昨日の神奈川県、中央では雷が鳴った。西部から雨とともにやってきたらしい。今朝は奇妙に涼しいけども、寒気だか冷気だかが入ってきたんだろうか。昨日は不安定だった天気も、今日は涼しい代わりにすっきりしてる。
さて、
ふと本屋にいったら温暖化懐疑論を唱える人の寄稿がある雑誌が眼についた。肩書きによると大学の教官らしい。
( ‥)というわけで買いました。
∧∧ -□
( ‥)なにゆえに?
今度の本でごく簡単にだけども温室効果に触れなくちゃいけないので。懐疑論者の人の意見も簡単に眼を通すにはいいかなと。
残念なるかな、懐疑論ってはいかなる分野のものであろうが、そのほとんどはどうしようもない(たいていの場合、オレ様に理解できないのだからそれは間違いに違いない、という程度の)シロモノ。
懐疑論で唯一、聞くに値するのは”現象を説明する同等かそれ以上の説明能力を持つ対案が示された”、場合であって、他は無視してかまわない。無視したところで、どうせ議論の行き着く先の”ぶれ”は、多分誤差の範囲内。
(‥ )そういう視点からするとこういう短い寄稿っていいね。
まとめられているから、知る必要もない細かい議論
を語られずにすむからな。
∧∧
( ‥)ああ、そういう。
とはいえ、その内容たるや。
∧∧
(‥ )ひどい内容です・・・・
□-
(‥ )ああ、温室効果のことを何一つ知らなくても
文章が破綻しているって分かるだろ?
どのくらいひどいかというと、「恐竜(鳥類を包含する)の大腿骨頭は90度の角度で寛骨臼にはまり込むから前後軸に回転する。ゆえに股割りができないし、ゆえに足の裏を外に向けることができない」というぐらいに文章が破綻。
あんたの中では名詞Aは名詞Bを包含しているのかもしれんが、まずはそのことを論証しないと、飛躍にしか聞こえないぜや。
∧∧
( ‥)でも文章やロジックが破綻している=答えが間違っているではないし
破綻していない=ゆえに答えが正しい、でもないですよね。
( ‥)そして言っていることのすべてが間違いでもない
-□ まあ、当たり前な話だけども。
確かにあの島はね。
時に人は懐疑するのは健全だうんぬんというが、大事なことを忘れちゃいませんかね。何か当たり前に知っている知識が妥当であることを論証すること、それがそもそも大変なことじゃございませんか。
∧∧
( ‥)テンナンショウとチューリップが単子葉植物と呼称される
単系統群に所属することを論証せよ。
(‥ )それは容易なこととは思えないねえ。
ある種の植物(複数)が単子葉植物であることは多くの人が知っていることかもしれないけども、ではそれを論証せよと言われたら何人が答えられる? 平行脈が共有派生形質だと言うは簡単だが、
∧∧
( ‥)テンナンショウのあれが平行脈なんですか?
(‥ )平行脈だと言えばそうだけどね、
しかし、私はあれを見るとひるみます。
当たり前の知識を論証することは簡単じゃあない。
当たり前の知識に懐疑を持つのは誰でもいつでもできる。問題は”懐疑論の懐疑そのものの妥当性”をどう論証するのか? であって、そうであるのなら、まず先に、”当たり前の知識をどう論証するのか”を知っていなければいけない。そしてそうであるのなら、懐疑論の論証過程は知る必要はない。妥当とされた仮説の論証過程を知っていればそれでよい。
∧∧
( ‥)それでもなお、知る必要が出てくるのは。
(‥ )同等の能力を持つ対立仮説が出現した時だね。