水槽の中にいるイソギンチャクくん。最近はガラスにへばりついて、そしてだんだんと体が長く、楕円形になっていく。
ああ、また横分裂をする気だな、と観察していると体がだんだんと細長い楕円状に、さらに亜鈴状になり、今日の夕方には体の中央がみちみちと引きちぎれ始めた。
そして画材を買いに出かけて帰ってみると
∧∧
(‥ )2個体になってます。
゜。
(‥ )おー、完了したか。
それにしてもずいぶんと素朴で乱暴な分裂だ。
イソギンチャクの足(固形物にくっついている部分のこと)を付着面から見ると放射状の構造が見えるけども、それが体の両端に各々できて、そこからそれぞれの部分が別々の方角へ移動するようにして、そしてついにはちぎれるという感じ。
∧∧
( ‥)途中で胃が裂けて、貫通しちゃいますもんね。
(‥ )それこそ巾着袋を横にのばして
2つに裂いちゃうみたいなもんだもんなあ。
繊維状のものが見えたりするけど、あれは位置からすると胃の内部っぽい。いや、おい、人間で考えてみればどえらいことだ。痛くないんだろうか?
いやまあ、突っつけば体を丸めるようにイソギンチャクは回避行動をとるのだから、そういうことは分かるんだよね(当たり前かもしれないけど)。
では、さてもさても、体が千切れるようなことをしているのに、そこから回避行動をとらないとはこれいかに?
∧∧
( ‥)ゆーーーっくり力を加えると、
体が流れるよう伸びて、痛くもなく
自然とちぎれるとか?
(‥ )軟らかいので、長い時間をかければ
組織が流れるって寸法かい?
どうだろう。
あと不思議なのはほぼ同じサイズの2個体になっていること。
( ‥)力の入れ具合がこう、絶妙なのかね?
∧∧
( ‥)足がまず2つの同じサイズに分かれるので、
牽引力は一緒だとか?
いや、でも牽引する最大出力が同じだってことと、ある時点で牽引する出力が同じだってのはイコールじゃないよねえ?
(‥ )ちぎれるまでは神経がつながっているはずだから
タイミングや出力を均等にしているのかね??
∧∧
( ‥)考えてみればすごく器用ですよね。
ああん? すると素朴かつ乱暴な分裂という感想は誤りなのか?