒」を買う。
∧∧
( ‥)おや、小説を買うなんてめずらしいですね
( ‥)アーサー・ケストラーは
-□ ヨハネス・ケプラーに関する印象的な
本を書いていてね、その参考だ。
手隙な時に読む予定さね。
ケプラーの考えでは重力と慣性力が実際とは逆の役割をはたしていたが、そこには後のニュートンにつながる重力理論の萌芽が見られる、というのは
∧∧
(‥ )確かに、ケプラーさんの著作を
□- 読むと、その評価は正しいし
的を射ているように思えますね。
(‥ )アーサー・ケストラーの著作
「ヨハネス・ケプラー」がしばしば
引用されるのは、こういうこと
だろうね。薄いけども重厚な本でね
なかなかにすばらしい。
それにしてもアーサー・ケストラー。ずっと以前にもどこかで聞いた名前だよな、と思っていたら。
∧∧
( ‥)ケストラーさん、「サンバガエルの謎」の
作者ですよ。
(‥ )中学生ぐらいの時に本屋で手にして。
□- 「獲得形質? 何言ってるの??」
と思って買わなかったやつだわ。
∧∧
(‥ )ケストラーさんは小説家でジャーナリストで
□- いわゆるユダヤ人で、共産党に入って
スペイン内乱に参加して、共産党とスターリンに
失望して脱党して、ソ連内部での粛正を
題材にした「真昼の暗黒」でフランス共産党や
知識人から大バッシングを受けて..そういう
経歴みたいですね。
(‥ )興味深い。スペイン内乱に参加したのは
「1984年」のオーウェルと同じ(親交が
あったという)。スターリニズムとかに
絶望したのも同じ。ユダヤ人で共産党や
マルクスつながり、さらにはダーウィニズム
を批判しようとしたのはグールドと
ある程度、共通するわけだ。
これは面白い。
*注:グールドはしばしばガチガチのダーウィニストだと勘違いされるが、実際はまったくの逆。彼の理論や理解や主張は、ダーウィンやその後継者のものとは似ても似つかないなんか変なもの、というのが正しい。彼が否定した理論、斉一的で漸進的な進化、社会生物学、個体間どころか遺伝子の間でさえも起こる競合、さらには分岐学、これらすべてが結局は現在のスタンダードであって、このすべてにおいて彼が敗北したこと、マルクス主義者だったことは非常に印象的。
∧∧
( ‥)あの当時の知識人はなんとか
自由になりたい、と思った
そういうことでしょうか?
( ‥)血統によるレッテル貼りで絶滅収容所に
-□ 送られるかもしれない。そういう
体験や目撃をするとダーウィニズムや
遺伝的決定論を否定しないと、自分たちは
自由になれない。生存競争を否定しないと
自分たちは資本主義に圧殺される、そう
思い込むのかもしれないなあ。
∧∧
(‥ )自分たちでは品種改良で作った家畜や野菜を
□- 食べて生活しているのに、自分たちは遺伝子から
フリーダムだと考えるって妙じゃありません?
(‥ )だから人間は特別だって言い出す
のかもしれんね。端から見ると
ちょーごーまーん、なんだが。
すばらしい、なかなかに興味深い。実際、旧世代たちは自由になろうと見果てぬ夢を追いかけて、結局挫折しただけであった。大空の向こうにも自由はないし、そもそも羽ばたく翼さえ持っておらず、無理に持とうとしたらそれは無惨にへし折れた。実に痛快。
∧∧
( ‥)調べますか
( ‥)ああ、そしてかつての敗残兵たちを
-□ 粛々と埋葬しよう。
空を飛ぶなら、鳥のように、逃げるためではなく、生きるために飛ぶべし。