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2012年1月7日土曜日

ビザンチンを読む人々

 ビザンチン帝国(東ローマ帝国のこと)に関する本を図書館で借りた後、改めてamazonで発注。
 
 ふと、amazonの書評を見る
 
 ∧∧
(‥ )分かりづらい、知らない単語が出てくる
\-   接続詞がへん、日本語訳が奇妙
 
   (‥ )え? 読んだけども別にそんなこと
       なかったぞ?
 
 別の本と勘違いしているか、あるいは頭の出来が痛い人なのか、あるいは
 
 ∧∧
( ‥)分かりたいと思っていると
    見るべきなのか
 
   (‥ )分かりたい、というよりは
       オレ様なら分かるはず、と
       思い込んでいる、
       そう、言うべきじゃないかな?
 
 本を1冊、2冊、あるいは10冊読んだぐらいで物事が理解できるわけねえだろ。理解できると思い込んでいるとしたらゲロが出そうなくらい見通しが甘すぎる。
 
 ∧∧
(‥ )分かる、というよりも
\-   どうもこうらしい、という
     見通しがつく/ついた気になる
      そういうことですよね。
 
   (‥ )理解は仮説なのだ。
       ゆえに理解は絶えず検証する
        必要がある。
 
 どこぞの掲示板で、一冊ですべてのことが分かるように本は全部書いてあるべき、とかなりトンチンカンというか、あんた世界をなめ切ってるよね? と言いたくなるくらい甘っちょろい奴がいたのにも目眩がしたものだけども。
 
 あー、うん、言うのは勝手だけださ、数学のようなシンプルであいまいさがなく、文字なんていう無粋なものを最小限度に出来る学問でも、すべてを1冊にしたらどんな本になると思う? 手で持てないと思うよ。
 
 ∧∧
( ‥)でも意外と多いですね
  -□ ビザンチンの地図が載っていない、
    政治史しか書いてない、とか
    新書相手に色々な文句ですよ
 
   (‥ )1000円で買える新書に
       全部書いてあるわけねえだろ。
       引用文献1つだけでも何百ページも
       何巻もあるんだから。

 いやはや1冊、2冊読んで分かるはずという前提が無ければこんなたわ言は言いやしない。

 なんということだ、世の中には本を読めばすぐに物事を理解できると思い込んでる連中がごろごろしている。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、それが
    現実なんですが...

 
   ( ‥)学校のことを思い出すべき
     -□ 教科書すらまともに理解できない
       経験があるだろうに、自分が
       好きで手を伸ばした本で
       何が理解できると言うのだ
 
 *教科書には必要最小限なことしか載っていない。その教科書でさえひーひー言っているような人間が、教科書よりも簡単だろうと自分で自主的に手をのばした簡略化された本1冊で、知りたいことが書いてない、なんて文句を言うのは原理的におかしいだろ? という意味。
 
 
 ∧∧
( ‥)...まあ、引用文献ぐらいは目を
    通しなさいということですけどね
 
   ( ‥)たっかいんだよーこの手の引用文献は
     -□ 1冊何万もしたり、中古でしか
       手に入らなかったり、ページ数は
       むやみに多いし、英語版があるだけでも
       めっけもの、という場合もある。
 
 あー、うーん、以前こう言った奴がいた。
 
 読者? あんな連中にはフライドポテトでも放り投げておけばいいのさ。
 
 ∧∧
( ‥)安くて適当に感覚を刺激するもので
    なおかつ中身のないジャンクを
     与えれば喜ぶし、どうせそれで
     十分だろ? という意味ですね
 
    ( ‥)笑うに笑えんな
      -□
 
 だいたい、読んでいる本が1冊数千円以下、せいぜい1000円だってのは、知ろうとする気がまったく皆無か、それに近似であることの現れだ。教科書を読め、引用文献を手に入れろ、論文に目を通せ。もちろん、それだけでも数万、数十万がふっとび、そう簡単には歯が立たない。しかし安い本には安いなりに簡略化されたことしか書いていない。それで理解がうんぬんというのは、わずかな投資しかしていないのに、不当と呼ぶにふさわしいほどの暴利の要求だ。それは正当なビジネスではない。
 
 

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